文芸(単行本)作品一覧

御命授天纏佐左目谷行
文芸(単行本)
摩訶不思議な「異界ツアー」へようこそ。猫の君子・夜見闇君の命を受けて旅に出た「私」はーー。画・ヒグチユウコとの夢のコラボレーションで贈る現代版・御伽草紙。動物植物昆虫にこの世あの世が入り乱れる奇妙奇天烈、珍妙な世界を、リズミカルな擬古文調でユーモラスに描き、読者を摩訶不思議な世界へと誘い込む表題作はじめ「かげろう草紙」「行方」を収録。詩人にして野間文芸新人賞作家の新境地傑作!
摩訶不思議な「異界ツアー」へようこそ! 斬新な言語感覚が弾けるユーモラスで不思議な「現代版・御伽草紙」を、画・ヒグチユウコとの夢のコラボレーションで贈る一冊。
太平の世。猫の君子たる夜見闇(よみやみ)君の屋敷に居候する「私」は、主君の命を受け、御蚕の繭玉・終日(ひねもす)君のお供として佐左目谷君を訪ねる旅に出る――。動物植物昆虫にこの世あの世が入り乱れる珍妙な道中を、リズミカルな擬古文調でユーモラスに描き、読者を摩訶不思議な世界へと誘い込む表題作ほか、「行方」「かげろう草紙」の全3篇を収録。詩集『びるま』で中原中也賞を受賞、2012年には小説『螺法四千年記』で第34回野間文芸新人賞を受賞した注目作家、日和聡子による最新小説集。

狐さんの恋結び
文芸(単行本)
狐面に着流し姿の「狐さん」は、古都・奈良でも異彩を放つ存在。故あって部屋で陰鬱な日々を過ごす狐さんは、幼馴染みの揚羽に促され、春日大社へ散歩に向かう。すると、中学の同級生だったが、転校して奈良を離れた「烏」と久しぶりに再会。今は、大阪の企業に勤め、奈良に住んでいるという烏は、揚羽の様子をしきりと気にする。そして烏は、狐に女性を紹介しようというのだが……
お面を脱いだ狐さんに「モテ期」到来!?
引きこもりで、毒舌で、寂しがりやの狐さんに出会いが。
お相手は眼鏡美少女、巻き髪美女、そしてあの――
恋をするなら奈良!
メフィスト賞受賞作『恋都(こと)の狐さん』待望の続編!
狐面に着流し姿の「狐さん」は、古都・奈良でも異彩を放つ存在。
故あって部屋で陰鬱な日々を過ごしていたが、
幼馴染みの揚羽に促され、春日大社へ散歩に向かう。
そこで中学の同級生だった「烏」と久々に再会。
突然、烏は狐に、揚羽への10年越しの想いを告白し、
狐には同僚の美女を紹介するという。
だが狐は奈良公園で出会った眼鏡美少女が気になって……

迎え猫 古道具屋 皆塵堂
文芸(単行本)
幼い頃から続く不運は「猫の祟り」!?
憑きものだらけの古道具屋に曰くあり? の猫が集まり……
笑えて、泣けて、ちょっぴり怖い?
猫好きにも大満足の「人情怪談騒動記」!
魚屋・巳之助の知り合いである幸七の仲間が次々と首を括った。
祟りに怯える幸七は、以前皆塵堂に居候していて幽霊が見えるという
太一郎を頼るが、太一郎の態度に異変が。
一体何が見えた? 幸七はどうなる?
一方、猫に囲まれて暮らすのを夢見る巳之助のまわりに、
続々と猫が集まってくる。
巳之助は野望実現のため一計を案じるが……

イーヨくんの結婚生活
文芸(単行本)
夏目家の長男が亡くなった。通夜に現れたのは、誰も会ったことのない、長男の婚約者。彼女のお腹は大きい。どうする夏目家、どうする伊代太?
■登場人物
夏目銀之介(父・65)家を出て再婚
夏目 小春(母・享年35)二十年前他界
夏目太一郎(長男・35)一昨日死去
夏目 純二(次男・33)高校教師、既婚(妻・賢子(けんこ))
夏目京三郎(三男・32)勤務医、彼女あり(ユウナ)
夏目 四郎(四男・30)青い蝶を探すと言って行方不明に
夏目伊代太(五男・27)イーヨくん
志賀 直弥(57)五人兄弟の伯父・小春の実兄
志賀 波子(59)直弥の妻
太宰 薫(37)太一郎の婚約者
堀 雅子(30)五人兄弟の幼馴染み

謀略航路
文芸(単行本)
内乱が激化し、混迷の状況を脱していないシリア共和国に、日本を始め数ヵ国の国際親善団体を母体とする和解仲介団が送り込まれた。だが、彼らを乗せたチャーター機は、シリア空軍により首都から遠く離れた空港に強制着陸させられ、乗員乗客全員が拘束されてしまう。日本の当局からの密命を受けた元航空自衛隊パイロットが、人質救出に向けて動き出すが、そのミッションにはチャーター機そのものの奪還までが含まれていた。
2010年暮れ、チュニジアでの若い露天商の焼身自殺をきっかけにエジプト、リビア、サウジアラビアなど多数の国に広がっていった反政府運動「アラブの春」。
なかでも内乱が激化し、現在も混迷の状況を脱していないシリア共和国に、日本を始め数ヵ国の国際親善団体を母体とする和解仲介団が送り込まれた。だが、彼らを乗せたチャーター機は、シリア空軍により首都から遠く離れた空港に強制着陸させられ、乗員乗客全員が拘束されてしまう。
国際親善団体の背後にある組織が人質救出のため、白羽の矢を立てたのは元英国諜報員、航空自衛隊で戦闘機を飛ばしていたロートルパイロットたちだった。はたして彼らは、シリア軍によって拘束された人質をどのように脱出させるのか。
クライマックスは、シリアートルコ国境上空で展開される息をも継がせぬ空中戦!

スペードの3
文芸(単行本)
ミュージカル女優、つかさのファンクラブを束ねる美知代。小学校の同級生の出現によって美知代の立場は危うくなっていく。美知代を脅かす彼女には、ある目的があった。つかさにあこがれを抱く、地味で冴えないむつ美。かつて人気を誇っていたが、最近ではオファーが減る一方のつかさ。それぞれに不満を抱えた三人の人生が交差し、動き出す。私の人生は私だけのもの。直木賞作家朝井リョウが、初めて社会人を主人公に描く野心作!
朝井さんは、女子でもないのに、どうして女子の人生がこんなにも岐路の連続だということを知っているんだろう。―辻村深月氏
まるで、万華鏡です。読み進めるうちに変化する風景は、マジシャンの帽子に迷い込んだような気分になります。―はやみねかおる氏
ミュージカル女優、つかさのファンクラブ「ファミリア」を束ねている美知代。大手化粧品会社で働いていると周りには言っているものの、実際は関連会社の事務に過ぎない彼女が優越感を覚えられるのは、ファンクラブの仕事でだけ。ある日、美知代の小学校時代のクラスメイトが「ファミリア」に加盟する。あっという間に注目を集めた彼女の登場によって、美知代の立場は危うくなっていく。美知代を脅かす彼女には、ある目的があった。
華やかなつかさに憧れを抱く、地味で冴えないむつ美。かつて夢組のスターとして人気を誇っていたが、最近は仕事のオファーが減る一方のつかさ。それぞれに不満を抱えた三人の人生が交差し、動き出す。
待っているだけではなにも変わらない。私の人生は私だけのもの。直木賞作家朝井リョウが、初めて社会人を主人公に描く野心作!

エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守
文芸(単行本)
川崎市高津区で連続殺人事件が発生。総勢100名を超える特捜本部が捜査を開始した。犯行手口から、同一人物の犯行と断定された。だが、ひと月が経っても解決の糸口さえ見つからない。そんな折、新たな捜査員が加わることになった。プロファイラーの盛崎と、捜査員としては本邦初の行動経済学者・伏見真守の二人だった。伏見は経済学によって独自の捜査を開始し、同一犯説に異を唱える。経済学捜査員は真犯人にたどり着けるか!
川崎市高津区で連続殺人事件が発生した。所轄署に県警その他の応援を加えた総勢100名を超える特捜本部は、次の犯行を防ぐべく捜査を開始した。現場に残された証拠品や犯行手口からして、捜査本部は同一人物の犯行と断定していた。だが、ひと月が経っても殺人犯は捕まらず、それどころか解決の糸口さえ見つからない低調ぶりだった。そんな折、疲労感漂う捜査本部に新たな捜査員が加わることになった。一人は科学警察研究所から来たプロファイラーの盛崎。そしてもう一人は、捜査員としては本邦初と思われる行動経済学者・伏見真守だった。伏見は経済学を駆使して独自の捜査を開始する。盛崎のプロファイリングによって捜査は進展を見せ始めるが、同一犯人説が大勢を占める中、伏見は独り、3件の殺人のうち1件は別の人物の犯行であることを主張する。経済学者VSプロファイラー。真犯人にたどり着くのはどっちだ!

そして、星の輝く夜がくる
文芸(単行本)
2011年5月、東日本大震災、被災地にある遠間第一小学校に応援教師として、神戸から小野寺徹平が赴任した。彼も阪神淡路大震災での被災経験を持っていた。東北の子供には耳慣れない関西弁で話す小野寺。生徒たちとの交流の中で、彼は被災地の抱える問題、現実と向かい合っていく。被災地の現状と混乱。小学校を舞台に震災が浮き上がらせた日本の問題点、そして未来へと向かっていく希望の連作短編集。
2011年3月11日、東日本大震災。地震・津波による死者・行方不明者は2万人近くのぼった。
2011年5月、被災地にある遠間第一小学校に、応援教師として神戸から小野寺徹平が赴任した。小野寺自身も阪神淡路大震災での被災経験があった。
東北の子供には耳慣れない関西弁で話す小野寺。生徒たちとの交流の中で、被災地の抱える問題、現実と向かい合っていく。被災地の現実、日本のエネルギー問題、政治的な混乱。小学校を舞台に震災が浮き上がらせた日本の問題点。その混乱から未来へと向かっていく希望を描いた連作短編集。
被災地の子供が心の奥に抱える苦しみと向かい合う「わがんね新聞」、福島原子力発電所に勤める父親を持つ転校生を描いた「“ゲンパツ”が来た!」、学校からの避難の最中に教え子を亡くした教師の苦悩と語られなかった真実を描いた「さくら」、ボランティアと地元の人たちとの軋轢を描く「小さな親切、大きな……」、小野寺自身の背景でもある阪神淡路大震災を描いた「忘れないで」。そして、震災をどう記憶にとどめるのか? 遠間第一小学校の卒業制作を題材にした「てんでんこ」の六篇を収録。
阪神大震災を経験した真山仁だからこそ描くことのできた、希望の物語。

まほろばの王たち
文芸(単行本)
家を焼かれた物部の姫・広足は、験者の長・大蔵(おおくら)に弟子入りすることになった。蘇我の神を討ち、相手を痛めつける大蔵を見て、妖に治癒の呪を唱えてしまう広足。形勢が逆転し瀕死の大蔵が助けを求めたのは、賀茂の行者・小角だった。小角は大蔵を助けてほしいなら、広足自身を捧げろと言う。広足が頷くと、小角は天竺の術を使い妖を退けた。かくして賀茂役小角と物部の末裔・広足、そして山の神々との冒険が始まる。
家を焼かれた物部の姫・広足(ひろたり)は、験者の集団である賀茂の一族の長・大蔵(おおくら)に弟子入りすることになった。
蘇我氏への反乱を企む鎌足に雇われた大蔵は、蘇我の神を討ち滅ぼし、宮中に残っていた妖を殲滅していく。一方的に相手を痛めつける大蔵を見て、妖に治癒の呪を唱えてしまう広足。
形勢が逆転し瀕死の大蔵が助けを求めたのは、賀茂の行者・小角(おづぬ)だった。青い光をまとい現れた青年は、広足に問う。
「娘よ。なぜ古き者を助けた」
答えられない広足に対し、小角は大蔵を助けてほしいなら、広足自身を捧げろと言う。広足が頷いたのを見て、小角は天竺の術を使って妖と対話し、飛鳥の宮から離れるよう願った。
そして妖が退き、宮殿に鎌足と中大兄王子が駆け込んできたとき、さきほどまでいたはずの小角の姿は消えていた。
そして5年後、広足のもとに一本の木簡が届く。
「約束の時は至れり」
かくして賀茂役小角と物部の末裔・広足、そして山の神々との冒険が始まる。

みツわの
文芸(単行本)
一ノ瀬舞依は、修学旅行中に出会った一葉に憧れ、舞妓になることを決意。中学を卒業し、京都にやってきたが、お世話になる予定だった置屋が、急遽店を畳むことになったことを知らされる。途方にくれる舞依だったが、偶然、一葉に再会。「菊屋」の女将さんを紹介してもらい、舞依は同じく舞妓志望の四十川翠や菊月莉子らとともに菊屋で修業することとなった。
第12回BOX-AiR新人賞受賞作にして、『アルヴ・レズル―機械仕掛けの妖精たち―』に続く、第2弾アニメ化作品となった青春舞妓ストーリーが登場!一ノ瀬舞依は、修学旅行中に出会った一葉に憧れ、舞妓になることを決意。中学を卒業し、京都にやってきたが、お世話になる予定だった置屋が、急遽店を畳むことになったことを知らされる。途方にくれる舞依だったが、偶然、一葉に再会。「菊屋」の女将さんを紹介してもらい、ここで修業させて欲しいとお願いする。
女将さんから入門の条件として課された奇妙な試験に合格した舞依は、同じく舞妓志望の四十川翠や菊月莉子らとともに菊屋で修業することとなった。

河原町ルヴォワール
文芸(単行本)
「ルヴォワール」シリーズ最終章! 京都・鴨川で龍樹家当主・落花が水死体で見つかり、死の謎を巡って私的裁判・双龍会が開かれる。落花の妹・龍樹撫子は、兄・大和を姉殺しの真犯人として告発、弁護役の元恋人・城坂論語と対決することに。一方、龍樹家の龍師・御堂達也と瓶賀流は、落花の死の謎を探るうち、京都一の権力者・黄昏卿と遺伝子研究の病院との関係を掴む。双龍会で暴きだされる真相とは――?

「死」を前に書く、ということ 「生」の日ばかり
文芸(単行本)
日々の暮らしの中で「生」の現実とのかかわりを通じて、人間存在の内奥を探り、ただ純粋に考えてきた言葉で綴られた、ライフワーク長編エッセイ。本書のタイトルにある『「生」の日ばかり』とは、「生」の器を傾けて、日に一滴、二滴の、生の雫を汲むことからつけたもの。日々の探求を綴ったノートのタイトルでもある。2010年10月31日から2013年2月15日の絶筆までを収録。巻末に富岡幸一郎氏による解説を付す。
2013年に亡くなった秋山駿が遺した、最後の言葉。
日々の暮らしの中で「生」の現実とのかかわりを通じて、人間存在の内奥を探り、ただ純粋に考えてきた言葉で綴られた、ライフワーク長編エッセイ。
本書のタイトルにある『「生」の日ばかり』とは、「生」の器を傾けて、日に一滴、二滴の、生の雫を汲むことからつけたもの。日々の探求を綴ったノートのタイトルでもある。
2010年10月31日から2013年2月15日の絶筆までを収録。巻末に富岡幸一郎氏による解説を付す。

うみねこのなく頃に散 Episode6(上)
文芸(単行本)
「さあ、第六のゲームを始めよう。……ヱリカ、そしてベルンカステル。これが、俺の物語であり、俺がベアトの真相に至ったことの証明だ」
新たなゲームマスター、右代宮戦人は厳かにゲームの開始を宣言した。
ベアトリーチェの死を経て全ての真相を知った戦人は、無限の魔術師として六軒島の惨劇を幻想で覆う。黄金蝶を従えた戦人のゲームに、ベルンカステルと古戸ヱリカがニンゲンとして挑む。戦人の魔法は、嵐の六軒島に黄金の夜明けを与えられるのか――。

紅花染め秘帳 はやぶさ新八御用旅
文芸(単行本)
新八郎のもとに二つの謎が届けられた――松倉屋聖之助と番頭の伊左衛門が急にいなくなったこと。そして聖之助と縁談話のあった娘・みづきからもちかけられた「紅花染め秘帳」の盗難。新八郎は謎をとくため、一路東北へ。
隼新八郎のもとにはいつも厄介ごとが持ち込まれる。
ある日湯島の勘兵衛から相談を受けた新八。それは向島にある松倉屋別邸に見知らぬ住人が住んでいるから、名主が調べに行くと、松倉屋の知り合いだという人物が住んでいた。名主が松倉屋に問い合わせていくと、そんな人は知らないという。名主は困惑して、何度も松倉屋を訪ねるが主人も番頭も出てこない。するとある日、松倉屋聖之助と番頭の伊左衛門が急に旅に出かけたという。
その相談を受けたあと、山形からきた原田みづきとう女性から、家に代々伝わる紅花初め秘帳が盗まれたという。それをもっていったのが母親の幸江らしい。どうしても秘帳と取り戻したい、というみづき。そしてみづきには実は聖之助との縁談話が実は持ち上がっていた。
二つの相談をうけたあと、江戸南町奉行の根岸肥前守鎮衛のもとへいった新八は、幸江が逃げたらしい奥州・白河へ向かうように言われる。そして向島の一件は、大竹金吾に調べるよう命じられる。
この二つの事件は何らかの関わりがあるのか?
新八郎は足を踏み入れたことのなかった、東北へ向かった――。

また巡り来る花の季節は 震災を詠む
文芸(単行本)
全国各地の人々が震災への思いを歌に。
決して忘れてはならない震災の記憶を、率直に、切実に詠んだ歌の数々。復興への希望の一冊。

創作の極意と掟
文芸(単行本)
創作歴60年の筒井康隆が満を持して執筆した、『文学部唯野教授』実践篇とも言うべき一冊。作家の書くものに必ず生じる「凄味」とは? 「色気」の漂う作品、人物、文章とは? 作家が恐れてはならない「揺蕩」とは? 「小説」という形式の中で、読者の想像力を遥かに超える数々の手法と技術を試してきた著者だからこそ書ける、21世紀の“文章読本”。創作歴60年の筒井康隆が初めて明かす、目から鱗の全く新しい小説作法!
これは作家としての遺言である――。創作歴60年の筒井康隆が満を持して執筆した、『文学部唯野教授』実践篇とも言うべき一冊。
作家の書くものに必ず生じる「凄味」とは? 「色気」の漂う作品、人物、文章とは? 作家が恐れてはならない「揺蕩」とは?
「小説」という形式の中で、読者の想像力を遥かに超える数々の手法と技術を試してきた筒井康隆だからこそ書ける、21世紀の“文章読本”。豊富な引用を元に、小説の書き方・読み方を直伝する贅沢な指南書です。
小説界の巨人・筒井康隆が初めて明かす、目から鱗の全く新しい小説作法!

日本橋本石町やさぐれ長屋
文芸(単行本)
日本橋本石町にある弥三郎店の住人は事情をかかえた人たちばかりだ。気になる相手ができたと思えば出戻りだったり、旦那が勤め先から帰ってこなかったり、あげくの果てには店立ての噂が持ち上がる!
日本橋本石町に弥三郎店と呼ばれる長屋があった。事情を抱えた住人ばかりが住んでいて――。
「時の鐘」真面目一徹、そろそろ嫁をと周囲から勧められる鉄五郎。そんな鉄五郎に気になる相手が現れたのだが、若くして出戻ったおやすという莨屋の女だった。
「みそはぎ」おすぎは、老いた母親の面倒をみている。ある日、勤め先の井筒屋に見慣れぬ男が来るようになった。
「青物茹でて、お魚焼いて」おときの旦那は錺職人。次第に泊まり込みの日数が長くなり、しまいにはひと月にもなった。
「嫁が君」おやすはずっと旦那が家にいるおひさのことが羨ましい。ある日、この旦那が寄せ場からきた人物だと噂になる。
「葺屋町の旦那」おすがのかつての奉公先の倅が、弥三郎店にやってきた。どうやらこの倅、わけありのようで。
「店立て騒動」弥三郎店が店立てに?! 住人は緊急事態にてんやわんやの大騒ぎ。どうにかこの事態をとめられないか。長屋の住人が一致団結して行ったことは。

立身いたしたく候
文芸(単行本)
「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる!
「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」
幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった!
戦国の世も今は昔、太平楽の時代における武士たちは、上役への朝駆け、水泳訓練、出張土産を考えて、試験勉強に明け暮れる……役目を得ても、上様のペットの餌を探したり、上司のパワハラ、部下の気鬱に悩まされ、はたまた何もできない老人が地位にしがみついて引退しない。「武士とは、仕事とはなにか」。新米武士の駿平が、「お家」を守るため、武家の世界をかけずり回って「立身出世」を試みる、シューカツ時代小説。

おい!山田
文芸(単行本)
「おい山田、お前今日からゆるキャラな」大翔製菓・広報宣伝部に異動した山田は、そのままのサラリーマン姿でゆるキャラとなり、新製品「ガリチョコバー」のPRをすることに!「わかりました。私が山田さんをプロデュースします。打合せしましょう」同僚の水嶋里美は突然立ち上がったプロジェクトに戸惑いつつも、持ち前の負けん気の強さで引き受けた。笑いと涙の、ノンストップゆるキャラスペクタクル!
「おい山田、お前今日からゆるキャラな」
大翔製菓・広報宣伝部に異動した山田助(やまだ・たすく)は、そのままのサラリーマン姿でゆるキャラとなり、新製品「ガリチョコバー」のPRをすることに!
「わかりました。私が山田さんをプロデュースします。打合せしましょう」
同僚の水嶋里美(みずしま・さとみ)は突然立ち上がったプロジェクトに戸惑いつつも、持ち前の負けん気の強さで引き受けた。果たして山田の運命やいかに?
理不尽と闘うすべての人に、届け!!

皿の中に、イタリア
文芸(単行本)
『ジーノの家』で「日本エッセイスト・クラブ賞」、「講談社エッセイ賞」を受賞した、イタリア在住歴30年以上の著者が描く、食と人を巡るエッセイ集。青空市場で魚を売る無口なカラブリア出身の三兄弟。毎年、夏に農家で作るトマトピューレ。自慢のオリーブを黙って差し出す、無骨なリグリアの父娘。スープに凝縮される家族の歴史。食べることは、生きること。食と共に鮮やかに浮かび上がる、イタリアに住まう人々の営み20編。
『ジーノの家』で「日本エッセイスト・クラブ賞」、「講談社エッセイ賞」を同時受賞した、イタリア在住歴30年以上の著者が描く、食と人を巡るエッセイ集。青空市場で魚を売る無口なカラブリア出身の三兄弟。毎年、夏に農家で作るトマトピューレ。自慢のオリーブを黙って差し出す、無骨なリグリアの父娘。スープに凝縮される家族の歴史。食べることは、生きること。食と共に鮮やかに浮かび上がる、イタリアに住まう人々の営み20編。