文芸(単行本)作品一覧

女王
文芸(単行本)
戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と出会っていたことを。一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。邪馬台国研究に生涯を捧げた学者の祖父は、なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか? 瓜木は史郎と彼の妻・加奈子と共に奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。だが彼らに立ちはだかったのは、魏志倭人伝に秘められた邪馬台国の謎!?
東京大空襲、関東大震災、南北朝時代、そして邪馬台国……
ある男の奇妙な記憶と、女の告白、ひとりの老人の不審死が
壮大な歴史の謎へと導く。
「序章を拝読したときに、どこへ連れて行かれるのだろうと驚いた」(田中芳樹)
戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と出会っていたことを。一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。邪馬台国研究に生涯を捧げた古代史研究家の祖父は、なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか? 瓜木は史郎と彼の妻・加奈子ととともに奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。だが彼らに立ちはだかったのは、魏志倭人伝に秘められた邪馬台国の謎であった。
衝撃の展開、男女の情愛……
連城ミステリのすべてが織り込まれた傑作!

現調
文芸(単行本)
重傷を負いつつも病院から失踪した被害者、高速道路を横断し轢かれた主婦の黒い噂、事故の記憶がない轢き逃げ犯……警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野隆幸が“現調(現場調査)”で暴く! 元損保勤務だからこそ描ける“リアル”、そして乱歩賞作家として極める“エンタメ”! デビュー作『プリズン・トリック』以来書き続けた、“交通事故ミステリー”がついに単行本化!
重傷を負いつつも病院から失踪した被害者、
高速道路を横断し轢かれた主婦の黒い噂、
事故の記憶がない轢き逃げ犯……
警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を
損害保険査定員・滋野隆幸が“現調(現場調査)”で暴く!
元損害保険会社勤務だからこそ描ける“リアル”
そして江戸川乱歩賞作家として極める“エンタテインメント”
デビュー作『プリズン・トリック』以来書き続けた、
“交通事故ミステリー”がついに単行本化!
いつでも誰でも加害者にも被害者にもなる。
この物語は決して他人事ではない。

池田屋乱刃
文芸(単行本)
「乃美さん、わたしは卑怯な男だ」 明治十年、死の床で木戸孝允が、かつての同僚に「あの事件」の真実を語り始めた――「池田屋事件」で新選組に斬られ、志半ばにして散っていった志士たち。福岡祐次郎、北添佶麿、宮部鼎蔵、吉田稔麿……。吉田松陰や坂本龍馬といった「熱源」の周囲で懸命に生きた男たちを描く。志士とは、維新とは――日本を動かしたあの「熱」はなんだったのか。最注目作家が初めて幕末京都に挑んだ連作長篇。
「乃美さん、わたしは卑怯な男だ」
明治十年、死の床についた長州の英雄・木戸孝允こと桂小五郎が、かつての同僚に「あの事件」の真実を語り始めた――「池田屋事件」。事件後、日本は「明治」という近代国家に向かって急激に加速していく。池田屋で新選組に斬られ、志半ばにして散っていった各藩の「志士」たち。福岡祐次郎、北添佶麿、宮部鼎蔵、吉田稔麿……。吉田松陰や坂本龍馬といった「熱源」の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちの生き様と散り際を描く。
幕末とは、志士とは、維新とは――日本を動かしたあの「熱」はなんだったのか。
最注目の歴史作家が初めて幕末京都に挑んだ連作長篇。

K2 池袋署刑事課 神崎・黒木
文芸(単行本)
池袋が大変だ。猿が逃げ、警察官が人を投げ、他の女と浮気をしそうになると犯人が現れる。謎が謎を呼ぶ事件のそばには、いつも神崎と黒木がいる。頁をめくるたび現れる興奮と感動。六編を終えた最終話で、神崎は究極の二択に直面する。擁護か、決別か。黒木が相棒にすらひた隠し守ろうとしていたものとは――江戸川乱歩賞作家による黄金コンビの狂想曲!
■目次
第一話 遺言
第二話 失態
第三話 幽霊
第四話 勲章
第五話 力走
第六話 祝儀
第七話 因縁
第八話 決別

家族シアター
文芸(単行本)
同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。こんな風には絶対になりたくない――だけど、気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)息子が小学校六年生になった年、父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)
同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。
褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。
こんな風には絶対になりたくない――だけど、
気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)
息子が小学校六年生になった年、
父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。
熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、
とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)
すべての「わが家」に事件あり。
ややこしくも愛おしい家族の物語、全七編!

掟上今日子の備忘録
文芸(単行本)
掟上今日子――またの名を、忘却探偵。すべてを一日で忘れてしまう彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は今日も叫ぶ。「探偵を呼ばせてください――!!」スピーディーな展開と、忘却の儚さ。果たして今日子さんは、事件の概要を忘れてしまう前に解決することができるのか?
掟上今日子(おきてがみきょうこ)――またの名を、忘却探偵。
すべてを一日で忘れてしまう彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!
あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・
隠館厄介(かくしだてやくすけ)は今日も叫ぶ。
「探偵を呼ばせてください――!!」
スピーディーな展開と、忘却の儚さ。
果たして今日子さんは、事件の概要を忘れてしまう前に解決することができるのか?

幻想探偵社
文芸(単行本)
女子が苦手な中井海彦は、野球部に所属する中学二年生。ある日、父親から受験のためにクラブ活動を二年生までで辞めるように言われショックを受けた海彦は、顧問に練習を休みたいと申し出る。急に暇になってしまった海彦は、帰宅の途中で、入学時から気になっていた女子・楠本ユカリの生徒手帳を拾う。小路の先にユカリ本人の姿を発見し、急いで跡を追う。ユカリが向かったビルの6階には「たそがれ探偵社」と書かれていた。
「東奥日報」にて2013年10月4日から一年間連載された『幻想探偵社』を、単行本化にあたり大幅に加筆修正。30万部突破の「幻想シリーズ」最新作。
■冒頭あらすじ
女子が苦手な中井海彦は、野球部に所属する中学二年生。ある日、父親から受験のためにクラブ活動を二年生までで辞めるように言われショックを受けた海彦は、顧問に練習を休みたいと申し出る。急に暇になってしまった海彦は、帰宅の途中で、入学時から気になっていた女子・楠本ユカリの生徒手帳を拾う。小路の先にユカリ本人の姿を発見し、急いで跡を追う。ユカリが向かったビルの6階には「たそがれ探偵社」と書かれていた。

埋れた牙
文芸(単行本)
ベテラン刑事の瀧は、警視庁捜査一課から生まれ育った吉祥寺を管轄する武蔵野中央署に移った。ある日、署内で大学時代の旧友、長崎を見かける。群馬から出てきた姪で女子大生の恵の行方がわからないという。新人女性刑事の野田あかねの“教育”もかねて、二人だけの「捜査」を始めると、恵の失踪は、過去の未解決事件へとつながっていった――。「地元」に潜む牙に、独自の捜査手法で刑事が挑む、異色の警察小説が誕生!
ベテラン刑事の瀧靖春は、自ら願い出て、警視庁捜査一課から生まれ育った吉祥寺を管轄する武蔵野中央署に移った。ある日、署の交通課の前でうろうろする大学時代の旧友、長崎を見かける。事情を聞くと、群馬から出てきている姪で女子大生の恵の行方がわからなくなっているという。新人女性刑事の野田あかねの“教育”もかねて、まず二人だけの「捜査」を始めると、恵の失踪は、過去の未解決事件へとつながっていった――。
「ここも、特別な街じゃないんだ。どんな街にも、一定の割合で悪い奴はいるんだよ」
都市でもなく、地方でもない――この街には二つの水流がある。「住みたい街」として外部を惹きつける、上品な水流。だがその下には、この地で長年暮らしてきた人たちが作った土着的な水流がある。
「私は、この街の守護者でありたいと思っている」
愛する街とそこに住む人々を守るために――「地元」に潜む牙に、独自の捜査手法で刑事が挑む、異色の警察小説が誕生!

純喫茶「一服堂」の四季
文芸(単行本)
古都・鎌倉でひっそりと営業する古民家風喫茶「一服堂」。エプロンドレス姿の美人店主は、恥ずかしがり屋で人見知り。しかし、事件となるとガラリと人が変わってしまう。動機には一切興味がない安楽椅子型の名探偵が「春」「夏」「秋」「冬」の4つの事件を鮮やかに解く、連作シリーズ!

下北it Be!
文芸(単行本)
水原一斗は下北沢で一人暮らしをしているフリーター。これといった夢もなく、漫然と毎日を過ごしている。そんな一斗が、いつものように居酒屋でのアルバイトを終えてアパートに戻ると、自分の部屋の前に高校時代の友人、宮野美月が座り込んで眠っていた。そして、一斗は知っていた。宮野美月が、テレビなどのメディアには一切露出せず、ライブも行わない“覆面歌手”四之宮ミズキその人であることを――。
水原一斗は下北沢で一人暮らしをしているフリーター。これといった夢もなく、何事にも全力で取り組むことができない性格の若者だ。そんな一斗が、いつものように居酒屋でのアルバイトを終えてアパートに戻ると、自分の部屋の前に高校時代の友人、宮野美月が座り込んで眠っていた。そして、一斗は知っていた。宮野美月が、テレビなどのメディアには一切露出せず、ライブも行わない“覆面歌手”四之宮ミズキその人であることを――。

ファンタズマゴーリア
文芸(単行本)
ミラーワールドの少年マルテは、とんぼ玉に導かれて三つの世界を巡る。姿が変わっていても、時が経っていても、愛する人と再び会うことはできるのか――? 世界と時空を超える想いを壮大なスケールで描いた、著者の新境地を開く大冒険譚!
ミラーワールドの少年マルテは、友人の実験に協力するため降り立った地上世界で、リヱカという少女に出会う。リヱカは友情の印にとんぼ玉をマルテにわたし、マルテはお返しに時間を折りたたむことができるピーナツをわたす。
マルテは猿のイススリウス師に導かれ、今度は地中世界アタラクシアへ。マルテはジャッカルの頭を持つマルコシアスや、多くの翼を持つ乙女マリ=ジャンヌら異形の仲間たちと合流。軍隊に追われる彼らを救うべく、剣を手にして立ち向かう。
しかしミラーワールドに戻ると、仲間たちは地中世界へ行った記憶を喪い、一人ずつ姿を消していくのだった。最後のひとりとなったマルタは、再びリヱカと会うことが出来るのか?
とんぼ玉に導かれて、三つの世界を巡る少年マルテ。世界と時空を超える想いを壮大なスケールで描いた、著者の新境地を開く大冒険譚!

もみ消しはスピーディーに
文芸(単行本)
警察組織を監視するはずの監察官が不祥事を起こしてしまう。たまりかねた警察トップは、アメリカの諜報企業「リスクヘッジ社」を、監察を含めた組織全体を監視する第三者機関として採用する。リスクヘッジ社vs監察。組織内の不正をどちらが先に発見するか。しかもリスクヘッジ社は、警察トップのほんの一握りしか知らない密命を帯びていた。監察を出し抜いて不祥事を隠蔽し、不正を「無かったこと」にしなければならないのだ!
警察組織を監視するはずの監察官が不祥事を起こしてしまう。たまりかねた警察トップは、アメリカで発展を続ける諜報企業「リスクヘッジ社」を、監察を含めた組織全体を監視する役割で、第三者機関として採用する。リスクヘッジ社vs監察。組織内の不正をどちらが先に発見するか。監察が先んじれば不祥事がまたまた明るみに出て、リスクヘッジ社は不要、日本から撤退ということになる。しかもリスクヘッジ社は、警察トップのほんの一握りしか知らない密命を帯びていた。即ち、監察を出し抜いて不祥事を隠蔽し、不正を「無かったこと」にしなければならないのだ。情報社会における国民生活の安全をも揺るがす、壮大なスケールのインテリジェント・バトルがはじまった!

されど“服”で人生は変わる
文芸(単行本)
今では当たり前になった“美容ジャーナリスト”という肩書きを世に広めた人気エッセイスト齋藤薫さん。女性の心をつかむ「齋藤理論」は、説得力と実践力を備えています。その理論をファッション、すなわち女性の毎日の着こなしにこそ、応用してみるべきなのではないか? という狙いから編まれ、13万部を超えるヒット作となった通称「され服」を、さらに多くの読者に届けるため、価格を下げた新書版として刊行します。
「面白くって役に立つ!」と大評判。人生の岐路に、危機に、停滞に効く、オシャレの処方箋。大人気エッセイが、新書版で登場!
「服で損をしている気がする」「毎日の服選びが憂うつ」「本当に似合う服がわからない」「『オシャレな人』と言われてみたい」――そんなあなたに“今すぐ”効きます!
今では当たり前になった“美容ジャーナリスト”という肩書きを世に広めた人気エッセイスト齋藤薫さん。女性の心をつかむ「齋藤理論」は、説得力と実践力を備えています。その理論をファッション、すなわち女性の毎日の着こなしにこそ、応用してみるべきなのではないか? という狙いから編まれ、13万部を超えるヒット作となった通称「され服」を、さらに多くの読者に届けるため、価格を下げた新書版として刊行します。

「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義
文芸(単行本)
社会を動かす「生命力」は、どこへ向かうのか?今、自分らしく幸福に生きるとはどういうことか?複雑化する現代に新たな人間観「分人主義」を提示した著者が、AKBからアバター、「英霊」、森山大道、震災まで、同時代と向きあうエッセイおよび各界第一人者との対話を併せて収録。未来を考えるためのエッセイ&対談集。【対談者】=大澤真幸、亀山郁夫、高橋源一郎、田中裕介、中島岳志、古井由吉、三浦雅士、森達也
今、何が起こっているのか? 私たちはこれからどこへ向かうのか?
複雑化する現代社会で「生きづらさ」を抱える人々に、新しい人間観「分人主義」を提示して大きな反響を集めた作家・平野啓一郎。本書は著者が、同時代の政治経済社会から文学・アート・エンタテインメントまで、多様な現実の事象と向き合って生まれた思考の軌跡としての評論・エッセイ、および各ジャンルの第一人者との対話をあわせて収録する、7年ぶりのエッセイ&対談集です。いわば平野自身による「分人主義」実践篇として、様々な場面で、様々な視点で、様々な智者と共に「今」を考え、未来へのヒントを提供する、待望の一冊。
【エッセイ】=アバター、AKB、キャプテン翼、「英霊」、震災、監視社会、グローバリズム、格差、携帯メール、電子書籍、スノーデン情報、パリのラーメン、熟年離婚、ジャレド・ダイアモンド、マイケル・ジャクソン、ファスト・ファッション、ゴミ御殿、森村泰昌、森山大道、深澤直人、横尾忠則、三島由紀夫、田中慎弥…ほか
【対談者】=大澤真幸(社会学者)、亀山郁夫(ロシア文学者)、高橋源一郎(作家)、田中裕介(英文学者)、中島岳志(政治学者)、古井由吉(作家)、三浦雅士(文芸評論家)、森達也(作家・映画監督)

湖底の城 呉越春秋 第五巻
文芸(単行本)
楚との大戦を控えた呉。伍子胥はそれにはどうしても孫武――のちに『孫子』でその名をとどろかせる――の頭脳が必要と考え、孫武がいる介根へ迎えにいく。闔廬は最初、孫武をどう扱うか考えあぐねていたが、彼の確固たる意志と頭脳に感服し将軍に迎えることを決意。その後、呉は、孫武の策により快進撃を続けていく。
楚との戦いに大勝した、公子光。楚王の死去をしった伍子胥は呉王・僚をうつ。また太子・諸樊との戦いにも勝った公子光は、呉王闔廬となり、その子・終累は太子となった。その後、子胥は闔廬の使者として延陵にいる季子の元を訪れる。季子は呉の外交を任されていたためだ。季子は斉へ使者を出すよう指示をし、子胥は季子の子・艾らを連れて向かう。子胥は斉で安嬰らと会い、呉が斉に敵対するつもりはないことを伝える。
子胥は楚との本格的な戦いに向けて、介根にいる孫武と、その元に預けた褒小羊を迎えにいく。その後、孫武は闔廬の臣下となった。
孫武の策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。そしていよいよ、楚との本格的な戦いを眼前に控える――。

こぼれ落ちて季節は
文芸(単行本)
田舎から上京した愛は、大学のフリーペーパーサークルの先輩・新野に恋をしている。キスもしたしセックスもした。でも彼は愛を好きなのだろうか。一方、那美香も同級生の新野のことが気になっている。二人の思いがたどり着く先は……。アルバイト先の後輩・あさひに思いを寄せる長谷岡と彼に片思いをしている小埜。ろくでもない男との運命を占うあさひと彼女のことを疎んでいる妹のゆき。繊細に揺れ動く感情を描いた連作短編集。
田舎から大学進学を機に上京してきた愛は、この何でも手に入る、魔法のような街で大学のフリーペーパーサークルの先輩・新野に恋をしている。初めてのキスもセックスも新野とだった。でも彼が愛を好きかどうかは、分からない。一方、都会育ちの那美香も、同級生の新野のことが気になって仕方がない。二人の思いがたどり着く先は……。アルバイト先の後輩・あさひに思いを寄せる長谷岡と彼に片思いをしている小埜。ろくでもない男との運命を占うあさひと彼女のことを疎ましく思っている妹のゆき。繊細に揺れ動く感情を描いた、六篇の傑作連作短編集。

アニメ<物語>シリーズヒロイン本 其ノ陸 神原駿河
文芸(単行本)
阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎの最愛の後輩・神原駿河を主役としたヒロイン本がついに刊行。セカンドシーズン「花物語」での最新の駿河も詰めこんだ一冊!
【収録内容】
・渡辺明夫描きおろし表紙イラスト
・西尾維新書き下ろし短々編『ろうかゴッド』
・駿河名場面&イラストギャラリー
・スペシャル対談 西尾維新×田中芳樹
・キャラクターコメンタリー特集
・神原駿河役 沢城みゆきインタビュー
・キャストコメント from 阿澄佳奈・日笠陽子
・OP&EDテーマメッセージ from ミト・河野マリナ・こだまさおり・黒須克彦
Illustration by ウエダハジメ
and more…!
また、ヒロイン本第1弾羽川翼からの全巻購入者の中から抽選で、忍・真宵・余接・6歳羽川翼の集合イラストが入ったポストカードセットをプレゼント!詳細はヒロイン本駿河巻末にて告知。お楽しみに!【仕様】 フルカラー48P、A4変形判。

続・終物語
文芸(単行本)
“私、とっても幸せなのに――こんなの、全部嘘だって思ってる”
忍野扇との戦いを終え、直江津高校をとうとう卒業した翌朝。妹達の力を借りずに目覚め、「何者でもなくなった」阿良々木暦が向かいあう、新しい世界とは……?
彼ら彼女らの物語の――続き。これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
僕達と、育ち続ける物語。
初回出荷限定付録『西尾通信』にて、2014年10月発売の新シリーズ『掟上今日子の備忘録』第一話を特別収録!

なぜなら雨が降ったから
文芸(単行本)
野崎は高校を卒業して一人暮らしを始めた。ある雨の日「Yuregi Detective Office」と看板がある部屋の前で、女の人が一人で煙草を吸っていた。「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」「そうよ」「探偵さん……ということですか?」「そうなるわね」「すごいですねえ。あの。探偵さんってことは、推理とか、するんですか?」「まあね。あなた、もしかして最近、新しく靴を買ったんじゃない?」
野崎は高校を卒業し、アパートの三〇一号室で一人暮らしを始めた。ある雨の日、「Yuregi Detective Office」と看板がかけられた二〇二号室の前で女の人が一人で煙草を吸っていた。
〈探偵さんか? それとも、依頼人さん?〉
野崎はつい一言、
「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」
と尋ねた。
「そうよ」
「探偵さん……ということですか?」
「そうなるわね」
「すごいですねえ」
何がすごいのかは分からないが、珍しい職業というものは、その存在だけで何やらすごいように思えるものだ。
「あの。探偵さんってことは、推理とか、するんですか?」
野崎は、冗談めいた質問を投げた。探偵ってどんなお仕事なんですか、という質問でもよかった。少々掘りさげたかったのである。
問いを受けた彼女は、煙をくゆらせつつ、答えた。
「まあね」
そして、なんでもない調子でつけ加えた。
「あなた、もしかして最近、新しく靴を買ったんじゃない?」
なんとゆかしき“ホームズ流!”
かくして大学生の野崎と、雨女探偵・揺木茶々子(ゆれぎちゃちゃこ)の探偵活動がはじまる。
読むと中毒になるモリカワミステリ、どうぞご堪能あれ。

夢の燈影
文芸(単行本)
新選組――その人斬りに、志はあったのか。男たちに残された最後の夢は、この女性作家に描かれるのを待っていたのかもしれない。日本の夜明け前――幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。幹部の華々しい活躍の陰で、語られることのなかった、無名隊士の人生もまた、あった。夢、希望、そして家族と生活。新しい世代の書き手による、新しい新選組の物語がここに始まる。
新選組――その人斬りに、志はあったのか。
男たちに残された最後の夢は、この女性作家に描かれるのを待っていたのかもしれない。
井上源三郎……「おれはここにいていいのか」と自問する齢の離れた幹部。
蟻通勘吾……入隊を勧めた従兄は失踪し、「死番」が続く日々。
近藤周平……美しい顔をもつ局長の養子。
酒井兵庫……粛正された隊士の死を見守る寄越人。
山崎丞……敵も味方も監視し続ける監察方。
中島登……明治になっても、獄で隊士の絵を描き続ける男。
日本の夜明け前――幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。幹部たちの華々しい活躍の陰で、語られることのなかった無名隊士たちの人生もまた、あった。夢、希望、そして、家族と生活。新しい世代の書き手による、新しい新選組の物語がここに始まる。