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1971.12.15発売
花散里
講談社文庫
舞踏家・鹿野艶子、近代的未亡人・朝吹頼子、俳人・立川喜和……おんなの夕映えともいうべき年齢の3女性が、日常生活を律する倫理を超えた、性の神秘を経験していく過程を通じて、艶やかに人生の無常をうたう名作。
1971.12.15発売
かきのはっぱのてがみ ほか
処女作から中期の名作まで。小学生向け全集でかけたまま帰ってこないお父さんを心配する山の子ウサギは、柿のはっぱをちょっぴりかじった手紙を出すが……。親子の情愛を温かく描く表題作ほか、21編。

1971.12.04発売
狩りの時刻
講談社文庫
悪夢か? 現実か? 「侍従」と称する中年男に、毎夜、誘(いざな)われて、平凡なOL・小金井依理子がさまよいこんだ、不可思議な性の世界……。そこで、謎の美女・徳乃本夫人に、女同志の愛を教えられた依理子は、突然姿を消してしまった夫人のあとを追って、徳乃本もと侯爵の宏大な邸に忍びこんだ。逞しい青年を愛撫する侯爵、犬を相手に孤独なセックスを楽しむ料理女、奇怪な蝋人形館に閉じこめられた少年……。悪魔の館に棲む人々を垣間みた依理子を最後に待ちうけていたものは、残酷な初夜の儀式だった……。女性の欲望を利用して巧妙に仕組まれた犯罪の罠を描く長編小説。
1971.11.30発売
青春の門 自立篇(上)

1971.11.28発売
日本人はどこから来たか
講談社現代新書
日本人の起源は永遠の謎である。日本は古来文化のルツボであった、流れこむばかりでそこから出て行くことのない――。このルツボのうちそとの謎に、多くの先人が、果敢に挑み、先住民説・原人説・混血説などを説いた。本書は発掘物・言語など豊なデータをもとに、精密な推理を進め、江南要素を重視する。
〈日本人の起源に関する諸説〉歴史的にみると、まず、日本島には日本人以前に先住民がいたという、先住民論があり、その先住民がいかなるものであったかをめぐって、アイヌ説・プレアイヌ説・コロボックル説などがあらわれた。さらに日本人混血説をへて、ナショナリズムとのからみあいもあって、日本島には最初から日本人がいたとする日本原人論があらわれた。最近になって騎馬民族征服説なども出されたが、もちろんこの世界には、確たる定説はない。化石人骨・血液型・言語・石器・土器・各種の道具、そして稲作の問題など複雑なファクターを比較検討しながら、本書では、日本人の祖型には江南要素が濃厚であると結論する。

1971.11.24発売
海辺の光景 ほか六編
講談社文庫
海に臨んだ精神病院で狂死する母、それを看取る父と私。父はもと陸軍獣医少将。だがそんな父を軽蔑した母と私。――人間の奥底に潜むエゴイズムを赤裸々にえぐり出し、夫婦とは、親子とは、人生とはを追求した、芸術選奨&野間文芸賞W受賞の表題作。ほかに卓抜な感性の冴えを示す6編を収録。

1971.11.15発売
エヌ氏の遊園地
講談社文庫
虫も殺さぬ若い女性の口から飛び出すことば「殺し屋ですのよ」、幸運きわまる青年の不運きわまる目覚めの「あこがれの朝」------卓抜なアイディアと洗練された手法で神秘とファンタジックな物語に新境地をひらき、日常と非日常の不思議な世界にいざなうショートショートの第一人者による傑作31編。
1971.11.15発売
殺意の餌
文芸(単行本)
1971.11.13発売
ちいさいモモちゃん
処女作から中期の名作まで。小学生向け全集モモちゃんが生まれたときから、3歳になるまでのお話。ネコのプーや森のクマさんたちと、モモちゃんがくり広げる楽しいエピソードを20編収録。

1971.11.13発売
黒い蝶・うさぎのてぶくろ ほか
お日さまがお月さまに語った下界のかなしいできごと。訓練中の立入禁止区域に砲弾の破片をひろいにいった1人の少年の命を1発の銃弾がうばった、と……。戦争への怒りをこめた「黒い蝶」ほか、初期の作品10編を収録。
赤い鳥文学賞特別賞受賞。

1971.10.15発売
谷間のゆり
講談社文庫
愛する青年・フェリックスの栄達のために、献身的な援助を惜しまぬ不幸な人妻・モルソーフ夫人の母性的な愛――風光明媚なトゥーレーヌの谷間を背景に、きびしい霊肉相剋を通して、愛と純潔の永遠の世界を強く志向した、フランス文学の巨人バルザックの告白体による自伝的&代表的な不朽の名作!

1971.10.15発売
恋歌
講談社文庫
夜を持たぬ夫婦の愛の証しとは?自由な女の孤独とは?男女の愛という、最も日常的な行為の背景にも、不思議な影がある。戦争の傷あとに悩む冬子、背徳と官能の淵をさまよう直子、新しい青春を夢みる亜由美──ひたすらな3人の女性の生き方のなかに、現代の愛の可能性を問う意欲的長編ロマン。

1971.10.15発売
王城の護衛者
講談社文庫
王城の護衛者としての使命を、唯一の支えにして、激動する幕末の難局に棹さした会津の青年藩主、松平容保が政治の術数に翻弄される悲劇の生涯をつづる名編。他に、「加茂の水」「鬼謀の人」「英雄児」「人斬り以蔵」を収録。

1971.10.06発売
龍の子太郎
龍になって北の湖にすむというおかあさんをたずねて旅をする太郎の波乱万丈の冒険物語。日本の民話を現代によみがえらせ、国際アンデルセン賞優良賞・サンケイ児童出版文化賞などかずかずの賞にかがやく雄大な名作。
赤い鳥文学賞特別賞受賞。

1971.10.06発売
貝になった子ども ほか
ある夏の日、5歳の弥一(やいち)は、畑からの帰りにゆくえしれずになってしまう。子どもをもとめてさまよう母に、すずめがやさしくささやいたことは……。母親の愛情を、幻想的に描いた表題作ほか、初期の作品10編を収録。
赤い鳥文学賞特別賞受賞。

1971.09.17発売
波
講談社文庫
憐れな境遇にある教え子・きぬ子と結婚した、小学校教師・見並行介は、妻の不貞、生まれた子に対する疑惑など、「永遠回帰」の波にも似た、生の悩みの繰返しに直面する。――ヒューマニズムと理想主義を貫いて生きる、真摯な人間像を追求した名作として、海外でも大きく評価される作品。

1971.08.28発売
女拓物語
講談社文庫
堂堀不動産の独身社長・堂堀進六は、男盛りの36歳。生まれは群馬県の貧農の六男坊だが、中学卒後、すぐ上京。兜町の証券会社の小僧をふりだしに、たちまち株で2億円のボロ儲けをして独立した。金には強いが滅法女にヨワイ進六は、自ら「風俗研究科」と称して、女の拓本蒐集を男子一生の悲願とする。東名高速をぶっとばす車の中でのホステスとのカーセックス、全共斗女子大生との同志的「結合」、さては、ガラスの床に座って用をたす女を見上げる猟奇的女研究など……。一盗二卑に徹することを色道修行の信条として、進六は今日も変った女めざして夜の街に出陣する……。

1971.08.25発売
黒い環
講談社文庫
おれのことを、人はセイントと呼ぶ。聖人のようにわがままに、気ままに生きているからだ。職業は、カメラマン。ボリビアで祭りを撮ったとき知り合った、バロン加納という怪人物が東京に現われたことから、おれは姿のない奴から、命を狙われる羽目におちいった。そして、あの忌わしい戦争の尾を引く財宝さがしの殺人ゲームに、巻き込まれることになった。仲間と敵が、信じられないようなつながりを持っていて、おれをガンジガラメにした。……行動人・石原慎太郎が、現代の「英雄」の危険なゲームに託して、ムキだしの人間群像を描き切った、アクション・ノベルの巨篇!

1971.08.16発売
ゼロから無限へ
ブルーバックス
日常なにげなく使う数には、こんな面白い性質がひそんでいる
《インド人が発明したゼロ》0割る0の数学的意味は?奇妙な数ゼロを探って……
《便利な2進法》ライプニッツの2進法はコンピュータの世界で見事に開花
《完全数の不思議》6の約数は1、2、3。それらをたせばやはり6。
《無限と矛盾》自然数も平方数も無限にあるなら、それらの個数は等しいのか?
《対数の底e》統計学・生物学・経済学などにも使われるeの物語

1971.08.16発売
日本人の論理構造
講談社現代新書
どうせ、せめて、さすが、しみじみ・・・。
これらのことばが、どのような文化の中に生まれ、私たちをどのように性格づけてきたのか?
長年アメリカで日本語や日本文学を教え続けてきた著者が、身近なことばから日本人独特の心理を探りだしたユニークな文化論。
いまこそ読まれるべき名著の復刊。