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乱歩と正史 人はなぜ死の夢を見るのか
ランポトセイシヒトハナゼシノユメヲミルノカ
- 著: 内田 隆三

我々の現代性の黎明期、日中戦争の前/日米戦争の後、江戸川乱歩と横溝正史――二人は探偵小説の夢を創造する。個人の日常生活を成立させるリアリズムの場に深い〈穴〉があき、あるいはリアリズムの〈場〉が〈死者〉の声に触れて崩れるとき、人間に関わる真実が独特の顔をして垣間見えることがある。だが、この真実を表象する手段は限られている。乱歩と正史はこの真実を寓喩――殺人とその不可能図形によって描き出す。
我々の現代性の黎明期、日中戦争の前/日米戦争の後、江戸川乱歩と横溝正史――二人は探偵小説の夢を創造する。
個人の日常生活を成立させるリアリズムの場に深い〈穴〉があき、あるいはリアリズムの〈場〉が〈死者〉の声に触れて崩れるとき、人間に関わる真実が独特の顔をして垣間見えることがある。
だが、この真実を表象する手段は限られている。乱歩と正史はこの真実を寓喩――殺人とその不可能図形によって描き出す。
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目次
第一章 江戸川乱歩――探偵小説の創造
第二章 乱歩の無意識――疑惑とメタ・トリック
第三章 乱歩と正史――戦争の前夜を生きる
第四章 乱歩と正史――敗戦への時代を生きる
第五章 横溝正史――本格探偵小説の創造
書誌情報
紙版
発売日
2017年07月11日
ISBN
9784062586580
判型
四六
価格
定価:2,145円(本体1,950円)
通巻番号
655
ページ数
352ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2017年08月18日
JDCN
06A0000000000006020J
著者紹介
1949年生まれ。東京大学名誉教授。専攻は社会理論、現代社会論。著書に『消費社会と権力』『さまざまな貧と富』『探偵小説の社会学』『ベースボールの夢』(以上、岩波書店)、『ミシェル・フーコー』『柳田国男と事件の記録』(以上、講談社)、『国土論』『社会学を学ぶ』(以上、筑摩書房)など。 2014年『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される? :言語と運命の社会学』(岩波書店)で本格ミステリ大賞(評論・研究部門)受賞。
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11頁7行目(誤)聞いていた → (正)開いていた
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207頁3行目(誤)「紙飢饉」のなか出版物が →(正)「紙飢饉」のなか、出版物が
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