「家族」と「幸福」の戦後史

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「家族」と「幸福」の戦後史

カゾクトコウフクノセンゴシコウガイノユメトゲンジツ

講談社現代新書

家庭内でそれぞれ孤立する夫・妻・子供たち。アメリカ的豊かさの象徴であるはずの「郊外」生活が、戦後日本にもたらしたものは何か。

大量生産された家族──家族や郊外というものは、高度経済成長期の日本においていわば意図的につくりだされてきた一種の「装置」である。その家族は自然なものでもないし、伝統的なものでもない。少なくとも、今われわれが普通に思い描く家族は、戦後の高度経済成長期につくられた、きわめて特殊なものである。……家族は人々の欲望を充足させるだけでなく、同時に欲望を喚起する装置になった。すなわち、家族は大量生産されたのだ。団地や家電や自動車が大量生産されただけでなく、家族そのものが大量生産されたのだ。戦後の核家族とは大量生産された家族なのだ。そして家族はマスメディアを通して大量に広告され、大衆によって大量に消費されたのである。──本書より


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目次

●マイホームという神話
●大量生産された家族
●ニューヨーク万博と郊外・家族
●最初の大規模郊外住宅地レヴィットタウン
●冷戦時代の新兵器としての家族
●「緑色革命」と郊外
●教育の55年体制
●持ち家願望をくすぐる
●「私有」空間の息苦しさ
●郊外を超えて

書誌情報

紙版

発売日

1999年12月20日

ISBN

9784061494824

判型

新書

価格

定価:836円(本体760円)

通巻番号

1482

ページ数

232ページ

シリーズ

講談社現代新書

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