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保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱
ホシュノシンズイロウスイキョウデカタルブンメイノブンラン
- 著: 西部 邁

世界恐慌や世界戦争の危機が見込まれる現在、政治や文化に関する能力を国民は身につける必要がある!そして、良き保守思想の発達した国家でなければ良き軍隊をもつことはできない、と老師・ニシベは我々日本人に警告をする。アリストテレス、マキャベッリ、ガンディ、チェスタトン、福沢諭吉、中江兆民など古今東西の巨人の叡智から戦後日本の政治・経済政策まで、保守思想の真実を語り尽くす大思想家・ニシベ最期の書。
保守は右翼とは大いに違う。
世界の思想史を紐解きつつ、混迷を深める
世界の政治情勢と向き合うために
日本が抱える諸問題への老師からの鋭い提言の書。
【本書での老師・西部の主張は以下の13項目である】
1・日本の核武装―是非もなく
2・天皇譲位―俗世は口幅を狭くせよ
3・立憲主義―悪報は法に非ず
4・領土―施政権と不可分と知れ
5・国連―屁の突っ張りにもならず
6・日米同盟―「51番目のアメリカ州」にしてもらえるはずがない
7・反左翼は言うに及ばず左翼も右翼も――人が馬鹿になる早道
8・テロリズム―それと戦争の区別などは不可能
9・資本主義―文明の砂漠に咲く「拝金とイノヴェーション」の毒花
10・民主主義―文明の砂漠に吹く「人気とスキャンダル」の砂塵
11・宗教―詐欺が人間精神に必然とはこれいかに
12・社会科学―エッセイ以上のものと詐称する専門人ども
13・自裁―それを生きいきとなすのが人生の締め括り方
【本書の章構成】
第一章 文明に霜が下り雪が降るとき
第二章 民主主義は白魔術
第三章 貨幣は「戦さの女神」
第四章 「シジフォス」の営みは国家においてこそ
【サブタイトルの「紊乱論」の意味を知りたい方へ】
著者の本文からのその主旨を抜粋する。
「 紊乱とは「文がもつれた糸のように乱れる」状態を指す。文が明ではなく暗に近づいているのだとすれば、高度文明などという表現すらが虚しくなる。だが、我が身それ自体の老酔狂という紊乱にあっては、文暗のあとに何がやってくるのか、予測も予想も想像もつかない。というより「文暗の深刻化が止めどなく進行するのであろう」と漠然と思うだけのことである。
これを絶望の境地といえばそういえなくもないが、「絶望するものの数が増えることだけが希望である」(J・オルテガ)と考えるならば、これから述べ立てる紊乱論も希望の書といえなくもない。」
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目次
解題──序に代えて
第一章 文明に霜が下り雪が降るとき
第二章 民主主義は白魔術
第三章 貨幣は「戦さの女神」
第四章 「シジフォス」の営みは国家においてこそ
あとがき
書誌情報
紙版
発売日
2017年12月14日
ISBN
9784062884556
判型
新書
価格
定価:924円(本体840円)
通巻番号
2455
ページ数
272ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2017年12月22日
JDCN
06A0000000000012371R
著者紹介
1939年、北海道に生まれる。東京大学大学院経済学研究科修士。書籍や雑誌にて旺盛な執筆活動を展開している。保守派の評論家。元東京大学教養学部教授。東大教授を辞職後は秀明大学教授・学頭を歴任。テレビ「朝まで生テレビ」などに出演。2017年10月まで雑誌「表現者」顧問。 著書は『経済倫理学序説』(中央公論社・1983年度吉野作造賞受賞)、『生まじめな戯れ』(筑摩書房・サントリー学芸賞受賞)、『虚無の構造』『妻と僕 寓話と化す我らの死』(ともに飛鳥新社)、『死生論』『思想の英雄たち 保守の源流をたずねて』(ともにハルキ文庫)、『サンチョ・キホーテの旅』(新潮社・芸術選奨文部科学大臣賞受賞)、『どんな左翼にもいささかも同意できない18の理由』(幻戯書房)、『ファシスタたらんとした者』(中央公論新社)、『学問』『無念の戦後史』(講談社)、『核武装論 当たり前の話をしようではないか』(講談社現代新書)など多数。
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