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「空気」と「世間」
クウキトセケン
- 著: 鴻上 尚史

「空気」の存在に怯えている人は多い。なぜ「空気」は怖いのか? その正体を探っていくと見えてきたのが、崩れかけた「世間」の姿だった……。人気の脚本・演出家が、阿部謹也、山本七平といった先人の仕事を現代に投影させながら、自分の体験や発見を踏まえた会心作! 「空気」と「世間」を知り、息苦しい現代日本を生きていくための方法を示します。(講談社現代新書)
人気脚本家が、空気と世間の正体に迫る! 確実にあるのに、その実体がよくわからない空気と世間。本書ではそのふたつの実体を実例や先行研究から明らかにするとともに、それに対抗するための方法を示す。
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目次
第1章 「空気を読め!」はなぜ無敵か?
お笑い番組の「空気」/「順番に来るいじめ」/日常というテレビ番組/
司会者がいない場の空気に怯えるな etc.
第2章 世間とは何か
席取りをするおばさんの「世間」と「社会」/ 「しようがない」の意味/
インテリが無視する「世間」/西洋にも「世間」はあった/
神と「世間」の役割は同じ etc.
第3章 「世間」と「空気」
「世間」が流動化したものが「空気」/日本人がパーティーが苦手な理由/
差別意識のない差別の道徳etc.
第4章 「空気」に対抗する方法
絶対化に対抗する相対的な視点/ 「多数決」さえ絶対化する日本人/
議論を拒否する「空気」の支配/「空気」の世界は理屈のない世界etc.
第5章 「世間」が壊れ「空気」が流行る時代
中途半端に壊れている「世間」/精神的なグローバル化/
不安と共に急速に壊れ始めた/超格差社会を生きる個人を支えるキリスト教/
空気で手に入るのは「共同体の匂い」/抑圧としての「世間」にうんざりする人々etc.
第6章 あなたを支えるもの
資本主義の「中世」化/「世間」を感じるために他者を攻撃する/
ほんの少し強い「個人」になるetc.
第7章 「社会」と出会う方法
「世間」に向けて発信した秋葉原連続通り魔事件の被告/「社会」に向かって書くということ/
「社会」と出会うための日本語/複数の共同体にゆるやかに所属するetc.
書誌情報
紙版
発売日
2009年07月17日
ISBN
9784062880060
判型
新書
価格
定価:1,078円(本体980円)
通巻番号
2006
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2013年02月22日
JDCN
0628800600100011000A
著者紹介
作家・演出家。1958年愛媛県出身。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。87年「朝日のような夕日をつれて‘87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞。現在は、プロデュースユニットKOKAMI@networkと新たに若手の俳優を集めて旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動。 『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』『表現力のレッスン』『人生に希望をくれる12の物語』(以上、講談社)、『発声と身体のレッスン』(白水社)『僕たちの好きだった革命』(角川学芸出版)、『ヘルメットをかぶった君に会いたい』(集英社)、『俳優になりたいあなたへ』(ちくまプリマー新書)、『孤独と不安のレッスン』(大和書房)「ドン・キホーテ」シリーズ(扶桑社)他著書多数。
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