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青い麦
1972.05.15発売
青い麦
著:コレット,訳:新庄 嘉章,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
美しいブルターニュ海岸の自然描写の中に、思春期の男女の悩ましい官能の芽生えを、みずみずしいタッチで描き、詩的・音楽的な表現を得た、不朽の青春小説ーー。鋭い感覚で豊かな本能の流れを捉え、近代フランス女流文学の第一人者と称されるコレット中期の代表作。 詩的、音楽的な感性と文体で、今世紀フランス女流文学の第一人者と称されるコレットが、美しい南仏海岸の自然描写の中に、思春期の男女の微妙な官能の芽生えを流麗清新な名文で描いた代表作。
電子あり
古典落語(上)
1972.04.28発売
古典落語(上)
編:興津 要,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
人情の機微を、人生の種々相を笑いの中に捉えて、生きた庶民の歴史を語る伝統話芸、古典落語。それは、市井のスケッチであり、庶民の声でもあった。ここに収録する各作品は、先人が心血を注ぎ、みがきぬかれた芸の香気を伝える代表的名作ばかりである。本巻収録作品32編。全6巻。
電子あり
ヤッホーさそりくん クーとジャム ほか
1972.04.20発売
ヤッホーさそりくん クーとジャム ほか
著:松谷 みよ子
明くんは冬の夜明け、夏の星座のさそり座を見つけ、その美しさに感動する。話を聞いたおかあさんは、戦争中かなしい気持ちで見上げた星空を思い出す。「ヤッホーさそりくん」ほか、「ふうちゃんの大旅行」など12編。 赤い鳥文学賞特別賞受賞。
失われた文明
1972.03.28発売
失われた文明
著:G・アレクサンドル,訳:中山 一郎,装丁:杉浦 康平,装丁:辻 修平
講談社現代新書
かつて1万2千年前の地球上には、想像を絶するような高度に発達した文明が、花を開かせていた。重さ2千トンもあるような石の建築物、青銅の精錬技術を駆使した工芸品、空を飛ぶ器機などが作られていた。しかし、その文明は“大洪水”という世界的大異変によって、突然地球上から姿を消してしまった。本書は、この“失われた文明”を、沈黙の世界から、たぐり出し、ファンタジーの翼をひろげて、古代史の謎を系統的に総合的に追究する。 大異変はほんとうに起り得るか――この書物で述べられている1万2千年前の世界現在の世界地図に見られる海洋のうすい色のところは、すべて陸地であった。そこに栄えた高度な文明は、いかに想像を絶するものであったか、さまざまな神話や伝承、古文書が立証している。とはいえ、一旦栄えた文明が、途中で断絶することがあり得るだろうか。人間社会を全滅させるような大異変が、ほんとうに起り得るだろうか。こういった疑問を抱かれる読者は多いことと思う。しかし、今日の文明社会においてもまた、起り得るのである。たとえば、南極大陸をおおっている氷が、もし全部とけてしまったら、地球の多くの都市や土地はたちまち海底に没してしまうだろう。それは地軸が少し角度を変えたら、起り得るのである。このようなことを念頭に入れながら、読者は本書の内容を考えねばならない――著訳者のことばより 『失われた文明』に寄せて――東京大学教授 増田義郎 人間の文明史には、現代の科学や最高の学問をもってしても、まだ説明し得ない不可思議な伝説が、たくさん存在している。本書でも述べられているような世界各地にある“大洪水”の物語や高度に発達した文明に関する言い伝えなどがそうである。本書は、まだ解明されていない1万2千年前の空間的世界に入りこみ、多くの謎に満ちた現象に系統的な説明を加えている。さらに文明の発生への大胆な仮説をも提起している。大胆な発想は、しばしば歴史の解釈に新しいヒントを、与えることがある。本書もまた読者に、歴史の背後にある“沈黙の世界”を解明するヒントを与えてくれるであろう。
花伝書(風姿花伝)
1972.03.25発売
花伝書(風姿花伝)
編:世阿弥,その他:川瀬 一馬
講談社文庫
わが国の古典中、もっとも異色である作品で、申楽者・観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した、稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても、現代に生きている。校注は、世阿弥研究の第一人者・川瀬一馬博士。平易な現代語訳の決定版。
電子あり
まえがみ太郎
1972.03.22発売
まえがみ太郎
著:松谷 みよ子
さびしく暮らしていた、おじいさんとおばあさんのところに、白いひげの“お正月さん”が赤んぼうをつれてきた。やがて大きくなったまえがみ太郎は、村びとを苦しめる魔物を退治しようと旅に出る。勇壮な冒険物語。 赤い鳥文学賞特別賞受賞。
黒ねこ四代・火星のりんご ほか
1972.02.17発売
黒ねこ四代・火星のりんご ほか
著:松谷 みよ子
ふしぎなことに、黒ねこばかりつぎつぎ住みつく作者自身の家の話。4代にわたるねこたちの個性が、いきいき描かれている「黒ねこ四代」のほかに、民話の世界への傾斜をしめす「きつねのよめいり」など14編を収録。 赤い鳥文学賞特別賞受賞。
カナダ・エスキモー
1972.02.15発売
カナダ・エスキモー
著:本多 勝一,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
白夜の地・カナダ北極圏、人類の住むに最悪の永久凍土地帯。この苛酷な自然条件の下でユーモラスに生きる狩猟民族、カナダ・エスキモーの姿を心を、文化人類学的視点で捉え、みごとに活写する異色のルポルタージュ。「その後のカナダ・エスキモー」も収録。 過酷な自然条件の下でユーモラスに生きる狩猟民族の姿を、文化人類学的視点で捉え、みごとに活写する異色のルポルタージュ。付録に「その後のカナダ・エスキモー」を収録。
電子あり
夜の鶴
1972.02.15発売
夜の鶴
著:石川 達三
講談社文庫
二十数年間いつくしみ育ててきた娘の結婚を前にして、寂しさにたえ、限りなき親の愛を寄せて、未来の伴侶に理解ある忠告を贈る父親の姿――。「焼野の雉子夜の鶴」にも比すべき父性愛あふるる書。 二十数年間いつくしみ育ててきた娘の結婚を前にして、寂しさに耐え、限りなき親の愛を寄せて、未来の伴侶に理解ある忠告を贈る父親の姿――。「焼野の雉子夜の鶴」にも比すべき父性愛あふれる書。
電子あり
和解・小僧の神様 ほか十三編
1972.02.15発売
和解・小僧の神様 ほか十三編
著:志賀 直哉
講談社文庫
透徹した人間観察の眼で、生命観にあふれた独自の世界を築き、格調高い近代日本文学の典型を創造した志賀直哉の初期中短編集。表題作のほか「網走まで」「城の崎にて」など13編を収録。という原本に、志賀直哉を正しく理解するための数編の短篇と自筆の絵などを加えた完全版。
電子あり
平家物語(上)
1972.02.15発売
平家物語(上)
その他:高橋 貞一
講談社文庫
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり……。その響は、平家物語の連想を必然して、日本人に久しい。元和9年刊行の片仮名交り附訓12行整版本を底本に、平家諸本研究の権威・高橋貞一教授による厳訂本。適切簡明な脚注・補注、全文にわたる振り仮名など、読みやすい古典平家物語。巻1より巻6までを収録する。
電子あり
樹影
1972.02.03発売
樹影
著:水上 勉,装丁:丹阿弥 丹波子
講談社文庫
布施学園理事長の布施英之は、布施家へ養子に入る前、実家の女中・雪子に子供を生ませる。英男である。英男は、別府の愛育園で育つ。20年目に再会した時、雪子と英男は浦和にいたが、雪子が前夫と関係を続けているのを知り、英男は家出して別府に戻る。折も折、英之の妻はガンで死亡。反対派の策謀により学園を追われた英之は、布施家を去る決意をして、英男を別府に訪ねる……。豪壮な邸宅に住む裕福な人々も、逆境に耐えていきる貧しい人々も、みな三尺の影をひきずって生きている。その孤独な影を、哀調豊かに描いた話題の長編小説。
電子あり
ある告白
1972.02.03発売
ある告白
著:石坂 洋次郎,装丁:荻 太郎
講談社文庫
夫の父である人との結婚を決意した野口ふじ子は、少女時代からの自分の性の歴史をふりかえった。小学校の男の子との幼いペッティング、女学校のクラスメートとの同性愛……。彼女のまわりには、母を犯した孝行息子もいたし、純朴な青年に肉の果実を饗して死んでいった女教師もいた。体験や見聞を通して、ふじ子は、セックスがさまざまな人間たちの中に、原始の祭典のように生きていることを知った。明るく悲しいことだった……。現実に目をそむけることなくセックスを描くことで、作者は観照の深い人間論を展開する。石坂文学のエキスをすべてとかしこんだ長編!
電子あり
婉という女・正妻
1972.01.27発売
婉という女・正妻
著:大原 富枝
講談社文庫
政争の犠牲となり4歳にして一族と共に幽囚の身となった野中兼山の娘婉。40年の後、赦免が彼女に訪れる……無慙な政治の中にほろびゆく愛する男たちの姿を眺める他ない、哀しくもつよい女のいのちを鮮麗に描いた名作。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞。兼山の妻市を主人公として姉妹編「正妻」を併せ収録。
茂吉のねこ・おおかみのまゆげ ほか
1972.01.21発売
茂吉のねこ・おおかみのまゆげ ほか
著:松谷 みよ子,その他:小野木 学
鉄砲うちの茂吉のねこは、夜になるとちゃんちゃんこを着た子どもに化けて酒屋に酒を買いにいく。気づいてあとを追った茂吉が見たものは……。民話に題材をとった「茂吉のねこ」ほか、「おおかみのまゆげ」など9編収録。 赤い鳥文学賞特別賞受賞。
生物の世界
1972.01.15発売
生物の世界
著:今西 錦司
講談社文庫
生物社会の構成原理を生物と環境・社会論と歴史論の面から明確にし、今西生物学の所謂「棲み分け理論」をはじめとする思想的自画像風のユニークな文化論。生態学への関心が強い折その基本書として必読。
電子あり
官能の女
1972.01.07発売
官能の女
著:川上 宗薫,装丁:野見山 暁治
講談社文庫
鳥居恭に、「棚からボタモチ」がころがりこんできた。友人の結婚式で会った、彫りの深いインド人のような美女が、一晩トコトンつきあいたいと申し出たのだ。きけば、気のすすまぬ見合い結婚を前に、相手の男に復讐してやる気になったという。思いがけない一夜の幸運に酔いしれる鳥居だが、それにつけても思いだすのは、毎日通勤電車で見かけるあの女のこと。豊かな胸をもち、歩くたびに腰の部分にポックリえくぼができそうな、つまりはこぼれるような愛嬌がにおってくる、理想のタイプの女なのだ。日頃の空想を実現するため、鳥居は大胆な「行動計画」に着手した……。
電子あり
太陽と鉄
1971.12.23発売
太陽と鉄
著:三島 由紀夫
講談社文庫
近代の運命を一身に担い、その復権の試みに生命を賭けた英才三島由紀夫が、死の決意の下に発見した文学の新しい領域――告白と批判の間に位す〈自伝的評論〉の形で、自己のうちなる様々な堆積を詩的な文体表白――その芸術と思想の遺書ともいうべき問題の書。併せて文学的自伝「私の遍歴時代」を収録。
徒然草
1971.12.20発売
徒然草
著:吉田 兼好,その他:川瀬 一馬
講談社文庫
現存最古の版本といわれる流布系統本を底本に、懇切な校注、解説ならびに現代語訳を添え、連綿と読み継がれてきた、必読の随想録「徒然草」に流れる思想・哲学・人生観を、わかりやすく現代に蘇らせた、新編集。巻末に語彙索引を付す。
電子あり
かの子撩乱
1971.12.15発売
かの子撩乱
著:瀬戸内 晴美
講談社文庫
奔放で奇矯な行動と常に噂の絶えることのなかった男性遍歴、また夫一平との世俗の常識を超えた異常の愛――。岡本かの子は童女か、聖女か。絢爛豪華な文学遺産と多くの伝説を残したまま火のような生涯を閉じたかの子の内面を会心の筆で抉る伝記文学の傑作!