文芸(単行本)作品一覧

つよく結べ、ポニーテール
つよく結べ、ポニーテール
著:朝倉 宏景
文芸(単行本)
今日、プロ野球の歴史が変わる! 鳥海真琴、23歳。プロのマウンドに立つ初めての女子投手。その過去に秘められた光と闇――全力で綴られる感動の物語!真琴は小学校で出会った少年と約束する。プロ野球選手になる――。中学時代に身につけたシンカーを武器に、高校野球の世界に殴り込み。待っていたのは、公式戦にも出られない、マネージャー兼任の日々。彼女はいかにして現実を乗り越え、奇跡を起こしたのか? 今日、プロ野球の歴史が変わる! 鳥海真琴、23歳。プロのマウンドに立つ初めての女子投手。 その過去に秘められた光と闇――全力で綴られる感動の物語! 子供の頃の夢は魔法少女。3歳からバットを握りはじめた真琴は、小学校で出会った少年と約束する。プロ野球選手になる――。 中学時代に身につけたシンカーを武器に、高校野球の世界に殴り込み。だが、待っていたのは、練習についていくので精一杯、公式戦にも出られない、マネージャー兼任の日々。 彼女はいかにして現実を乗り越え、奇跡を起こしたのか? 小説現代長編新人賞出身の新鋭、魂の第3作。 今度の青春も野球……そして女子! カバーイラストは『高校球児ザワさん』の三島衛里子さん、渾身書き下ろし!! 「ポニーテールを一回ほどいて、ゴムを口にくわえながらふたたび髪を結び直す。 額やこめかみの皮膚が引っ張られて、心に立ったさざ波がすぅーと静まっていくのと同時に、一気に集中力が高まっていくのを感じた。 これがもしかしたら、私の「ピッチャーになります!」というスイッチなのかもしれない――」(本文より)
メフィスト 2014 VOL.3
メフィスト 2014 VOL.3
編:講談社 文芸シリーズ出版部
文芸(単行本)
西尾維新、読切中編「人類最強の熱愛」、本多孝好「君の隣に」最終回、中山七里「恩讐の鎮魂曲(レクイエム)」など掲載!
それでも前へ進む
それでも前へ進む
著:伊集院 静
文芸(単行本)
2000万人が泣いた伝説のエッセイ、待望の書籍化! めぐる季節とともに思い返す、家族、友、仕事、人生――。JR東日本の車内誌「トランヴェール」の歴代人気No.1連載「車窓に揺れる記憶」がついに単行本化!120万部突破の国民的ベストセラー『大人の流儀』シリーズから連なる、小説家・伊集院静の真の魅力満載。悩み、迷い、立ち尽くす――それでも前へ進むための、すべての大人たち必読の一冊! 2000万人が泣いた伝説のエッセイ、待望の書籍化! めぐる季節とともに思い返す、家族、友、仕事、人生――。 誰よりも多くの出会いと別れを経験した著者だから語れる、苦みと優しさに満ちた魂のメッセージ。 JR東日本の車内誌「トランヴェール」の歴代人気No.1連載「車窓に揺れる記憶」が、三年半の時を経てついに単行本化! 120万部突破の国民的ベストセラー『大人の流儀』シリーズから連なる、小説家・伊集院静の真の魅力満載。 悩み、迷い、立ち尽くす――それでも前へ進むための、すべての大人たち必読の一冊!
書きたいのに書けない人のための文章教室
書きたいのに書けない人のための文章教室
著:清水 良典
文芸(単行本)
「書けない」悩み、解決します!「書くことがみつからない」「どう書けばいいか分からない」「文章がまとまらない」…評論家・教育者として30年来活躍する文章指導の達人が、様々な「書けない理由」を解きほぐし、解決法を伝授します。豊富な文例を交えながら「自分らしい文章」を書くコツと歓びを伝える、大人のための文章入門。 「書けない」悩み、解決します!「書くことがみつからない」「どう書けばいいか分からない」「文章がまとまらない」…そんなあなたに、「自分らしい文章」を書く歓びをガイドする、大人のための文章入門! 活字離れといわれながら、「書きたい」人は減りません。仕事をリタイアし、家事から手が離れて自分の時間を手に入れ、「これからは、自分も文章を書いてみたい」と願う人も多いでしょう。ところが、書きたい気持ちは満々なのに、いざ書こうとすると思ったように書けない、という壁にぶつかる人が少なくありません。 本書は、評論家として活躍する一方、30年来大学やカルチャースクールで文章講座を続けてきた著者が、主に自分と同世代の「書きたいのに、書けない」文章初心者に贈る文章入門。「書けない理由」を解きほぐし、誰もが自分らしい文章を書けるようになるための、6段階のレッスンをまとめました。わかりやすく魅力的な文例を参照しながら、「自分らしい文章」を書くコツと歓びを伝える、大人のための文章講座です。
電子あり
しょっぱい夕陽
しょっぱい夕陽
著:神田 茜,装画:なかむら るみ
文芸(単行本)
媛谷もえぎは半年前から落語家・春風亭星也に夢中。職場で辛いことがあっても、いつか星也と結婚する日を夢見ていれば何も怖くない(「もえぎの恋」)。教師の野瀬は、女子生徒たちに恋愛感情を抱かせてしまう自分に思い悩むが――(「かみふぶきの空」)。仕事も恋愛も現役まっただ中、家庭や人生設計は問題だらけ、でも心はあの頃のまま――。話題作『ぼくの守る星』著者による、48歳年女・年男たちの5つの奮闘! 公務員の佐藤は家を建てたし、息子も立派に育った。でも、結婚生活20年目にして妻が浮気をしている。そんな中、勤め先の役所に、中学生のとき憧れていた田村和歌子が相談に訪れて……。(「エフの壁」) 保育士の媛谷もえぎは、半年前から落語家・春風亭星也に夢中。クレーマーの保護者から理不尽に怒鳴られても、若い保育士に陰口を叩かれても、星也と結婚する日を夢見ていれば、何も怖くなんかない。(「もえぎの恋」) 中学校教師の野瀬は元教え子の妻から、家でも「先生」と呼ばれている。ある日の帰り道、卒業生の美和子に鉄パイプで襲われ負傷した。野瀬は女子生徒に恋愛感情を抱かせてしまう自分に思い悩むが……。(「かみふぶきの空」) 酸いも甘いも知っている。でも自分のことは、おぼつかない。 話題作『ぼくの守る星』著者による、48歳年女・年男たちの5つの奮闘!
TATSUMAKI 特命捜査対策室7係
TATSUMAKI 特命捜査対策室7係
著:曽根 圭介
文芸(単行本)
鬼切壮一郎は新人刑事として捜査一課に配属になる。「未解決事件」を専門に扱う特命対策室だった。配属初日、壮一郎は早速、辰巳麻紀主任と本所東署に向かった。岡田という窃盗の容疑者が、5年前に起きた失踪事件をネタに、量刑の取引を持ち掛けてきたのだ。小久保清二が突然姿を消し、兄の亮一が疑われた事件。当初、殺人犯捜査係が捜査に当たったが、亮一と失踪を結びつけることはできず、3か月後に捜査は終了していた……。 鬼切壮一郎は新人刑事として捜査一課に配属になる。一課といっても殺人捜査係ではなく、「未解決事件」を専門に扱う特命対策室だった。配属初日、壮一郎は早速、辰巳麻紀主任と本所東署に向かった。岡田という窃盗の容疑者が、5年前に起きた失踪事件をネタに、量刑の取引を持ち掛けてきたのだ。事件とは、小久保清二が突然姿を消し、兄の亮一が殺人犯として疑われた事案を指す。通常、成人男性が失踪しただけでは警察は動かないが、清二の妻が亮一を犯人だと訴えたことと、亮一が現役の刑事であったことで、殺人犯捜査係が捜査に当たることになった。が、亮一と失踪を結びつけることはできず、3か月後に捜査は終了している。岡田は、清二がヤバい仕事に手を出して消されたのだというが……!?
折口信夫
折口信夫
著:安藤 礼二
文芸(単行本)
日本の知の結晶ともいうべき折口信夫。文学、民俗学のみならず、その広大なる表現領域は他の者を圧巻し、全貌を掴むことが不可能とされてきた。そこに、切り込んだ安藤礼二の『折口信夫』。この本を読めば折口の全体像がわかり、この本を読まずして折口を語るなかれと、後世の評価を受けることは確実である。起源・言語・古代・祝祭・乞食・天皇・神・宇宙と題された章──これを追うだけで心が打ち震えるではないか。 日本の知の結晶ともいうべき折口信夫。文学、民俗学のみならず、その広大なる表現領域は他の者を圧巻し、全貌を掴むことが不可能とされてきた。 そこに、切り込んだ安藤礼二の『折口信夫』。この本を読めば折口の全体像がわかり、この本を読まずして折口を語るなかれと、後世の評価を受けることは確実である。 起源・言語・古代・祝祭・乞食・天皇・神・宇宙と題された章の数々──これを追うだけで心が打ち震えるではないか。 さらには、折口とアイヌや台湾を論じた列島論、西脇順三郎、井筒俊彦、平田篤胤と折口を研究した詩語論をも付記した世界に冠たる大著である。
電子あり
「偽物語」PremiumアイテムBOX
「偽物語」PremiumアイテムBOX
著:西尾 維新,絵:VOFAN,絵:渡辺 明夫,絵:ウエダ ハジメ
文芸(単行本)
『「化物語」PremiumアイテムBOX』に続くBOX企画第2弾、 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』の発売が決定! 今回、同梱アイテムとして「忍野忍」が待望のねんどろいど化! 「偽物語」よりお馴染みとなった白いワンピース姿に、大きな麦わら帽子は着脱が可能となっています。 表情は「通常顔」の他、ドーナツパーツと相性の良い「頬張り顔」と吸血鬼らしい「ニヤリ顔」が付属。 忍の大好物である「ドーナツ」は様々なバリエーションをご用意! また、妖刀「心渡」は劇中イメージに合わせて長大サイズで再現しております! その他、西尾維新書き下ろし短々編、VOFAN・渡辺明夫・ウエダハジメ描きおろしイラストを使用したグッズなどなど、 前回よりボリュームアップした内容でお届け!
風の如く 吉田松陰篇
風の如く 吉田松陰篇
著:富樫 倫太郎
文芸(単行本)
激動の時代・幕末。武士の子でありながら篠目村で農作業をさせられている平九郎はある日、ひょんなことをきっかけに松下村塾に入る。それは同時に、吉田松陰、高杉晋作、久坂玄瑞など、歴史に名を残す傑物たちとの出会いを意味していた。松陰に学ぶうちに平九郎は、日本の未来を見据えるようになる。波乱の時代に生まれた若者たちは何を考え、どう生きたのか。大ヒット「軍配者」シリーズの著者・富樫倫太郎による新たな青春小説。 激動の時代・幕末。武士の子でありながら篠目村で農作業を余儀なくされている平九郎はある日、白井小助という男と出会う。彼に連れられて平九郎は松下村塾に入り、学問をすることになる。それは、吉田松陰、高杉晋作、久坂玄瑞など、後世に名を残す傑物たちとの出会いを意味していた。彼らと共に学び、影響を受けることで平九郎は日本のあり方を見据えると同時に、自分の生き方とも直面せざるを得なくなる。波乱の時代に少年たちは何を思い、どう生きたのか。大ヒット「軍配者」シリーズの著者・富樫倫太郎による新たな青春小説。
決戦!関ヶ原
決戦!関ヶ原
著:葉室 麟,著:冲方 丁,著:伊東 潤,著:上田 秀人,著:天野 純希,著:矢野 隆,著:吉川 永青
文芸(単行本)
慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。天下分け目の大戦――関ヶ原の戦いが勃発。――なぜ、勝てたのか――東軍伊東潤(徳川家康)天野純希(織田有楽斎)吉川永青(可児才蔵)――負ける戦だったのか――西軍葉室麟(石田三成)上田秀人(宇喜多秀家)矢野隆(島津義弘)――そして、両軍の運命を握る男――冲方丁(小早川秀秋)当代の人気作家七人が参陣。日本史上最大の決戦を、男たちが熱く描いた「競作長編」。 慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。 天下分け目の大戦――関ヶ原の戦いが勃発。 ――なぜ、勝てたのか―― 東軍 伊東潤(徳川家康) 天野純希(織田有楽斎) 吉川永青(可児才蔵) ――負ける戦だったのか―― 西軍 葉室麟(石田三成) 上田秀人(宇喜多秀家) 矢野隆(島津義弘) ――そして、両軍の運命を握る男―― 冲方丁(小早川秀秋) 当代の人気作家7人が参陣。 日本史上最大の決戦を、男たちが熱く描いた「競作長編」。
異邦の仔
異邦の仔
著:西川 司
文芸(単行本)
放送作家の立花が降りた直後に、乗っていた電車の車両が爆発した。爆弾が仕掛けられたのは、直前まで立花が座っていた席だった。数日後、都内で再び爆発事件が起きる。被害者は池上昭次。彼は立花が三十四年前にイラクで仕事をしていた際に出会った人物だった。まさか自分たちはテロリストに狙われているのか。舞台は一九八〇年のイラクに飛ぶ―― 放送作家の立花は、番組の収録に向かう東京都内の電車の車中で、いつもと同じ席に座っていた。すると、近くに座っていた女性が携帯電話を席に忘れて降りていった。立花は慌てて女性の後を追い、携帯電話を手渡した。停車中の電車に戻ろうとするが、タイミング悪く発車してしまう。その数瞬後、電車が爆発した。混乱する人々の中に大怪我をした女性を見つけ助け起こそうと近づくと、爆発した座席が見えた。そこは直前まで立花が座っていた座席だった。 その数日後、都内で再び爆発事件が起きる。被害者は池上昭次という男性だった。彼は立花が三十三年前にイラクで仕事をしていた際に出会った人物と同姓同名だった。まさか、自分たちはテロリストに狙われているのか? 果たしてその恐るべき想像は的中しているのか。舞台は一九八○年のイラクに飛ぶ―― ■目次 第一部 テロルの口笛 第二部 一九八○年の黒歴史 第三部 恩讐の果て
探偵の探偵 サイン入り特装限定版
探偵の探偵 サイン入り特装限定版
著:松岡 圭祐
文芸(単行本)
全冊に著者直筆サインが入り、著者落款が刻印された、講談社文庫・新シリーズ『探偵の探偵』開始記念、豪華完全限定版です。(四六判ハードカバー) 現代の探偵業は、最高レベルの知力・精神力を必要とする厳しい職種である。その「探偵」の本当の姿をこれほどまでかと思われるほどリアルに、松岡圭祐は活写する。そして、ストーカー、犯罪被害者など社会問題を正面から取り扱いながら、被害者のひとりである女性・紗崎玲奈が、命を懸けて立ち上がる。その勇気に溢れたヒロイズムは、読者を魅了する。 (文庫版同時刊行。続刊『探偵の探偵2』12月12日刊行) 探偵は正義の味方なんかじゃない。ミステリーヒーローの恐るべきリアル!―香山二三郎(コラムニスト、「江戸川乱歩賞」選考委員、「このミス」大賞選考委員) いいタイトルだ。シンプルでありながら、作品の世界観を的確に言い表している。―村上貴史(ミステリー評論家、「このミス」大賞選考委員) 絶望、孤独、闘争。とてつもない怪物シリーズとなる予感!―藤田香織(書評家、エッセイスト) 作者のシリーズ物は、凝った設定に特色があるが、その中でも本書は飛び切りであろう。悪徳探偵専門の探偵というのは、初めて聞いた。しかし、読み始めてすぐ、こんな探偵がいてもおかしくないと思うようになった。探偵業界の現実が、克明に描かれているからだ。また、主人公の魅力も見逃せない。自分たちの仕事の邪魔になる玲奈の命を、悪徳探偵は本気で狙ってくる。それを承知の上で、彼女は危地に向かう。彼女は、頭脳派でもある。玲奈と悪徳探偵の頭脳戦は、双方一歩も引かぬ名勝負。でも、才色兼備にして文武両道の玲奈が、その力を見せれば見せるほど、彼女の哀しみが際立ってくる。タフでハードな鎧の下には、癒せぬ傷を抱えた魂が隠れている。―細谷正充(書評家、「江戸川乱歩賞」選考委員) 〔あらすじ〕調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校スマPIスクールに、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という玲奈、なぜ彼女は探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチの社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う“対探偵課探偵”となった。
私の命はあなたの命より軽い
私の命はあなたの命より軽い
著:近藤 史恵
文芸(単行本)
東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。実家で何があった? 明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。 『サクリファイス』の著者が「命の重さ」を描く渾身ミステリー! 仲のよかった家族に一体何が。 ページを繰る度に覚える違和感。そして続く衝撃! 『サクリファイス』の著者が「命の重さ」を描く渾身ミステリー!! 東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。 夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、 遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。 実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。 そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。 実家で何があった?  明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。 「どうして人の命の重さには違いがあるの?」
電子あり
だれの息子でもない
だれの息子でもない
著:神林 長平
文芸(単行本)
高校生のころに父は死んだ。母とぼくを捨てて出奔し、祖父の田畑を勝手に売り払った親父を、憎まずにはいられなかった。――あれから十数年、ぼくは安曇平市役所に就職し、電算課電子文書係として働いている。故人となった市民の、ネット内の化身人格(アバター)を消去することが主な業務だ。ある日、ぼくの目の前に現れたのは、ネット内で育った親父の人工化身だった。 高校生のころに父は死んだ。母とぼくを捨てて出奔し、 祖父の田畑を勝手に売り払った親父を、 憎まずにはいられなかった。 ――あれから十数年、ぼくは安曇平市役所に就職し、 電算課電子文書係として働いている。 故人となった市民の、ネット内の化身人格(アバター)を消去することが主な業務だ。 ある日、ぼくの目の前に現れたのは、ネット内で育った親父の人工化身(アバター)だった。
続・酒中日記
続・酒中日記
著:坪内 祐三
文芸(単行本)
飲んだ、出会った、そして……ツボちゃんは、銀幕へ! 『酒中日記』遂に映画化! 人が人を呼び、いろんなことがつながってくる。これはただのエッセイではない! 文壇のみならず、演劇、歌舞伎、相撲……。好きに生きて、好きに飲む。毎日、好きな人と語り明かす、それがツボちゃん! 『明日、泣く』の内藤誠監督による撮影、酒場に集う豪華メンバーも大集合の傑作、快作! 特別編として「『酒中日記』撮影日記」も収録。 飲んだ、出会った、そして……ツボちゃんは、銀幕へ! 『酒中日記』遂に映画化!  とにかく毎日飲み歩くから、人が人を呼び、いろんなことがつながってくる。これはただのエッセイではない! 文壇のみならず、演劇、歌舞伎、相撲……。好きに生きて、好きに飲む。毎日、好きな人と語り明かす、それがツボちゃん! その五年半の酩酊の軌跡を書き尽くす。   色川武大原作『明日、泣く』の内藤誠監督による撮影、酒場に集う豪華メンバーも大集合の傑作、快作! 特別編として「『酒中日記』撮影日記」も収録。
献灯使
献灯使
著:多和田 葉子
文芸(単行本)
大災厄に見舞われた後、外来語も自動車もインターネットも無くなった鎖国状態の日本で、死を奪われた世代の老人義郎には、体が弱く美しい曾孫、無名をめぐる心配事が尽きない。やがて少年となった無名は「献灯使」として海外へ旅立つ運命に……。 原発事故後のいつかの「日本」を描いたデストピア文学の傑作!未曾有の“超現実“近未来小説集。 大災厄に見舞われた後、外来語も自動車もインターネットも無くなった鎖国状態の日本で、死を奪われた世代の老人義郎には、体が弱く美しい曾孫、無名をめぐる心配事が尽きない。やがて少年となった無名は「献灯使」として海外へ旅立つ運命に……。 圧倒的な言葉の力で夢幻能のように描かれる’’超現実”の日本。 人間中心主義や進化の意味を問う、未曾有の傑作近未来小説。
大原御幸 帯に生きた家族の物語
大原御幸 帯に生きた家族の物語
著:林 真理子
文芸(単行本)
戦後の京都。着物黄金時代に、考案した帯が飛ぶように売れ、天才と呼ばれた男がいた。娘は七十四歳になって初めて、あまりにも偉大な存在だった父について語る。娘の目を通して見た父の偉大さと意外な温かさ、そして濃厚な家族の歴史を書ききった、林真理子の新たな野心作。
ルンタ
ルンタ
著:山下 澄人
文芸(単行本)
人間という暮らしにうんざりしたというわたしは、それでも自殺はせずに「わたし」と呼ぶ装置をもう少し観察してみたいと望み、家を出て山へ向かうことに。ユという女性との記憶と死んだはずの友人の中西を道連れに山を目指し、吹雪の中で出会った黒い馬「ルンタ」に乗り、さらに深い雪の中を進んでいく。生と死、現在と過去を行き来する人々が、人間の意識や時間の虚構を疑わせながらもまた確かな生を感じさせる。保坂和志氏絶賛! 1996年より劇団FICTIONを主宰。2011年より小説を発表しはじめ、2012年「ギッちょん」で芥川賞候補、同年初の創作集『緑のさる』で野間文芸新人賞を受賞。2013年「砂漠ダンス」で芥川賞候補。同年、「コルバトントリ」で芥川賞候補となる。今最も注目される作家、山下澄人氏最新作。 人間という暮らしにうんざりした、というわたしは、それでも自殺はせずに「わたし」と呼ぶ装置をもう少し観察してみたいと望み、家を出て山へ向かうことに。ユという女性との記憶と死んだはずの友人の中西を道連れに山を目指し、吹雪の中で出会った黒い馬「ルンタ」に乗り、さらに深い雪の中を進んでいく。 生と死、現在と過去を行き来する人々が、人間の意識や時間の虚構を疑わせながらもまた確かな生を感じさせる。 天性の言語感覚と非凡な着想で書かれた傑作。保坂和志氏絶賛!デビュー作『星になる』も収録。 「そろそろ無理か」 ユが言った。たぶんそういった。 「無理ちゃうか」 わたしがいった。 わたしの見ているこいつがそういった。 ユが手元で携帯電話をいじっているのがわかった。 少ししてわたしの携帯電話がメールを受信した。そこにはこう書かれていた。 「でんきつけて」 わたしはため息をわざとつきながら明かりをつけた。そのとたんなぜか電子レンジが大きな音をたてて、パンッと破裂し壊れた。 ルンタがからだを揺すって泣いていたわたしが雪の上へ落ちた。雪は冷たく、わたしはわたしの中にいた。──本文より。
電子あり
冥の水底
冥の水底
著:朱川 湊人
文芸(単行本)
 医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが……。一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。 医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが……。一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。
死に支度
死に支度
著:瀬戸内 寂聴
文芸(単行本)
92歳の現役作家であり僧侶として幅広い読者から支持を集める瀬戸内寂聴氏。誰よりも濃く深く生きてきた著者が、卒寿を機に「いつ死んでも不思議ではない。毎日が死に支度」との思いを込めて自らの人生を振り返り、出会ってきた愛する人々の死に様をたどりながら、自らの「理想の死に方」を考えていく。そして最後に行き着いた、意外な境地とは―‐? 今すべての世代に贈る、限りなく自由で温かい「死と向かい合う智恵」! 「死に支度」は「生き支度」。92歳の現役作家であり僧侶として幅広い読者から支持を集める瀬戸内寂聴氏。誰よりも濃く、深く生きてきた著者は、卒寿を機に「いつ死んでも悔いはない。毎日が死に支度」との思いでこれまでの人生を振り返り、出会ってきた数々の愛する人々や出家者の死に様を交えながら、自らの死に方を考えていく。そして最後に行き着いた、意外な境地とは―‐? 死と向かい合い、新たな生を考える智恵の書。 【あらすじ】 91歳の誕生日を前にしたある朝、小説家の私に長年付き添ってきた寂庵のスタッフたちが一斉に辞意を伝えた。自分たちを養うために働くのはもうやめて、これからは大事な仕事だけに専念してほしい、との彼女たちの思いに心打たれた私は、「卒寿の革命」を決意する。ただ一人残った最年少のスタッフ、24歳のモナとともに新たな生活を始めた私は、間近に迫る自らの死を思い、最後の連載「死に支度」を始める。それは、これまでの人生を振り返り、出会ってきた愛する人々や出家者たちの死に様を通して、自らの「理想の死に方」を探る旅だった――。