講談社現代新書作品一覧

人はどう死ぬのか
人はどう死ぬのか
著:久坂部 羊
講談社現代新書
誰にも訪れる「死」。しかし、実際にどのようにして死んでいくのかを知っている人は少ない。人がどのような末期を知らないと、虐待に等しい終末期医療に苦しみ、悲惨な死を迎えることになりかねない。肉親が迎えたとき、そして自ら死を覚悟したとき、どのような死に方を選べばいいのか。在宅診療医として数々の死を看取った、作家の久坂部羊氏が、人がどのような死を迎えるのかをリアルに描き、安らかな死を迎えるために、私たちが知っておくべきことを解説する。その日に備えて、読んでおきたい「死の教科書」 はじめに 第一章 死の実際を見る、心にゆとりを持って  第二章 さまざまな死のパターン 第三章 海外の「死」見聞録 第四章 死の恐怖とは何か 第五章 死に目に会うことの意味 第六章 不愉快な事実は伝えないメディア 第七章 がんに関する世間の誤解 第八章 安楽死と尊厳死の是々非々 第九章 上手な最期を迎えるには
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独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」
独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」
著:山野 弘樹
講談社現代新書
「自分の頭で考える力」が根本から身につく! 答えなき時代に独学を深めるうえで必須の「考える技術」を、気鋭の哲学者が徹底解説。 答えのない時代には 自分の頭で考え、学びを深める力=「独学力」が必須だ! ◆勉強の質を高める哲学メソッド ◆「良い問い」と「不適切な問い」 ◆「一問一答式知識観」を捨てる ◆「ソクラテス式問答法」の問題点 ……など 【本書の目次】 はじめにーー答えなき時代に求められる「独学の力」 プロローグ 「考える」とはどういうことか?   ーーショーペンハウアー『読書について』から考える 第1部 原理編ーー5つの「考える技術」   第1章 問いを立てる力ーー思考の出発点を決める   第2章 分節する力ーー情報の質を見極める   第3章 要約する力ーー理解を深める   第4章 論証する力ーー論理を繋げて思考を構築する   第5章 物語化する力ーー相手に伝わる思考をする 第2部 応用編ーー独学を深める3つの「対話的思考」   第6章 対話的思考のステップ1ーー「問い」によって他者に寄り添う   第7章 対話的思考のステップ2ーーチャリタブル・リーディングを実践する   第8章 対話的思考のステップ3ーー他者に合わせた「イメージ」を用いる おわりに
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現代思想入門
現代思想入門
著:千葉 雅也
講談社現代新書
《「新書大賞2023」大賞受賞!!》 人生を変える哲学が、ここにある――。 現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、究極の「入門書」 ■デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー…… 最高峰の哲学者たちの「考えていること」が面白いほどよくわかる! ■「物事を二項対立で捉えない」「すべての仕事を“ついで”にやる」…… 哲学とライフハックがダイレクトにつながる! ■きちんとしすぎる窮屈な管理社会…… 秩序からの逸脱を肯定する言葉に励まされる! 「本書は、「こうでなければならない」という枠から外れていくエネルギーを自分に感じ、それゆえこの世界において孤独を感じている人たちに、それを芸術的に展開してみよう、と励ますために書かれたのでしょう。」 ――「おわりに 秩序と逸脱」より [本書の内容] はじめに 今なぜ現代思想か 第一章 デリダ――概念の脱構築 第二章 ドゥルーズ――存在の脱構築 第三章 フーコー――社会の脱構築 ここまでのまとめ 第四章 現代思想の源流――ニーチェ、フロイト、マルクス 第五章 精神分析と現代思想――ラカン、ルジャンドル 第六章 現代思想のつくり方 第七章 ポスト・ポスト構造主義 付録 現代思想の読み方 おわりに 秩序と逸脱
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海外メディアは見た 不思議の国ニッポン
海外メディアは見た 不思議の国ニッポン
編:クーリエ・ジャポン
講談社現代新書
なぜ日本人は銀メダルを取ったのに、謝罪するのか? 働き過ぎなのに、労働生産性が低い理由…… 米「ニューヨーク・タイムズ」、英「ガーディアン」、仏「ル・モンド」らが報じた日本の謎とは? ・世襲政治家が多い理由 ・なぜファックスをやめられないのか ・会社員を縛る「義理チョコ」という集団心理とは ・居眠りは勤勉の証!? ・なぜ「年上がエラい」のか ・日本でポピュリズムが台頭しないのはなぜか ・日本人の自殺率が高い理由 ・「人間より人形が多い」限界集落とは ・創業1000年の老舗の生存戦術 ・なぜ若者は海外へ行かないのか ・女性スポーツ選手に「女らしさ」を求める理由 ・なぜ若者の投票率は低いままなのか ・海外メディアは日本の皇室をどう見ているか…他 反響の大きかった記事から見えてくる、日本の「いま」、そして「未来」。
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まだ間に合う 元駐米大使の置き土産
まだ間に合う 元駐米大使の置き土産
著:藤崎 一郎
講談社現代新書
推薦のことば YOSHIKIさん 「X JAPANのXは、無限の可能性。 だから『チャンスは誰にでもある』という藤崎さんの本に心から共感」 佐藤可士和さん 「読むと勇気が湧いてくる。 人生のリ・デザインの実践的アドバイス」 人生に「もう遅すぎる」はありません――。 次世代への直球アドバイス! 元駐米大使にして、現在は教育者としても活躍する著者が語る、学生時代・社会人・国際人の心得。 主な内容 1 人生のデッサンは自分で ●時間のモノサシと場所のモノサシ ●時間管理を覚える ●役に立つ勉強は ●選択肢を考える練習 ●ほれる仕事を選ぶ 2 社会人 入門から卒業 ●スタートは大事 ●外交官直伝! 記録とりの極意 ●組織への忠誠心はほどほどに ●思い込まずに「ちょっと待てよ」 ●危機に直面したとき ●社会人の「アイウエオ」 ●経験は勘の母 ●退職――OB入門 3 国際社会に出る ●一度は井戸から出てみる ●めざす英語のレベルと訓練法 ●PRマンにはなるな ●会議の発言「引用されてナンボ」 ●スピーチはアタミで わたしは、けっして外交官生活を楽々とこなしたわけではありません。むしろ、こけつまろびつという感じでした。わたしがやった失敗も書きました。どうして失敗したのか、失敗から何を学んだかも本音で書きました。 わたしのやったとおりがいいから参考にしてほしいというつもりはまったくありません。むしろこういう回り道はしない方がいいですよ、と伝えるために恥をしのんで書いています。 「こんな人でも組織や国際社会をなんとか生きぬけたのか、それなら自分だって」 と自信を持っていただければ幸いです。(「はじめに」より)
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スピノザ 人間の自由の哲学
スピノザ 人間の自由の哲学
著:吉田 量彦
講談社現代新書
「本当に存在するのは神のみであり、人間を含め、その他のものはすべて神の<様態>に過ぎない」――一見、もっとも「自由」からはほど遠いように見えるスピノザ哲学が、自由こそは人間の「本性」と考えるのはなぜなのか? 政治的閉塞に被われた現代社会に風穴を開ける、もっともラディカルな思想の魅力を平易な文体で綴る。まったく新しいスピノザ哲学の入門書。 ・「自然の権利や決まりとは、わたしの理解では、個物それぞれに備わった自然の規則に他ならない。あらゆる個物は、こうした規則にしたがって特定の仕方で存在し活動するよう、自然と決められているのである」(スピノザ『神学・政治論』第16章2節)。 ・「スピノザが『神学・政治論』後半部で提示した政治哲学は、恐らくそれまでの西洋哲学史上類を見ないほどの徹底性をもって、わたしたち一人一人の「哲学する自由」つまり思想・言論・表現の自由のかけがえのなさを強調しています。しかもただ闇雲に大事だと叫びたてるのではなく、大事なものである理由を人間の自然権という、存在論的な基盤にまでさかのぼって徹底的に根拠づけようとしているのです」(本書第8回 自由は国を滅ぼすか――スピノザの思想<四>より)
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平安京の下級官人
平安京の下級官人
著:倉本 一宏
講談社現代新書
平安のお役人もつらかった? 古記録から浮かび上がる庶民たちの人生! 五位以上の貴族と六位以下の下級官人たちの埋めがたい格差、下人同士の闘乱、平安京を彩る諸芸の人びと――。 平和で優雅な時代の苛酷な日常を描き出す一冊。 ・上級貴族の邸第は一町四方、下級官人は四分の一町四方が標準 ・下級官人は、家に築地塀を築いたり、檜皮葺にすることは禁止 ・親が下級官人であれば、出世は事実上閉ざされていた ・任官を切々と訴える書家の申文 ・官符を偽作した七十六歳の涙 ・清少納言の兄の殺害事件 ・道長邸で盗まれた二千両 ・下級官人たちの抗議の訴え ・疫病に襲われた平安京の感染対策 ・鴨川洪水の被害 ・死穢は三十日の忌み
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性(セックス)と宗教
性(セックス)と宗教
著:島田 裕巳
講談社現代新書
■性をめぐる宗教界のスキャンダルとは ■なぜ浄土真宗だけが僧侶の結婚を許されていたのか ■親鸞は本当に「愛欲の海」に沈んだのか ■カトリック教会が頑なに独身制を維持する理由とは ■イエスに邪な気持ちはあったのか ■なぜイスラム教は性を禁忌としないのか ■罪となる性行為の中身とは ■密教にも存在する性の思想とは キリスト教・仏教・イスラム教…… 人間の性の欲望と戒律をめぐる すべての謎を解き明かし、 宗教の本質に迫る! ・・ 性ということと宗教とはどのように関係するのか。 それがこの本のテーマです。この場合の性とは、 文化的、社会的に作り上げられた性差としてのジェンダーを意味しません。 行為を伴ったセックスとしての性です。 この本は小著ではあるものの、世界の主要な宗教における 性の扱い方を対象とすることによって、 「性の宗教史」としての性格を持っていると言えるかもしれません。 それは、これまでになかったアプローチの仕方ではないでしょうか。 篤い信仰を持っている人たちは自らの宗教を神聖視し、 欲望とは切り離された清浄なものと見なそうとします。 それは信仰者の願望ということになりますが、 そこで性の問題を無視してしまえば、人間の本質にはたどりつけません。 人間は、自らが抱えた性の欲望に立ち向かうことで、 宗教という文化を築き上げてきたのではないでしょうか。 性を無視して、宗教を語ることはできないのです。 ・・ 本書のおもな内容 第1章 なぜ人間は宗教に目覚めるのか ーーーー信仰の背景にある第2次性徴と回心の関係性 第2章 イエスに邪な気持ちはあったのか ーーーーキリスト教が「原罪」と「贖罪」を強調した理由 第3章 なぜ聖職者は妻帯できないのか ーーーー仏教とキリスト教の違い 女犯とニコライズム 第4章 戒律を守るべき根拠は何か ーーーー邪淫が戒められる理由 第5章 なぜ悟りの境地がエクスタシーなのか ーーーー房中術と密教に見る性の技法 第6章 なぜイスラム教は性を禁忌としないのか ――――預言者の言葉から読み解くその実態 第7章 親鸞は本当に「愛欲の海」に沈んだのか ーーーー浄土真宗だけが妻帯を許された理由 第8章 神道に性のタブーはないのか ーーーー日本独特の道徳観と系譜 第9章 なぜ処女は神聖視されるのか ーーーーマリアとスンナに見るその意味
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教養としての金融危機
教養としての金融危機
著:宮崎 成人
講談社現代新書
激動の世界史と時代の大転換点――。 「100年間」に起きた「9つの危機」を「ストーリー」で一気に学ぶ…! 世界的な金融危機はなぜ起きたのか? なぜ金融危機は10年に1度起こるのか? 新型コロナショックは新たな金融危機を引き起こすのか? 危機を何度も乗り越えたこの世界は、いったいどこに向かうのだろうか? 【目次】 序――国の黒字・赤字とはどういう意味か? ――国際金融の仕組み コラム 日本はこれからも経常収支黒字ですか? 第1の危機 なぜ史上最悪の危機は起きたのか? ――金本位制、大恐慌、ドイツを巡る資金の流れ コラム あなたの国の経済的トラウマは何? 第2の危機 なぜブレトンウッズ体制は崩壊したのか? ――固定相場制、ドルの垂れ流し、ニクソンショック コラム 人民元がドルに代わって基軸通貨になるのですか? 第3の危機 なぜドルは大暴落したのか? ――変動相場制、オイルショック、インフレ コラム 経常収支の赤字や黒字は国内政策で是正できますか? 第4の危機 日米・米独貿易摩擦は乗り越えられたのか? ――プラザ合意、円高パニック、バブル発生 コラム 為替市場介入に意味はあるのですか? 第5の危機 発展途上国の債務危機はなぜ同時多発したのか? ――ラテンアメリカ大混乱、IMFプログラム、ブレイディープラン コラム 発展途上国の貧困問題は解決できますか? 第6の危機 アジア通貨危機とは一体何だったのか? ――サドンストップ、パニックの伝播、アジア通貨基金 コラム 固定相場制が守れないのはなぜですか? 第7の危機 米国発金融危機はなぜ起こらなかったのか? ――ヘッジファンド、質への逃避、FRBの介入 コラム ハゲタカファンドに勝つにはどうしたらいいですか? 第8の危機 世界金融危機を引き起こした複合的要因とは? ――リーマンショック、金融工学過信、群集心理 コラム 国際金融は誰が運営しているのですか? 第9の危機 絶体絶命のユーロを救った「一言」とは? ――単一通貨導入、ギリシャ危機、ドラギマジック コラム EUは連邦国家に向かっているのですか? 第10の危機? 次の危機はどこで起こるのか? ――新型コロナ、債務累積、資産価格高騰
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神社とは何か
神社とは何か
著:新谷 尚紀
講談社現代新書
神社には、なぜ鳥居があるのか。神社の本殿は、なぜあのような形をしているのか。神社のルーツは何か。どのようにして今の形になったのか──伊勢神宮、出雲大社、あるいは沖ノ島、熊野三山、三輪山の磐座祭祀といった代表的な神社とその信仰のかたちを分析するとともに、日本各地に今も残る古い信仰のかたちの中に神社のルーツを探る。神社についてのすべてがわかる決定版。
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ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか
ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか
著:酒井 隆史
講談社現代新書
誰も見ない書類をひたすら作成するだけの仕事、無意味な仕事を増やすだけの上司、偉い人の虚栄心を満たすためだけの秘書、嘘を嘘で塗り固めた広告、価値がないとわかっている商品を広める広報……私たちはなぜ「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」に苦しみ続けるのか? なぜブルシット・ジョブは増え続けるのか? なぜブルシット・ジョブは高給で、社会的価値の高い仕事ほど報酬が低いのか? 世界的ベストセラー、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』の訳者による本格講義! 【目次】 第0講 「クソどうでもいい仕事」の発見 第1講 ブルシット・ジョブの宇宙 第2講 ブルシット・ジョブってなんだろう? 第3講 ブルシット・ジョブはなぜ苦しいのか? 第4講 資本主義と「仕事のための仕事」 第5講 ネオリベラリズムと官僚制 第6講 ブルシット・ジョブが増殖する構造 第7講 「エッセンシャル・ワークの逆説」について 第8講 ブルシット・ジョブとベーシックインカム おわりに わたしたちには「想像力」がある
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裏道を行け ディストピア世界をHACKする
裏道を行け ディストピア世界をHACKする
著:橘 玲
講談社現代新書
ふつうに生きていたら転落する。 知識社会化が進み、人生の難易度がますます上がっていくーー。 残酷な「無理ゲー社会」を攻略するための たった一つの生存戦略とは? 才能のある者は人生を攻略(HACK)し、 才能のない者はシステムに搾取(HACK)される。 常識やルールの「裏道を行け」! 【本書の目次】 PART1 恋愛をHACKせよ ーー「モテ格差」という残酷な現実 PART2 金融市場をHACKせよ ーー効率よく大金持ちになる「究極の方法」 PART3 脳をHACKせよ ーーあなたも簡単に「依存症」になる PART4 自分をHACKせよ ーーテクノロジーが実現する「至高の自己啓発」 PART5 世界をHACKせよ ーーどうしたら「残酷な現実」を生き抜けるか? 【本書の内容】 ・「女性嫌悪」に走るモテない男たち ・ナンパ師が手にし損ねた「ほんとうの愛」 ・道徳的な「モテ戦略」とは        ・「寝てるだけでお金を貯めた」天才の極意 ・ブラックジャック必勝法は存在する ・ノーベル経済学賞の先を行け ・ギャンブルは「向精神薬」 ・大学生の50%が「ネット中毒」 ・「ちがう自分」という強迫観念 ・「自己実現した主体」が幸福をもたらす ・トランスヒューマニズムと「優生学2.0」 ・「寝そべり族」はなぜ生まれたか ・自己啓発としての「ミニマリズム」 ・「ストア哲学」は究極のメンタル術   ……ほか
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激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972
激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972
著:池上 彰,著:佐藤 優
講談社現代新書
高揚する学生運動、泥沼化する内ゲバ、あさま山荘事件の衝撃。 左翼の掲げた理想はなぜ「過激化」するのか?  戦後左派の「失敗の本質」。 「この時代は、左翼運動が最高潮に達しながらその後急速な凋落を辿っていった時代にあたり、左翼史全体を通じても特に歴史の教訓に満ちた時代です。まさに、この時代は「左翼史の核心」と言えるでしょう。」(佐藤優) 「なぜ左翼は失敗したのか。この本では一貫してこの問いに立ち返ることになるでしょう。そして、左翼の顛末を歴史の教訓として総括することは、最も学生運動が盛り上がっていた1968年に大学生になった私の使命でもあります。」(池上彰) 自分の命を投げ出しても構わない。他人を殺すことも躊躇しない。 これが「思想の力」である。 いま、戦後史から学ぶべき歴史の教訓とは。 【本書の目次】 序章  「60年代」前史 第1章  60年安保と社会党・共産党の対立(1960~1965年) 第2章 学生運動の高揚(1965~1969年) 第3章 新左翼の理論家たち 第4章 過激化する新左翼(1970年~) 【本書の内容】 ・60年安保は「反米闘争」か「反岸闘争」か ・「敵の出方」論をめぐる共産党・志位和夫の嘘 ・「反スターリニズム」に賭けた新左翼の精神 ・「反米従属」と「愛国」に舵を切る60年代共産党 ・新左翼は「リアリズムを欠いたロマン主義」 ・「第一次羽田事件」山崎博昭の死が時代を動かす ・戦う意志を貫き、代議制を捨てた「全共闘」 ・行動の「中核派」、理論の「革マル派」 ・「ニセ左翼」vs.「権力の泳がせ論」 ・本屋で「火炎瓶製造マニュアル」が買えた時代 ・「日大アウシュヴィッツ」という揶揄の声 ・池上彰青年を「オルグ」しようとしたセクト ・卓越した思想家・黒田寛一と国鉄・松崎明の関係 ・沖縄は「奪還」すべきか、「解放」すべきか ・日本人を「総ノンポリ化」した新左翼運動 ・左翼は「人間の不完全さ」を自覚せよ  ……ほか
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医療崩壊 真犯人は誰だ
医療崩壊 真犯人は誰だ
著:鈴木 亘
講談社現代新書
「世界に冠たる日本の医療」などと、医療提供体制の充実ぶりを誇っていた我が国が、なぜ、世界的には「さざ波」程度の感染者数増加で、このように簡単に医療崩壊を起こしたのか、その謎に迫る。 7人の容疑者(原因の仮説)を挙げて、一つ一つ謎解き仕立てで話を進める。現在、国民の間では、なぜ、こんなに簡単に医療崩壊が起きたのか、一部の医療機関が頑張る中で、まったく何もしていない医療機関があるのはなぜなのか、医師会や専門家会議はなぜ、緊急事態宣言で経済をストップすることばかり提言するのかなど、医療提供体制への不信感が渦巻いている。まずはそれらへの疑問に答えるのが本書の目的である。 また、今後もしばらくウィズコロナの時代が続くので、パンデミック時の医療崩壊を防ぐためにどんな手立てがあるのか、アフターコロナ時代の平常時の医療をどのように改革すべきかという点も議論、政策提言を行う。
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頼朝と義時 武家政権の誕生
頼朝と義時 武家政権の誕生
著:呉座 勇一
講談社現代新書
日本史を変えた「鎌倉殿」と「執権」という、2人の政治家――。 源平合戦から承久の乱まで、武士中心の社会は、いかにして生まれたか? 朝廷と幕府の関係が劇的に転換する日本史上の画期を描き出す! ・流人の頼朝を、北条氏が庇護した理由とは? ・富士川合戦の実像 ・一の谷合戦の勝因は? ・源平合戦とは「武家の棟梁」勝ち抜きトーナメントだった ・頼朝の権力は、従来の「武家の棟梁」とは何が異なるのか? ・なぜ弱小御家人が筆頭の地位を占めるに至ったか? ・ポスト頼家をめぐる北条氏と比企氏の対立 ・父時政を追放した義時 ・実朝暗殺という窮地 ・承久の乱は何をもたらしたか…… したたかに、武士の世を切り拓いた二人の奮闘に迫る! 貴族的であるがゆえに頼朝には限界もあった。朝廷に仕える「王家の侍大将」という自己認識が強く、朝廷と大きな軋轢を起こしてまで武士たちの権利を擁護するという意識は希薄だった。結果、鎌倉幕府成立後も、公家が武家に優越する体制は続いた。この体制を覆したのが承久の乱であり、その勝者が義時である。東国武士として生まれ、かつ義兄頼朝の政治(と権謀術数)を学んだ義時という人物が、頼朝の後継者として必要だった。武士一般の利益を代弁する組織としての鎌倉幕府が成立するには、頼朝と義時という二人の政治家が不可欠だった。どちらか一人だけでは不十分なのだ。本書が武家政治の創始者として、頼朝と義時の二人を取り上げる所以である。――「はじめに」より
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大人のいじめ
大人のいじめ
著:坂倉 昇平
講談社現代新書
職場のいじめで 精神障害を発症した件数が、 この11年で10倍に! 膨大な数の「いじめ・嫌がらせ」相談を受けてきた著者が、 実例を紹介しながら、その背景を分析。 長時間労働、重い仕事の負担……、 過度な圧力に晒された職場で、多発! ●9年連続で、「いじめ・嫌がらせ」が労働相談1位 ●トヨタ、三菱など大企業で相次ぐ、いじめによる自死 ●いじめのある職場は、長時間労働の割合が2倍以上 ●約5割の会社が、いじめを放置 ●過酷な職場で起きる、ガス抜きとしてのいじめ ●いじめが一番多いのは、「医療・福祉」の職場 ●「発達障害者」へのいじめが、5年で5倍に増加 ●「生産性」の低い労働者が、「いじめても良い」対象に ●近年の職場いじめは、経営の論理を内面化した同僚らによって、「自発的」に行われる ●会社・上司に相談する前に、「録音」など証拠集めを 職場いじめは、日本社会の構造的問題だ!!
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詩とは何か
詩とは何か
著:吉増 剛造
講談社現代新書
現代における「詩」の本質とは? 世界最高峰の詩人の1人、吉増剛造が60年の詩業の果てに辿り着いた境地を縦横無尽に語り尽くす。 現代最高の詩人による究極の詩論、ついに登場! 世界大戦、原爆、そして3.11。数多の「傷」を閲した現代における詩の意味を問う。いわゆる詩人の範疇を超え、カフカ、ベケット、石牟礼道子などの「書いたもの(エクリチュール)」へ。さらには文学さえも越え、ジョナス・メカスの映画、ゴッホの絵画、そして音楽にまで。縦横無尽に芸術ジャンルを横断し、あらゆる芸術行為の中に「詩」の真髄を見出す。詩の根源、すなわち「芸術」の根源へと肉迫する稀有の作品。
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遊廓と日本人
遊廓と日本人
著:田中 優子
講談社現代新書
人権無視の悲哀の場か、日本文化の聖域か。 「日本史の陰影(タブー)」を再考する。 江戸学の第一人者による「遊廓入門」の決定版! -------------------------------------------------------------- 遊廓は二度とこの世に出現すべきではなく、 造ることができない場所であり制度です。 一方で遊女が、高い教養を持ち、輸入香木を焚きしめ、とても良い香りを放ち、和歌を作り、三味線を弾き、生け花や抹茶の作法を知っており、一般社会よりもはるかに年中行事をしっかりおこない、日本文化を守り継承してきた存在でもあったことを忘れてはなりません。 ----------------------------------------------------------------- 【本書の目次】 はじめに 第一章 吉原遊廓の誕生 第二章 遊廓とはどういう場所か? 第三章 遊女とはどんな人たちか? 第四章 男女の「色道」と吉原文化 第五章 吉原遊廓の三六五日 第六章 近代以降の吉原遊廓 終章  遊廓をどう語り継ぐべきか 【本書の内容】 ・遊郭は「辺境の別世」「身分のない世界」 ・「不夜城」と呼ばれた吉原遊廓 ・「色好み」という日本文化の伝統 ・井原西鶴が描いた「床上手」な遊女たち ・恋を創るために読まれた「色道」 ・江戸の「いい男」「いい女」の条件とは ・遊女を世に知らしめた「洒落本」と「浮世絵」 ・遊女の人権が問われた「マリア・ルス号事件」 ・吉原遊廓の凋落と消えゆく江戸文化  ……ほか
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酔鯨 山内容堂の軌跡 土佐から見た幕末史
酔鯨 山内容堂の軌跡 土佐から見た幕末史
著:家近 良樹
講談社現代新書
この人物を知らずして幕末史は語れない!  徳川びいきの封建領主、土佐勤王党の弾圧……、彼は時代に取り残された「悪役」だったのか? 慶喜将軍擁立運動、参預会議、小御所会議――中央の政局を主導し、歴史を大きく動かす可能性のあった、知られざるキーパーソンに焦点を当てながら、従来の幕府vs.薩長史観ではわからない、歴史の転換点の実相を描き出す。 第一人者が土佐藩を通して描き出す、幕末維新史の決定版!
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空気を読む人 読まない人 人格系と発達系のはなし
空気を読む人 読まない人 人格系と発達系のはなし
著:老松 克博
講談社現代新書
■すべての人はどちらかに分けられる! 空気を読みすぎる【人格系】。 空気は読まない【発達系】。 あなたは、どちらのタイプですか? 人間関係が悪化するのも、心のなかがつらいのも、 【人格系】×【発達系】の二つの傾向が激突することから始まっています。 この心のしくみを知ることが、 生きづらさから解放される一番の近道です。 -------------------- 【人格系】とは? 空気を読みすぎるタイプ。周囲が気になり同調圧力に苦しみ、いつも軽微な神経症的な状態でいる。 その傾向がよほど極端だと、人格障害(パーソナリティ障害)と呼ばれるかもしれない。 そういう傾向が「人格系」です。 【発達系】とは? 空気を読まないタイプ。自由で正直で天真爛漫、後先を気にせず、いつも目の前のことに没頭しているユニークな人。 その傾向がよほど極端だと、発達障害と呼ばれるかもしれない。 そういう傾向が「発達系」です。 空気を読むタイプは、空気を読みすぎて苦しみます。 空気を読まないタイプは、周囲と衝突して苦しみます。 どちらのタイプも結局は自分を押し殺して生きづらさを強くします。 そのうえ、どちらのタイプも、おたがいが嫌いになります。 人間どうしの不仲、争い、憎み合いは、たいてい二つのタイプの激突から発生しています。 なぜ、二つのタイプは、わざわざ相手を嫌うのか? なぜ、人は必要以上に怒ったり、意味もわからないまま嫌われたり、必要以上に自分自身を苦しめたりしてしまうのか? その謎を解き明かし、人間関係と心のつらさを同時に改善する一冊です。 -------------------- ■本書の内容■ 第1部 心と性格のしくみ 【第1章】 すべての人は人格系と発達系に分けられる 【第2章】 天真爛漫な発達系 【第3章】 周囲が気になる人格系 第2部 生きづらさから解放される 【第4章】 私のなかの「もうひとりの私」 【第5章】 自分と仲直りする方法
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