文芸(単行本)作品一覧

東京暮らし 江戸暮らし
文芸(単行本)
いくつになっても季節はめぐる。傘寿を迎えたベストセラー作家の名随筆集「はさぶさ新八御用帳」「御宿かわせみ」などのベストセラーシリーズをはじめ、最前線で小説を書き続ける作家の日常。振り返れば半世紀。かつてお世話になった先輩作家たちの姿はないが、筆を執り、江戸に思いを馳せつつ、いまの日々を丹念に暮らす。買い物、お食事、芝居に旅行と趣味も多彩。軽やかに、ゆったりと、心あたたまる名随筆集第4弾
いくつになっても季節はめぐる。傘寿を迎えたベストセラー作家の名随筆集
「はさぶさ新八御用帳」「御宿かわせみ」などのベストセラーシリーズをはじめ、最前線で小説を書き続ける作家の日常。
振り返れば半世紀。かつてお世話になった先輩作家たちの姿はないが、筆を執り、江戸に思いを馳せつつ、いまの日々を丹念に暮らす。買い物、お食事、芝居に旅行と趣味も多彩。軽やかに、ゆったりと、心あたたまる名随筆集第4弾
お馴染みの「大衆文芸」巻頭随筆、「KENZAN!」人気連載「仕事場の窓辺から」、”お宮のゆみちゃん”と呼ばれていた子供時代から、作家デビュー、そしてあれよあれよの直木賞受賞。日本を代表するベストセラー作家の半世紀を振り返る読売新聞「時代の証言者」を収録。
戸川幸夫、長谷川伸ら師匠ほか、先輩作家との心あたたまる交流。大好きな買い物にお食事、趣味の海外旅行など。めぐりゆく季節の中、作家の思いは募る。軽やかに、ゆったりと。

私の箱子
文芸(単行本)
中国語で箱のことを「箱子(シャンズ)」という。台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。四人で暮らした思い出の家を取り壊すとき、偶然見つかった「箱子」。そっと覗き込むと、「家族の記憶」が溢れ出した--。名家の跡取り息子として生まれた父、年の差を越えて国際結婚をした母。ふたりは娘たちを残して、相次いでこの世を去った。大人になった筆者は、母が大切にしていた「箱子」の中身をひとつひとつ確かめる。
中国語で箱のことを「箱子(シャンズ)」という。台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。四人で暮らした思い出の家を取り壊すとき、段ボールの中から偶然見つかった「箱子」。そっと覗き込むと、「家族の記憶」が溢れ出した--。
台湾屈指の名家「顔家」の跡取り息子として生まれた父、16歳の年の差を越えて国際結婚をした母。ふたりは娘たちを残して、相次いで早くにこの世を去った。歳月を経て大人になった筆者は、母が大切にしていた「箱子」の中身をひとつ、ひとつ確かめる。そこには、台湾と日本を往復した、結婚前の初々しい決意を示す両親の手紙や、母子手帳、父と娘の書簡の束、家族写真、そして、父のガン闘病の記録を綴った母の日記などがあった。それらに目を通していくうちに、筆者は封印していた自らの記憶を鮮明に思い出していく。
台湾で過ごした幼少時代、台湾語・中国語・日本語をあやつりながら周囲の顔色を観察して慎重に行動するようになったこと、6歳年下の妹の誕生、大好きだったおやつ、スパルタ式台湾教育、日本で始まった新しい暮らし、ふと閉ざされる父の部屋、突然の父のガン宣告、闘病中ある理由で口をきかなくった両親の伝言係を務めたこと、父との別れ、歯科大学入学、母の急逝、女優への挑戦--。
さらに「箱子」に導かれるように生前の父を知る人を訪ね歩くと、これまで知らなかった、台湾と日本の激動の歴史に翻弄された父の人生が浮かび上がっていく。日本統治下の台湾で日本人として生まれた父、太平洋戦争開戦の年に学習院中等科入学、国民義勇隊の一員として疎開先で聞いた玉音放送、終戦後「祖国」が戦勝国と敗戦国に分かれてしまった父の苦悩、失意の帰国と待ち受けていた熾烈な二・二八事件--。次から次へと迫りくる過酷な歴史の波と、名家の長男・財閥の後継者としてのプレッシャーに、ときにアルコールに溺れながら耐え続けた父がようやく辿りついたのは、かけがえのない大切な自分の家族だった。
子供の頃にはわからなかった「なぜ」の数々が明らかになったとき、果てることのない家族の絆と深い愛に包まれる。
爽快でみずみずしい筆致で描かれた、書き下ろし初エッセイ。

すかたん
文芸(単行本)
江戸詰め藩士だった夫の赴任にともなって、知里は初めて大坂の地を踏んだ。急な病で夫が亡くなり、自活するしかなくなった知里は、天下の台所・大坂でも有数の青物問屋に住み込み奉公することに。慣れない仕事や習慣の違いに四苦八苦し、厳しいおかみさんから叱責されながらも、浪華の食の豊かさに目覚め、なんとか日々をつないでいく。
江戸の饅頭屋のちゃきちゃき娘だった知里は、江戸詰め藩士だった夫の大坂赴任にともなって、初めて浪速の地を踏んだ。急な病で夫は亡くなり、自活するしかなくなった知里は、ふとしたはずみから、天下の台所・大坂でも有数の青物問屋「河内屋」に住み込み奉公することに。慣れない仕事や東西の習慣の違いに四苦八苦し、厳しいおかみさんから叱責されながらも、浪速の食の豊かさに目覚め、なんとか日々をつないでいく。おっちょこちょいで遊び人ながらも、幻の野菜作りには暴走気味の情熱を燃やす若旦那に引き込まれ、いつしか知里は恋に落ちていた。障害だらけのこの恋と、青物渡世の顛末やいかに。
書き下ろし長編時代小説。

傷痕
文芸(単行本)
この国が20世紀に産み落とした偉大なるポップスターがとつぜん死んだ夜、報道が世界中を黒い光のように飛びまわった。彼は51歳で、娘らしき、11歳の子どもが一人残された。彼女がどうやって、誰から生を受けたのか、誰も知らなかった。凄腕のイエロー・ジャーナリズムさえも、決定的な真実を捕まえることができないままだった。娘の名前は、傷痕。偉大すぎるスターの真の姿とは? そして彼が世界に遺したものとは?
直木賞作家・桜庭一樹の長編
彼は世界に愛された、だが――。
突然この世を去ったスーパースターが残した愛娘をめぐり、大人たちの欲望と思惑が交錯する。最愛の人を失い傷ついた少女の悲しみと回復、そして再生を丹念な筆致で描き出す。
この国が20世紀に産み落とした偉大なるポップスターがとつぜん死んだ夜、報道が世界中を黒い光のように飛びまわった。彼は51歳で、娘らしき、11歳の子どもが一人残された。彼女がどうやって、誰から生を受けたのか、誰も知らなかった。凄腕のイエロー・ジャーナリズムさえも、決定的な真実を捕まえることができないままだった。娘の名前は、傷痕。多くの人が彼について語り、その真相に迫ろうとする。偉大すぎるスターの真の姿とは? そして彼が世界に遺したものとは?

よろず御探し請負い候
文芸(単行本)
江戸で「御探し物請負屋」をやっている藤井文平は元服前の十六歳。優男の森川哲哉と、巨漢の本田岩五郎が、暇つぶしの押しかけ助手として文平を手伝っている。一筋縄ではいかない探索に、古美術や季節の風物を盛り込んで描く珠玉の連作時代小説。
貧乏浪人の息子である藤井文平は、小柄でまだ元服前の前髪立ちだが、少しでも家の暮らしの足しになればと、2年前から「御探し物請負屋」という看板をあげている。
ひょんなことから知り合いとなった旗本妾腹の部屋住みで、色男の森川哲哉と、御書院番組頭の三男坊で、岩と呼ばれるほど大柄な本田岩五郎が、暇つぶしの押しかけ助手として文平を手伝ってくれている。2人はそれぞれ剣の達人、かつて昌平黌に学んだ秀才でもある。
いずれも一筋縄ではいかない3件の依頼品の探索に、凸凹3人組が江戸を駆ける。古美術や江戸の風物を盛り込みながら、人の心の機微を描く、連作長編時代小説。

翼姫 -closed summer closed sky-
文芸(単行本)
脚の故障でバスケ選手の道を断念した堤(つつみ)裕司(ゆうじ)は、幼馴染の里穂(りほ)に誘われ民俗学研究会の調査旅行に参加する。訪れたのは天女伝説が残る静岡県中部の田舎町、比良賀(ひらが)町。町の伝統行事「羽焚(はねた)き祭」に参加した夜、ひとりで町へ出た裕司は片翼の天女・妃沙子(ひさこ)に出会う。彼女は不思議な力で裕司の脚を治すが、一行が町を出る朝事件が起こる……。
知ってはいけない、禁断の伝説
最恐伝奇ホラー
鈴の鳴るような音がした。顔を上げた、そこに。小さな女の子が一人。石垣の上に腰を下ろして夜空の月を眺めていた。流れるような、黒く艶やかで癖のない髪が腰の位置にまでたなびく。月明かりの下に青白く映える白いワンピース。素足にサンダルを履いた少女。年の頃は中学生、あるいは小学校高学年ぐらいにも見える。大きな目。月明かりを映しこんで宝石のように輝いていた。
「お前」いったい何だ。何者だ。
「――妃沙子(ひさこ)、という」
願いの成就と引き換えに埋め込まれる天女の羽根。その代償はあまりに大きくて……
「あのな、俺もうここには来られない」
脚の故障でバスケ選手の道を断たれた堤裕司は、幼馴染の里穂に誘われ民俗学研究会の調査旅行に参加する。訪れたのは天津人(天女)伝説が残る静岡県中部の田舎町・比良賀町。町の伝統行事「羽焚き祭」に参加した夜、ひとり町へ出た裕司は片翼の天女・妃沙子に出会う。彼女は不思議な力で裕司の脚をもとどおりに治し、彼を喜ばせるが――。一行が町を去る朝、その事件は起こった。
「――主、妾(わらわ)から離れられると思うとるのかの?」

焔火
文芸(単行本)
昭和初期の東北の寒村で貧しい狸とりの息子として、侘しい暮らしを送る男。肺病の家系にあり、村八分にされている。そんな彼の心の慰めは、おミツという村の女だった。盗人の家に生まれ、差別さて続けたおミツと男は惹かれあう。しかし、あるとき村長の息子たちに捕らえられ、おミツは殺され、男は村長の息子等を殺して、命からがら生まれた村を離れる。自然の中でつかの間の幸せを味わう男に迫る追っ手の魔の手。彼の運命はいかに
昭和初期の東北の寒村で貧しい狸とりの息子として、侘しい暮らしを送る男。肺病の家系にあり、村八分にされている。そんな彼の唯一の心の慰めは、おミツという村の女だった。盗人の家に生まれ、差別さて続けたおミツと男は強く惹かれあう。しかし、あるとき村長の息子たちに捕らえられ、おミツは殺され、男は村長の息子等を殺して、命からがら川に飛び込み、生まれた村を離れる。逃亡生活の中で男は山の民、川の民、盲目の遊女、破戒僧らと出会う。自然の中でつかの間の幸せを味わう男に、ひたひたと迫る追っ手の魔の手。彼の運命はいかに。

赤刃
文芸(単行本)
第6回小説現代長編新人賞受賞作! 徳川家光の治世。百を超える<辻斬り>の災禍に、江戸の町は震撼していた。殺戮集団の主犯は、戦国の英雄、元津藩士の赤迫雅峰とその一党。幕府が送る刺客は次々と返り討ちにあい、老中・松平伊豆守は切り札となる<掃討使>に旗本・小留間逸次郎を任命する。赤迫対逸次郎、血塗られた闘いは連鎖し、やがて市中は戦場と化す――。無惨にして無常。これぞ、新時代の剣戟活劇!
第6回小説現代長編新人賞受賞作!
伊集院静氏「現代人が失いかけている、ひたむきさ、けなげさがまことによく出ている。乱を孕む時代を疾走する青年武士、逸次郎は爽快であった」
石田衣良氏「戦場の異種格闘技としての武士の決闘を描く。現在の時代小説に欠落している部分を埋める可能性のある作品」
江戸初期、徳川家光の治世。百を超える<辻斬り>の災禍に、江戸の町は震撼していた。殺戮集団の主犯は、戦国の英雄、元津藩士の赤迫雅峰とその一党。幕府が送る刺客は次々と返り討ちにあい、老中・松平伊豆守は切り札となる<掃討使>に旗本・小留間逸次郎を任命する。赤迫対逸次郎、血塗られた闘いは連鎖し、やがて市中は戦場と化す--。無惨にして無常。これぞ、新時代の剣戟活劇!

贖罪の奏鳴曲
文芸(単行本)
どんでん返しが止まらない! 怒濤のリーガル・サスペンス!! 大森 望氏、推奨!封印された過去が新たな「罪」へ。「正義」と「贖罪」の意味を問う驚愕のミステリー! 弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聞く。だが、死亡推定時刻には法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。『さよならドビュッシー』で「このミス」大賞受賞の作家による新たな傑作!
どんでん返しが止まらない! 怒濤のリーガル・サスペンス!! 大森 望氏、推奨!
封印された過去が、新たな「罪」へ。「正義」と「贖罪」の意味を問う驚愕のミステリー。
『さよならドビュッシー』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した作家による新たな傑作誕生!
弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聞く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。

レヴィ=ストロース伝
文芸(単行本)
レヴィ=ストロースが生前認めた最後の評伝がついに日本語訳! 世紀を駆け抜けた知の巨人、100年11ヵ月の生涯のすべて。
『親族の基本構造』、『悲しき熱帯』、『構造人類学』、『野生の思考』、『神話論理』……二十世紀後半の思想界に巨大な足跡をのこした人類学者の軌跡と人間クロード・レヴィ=ストロースとしての知られざる素顔に迫る。

恋物語
文芸(単行本)
阿良々木暦を守るため、神様と自分の命を取引した少女・戦場ヶ原ひたぎ。約束の“命日”が迫る冬休み、彼女が選んだのは、真っ黒で、最悪の手段だった……。-物語-はその重圧に軋み、捩れ、悲鳴を上げる――-物語-シリーズセカンドシーズンこれにて完結!アニメ第二期も1月よりオンエア開始!2012年も怪異!怪異!怪異!

地の底のヤマ
文芸(単行本)
作家人生を賭けた書き下ろし超大作!
呑んだ、愛した、闘った!
九州大牟田・三池炭鉱。故郷を深く愛する一人の警官の人生を軸に、昭和三十五年から現在に至る、熱き男たちの生き様を描ききる。
これを読まずに日本の戦後は語れない――
この小説は事件である。恩讐も愛憎も曝け出し、生かされた、剥き出しの人間がここにいる。――(書評家 田口 晃)
<絶賛の声が続々届いています!>
「静かなる生命讃歌の叫び。逃げるな。目を背けるな。哀しくも熱いこの物語に、食らいつけ!」――(ライター 吉田大助)
「町の歴史を丹念にひもとき、登場人物の一人一人にまで目を配ったが故に成立したこの圧倒的な存在感を、是非体感されたい。」――(書評家 村上貴史)
第33回吉川英治文学新人賞受賞
第30回日本冒険小説協会大賞受賞

ジョン・マン 大洋編
文芸(単行本)
初めて挑む歴史大河小説、待望の第2弾! 幕末日本を救う中浜万次郎こそジョン・マンの奇跡の生涯。十四歳になった万次郎は、初めて乗った船で嵐に巻き込まれ遭難するが、伊豆諸島南端の無人島に流され、五ヵ月後、米捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助される。船員たちから厄介者扱いされる中、必死に動き、働き、生き抜く。クジラとの格闘、未知の島々。世界へ飛び出す決意をする!
著者初の歴史大河小説。ジョン・マン、大海へ! 世界へ!!
時代小説の名手が挑む、初めての歴史大河小説。幕末日本を救う中浜万次郎こそジョン・マン、まだ何者でもないひとりの貧しい少年が、大海へ漕ぎ出す!
十四歳になった万次郎は、初めて乗った船で嵐に巻き込まれ遭難するが、伊豆諸島南端の島に流され、五ヵ月後に捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助される。船員たちから厄介者扱いされる中、必死に動き、働き、生き抜く。クジラとの格闘を目の当たりにし、日本人として初めてハワイを見、そして一路アメリカ大陸を目指す。

戦国BASARA3 徳川家康の章
文芸(単行本)
豊臣秀吉を倒し、“絆の力”で日の本の国を統一せんと願い、ついに動き始めた徳川家康。彼は雑賀孫市の力を借り、戦国最強・本多忠勝と共に関ヶ原を目指す。群雄割拠する乱世の天に、彼の祈りは届くのか……!?

エソラ vol.13
文芸(単行本)
「二子玉ニューワールド」「碑文谷イミテーションラブ」早見和真 一挙二本掲載!「あお」千早茜 完結編!「芳一─東国の亡霊─」堀川アサコ 初登場!「バカばっかりの世界」佐藤青南 初登場!「アストロノーツに花束を」福田和代「ハナビ」畑野智美「デニッシュ」益田ミリ漫画 「デッドライン」今日マチ子
「二子玉ニューワールド」
早見和真
耕司とつきあい始めてから七年。
わたしは一体何が変わってしまったのだろう。
「あお」
千早茜
この世で一番きれいで恐ろしいと思ったものを、
おれは歪めることしかできなかった。
「芳一─東国の亡霊─」
堀川アサコ
時は南北朝。琵琶法師の芳一が語ると、
黒衣の怨霊が現れた――。
「バカばっかりの世界」
佐藤青南
もうどこにも逃げられない。
恋人【傍点 、、】の行動に翻弄され、追い込まれていく洋介。
「アストロノーツに花束を」
福田和代
遺体をおさめたカプセルを宇宙に打ち上げる”宇宙葬”が流行中。
そのカプセルが軌道から逸れた?
「ハナビ」
畑野智美
ア太郎やホームズや太宰には悪いけれど、
この気持ちが本物の恋なのだと思う。
「デニッシュ」
益田ミリ
退屈な毎日の中にあらわれた、パン職人の「柳田くん」。
少しずつ変化していく、わたしと彼の関係を瑞々しく描く。
「碑文谷イミテーションラブ」
早見和真
クリスマスイブの深夜二時過ぎ、
ぼくは帰宅しない里沙をじりじりと待ち続けていた。
「デッドライン」
今日マチ子
女子高生と入れかわった老作家が、
原稿も書かずに学校に行って――。

メフィスト 2011 VOL.3
文芸(単行本)
綾辻行人「奇面館の殺人」、法月綸太郎「キングを探せ」の冒頭部分を先行掲載!さらに高田崇史「QED」完結記念特別座談会も!第46回メフィスト賞受賞作や、“メフィスト総選挙”の結果発表など盛りだくさんな内容。西尾維新最新作はじめ、山口雅也「垂里冴子シリーズ」、麻耶雄嵩「メルカトルシリーズ」など話題作も目白押し。豪華長編連載陣に、恩田陸、今野敏、我孫子武丸、二階堂黎人、あさのあつこ。
ファン待望の新刊、綾辻行人「奇面館の殺人」と法月綸太郎「キングを探せ」の冒頭部分を先行掲載!著者お二人のメッセージ付きです!!さらに大人気シリーズ「QED」完結記念特別座談会として、著者と歴代担当者が創作の秘密を語り尽くします!
“メフィスト初登場ミステリ作家競作”では三木笙子、高井忍、詠坂雄二、相沢沙呼が執筆。第46回メフィスト賞受賞作や、“メフィスト総選挙”の結果発表など盛りだくさんな内容は見逃せません。
西尾維新最新作はじめ、山口雅也「垂里冴子シリーズ」、麻耶雄嵩「メルカトルシリーズ」や倉知淳、初野晴、上遠野浩平、化野燐、木原浩勝、深水黎一郎など話題作も目白押し。
豪華長編連載陣に、恩田陸、今野敏、我孫子武丸、二階堂黎人、あさのあつこ。
二階堂黎人「覇王の死」と、円堂都司昭「大胆エンタメ進化論」は、今号が最終回です!

キングを探せ
文芸(単行本)
殺しのターゲットは4人。シャッフルされた犯行の行方は? 完璧な交換殺人を目論む男たちに、綸太郎の頭脳は勝てるのか。奇妙なニックネームで呼び合う4人の男たち。なんの縁もなかった彼らの共通項は“殺意”。どうしても殺したい相手がいる、それだけで結託した彼らは、交換殺人を目論む。誰が誰のターゲットを殺すのか。それを決めるのはたった4枚のカード。粛々と進められる計画に、法月警視と綸太郎のコンビが挑む!
殺しのターゲットは4人
シャッフルされた犯行の行方は?
完璧な交換殺人を目論む男たちに、綸太郎の頭脳は勝てるのか
法月綸太郎シリーズ長編書き下ろし!
奇妙なニックネームで呼び合う4人の男たち。なんの縁もなかった彼らの共通項は“殺意”。どうしても殺したい相手がいる、それだけで結託した彼らは、交換殺人を目論む。誰が誰のターゲットを殺すのか。それを決めるのはたった4枚のカード。粛々と進められる計画に、法月警視と綸太郎のコンビが挑む!

黒猫ギムナジウム
文芸(単行本)
九鬼白雪は、妖術学校「吽影開智学校」の新入生。出迎えた卒業生の猫目坊はじめ、ひとくせもふたくせもある同級生や教師たちとの奇妙な学校生活が始まる。白雪を待ち受けていたのは、帝都の夜廻り、怪異と冒険、友情とミステリー、そして……。
九鬼白雪(くきしらゆき)、14歳。妖術学校に入学。
九鬼白雪が故郷を離れ、僻陬(へきすう)の地から帝都東京に上京してきたのは、1893年、弥生の暮で、春特有の風のある昼下がりだ。開きかけた三分咲きの桜が、そわそわとした期待感を募らせた。
「猫目坊だ。お迎えにあがったよ」
この魑魅魍魎うごめく帝都が学び舎。
「行けよ。気をつけてな九鬼家の白雪」
九鬼白雪は、妖術学校「吽影開智(うんえいかいち)学校」の新入生。出迎えた卒業生の猫目坊はじめ、ひとくせもふたくせもある同級生や教師たちとの奇妙な学校生活が始まる。白雪を待ち受けていたのは、帝都の夜廻り、怪異と冒険、友情とミステリー、そして……。
「居場所が割れると、あなたは困るの?」
「ああ。おたずねもんだ」

ジェントルマン
文芸(単行本)
誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった――。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが……。
ぼくの愛したその男、罪人(つみびと)につき。
非の打ちどころのない優しさを持つ青年、漱太郎。紳士の顔に隠された、道徳の汚れを垣間見たそのときから、夢生は彼の“告解の奴隷”となった――。
哀切極まる衝撃の結末に、あなたは耐えられるか。
圧倒的熱量で紡がれる生と性の残酷さ、ままならない恋の究極。
眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体――紛うことなき、犯罪者。
誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった――。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが……。
比類なき愛と哀しみに彩られた、驚愕のピカレスク長篇小説。

ゴースト・トレインは東の星へ
文芸(単行本)
75年に発表され、一躍ポール・セローの名を世に知らしめた『鉄道大バザール』。ロンドンからトルコ・イラン・インド・タイ・ベトナム・日本・ソ連を鉄道で旅する大旅行記で、日本でも大きな話題を集めました。本書はそのセローが、30数年の時を隔て、かつて訪れた場所を再び鉄道で辿り直した旅を記録したものです。時の流れのなか、各都市はいかに変わったか? 若き眼に映ったものは、いまどう感じるか? 各都市の変貌を、時にシニカルに、とくに温かく、生き生きと活写していきます。「東」の世界の「いま」を知る最適な一冊です。
・イスタンブールでノーベル賞作家オルハン・バムクに会う。
・奇妙な独裁国家、トルクメニスタン。
・インド──サイ・ババ道場を訪ね、マハラジャの大邸宅でお茶を飲む
・スリランカ──幻の作家アーサー・C・クラーク訪問。
・豊かさのなかの不自由、そして秘密のセックス・タウン──シンガポール。
・巨大都市バンコクの光と影。
・ミャンマーでのある貧しいリキシャ夫との出会い。
・アメリカが負けた国、ベトナム再訪。
・ハルキ・ムラカミの案内でいくトーキョー。
・稚内で温泉につかる。