文芸(単行本)作品一覧

浪華古本屋騒動記
文芸(単行本)
古本屋と一口に言ってもタイプは色々。老舗、新興、ネット古書店。ある者は夢を追い、ある者は借金取りに追われる。商売が厳しくなる一方なのは皆同じ。目指すのは、面白くて金になること。面白くなければ大阪ではない。名物古書店の三代目が古地図を持ち出し、宝探しの号令をかけた。現状打開の一攫千金を狙って、若者、曲者、正直者の古本屋たちがそれぞれの特技を生かして、歴史に目を凝らし知恵を巡らせて動き出す。
舞台は現代の大阪。古本屋の商売は年々厳しく、ある者は借金取りに追われ、またある者はアルバイトで稼ぎしのいでいる。大きく稼げる古典籍というものは、歴史的な大火に何度も見舞われた大阪からはもはや出てくる筈が無い、というのが古本屋の間では常識となっている。
ところが、「お宝はあんねん」と名物古書店の3代目・高津は、遊郭の畳の下から見つけてきたという、マル描いていてチョンの古地図を振りかざして若い古本屋たちに号令をかけた。しかし、有名大学を出て親の後を継いだ桃神書房の啓太は来ずに風俗通いを噂され、チキチキ書房のチキは街金に手を出して、妻と元愛人に店を任せたまま行方が知れない。集まったのは、自分の店を持たずチキの店を手伝う心優しいムシカと、理香子の二人だけ。東京で働く理香子は大阪に出張で来ており、行末に悩みを抱えている。小学校時代同級生だった理香子に、啓太もムシカも思いを寄せていた。
高津の読みどおり、大阪のどこかにお宝は眠っているのか? 古本屋たちは智恵を巡らせ、それぞれのやり方でお宝探しを始める。

二度寝とは、遠くにありて想うもの
文芸(単行本)
あの『やりたいことは二度寝だけ』がパワーアップしてかえってきた!布団に感謝して話しかけたり、落ち込んだら編み物に没頭したり、「女子会」「いい歳」「打明け話」など、“言葉”について考えたり、「一人ごはん」や「無縁死」について考察したり……どこにいても知らない人に道をきかれるという自称「気安い顔」の庶民派、芥川賞作家が綴る、味わい深くてグッとくる大人気日常エッセイ集第二弾。
大人気エッセイ、『やりたいことは二度寝だけ』がパワーアップしてかえってきた!
もっと笑えて泣ける、日常エッセイ集第二弾!
布団に感謝して話しかけたり、落ち込んだら編み物に没頭してみたり、「女子会」「いい歳」「打明け話」など、“言葉”について考えたり、「一人ごはん」や「無縁死」について考察したり……どこにいてもすぐ知らない人に道をきかれるという自称「気安い顔」の庶民派、芥川賞作家が綴る、味わい深くてグッとくる日々のエッセイ集第二弾。
1 となりの乗客の生活
2 現代のことばについて考える
3 溺れる乗客は藁をもつかむ
4 素人展覧会(第一期)
5 ソチとブラジル、その鑑賞と苦悩

メフィスト 2015 VOL.1
文芸(単行本)
西尾維新『掟上今日子の密室講義』『人類最強の求愛』 新連載 あさのあつこ『さいとう市立さいとう高校野球部 おれが先輩?』 川西ノブヒロ シリーズ短編 篠田真由美『誰がカインを殺したか』 三津田信三『誰かの家』 柚月裕子『心情的にあり得ない』 強力連載 中山七里『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』 竹本健治『涙香迷宮』 道満晴明 マンガ『スーサイド・パラベラム』 他
「最速」の白、「最強」の赤、豪華二作掲載!
西尾維新『掟上今日子の密室講義』『人類最強の求愛』
新連載 あさのあつこ『さいとう市立さいとう高校野球部 おれが先輩?』 川西ノブヒロ マンガ『いい百鬼夜行』
読切小説 三津田信三『誰かの家』 柚月裕子『心情的にあり得ない』
シリーズ短編 篠田真由美『誰がカインを殺したか 桜井京介returns』 大倉崇裕『ヤギを愛した容疑者』
強力連載 竹本健治『涙香迷宮』第2回 恩田陸『八月は冷たい城』第5回
新堂冬樹『ホームズ四世』第7回 中山七里『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』第3回
道満晴明 マンガ『スーサイド・パラベラム』
喜国雅彦『本格力』
国樹由香『本棚探偵の日常』 他

鳴夜
文芸(単行本)
大晦日までの僅かな期間、日没とともに開き、日の出とともに閉まる、謎に包まれた市「細蟹の市」。手に入らないものはないといわれ、人々の欲望と幻想が妖しく交差する――。たった一人の市守り・サザによって守られ、永遠に続くと思われていたこの異形の市だったが、ある人物の来訪によって少しずつ破滅へと向かい始める……。
大晦日までの僅かな期間、日没とともに開き、日の出とともに閉まる、謎に包まれた市「細蟹の市」。
手に入らないものはないといわれ、人々の欲望と幻想が妖しく交差する――。
たった一人の市守り・サザによって守られ、永遠に続くと思われていたこの異形の市だったが、ある人物の来訪によって少しずつ破滅へと向かい始める……。

空想東京百景<V3>殺し屋たちの墓標
文芸(単行本)
暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬莱樹一郎に襲いかかる、妖しげな〈怪異〉の罠!奇妙で幸福な〈殺し屋たちの休暇〉はあっけなく終わり、彼が歩いた〈道〉は〈殺し屋たちの墓標〉で彩られていく。すべては殺人序列者〈No.1〉の計算通りか? それとも、呪われた〈魔銃遣い〉自身の運命か?──妖艶の魔女もまた、熱い鉛にのたうって死んだ!
「この拳銃が、オレと二人の女の渡航許可証だ!」
〈呪詛爆弾〉投下によって改変された戦後──。
昭和三十年代の平行世界〈東京〉で殺し合う〈異能者〉たちの末路!
暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬莱樹一郎に襲いかかる、妖しげな〈怪異〉の罠!
奇妙で幸福な〈殺し屋たちの休暇〉はあっけなく終わり、彼が歩いた〈道〉は〈殺し屋たちの墓標〉で彩られていく。
すべては殺人序列者〈No.1〉の計算通りか? それとも、呪われた〈魔銃遣い〉自身の運命か?
──妖艶の魔女もまた、熱い鉛にのたうって死んだ!

偽詩人の世にも奇妙な栄光
文芸(単行本)
吉本昭洋は中学2年の時、詩に出会った。教科書に載っていた中原中也の詩だった。以来彼は、詩を愛するようになり、生活の大半を詩に捧げるようになった。しかし、彼は詩を作らなかった。いや、作れなかったのだ。詩を愛しながら、詩作の才能の欠如を自覚した彼は、大学卒業後、商社に入社し、ビジネスマンとして世界各国を渡り歩く生活を送ることになった。しかしその後、出張先のニカラグアで、ある衝撃的な事件に遭遇する……。

夏のおわりのハル
文芸(単行本)
夏休みが終わってバスに乗ったら、彼女に子供ができて電車に乗ったら、世界が少し変わっていた――。
中学三年生のハルと、小さなデザイン事務所で働くダイチ。気がつくと二人は、いつもと「少し違う」世界に迷い込んでいた。白いうさぎ、奇妙な双子、会えない手品師、水色のワンピースの女……不思議でどこかなつかしいこの世界に、二人はこのままいたいのか、抜け出したいのか。
あの日、何かができたのかもしれない。追憶が導く、過去と未来を繋ぐ“夢の中”。
一作ごとに違う風景を見せてくれる実力派作家の待望長編。

家康の遺言
文芸(単行本)
家康が信じたものは何だったのか。石川数正、鳥居元忠、渡辺守綱らら忠臣たちや、千姫から見た家康の姿から浮き彫りになる人間・家康を描く短編集。家康の最期に迫った「家康の遺言」は、これまでの家康像を覆す、読み応えのある力作。信康を自害させたのは果たして信長だったのか、忠輝を遠ざけた本当の理由は? 家康にまつわる様々な謎がここで明らかに。
「時には泥をかぶり、身内を死に追いやってでも太平の世をつくらねばならぬ」
元和二年、最晩年の家康は癪に悩まされながら、家内の安寧に心を砕いていた。床に入ると、家康に様々な怨みをもつ者たちが入れ替わり立ち替わり現れる――(表題作)。
ほか、石川数正、鳥居元忠、渡辺守綱らら忠臣たちや、千姫から見た家康の姿から浮き彫りになる人間・家康を描く短編集。
逢坂の難関 〈石川数正〉家康の元から逐電して秀吉の家臣となった苦労人
不死身の月 〈鳥居元忠〉三河武士の剛胆さと優しさを備えた家康の絶対の忠臣
二人の半蔵 〈渡辺半蔵〉服部正成と名コンビで「槍の半蔵」と呼ばれた猛将
千の貝合わせ〈千姫〉 7歳で秀頼と結婚して豊臣側に。乱世に翻弄された姫君
家康の遺言 〈徳川家康〉最期の三か月。脳裡を駆け巡る気懸かりあれやこれや

黒野葉月は鳥籠で眠らない
文芸(単行本)
15歳の少女にわいせつな行為をさせたとして21歳の元家庭教師が逮捕された。被疑者の大学生は何かを諦めたように本心を話さない。頭を抱える新米弁護士の前に現れた黒野葉月――被害者の高校生は、やがて途轍もない行動を起こす。予測不能の事件の行方。法の奥深くへ分け入り、新米弁護士木村と先輩高塚のコンビが知る、四つの秘密。実力派新人が放つ、鮮烈な読後感の表題作を含む連作リーガル・ミステリ!
ただ、覚えておけばいいよ。
絶対に欲しいものが決まってる人間が、
どれだけ強くて、怖いものかを。
15歳の少女にわいせつな行為をさせたとして21歳の元家庭教師が逮捕された。被疑者の大学生は何かを諦めたように本心を話さない。頭を抱える新米弁護士の前に現れた黒野葉月――被害者の高校生は、やがて途轍もない行動を起こす。
法の奥深くへ分け入り、新米弁護士木村と先輩高塚のコンビが知る、四つの秘密。予測不能の事件の行方。
加害者も、被害者も――相談者たちは、一様に何かを隠している。
実力派新人が放つ、鮮烈な読後感の表題作を含む連作リーガル・ミステリ!

大奥の座敷童子
文芸(単行本)
ときは一八五四年、徳川家定十三代将軍の時代。14歳の今井一期は、江戸城大奥に潜入し、座敷童子を連れてくるよう命じられる。仲良しの御次“茜”、伊賀者同心の”唐次”、枕絵の妖怪“サダさん“、人が死ぬと泣く妖怪”泣きジジさま”、妙にイチゴになつく犬・猫・狆たちなど、個性ゆたかな面々に囲まれて、イチゴは大奥と江戸の街を駆けまわる。はたして座敷童子の正体とは?
柔らかく、楽しく! お江戸で包み込んでくれる物語です。ーー畠中恵(作家)
泣けて、笑えて、ほっこりできる物語は、すべての読者の期待に応えてくれる。――末國善己(書評家)
ときは一八五四年、徳川家定十三代将軍の時代。
野笛藩一の美女・14歳の今井一期は、江戸城大奥に潜入し、野笛出身の座敷童子を連れ戻してくるよう命じられる。仲良しの御次“茜”、伊賀者同心の”唐次”、枕絵の妖怪“サダさん“、人が死ぬと泣く妖怪”泣きジジさま”、妙にイチゴになつく犬・猫・狆たち、そして厳しく恐ろしい御年寄りの”嵐山”など、個性ゆたかな面々に囲まれて、イチゴは座敷童子を探す。
噂がとびかう大奥と秘密あふれる江戸の街を駆けまわり、イチゴが知った座敷童子の正体とは?

居酒屋ふじ
文芸(単行本)
キャラクターの「おやじ」高橋俊男と小気味よい包丁の音で彼を支える料理担当の「お母さん」高橋光子が二人で深夜まで営んでいる。そこには中日ドラゴンズの立浪和義が2000本安打を達成したバットが飾られている。なぜ、ここに。アルバイト帰りにふと訪れた「僕」はその謎を探ろうと、おやじの話に耳を傾けるのだが……。なさそうでありそうな、路傍のおやじが生きた八十余年が、僕たちの生きる道を照射する。
1983年、目黒区蛇崩に一軒の店ができた。店名『居酒屋ふじ』。強烈なキャラクターの「おやじ」高橋俊男と小気味よい包丁の音で彼を支える料理担当の「お母さん」高橋光子が二人で深夜まで営んでいる。そこには中日ドラゴンズの立浪和義が2000本安打を達成したバットが飾られている。なぜ、ここに。アルバイト帰りにふと訪れた「僕」はその謎を探ろうと、おやじの話に耳を傾けるのだが……。
戦後と昭和とバブルと平成。なさそうで、ありそうな、路傍のおやじが生きた八十余年が、僕たちの生きる道を照射する。

ただいまラボ
文芸(単行本)
研究のために鹿の耳を刻み続ける!?実家が動物病院という学生が多い!?就活先はペット保険会社!?研究室でカビが生えたら大騒ぎ!?バイト先はもちろん動物病院!?……理系の青春はこんなに面白い!獣医学科で動物たちの生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、瑞々しい文章でリアルに描く、現役大学院生作家による青春小説。
「シカミミ!」獣医学科の分子生物学研究室に入った太一を待っていたのは、実験用の鹿の耳を切り刻み、彼女とすれ違い続ける毎日だった……
「ナツジツ!」夏休みに実家の動物病院に帰省した東は、十年ぶりに子連れで帰ってきた、元ヤンキーの姉の姿に驚愕するが……
「ネガコン!」就活中の新倉は、インターン先のペット保険会社で呑気すぎる学生たちとの共同作業に苛立ちが募るばかり……
「コンフル!」何でも器用にこなしてきた透は、余裕のはずの卒業論文で追加実験を命じられ、合コンで出会った子とも上手くいかず……
「ブンセイ!」5年生になったミカは、大学の実験と動物病院でのバイトで、続けて初めて動物の安楽死の現場に立ち会って……
理系の青春はこんなに面白い!
獣医学科で動物の生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、現役大学院生の著者が瑞々しい文章でリアルに描く青春小説。

東京美女散歩
文芸(単行本)
2007年より隔月連載されていた「東京美女散歩」、ついに書籍化!安西水丸さん自らが東京を歩き回り書いたエッセイと、イラストレーションは安西さんならではの視点から描かれたファン必見・必読の1冊
2007年2月号より「小説現代」で隔月連載されいてた「東京美女散歩」をこのたび、刊行。
2014年3月、急逝された安西水丸さん。
安西さん自ら歩いて見て、聞いて、感じた東京。東京のど真ん中、赤坂生まれの安西さんならではの視点が随所に感じられるエッセイ集です。唯一無二のちょいゆる、そしてニヒルでシニカルなイラストレーションも必見。
全44回を完全収録。

黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子
文芸(単行本)
大阪府警の刑事となった神木恭子は、着任早々殺人事件の捜査本部に配属される。捜査は、偶然関わった老人、安本恒吉から解決の糸口が見つかり、乾義男が容疑者として浮上。神木らは、義男を逮捕するため立ち寄り先に向かうが、現場には他殺体が。義男は二件の殺人容疑で逮捕される。義男は一件目の犯行は認めるが、二件目については否認した。時を同じくして、恒吉の自宅の床下から嬰児を含む死体七体が発見される――!?
24歳の神木恭子は、大阪府警長田署、交番勤務を経て強行犯係の刑事となった。着任早々殺人事件の捜査本部に配属される。捜査は難航し、本部解散の声が聞かれ始めたとき、偶然にも神木と関わった老人、安本恒吉から事件解決の糸口が見つかり、乾義男が容疑者として浮上する。神木らは、恒吉の孫娘のリサと逃走した義男を逮捕するため立ち寄り先に向かうが、現場には他殺体があり、義男は二件の殺人容疑で逮捕される。義男は一件目の犯行は認めるが、二件目については否認。神木は行き場のないリサを自宅に連れ帰る。そして独自に捜査した結果、義男の自白に信憑性があると判断する。
時を同じくして、恒吉の自宅の床下から男女の三死体と嬰児の死体四体が発見される。そして、二つの事件は奇妙に絡み合っていく――。

誰も書けなかった「笑芸論」 森繁久彌からビートたけしまで
文芸(単行本)
森繁久彌の横の家に生まれ、森繁宅の庭の柿を盗み、子犬まで捨ててしまった少年時代。日大落語研究会で森田芳光の先輩として飲み歩いた日々。塚田茂に弟子入りし、毎週続く「ドリフ」の地獄の会議。「浅草にすげぇ奴がいる!」と出会ったビートたけしと伝説の「オールナイトニッポン」まで。すべて出会った喜劇人たちとの交流と芸論。書き下ろし「東京の笑芸私史」では、東京と笑いを立体的に描き出す体験的笑芸六十年史。
「笑い」と共に生きてきた伝説の放送作家だからこそ、ここまで書けた!森繁からたけしまで、その伝説のすべてを晒す「体験的笑芸論」
第一章 「体験的・笑芸六〇年史」
森繁久彌の横の家に生まれ、森繁氏の庭の柿を盗み、子犬まで捨ててしまった少年時代。日大落語研究会で森田芳光の先輩として飲み歩いた日々。塚田茂に弟子入りし、預けられた「ドリフ」の毎週続く地獄の会議。
森繁久彌、三木のり平、青島幸男、渥美清、林家三平、永六輔、古今亭志ん朝、森田芳光、立川談志、三波伸介、景山民夫、大滝詠一、坂本九
番外編 脱線トリオ、クレイジーキャッツ、コント55号、ザ・ドリフターズ を収録。
第二章 「ビートたけしと笑芸の夜明け」
「浅草にすげぇ奴がいる!」という噂を聞きつけ足を運んだ浅草で出会ったビートたけし。その出会いから伝説の「オールナイトニッポン」まで。笑いの歴史を塗り替えた瞬間を、その横で「バウ、バウ!」と目の当たりにした著者がすべて語る。
第三章 「東京の笑芸私史」
東京の笑いの中心・有楽町日劇ホール。戦後の「笑い」から現在の東京の「笑い」への系譜を、場所と出来事・人を縦横に繋ぎ浮かび上がらせた、私的笑芸六十年史。

空想東京百景<V2>殺し屋たちの休暇
文芸(単行本)
〈呪詛爆弾〉投下によって改変された戦後──。昭和三十年代の平行世界〈東京〉を生きる〈異能者〉たちの死闘!殺人序列者が殺しの技を競う〈組織〉で暗殺任務に失敗した〈魔銃遣い〉蓬莱樹一郎に処刑の指令が下った。運命の分岐点に立つ彼の前に訪れたつかの間の休息、奇妙な〈殺し屋たちの休暇〉──。暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬莱の運命を操るのは、魅惑の美少女か? 妖艶の魔女か?
これこそは、虚構と真実を〈都市〉という混沌へ叩き込み、
無限の夢幻世界を創り出す、圧倒的〈伝綺〉活劇──待望の復活!
〈呪詛爆弾〉投下によって改変された戦後──。
昭和三十年代の平行世界〈東京〉を生きる〈異能者〉たちの死闘!
殺人序列者が殺しの技を競う〈組織〉で暗殺任務に失敗した〈魔銃遣い〉蓬莱樹一郎に処刑の指令が下った。運命の分岐点に立つ彼の前に訪れたつかの間の休息、奇妙な〈殺し屋たちの休暇〉──。
暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬莱の運命を操るのは、魅惑の美少女か? 妖艶の魔女か?

時穴みみか
文芸(単行本)
小学六年生の美々加は、バツイチ独身のママ・菜摘と二人暮らし。大好きなママに熊田剛という恋人ができてから、美々加は道草をして、わざと帰りを遅らせるようになった。十二歳の誕生日まであと5日という放課後、黒猫のあとをつけ、巨木の根元の空洞をくぐり抜けた美々加は、知らない家で目を覚ました。くみ取りトイレとダイアル式電話。見知らぬ家族に「さら」と呼ばれ、パニックになる美々加だったが……。
小学六年生の美々加は、バツイチ独身のママ・菜摘と二人暮らし。最近は保健室の神田先生に宝塚のレビューの動画を見せてもらうのが楽しみだ。大好きなママに熊田剛という恋人ができてから、美々加は道草をして、わざと帰りを遅らせるようになった。十二歳の誕生日まであと5日という放課後、黒猫のあとをつけ、巨木の根元の空洞をくぐり抜けた美々加は、知らない家で目を覚ました。くみ取りトイレとダイアル式電話。見知らぬ家族に「さら」と呼ばれ、パニックになる美々加。わたしは「さら」じゃなくて「みみか」。いったいここはどこ? この人たちは誰?

かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。
文芸(単行本)
今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。きみがぼくに使うかわいいという言葉が、ぼくを軽蔑していない、その証拠はどこにあるんだろう。好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだと、いつだってきみは、怒っている。ぼくは、きみを好きでも嫌いでもないまま、優しくありたい。かすかな、死の気配でありたい。
詩集『死んでしまう系のぼくらに』で世界を震わせた、
今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。
少女たちは、いつだって青春を戦っている。
==============================
きみがぼくに使うかわいいという言葉が、ぼくを軽蔑していない、その証拠はどこにあるんだろう。好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだと、いつだってきみは、怒っている。ぼくは、きみを好きでも嫌いでもないまま、優しくありたい。かすかな、死の気配でありたい。
愛情で語れる友情は、ただの代替品でしかない。
きみが孤独なふりをするあいだ、ぼくはきみと友達でいる。光る波がおしよせて、ひいていく。きみの足首がぼくと同じで、ただそこにあることを、だれにも証明ができない。
孤独になれば、特別になれると、思い込むぼくらは平凡だ。制服がかろうじてぼくらを意味のあるものにしてくれる。
きみは、どんな大人になるかな。
あたりさわりのない、この世にいてもいなくても変わりない、誰かになるのかな。
幻滅が存在しないのは、友情だけだよ。海が告げる。きみは立っている。
ぼくの友達。
(詩・最果タヒ)
==============================

幸福に死ぬための哲学――池田晶子の言葉
文芸(単行本)
悩むな、考えよ。混迷の時代を照らす、ゆるぎない言葉がここにある。
日常の言葉で哲学の核心を伝え、「哲学エッセイ」という新たな分野を拓いた池田晶子氏。累計30万部のロングセラー『14歳からの哲学』をはじめ、その著作は没後8年を迎える今なお、人生を真摯に考える読者から熱い支持を受けて読み継がれています。本書は、池田氏の著作の中から、目まぐるしく移り変わる時代の中で、私たちが物事を正しく考え、よりよく生きるための指針となる言葉を11のテーマ別に精選し、1冊にまとめた「言葉集」です。時を超えて変わらない真理と、人の世への洞察にみちた池田晶子の言葉を、今こそぜひ味わってください。

刑事群像
文芸(単行本)
路上で発見された女性の全裸遺体。捜査一課七係強行班が動き始める。被害者は経営コンサルタントの坂上実咲。その名前は刑事たちに、二年前の痛恨の記憶を呼び起こす。被害者の身辺を洗う中、二年前の事件で辞職した元刑事・沢崎の名前が挙がった。やがて捜査一課は、中本班・強行班の二班合同体制をとる。被害者の周囲に蠢く人間と欲望、刑事たちの思惑と記憶。警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作!
大田区の路上で発見された女性の全裸遺体。殺人事件として捜査一課七係強行班が動き始める。被害者は経営コンサルタントの坂上実咲。その名前は、捜査一課に二年前の痛恨の記憶としてのこる「金融ブローカー殺害事件」を呼び起こした。
被害者の身辺調査を進める中で、二年前の事件をきっかけに辞職した捜査一課中本班の元刑事・沢崎の名前が挙がった。
奔放な被害者の異性関係、捜査は難航する中、捜査一課は、中本班・強行班の二班合同体制をとる。
愛人の会社社長、山代組、ホスト、婚約者、覚醒剤の売人……被害者のまわりに蠢く人間たちと欲望、刑事同士の思惑……、二年前の記憶と闇に消えたもの。
女が最後まで守り続けた光とは。
刑事たちは、何を求め、何を探し続けるのか。警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作!
警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作!