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2022.02.25発売
マックス・シェーラーの人間学
創文社オンデマンド叢書
広範な著作群から人間学的主題を抽出して再構成し、綿密な分析を通してシェーラーの難解な思想を初めて体系的に提示する画期的業績。
【目次より】
序論 シェーラー人間学の方法
第一章 シェーラーと現代の人間学
第一節 現代の人間学的状況 第二節 シェーラーと「哲学的人間学」の成立 第三節 『宇宙における人間の地位』における人間学の特色 第四節 プレスナーの哲学的人間学 第五節 ゲーレンの人間学 第六節 批判的考察
第二章 哲学的人間学の構成
第一節 哲学的人間学の萌芽 第二節 『宇宙における人間の地位』の成立 第三節 心的諸機能の段階説 第四節 人間の本質的特性としての精神 第五節 伝統的人間学の批判 第六節 人間学と形而上学 第七節 シェーラーの形而上学と人間学に対する解釈と批判
第三章 他者認識と間主観性理論
はじめに 近代主観性の哲学における他者の喪失と発見 第一節 人間学的構成における自我と人格 第二節 従来の他我知覚の理論への批判 第三節 間主観性についての新しい学説 第四節 シェーラー学説の批判的検討
第四章 愛の秩序
第一節 愛の本質と価値世界との関連 第二節 愛と衝動 第三節 人格の本質と愛の秩序 第四節 批判的考察
第五章 ルサンティマンの人間学
第一節 ルサンティマンの現象学 第二節 ルサンティマンに陥りやすい人間類型 第三節 近代的人間愛と近代社会の批判
第六章 身体論
第一節 心身二元論とデカルト批判 第二節 身体の現象学 第三節 批判的考察
第七章 心情の法則性
第一節 共同感情と愛 第二節 羞恥感情とその現象学的解明 第三節 良心の現象学的解明
第八章 人格と共同体
はじめに 第一節 カントの人格主義 第二節 カントからシェーラーへ 第三節 人格の概念 第四節 個別人格と総体人格 第五節 社会的共同の四形態 第六節 総体人格と連帯(共同)責任 終わりに シェーラーの人格概念の立体的構造について
第九章 知識社会学と人間学
はじめに 第一節 知識社会学の課題 第二節 文化社会学と実在社会学 第三節 社会的作用秩序の法則 第四節 知識社会学の問題 第五節 知識の三類型 第六節 批判的考察 とくにマンハイムの批判を通して
第一〇章 宗教的人間学
はじめに 第一節 時代の精神史的状況とホモ・レリギオスス 第二節 人間(類型)学から見た宗教と哲学との関係 第三節 宗教の本質現象学 第四節 自然的宗教と啓示宗教 第五節 「宗教的作用」の法即性 第六節 「宗教的人間」の人間学 第七節 批判的検討
あとがき
参考文献

2022.02.25発売
マイスター・エックハルト研究 思惟のトリアーデ構造esse・creatio・generatio論
創文社オンデマンド叢書
エックハルトの思惟に見られるある独自な構造に着目し、この構造解釈がエックハルトの思想の全体的眺望を獲得するのに有効な解釈地平であると理解した上で、個々の問題領域、個別テーマへ進んでいく。全く新たな視座から思想の全体的眺望を獲得した画期的業績。
【目次より】
序にかえて
テキストと略称
第一章 存在(esse)をめぐる思惟
1 『三部作への全般的序文』におけるエッセ理解
2 『パリ討論集』におけるエッセ理解
3 『出エジプト記註解』におけるエッセ理解
4 『創世記註解』におけるエッセ理解
第二章 神と被造物のエッセをめぐるアナロギア論
1 問題の所在
2 否定神学とその克服
3 アナロギアの類型
4 『集会の書に関する説教と講義』におけるアナロギア理解
5 結論
第三章 創造(creatio)をめぐる思惟
1 問題の所在
2 神と知性認識の同一
3 エッセに対する知性認識の優位
4 三種の言葉、ロゴスによる創造
第四章 誕生(generatio)をめぐる思惟
1 問題の所在
2 受肉(incarnatio)と人性(natura humana)
3 魂の内における神の誕生
4 離脱と神性
第五章 救済論的一(unum) の通景
1 プロティノスの一者論(Henologie)とエックハルトの神論(Theologie)
2 一者(unum)神論における三つのアスペクト
3 「一(unum)である限りの一(unum)」の観点
4 「区別なきもの(indistinctum)としての一(unum)」の観点
5 「否定の否定(negatio negationis)としての一(unum)の観点
註
あとがき
文献目録

2022.02.25発売
封建制社会の法的構造
創文社オンデマンド叢書
刊行後30数年を経て、西欧封建制社会の権力構造研究の出発点である名著に、批判に応えた2論文と展望的なあとがきを加えた再版。
【目次より】
目次
一 封建制社会の法的構造
まえがき
第一章 序論
第一節 封建制の概念
第二節 封建制社会と国家樟力
第二章 本論
第一節 封建制社会の細胞 古典的グルントへルシャット
第二節 レーエン制による権力の組織化
第三節 国王権力の実力的基礎
第四節 王権の超越的性格
第五節 補論 グラーフの権力と大公の権力
第六節 封建制社会の崩壊
二 封建制をめぐる諸問題
第一節 グルントヘルシャフト細胞論
第二節 シャテルニー細胞論
第三節 十二世紀ルネサンス
第四節 フランス史学とドイツ史学
三 封建制社会をめぐる理論的諸問題
あとがき

2022.02.25発売
ベルクソンの霊魂論
創文社オンデマンド叢書
カントの先験的時間論を批判して現象学から脱出し、新たな存在論の領野を開いたアンリ・ベルクソン。ベルクソンが関説している西洋哲学史の回顧的展望と彼の著作「物質と記憶」についての研究。
【目次より】
序章 エレア派のゼノンとベルクソン ゼノンのパラドックスと形而上学の誕生
第一章 プラトンとベルクソン 永遠真理と時間
第二章 アリストテレスとベルクソン ベルクソン著『アリストテレスの場所論』注釈
第三章 プロティノスとベルクソン ローズ‐マリ・モッセ‐バスティド著『ベルクソンとプロタン』管見
第四章 プロティノスとデカルト グィレルモ・ジビューフ著『神の自由と被造物の自由』とデカルトの永遠真理創造説
第五章 デカルトとベルクソン ジャン‐マリ・ベサード著『デカルトの第一哲学』管見
第六章 カントとベルクソン ベルクソン著『思惟と動き』注釈
第七章 ベルクソンのイマージュ論 ベルクソン著『物質と記憶』第一章・第四章注釈 観念論対実在論
終章 ベルクソンの霊魂論 ベルクソン著『物質と記憶』第二章・第三章注釈 唯物論対唯心論
結論
あとがき

2022.02.25発売
ベルクソン 聴診する経験論
創文社オンデマンド叢書
この私とはいかなる存在であるのか。私が自分ならぬものとして知覚するこの外的世界とは何であり、その客観性とは何を意味するのか。そしてそれらの存在を支える何らかの超越的根拠は存在するのかどうか。古くからのこうした哲学的問いをたずさえて、ベルクソンは我々の豊穣な体験のただ中にそれらの解答を探し求める。錯綜するポリフォニー的な経験を前にして、この卓越した「聴診者」が何を聞きとげ、何を掴み取ってきたのか。聴診の報告書としてのテクストを丹念に辿りながら、同時に過去ならびに同時代の諸思想との交錯を視野に収めつつ、新たに提示される「ベルクソン的省察」の試み。
【目次より】
凡例
序 聴診する経験論
第一章 生成 持続と主観性
本章の課題
第一節 自我の超越?
第二節 『試論』における自由論とその二重性
第三節 カント批判 失われた内在
第四節 ゼノンの逆説と完了相の存在論
第五節 持続・生・内在
第二章 世界 再認と外在性
本章の課題
第一節 イマージュとしての世界
第二節 世界の外在性と身体
第三節 未完の身体論
第四節 再認された世界
第五節 科学論への展開
第六節 知性認識の権利づけと進化論
第七節 生成と真理
第三章 人間 触発と共同性
本章の課題
第一節 自由の二つの亀裂
第二節 美と芸術
第三節 『二源泉』における触発と共同性
第四節 呼びかけとその聴取
結論
あとがき
註
文献について

2022.02.25発売
ヘーゲル現象学の理念
創文社オンデマンド叢書
「私の著書がついに出来上がりました。しかし私の友人たちに本を贈る際にも,出版者と印刷に関わるすべての過程を支配し、しかも部分的に構成そのものを支配した同じ不幸な混乱が生じました。……本来は導入部であるこの第一部の理念に対してあなたが何を言うか、私は知りたいと思っています」(ヘーゲル)。本書はこの現象学の理念への問いに答える試みであり、三つの基本性格(体系の第一部、導入部、歴史)に定位して現象学を「三枚重ねの透かし織り」として読み解くことである。「構成そのものを支配した不幸な混乱」は精神と宗教の章の書き加えによって生じた。この混乱を取り除くことによって本書が浮き立たせた「織物=テクスト」の美しい模様こそ、ヘーゲル現象学の理念である。
【目次より】
略語一覧
序章 現象学の理念
第一章 体系の第一部としての現象学
第一節 原現象学と現象学体系
第二節 意識の経験の学
第三節 絶対知の体系と体系の現象学的危機
第二章 導入部としての現象学
第四節 論理学への導入部
第五節 無限性としての承認
第六節 理性による不幸な意識の克服と国家
第三章 歴史としての現象学
第七節 哲学史に対応する―つの歴史
第八節 感性的確信 知覚 悟性
第九節 自己意識とアリストテレス
終章 ヘーゲル哲学の地平
註
あとがき

2022.02.25発売
文化・文明 意味と構造
創文社オンデマンド叢書
人間活動の総体を、その全体輪郭と基本骨格そして各部分の相互連関について原理論的角度から分析し、人間世界の構造と意味を考察。
【目次より】
目次
まえがき
序篇 文化・文明と人間・活動‐体系
第一篇 目的・活動‐体系
第一章 価値・活動‐体系
第一節 価値の信奉 宗教
第二節 価値の創造 芸術
第三節 価値の逹成 倫理、教育
第四節 価値の擁立 国家
第五節 四種‐価値活動:多元‐協律
第二章 認識・活動‐体系
第一節 事象一般の認識 言語
第二節 人間事象の認識 文学、歴史
第三節 事象の法則の認識 科学、学問
第四節 事象の原理の認識 哲学
第五節 四種‐認識活動:多元‐協律
第三章 機能・活動‐体系
第一節 全体運営の機能 政治、法律
第二節 関係運営の機能 社会、コミュニケーション
第三節 個体運営の機能 経済、技術
第四節 三種‐機能活動:多元‐協律
第二篇 脱‐目的・活動‐体系
第一章 脱‐目的・活動‐体系 遊戯、スポーツ
結篇 四種・活動‐体系:多元‐協律
補論 現代諸思潮の検討
一 ガイア、エントロピー、エコロジー、バイオ、生命倫理学
二 環境造型、都市計画、サウンド・スケープ理論、ジオ・ソシオロジー
三 情報、知識産業、メディア、コンピュータ、人工知能
四 無意識、トランス・パーソナル
五 ポスト・モダーン
六 都市論
七 梅棹文明学
付論 基礎概念の検討
一 文化と文明
二 生活様式、生の様式、行為様式、存在様式
三 自己実現、存在成就
四 意味の体系、意味の現成
あとがき

2022.02.25発売
フランス革命と社会主義
創文社オンデマンド叢書
英国の政治学者であり、労働党の最高幹部であった著者が、フランス革命において社会主義がどのような役割を果たしたのかを探究する。
【目次より】
第一章 理性の時代
第二章 ディドロ
第三章 フランス革命における社会主義的伝統
訳者註
あとがき

2022.02.25発売
比較史の道 ヨーロッパ中世から広い世界へ
創文社オンデマンド叢書
カロリング期荘園制の所領明細帳に基づく研究を中心に、中世社会経済史を専門としてヨーロッパ学界でも活発に発言している著者による比較史の勧め。中世史学の本場ベルギーに留学してジェニコから歴史学の真髄を学び、フルフュルストなどとともに中世初期農村史の見直しを進めてきた著者は、国家や文化の枠に囚われない具体的な比較を志す。2000年夏のオスロで開かれた国際歴史学会議のラウンドテーブル「比較史。モデルと方法」での報告を先頭に11編を収録。
【目次より】
序言 本書成立の経緯
第I部 比較史の現在
第一章 比較史の現在 第一九回国際歴史学会議に向けて
第二章 比較史の現在(続) 第一九回国際歴史学会議での論調から
第三章 国際比較中世史料論の現在 熊本シンポジウム『日英中世史料論』をめぐって
第II部 ヨーロッパ中世から
第四章 イギリス中世初期社会経済史への新しい視角 ヨーロッパ大陸との比較から
第五章 中世荘園制の形成におけるイングランドと大陸 フェイスの新著をめぐって
第六章 個別発見貨の意味 イギリス中世古銭学による問題提起と所領明細帳研究への波及
第七章 収穫率についての覚書 九世紀大陸と一三世紀イギリスの史料から
第III部 広い世界へ
第八章 比較都市史研究の新しい動向 共同研究・国際会議『イスラムの都市性』をめぐって
第九章 古銭学・貨幣史の東と西
第一〇章 封建制概念の現在 第二回日英歴史家会議に向けて
第一一章 市場史の射程 第六五回社会経済史学会共通論題結論
あとがき

2022.02.25発売
人間の内なる社会 社会哲学的考察
創文社オンデマンド叢書
〈人間の内なる社会〉という独自な視点を導入し、個人と社会の対立を超えた第三の領域を示した新しい社会思想概説。
世界は激しく変化し、日常生活もまた価値観の多様性に晒されている。われわれはそれらの身近な現実をいかに理解したら良いのであろうか。本書は伝統や習俗、常識などに依存することなく、社会と人間の関わり方を歴史的・主題的に根本から考察する。〈社会の内なる人間〉という伝統的視点から〈人間の内なる社会〉へと独自な展開を試みることにより、個人と社会の対立を超えた第3の領域としての《間柄》の存在を現象学的に明らかにする。転換期の最中に書き下ろされた新しい社会思想概説。定評の『倫理学講義』の姉妹編。
【目次より】
はしがき
I 人間存在の社会性
1 人間存在のパラドックス
2 「間」の範疇および「相互性」「間柄性」「共同性」
3 個人と社会との関係
4 社会思想とそのダイナミックな歴史的展開
5 「社会の内なる人間」と「人間の内なる社会」
II 社会の内なる人間
1 社会の所与性と原関係性
2 「閉じた社会」と「開いた社会」
3 古代社会の特質
4 古代社会の対立する二類型
5 「閉じた社会」から「開いた社会」へ
III 世俗社会からの解放と「神の国」の理念
1 国家社会を形成している根源への問い
2 キリスト教の社会学説
3 中世社会の成立とその特質
4 アウグスティヌスのキヴィタス学説
5 トマス・アクィナスの法思想
6 キリスト教共同体の終焉と近代への移行
IV 人間によって形成される社会
1 近代社会成立期における人間像の特質
2 近代の合理主義と理性的自律
3 プロテスタンティズムの職業倫理と聖俗革命
4 社会契約説の展開
ホッブズの社会契約説 ロックの社会契約説 ルソーの社会契約説
5 カントの社会学説
V 伝統社会と近代社会
1 共同体の歴史的発展と現代の問題
2 共同体の弁証法的理解
3 共同体の構成論的理解
4 共同体の類型論的理解
VI 近代的主観性から間主観性へ
1 近代の理念とその崩壊
2 近代的主観性に立つ個人主義的合理主義の諸形態
3 カントの超越論的主観性と実存哲学の主体性の問題
4 近代主観性の哲学における他者の喪失と発見
5 現象学における他者知覚の理論
6 対話の哲学
VII 人間の内なる社会
1 日常生活の間主観的性格
2 人間の内なる社会
3 関係行為と人間の内なる社会
注

2022.02.25発売
人間・社会・法(長崎純心レクチャーズ)
創文社オンデマンド叢書
欧米に比べ、法意識が弱いと言われる日本人。私たちにとって法・法律とは何か。著者はまず、法と法律を明確に区別し、国家が定める法律を根拠づける広い意味での法の存在を指摘する。その上で日常生活の中から法や法律の問題を取り上げ、その意義や役割を平易に解説。更には近代国家の成立後わずか一五〇年で西洋法の導入に成功した日本における法の継受の歴史を辿ると共に、日本の法学を批判的に検討、法整備支援や法教育など新しい課題をも紹介する。基本的人権は私たちの生活や社会の仕組みを作る様々な法律の中に規定されているとの考えに基づき、人間と社会と法の関係を説き起こす講演。法に馴染みの薄い人文系読者にも良き入門書となろう。
【目次より】
「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
目次
はじめに 私たちの生活と法律
法律に対する無関心 生活と法律 法律による規律の意味 人が規範に従う種々相
I 法と法律の区別 日本人は法が嫌いか
言葉の区別 区別の歴史 規範とはなにか、その分類 法と法律の一応の定義 日本人は「法律嫌い」 法への関心 法と道徳
ソフト・ロー 法教育
II 人間・社会における法と法律
一 人間・社会の諸側面
二 法律の規律のしかた 抽象的に
三 法律の規律のしかた 具体的に
四 人間活動と法・法律
a 生存の維持 経済
b 人類の存続 家族
c 人類の安全の確保
d 学問・芸術
e 宗教
III 日本における法・法律と法学
一 日本法の歩み
二 日本の法学の特色
三 まとめ
注
あとがき

2022.02.25発売
ニーチェと言語 詩と思索のあいだ
創文社オンデマンド叢書
〈あいだの世界〉に身を置き、様々な仮面をとりかえつづけるニーチェの転身の軌跡を鮮やかに浮かび上らせる。
ニーチェの、特に表現において表われるその思想世界を「詩と認識のジレンマ」「詩と思索のあいだ」と規定し、この「あいだの世界」に展開される緊張・葛藤関係を手繰りながら、ニーチェと言語という問題を考察する。
【目次より】
序論
第一部 ニーチェの言語観
第一章 芸術と言語 初期ニーチェの著作をめぐって
一 文化論としての『悲劇の誕生』
二 ディオニュソスとアポロ
三 ギリシア的自然と芸術
四 芸術と生
五 ソクラテス主義と言語
六 悲劇研究の周辺
第二章 学問・認識と言語
一 芸術と科学
二 言語の立法 『道徳外の意味における真と偽』
三 知の収蔵と言語 『生に対する歴史の利と害』
四 ショーペンハウアーとヴァーグナー
第三章 存在の真理と言語
一 自由なる精神
二 詩人のあり方
三 「私の哲学」 『曙光』と『楽しい知識』
第二部 『ツァラトゥストラ』における言語の問題
第一章 『ツァラトゥストラはこう語った』の成立と作品の性格づけ
一 前史
二 第一部から第四部までの成立
三 詩と思索のあいだ
第二章 『ツァラトゥストラ』の世界構造
一 第一部への序説 神の死と超人
二 遊戯の世界
三 詩人ツァラトゥストラ
四 「永遠回帰思想」と言語
五 『ツァラトゥストラ』第四部の性格づけ
六 雄弁と沈黙 真理伝達の問題としての『ツァラトゥストラ』
第三部 ニーチェと文学の諸問題
第一章 『ツァラトゥストラ』以後の著作における言語の問題
一 文法、文字と著作、仮面
二 遺稿に見られる言語の問題 偉大なる様式とデカダンス
第二章 ニーチェと文学史
一 文学史の問題
二 ニーチェと二十世紀初頭のドイツ文学
三 ディオニュソス ニーチェとドイツ・ロマン主義
結び
注
あとがき
文献表

2022.02.25発売
近世日本の訴訟と法
創文社オンデマンド叢書
本書は、新発見の幕府評定所民事判例集を素材にして享保改革期における金銭債権保護の特質を明らかにするとともに、「〈伺・指令型〉司法」、「秘密法・問答法・くり返し法など法の特殊な存在形態」、「民事司法における金銭債権の特異な取扱い・内済に対する江戸人の評価・裁判機関に持ち込まれた民事紛争の終わり方」、「刑事司法における〈無罪〉の多発・日本的特質の連続性論」、「行政庁への訴願の訴状・手続」など、多方面に亙り江戸時代の訴訟と法の実態に迫った著者渾身の作。
【目次より】
目次
序論
第一編 総論編
第一章 伺・指令型司法
第二章 法が生まれるとき
第二編 民事編
第一章 江戸幕府評定所民事判例集と相対済令
第二章 「金公事」債権の保護
第三章 内済と裁判
第四章 「出入」の終了
第五章 判決が出たあと
付論 書評・神保文夫著「江戸幕府出入筋の裁判における本公事・金公事の分化について」
第三編 刑事編
第一章 刑事裁判と「無罪」
第二章 「精密司法」と江戸幕府の刑事手続
付論 書評・山田勉著「延岡藩の刑事内済」
第四編 訴願編
第一章 訴願と訴状
第二章 訴願の手続
結論
あとがき

2022.02.25発売
都市と権力(現代自由学芸叢書) 飢餓と飽食の歴史社会学
創文社オンデマンド叢書
都市は食糧生産を行なわないにもかかわらず、農村よりも飢餓が少ないのはなぜか? この大胆な仮説から、都市の成立根拠を権力に求め、複雑きわまりない都市現象のなかから、都市の理念型を描きだし、都市の理論を根本から重層的に構想する本書は、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。人々がより安全で快適な生活を営むために生み出されてきたはずの権力は、人々の生活を保障すると共に支配するという二つの働きを合わせもつものである。権力によって作り出される多種多様なルールから、古今東西の数千年にわたる都市の歴史を読みとって、雄大な〈飢餓と飽食〉に歴史社会学を展開する著者は、その豊かな想像力によって既存の社会科学を突破して、21世紀の魁然たる社会理論を提唱する。
【目次より】
まえがき
第一章 都市と文明
第一節 人類の発展と都市
第一項 都市の表情
第二項 歴史の都市・現代の都市
第二節 都市と農村のバラドックス
第一項 飽食と飢餓
第二項 パラドックスとしての都市と農村
第二章 都市の概念と論理
第一節 都市の概念
第一項 さまざまな都市概念
第二項 都市概念の二重性
第二節 都市の論理
第一項 都市と食糧
第二項 権力と統合機関
第三節 都市とコミュニケーション
第一項 権力と支配
第二項 都市と交通
第三章 都市と国家
第一節 都市の権力と国家
第一項 政治権力と都市
第二項 国家権力の形態と展開
第三項 政治権力の重層性と都市
第二節 権力と正統性
第一項 社会と秩序
第二項 国家と宗教
第三項 正統性と犠牲
第三節 都市と民衆
第一項 権力と秩序
第二項 食糧の生産と分配
第三項 国家と食糧
第四節 都市の論理と国家の論理
第一項 首都と国家
第二項 都市と民衆
第三項 首都の警備
第四章 都市と文化
第一節 文化と支配
第一項 権力と文化
第二項 文化と管理
第二節 象徴としての都市
第一項 意味世界と都市
第二項 都市とシンボル
第三節 劇場都市・劇場国家
第一項 みせびらかしの権力
第二項 秩序と無秩序
第三項 都市と犠牲
第四節 文化の頗廃と都市
第一項 都市の病理
第二項 分離と集権
第五章 人間と都市
第一節 都市の論理と国家
第一項 中心と周辺
第二項 国家と〈都市 農村〉
第二節 都市と人間
第一項 文化と交換
第二項 都市の論理と人間
注
あとがき

2022.02.25発売
中世の法と国制(歴史学叢書)
創文社オンデマンド叢書
著者は「中世を理解するには中世人の用いた言葉や概念をそのまま用いなければならない」という素朴な見解に対し、明確な方法的批判の上に立ち、たんなる法制度史や、法理論史ではなく、ヨーロッパ中世における一般民衆の法意識を生きた形で見事に解明している書である。また「抵抗権」という現代における切実な問題についても貴重な示唆を与える。
【目次より】
凡例
序論
一 法
1 法は古いものである
2 法は良きものである
3 良き古き法は非制定的・不文的である
4 古き法はより新しき法を破る
5 法の改新は良き古き法の再興である
6 法律観と法生活
二 国制
1 法的制約の原則(君主は法に拘束される)
2 人民代表の原則(君主の同意取得義務)
3 責任の原則(抵抗権)
4 過渡形態
追加
三 時間的中世と概念的中世
訳注
訳者あとがき

2022.02.25発売
抽象と直観 中世後期認識理論の研究
創文社オンデマンド叢書
トマスとの比較を通してオッカム認識論の革新性を解明する。近世認識論への道筋をも示した画期的業績。
【目次より】
まえがき
目次
1 序論
第一章 霊魂論の崩壊と認識理論の変容
第二章 トマスの霊魂論 自己認識の問題
第三章 「オッカムの剃刀」 中世後期の精神的風土
2 本論
第四章 認識におけるスペキエスの役割について
第五章 観念、スペキエス、ハビトゥス
第六章 抽象と直観
第七章 オッカムにおける直観的認識の問題
第八章 学知の対象について
第九章 個体における存在と本質
第十章 「もの」と「記号」 オッカムの個体主義についての一考察
第十一章 普遍と個体 個体化の原理について
3 結語 知性的認識の問題
あとがき
人名・事項索引

2022.02.25発売
中国家族法の原理
創文社オンデマンド叢書
秦漢時代から清末までの家族のあり方を法理論的・体系的に把握し、中国家族法について明晰、堅実かつ全体的なイメージを提供する労作。日本学士院賞受賞。
【目次より】
目次
省略記号
序説
第一章 基本的諸概念
第一節 親族について
一 宗族と外姻 二 同姓不婚、異姓不養
第二節 家について
一 「家」の語義 二 中国の家と日本の家 三 同居共財と家産分割(分家)
第三節 相続について
一 承継 二 承受 三 父子一体、夫妻一体
第二章 家の法律的構造
第一節 家父長型の家 直系親の同居共財
一問題の所在 二家産の処分をめぐる父の権能 三 家産の分割をめぐる父の権能 四 父の権能の制約 五 理論的総括
第二節 複合型の家 傍系親の同居共財
一 兄弟同居の家における家産の処分 二 兄弟同居の家における家産の分割 三 おじおい・いとこ同居の家
第三節 生前に家産分割を行った父と子の関係
一 法律関係 二 日常生活の様式
第四節 家務の管理 「家長」と「当家」
第三章 実子なき者をめぐる諸問題
第一節 擬制による承継人 「嗣子」
一 嗣子となりうる適格者 二 嗣子の選定 立嗣 三 嗣子の地位
第二節 未成年死亡者
第三節 承継人の不存在 「戸絶」
第四章 婦女の地位
第一節 妻
一 子なき寡妻の地位 二 寡婦の改嫁 三 母子同居の家
第二節 未婚女子
第三節 宗への所属関係
一 女性と祭祀 二 結婚と離婚
第五章 家族員の特有財産
一 官俸その他格別な動労所得 二 妻の持参財産その他無償で取得せられた財産 三 婦女の個人財産 四 まとめ 特有財産の相続
第六章 不正規な家族員
第一節 妾
第二節 義子
一 乞養 二 随母改嫁
第三節 招壻と招夫
一 招壻(贅壻) 二 招夫(接脚夫)
主要な参考文献

2022.02.25発売
他者の原トポス 存在と他者をめぐるヘブライ・教父・中世の思索から
創文社オンデマンド叢書
哲学とは自己を探求することであり、自己は他者との出会いを契機に、はじめて成立する。アウシュヴィッツに象徴される他者の抹殺と崩壊(ショアー)という20世紀の負の遺産は、われわれに「他者とは何か」という痛切な問を投げかける。著者は今日に至るまでヨーロッパ思想の基底に流れる“存在‐神‐論”の視点から、他者への思索の生成と展開の原トポスともいうべき聖書や哲学、神学など広範なテキストに聴従し、他者概念の真相を見極める。存在、神、そしてロゴスとは何か。これら思想基盤を支える概念が、他者論といかに関わってきたのか、自己と他者との共生は可能か。現代における他者忘却の意味とそれを克服する方向性を示して、現代の思想的課題に正面から答えた問題作。
【目次より】
序論 他者と存在-神-論
本論 存在と他者のトポスへ
第一部 原トポスの哲学 教父・中世哲学と他者
第一章 ニュッサのグレゴリオス(三三〇頃-三九四頃)
I 一期一会 『雅歌講話』に即して
II 出会いの解釈学
第二章 アウグスティヌス(三五四-四三〇)
I ロゴスの転位と他者の拓け 『告白』に即して
II 汝の近みゆえに我在り
第三章 トマス・アクイナス(一二二五--七四)
I 他者のトポス・存在判断
II 「存在-神-論」の彼方
第四章 マイスター・エックハルト(一二六〇-一三二八)
第二部 原トポスの神学 ヘブライ・新約思潮
第五章 他者の誕生と喪失 『創世記』に即して
第六章 ハーヤー存在論と他者のエチカ 『ルカ』の「善きサマリア人の譬え」より
第七章 死と甦り 『マルコ』の空虚の墓の物語より
第八章 プネウマ言語と他者の記憶 『ヨハネ』十三-十七章
むすびとひらき
あとがき
初出一覧
註
文献表

2022.02.25発売
創造力の論理 テクノ・プラクシオロジー序論 カント、ハイデガー、三木清、サルトル、…から、現代情報理論まで
創文社オンデマンド叢書
「想像力」は理性や知性に比べて低位の能力とされてきたが、今日では逆に基礎能力、それ以上に、動物にはあり得ない人間存在に固有の全体「構想力」とされるようになってきた。今日・今後の技術と情報に溢れかえる時代と文明を、この「想像力・構想力」をより生産的で強靭な「創造力」へと拡充することによって正しく方向づけていくには、どうすべきか。近現代の諸哲学とともに考える。
【目次より】
要旨
序 構想カ・想像カ・創造力
第一章 基準の創定、世界の賦活 カント
補章 カントとカッシラー 象徴概念をめぐって
第二章 世‐開・リヒトゥングへと「構」え「想」う ハイデガー
第三章 〈exhibitio originaria〉(世界の根源的‐自己形成) 三木清
第四章 世界の意味を現働化する:〈reel〉と〈irreel〉の弁証法 サルトル
第五章 〈vivre l'invecu〉(非‐生を生きる)、「語れ、飛べ、創れ!」 バシュラール
第六章 創造者は現象を救う、〈image a priori〉 の脱‐弁証法 シモンドン
第七章 知覚と創造、潜勢秩序の現働化 ボーム
第八章 無意識の魔術、「異」と「同」と新たな「類」の創定 アリエティ

2022.02.25発売
西洋中世法の理念と現実
創文社オンデマンド叢書
生涯を通じて追究しつづけられた西洋中世法の観念と性格をめぐる全論文および書評・学会報告を集成し、「世良法史学」の歩みを辿る。
【目次より】
目次
一 西洋封建法の基本的性格
二 法の歴史
三 西洋中世法の性格
四 封建社会の法思想
五 国家権力と法 西洋封建社会を中心として
六 法と権力
七 封建社会の法・社会思想
八 中世法の理念と現実
九 オットー・ブルンナーの「ランデスヘルシャフト」観について 身分制社会研究ノート
一〇 「良き古き法」と中世的法観念
一一 西洋中世における法と倫理
一二 中世的法観念をめぐる―つの問題 K・クレッシェルの考え方の検討
一三 書評一:石川武「ドイツ中世の平和運動における『公共性の理念』」、堀米庸三「自由と保護」
一四 書評二:オットー・ブルンナー著『ヨーロッパ その歴史と精神』
一五 学会報告:成瀬論文におけるブルンナー理論
一六 書評三:堀米庸三著『ヨーロッパ中世世界の構造』
一七 書評四:吉岡昭彦 成瀬治編『近代国家形成の諸問題』
一八 書評五:西川洋一「古代末期 中世初期における流血刑 ガリア・ゲルマーニアを中心として」
世良晃志郎先生略歴
世良晃志郎先生業績目録
編者あとがき