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社会的な身体-振る舞い・運動・お笑い・ゲーム
シャカイテキナカラダフルマイウンドウオワライゲーム
- 著: 荻上 チキ

ケータイ有害論が意味しているものは何か? かつてのテレビ白痴化論とどう違うのか? (違わないのか?) ネット論壇とマスコミの共犯関係、ゲーム的な身体的快楽と新しい社会運動、お笑いの変化と私たちの日常の「振る舞い」の関係とは? メディア環境の激変は、私たちの“身体”をどのように作り替え続けているのか?
気鋭の批評家が2000年代の日本社会を描く画期的評論!
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目次
第1章 有害メディア論の歴史と社会的身体の構築
有害メディア論の構造/ソクラテスの文字批判/小説がバッシングされた時代/紙芝居批判と「教育紙芝居」の登場/「教育談義」に招き入れられるメディア/ メディア浸透の四段階仮説/たまごっちとポケベルをめぐる議論はなんだったのか/ニューメディアの登場と社会的身体の組み替え etc.
第2章 社会的身体の現在──大きなメディアと小さなメディア
身体拡張キット」としてのケータイとパソコン/使い分けられる身体/ケータイを身体化する子どもたちをめぐる二重の不安/「小さなメディア」時代の過剰なリテラシー要求/マスコミを「強化」するマスコミ批判/私たちはテレビを求め、加えてウェブを求めた etc.
ノート 「情報思想」の更新のために
「形式/内容」の議論が見落としているもの/単純化された社会モデルの落とし穴/メディアは思想を作り出す etc.
第3章 お笑い文化と「振る舞い」
「役割モデル」と「振る舞いモデル」/「キャラみせ」が主流になった二〇〇〇年代の「お笑い」/「キャラ要素」と「バトル要素」の先鋭化/視聴者と芸人の関係の時代変化/「どっきりのどっきり」に見るテレビ空間の成熟度/振る舞いモデルとしての「一発屋」/ワイプ画面で試みる「お約束の共有」/ニコニコ動画と振る 舞いの連鎖 etc.
第4章 ゲーム性と身体化の快楽
「ゲーム性」と快楽/「毎日WaiWai騒動」に見るカスケード現象/「祭り」に参加する三種類のプレイヤー/「国籍法騒動」とカスケードの政治力/グーグルSVと「操作性の快楽」の二面性/ポスト社会運動を担う「行為体」/ポスト社会運動と身体のゆくえ etc.
書誌情報
紙版
発売日
2009年06月19日
ISBN
9784062879989
判型
新書
価格
定価:814円(本体740円)
通巻番号
1998
ページ数
216ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2018年06月01日
JDCN
06A0000000000014573C
初出
次の3つの初出媒体に掲載された原稿を元に、大幅に加筆・修正を加えたもの。中央公論新社『中央公論』2008年10月号(<毎日新聞「WaiWai騒動」で見えたウェブ集合行動の力学>)、モバイル研究所『未来心理』2008年11号(「ケータイの『子ども』たち-領域を越える身体/文化を築く設計」)、So-net『So-netブログ みんなのテレビ』2008年4月~2009年3月(「荻上式!電網テレビ批評」)。
著者紹介
(おぎうえ ちき) 1981年、兵庫県生まれ。成城大学文芸学部卒業。東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程修了。テクスト論、メディア論を中心に、評論、編集、メディアプロデュースなどの活動を行う。人文系ニュースサイト「トラカレ!」主宰。社会学者・芹沢一也氏と共に思想系メールマガジン「αシノドス」を創刊、監修。著書に、『ウェブ炎上』(ちくま新書)、『12歳からのインターネット』(ミシマ社)、『ネットいじめ』(PHP新書)、共著に『バックラッシュ!』(上野千鶴子、宮台真司ほか、双風舎)、『革命待望!』(邨棟G実、橋本努ほか、ポプラ社)など、編著に『日本を変える「知」』(本田由紀、吉田徹ほか、光文社)など
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