正宗白鳥――その底にあるもの――

マイページに作品情報をお届け!

正宗白鳥――その底にあるもの――

マサムネハクチョウソノソコニアルモノ

講談社文芸文庫

生と死、神の存在を問い続けた、クリスチャン正宗白鳥の信仰の真実に迫る!

自然主義の代表的作家として、人生虚妄を唱えた冷徹なニヒリスト・正宗白鳥の死を契機に、彼が青年時代に棄教したキリスト教に復帰したのかどうかが、人々の関心を集めた。文芸評論に幅広い活躍をした著者が、「白鳥は終始クリスチャンだった」という観点で、白鳥の小説や深い影響力をもった内村鑑三、トルストイの作品等を読み解き、白鳥文学の深層に潜む、信仰と魂の問題、作家の人生を探った独自の作家論。

富岡幸一郎
一見するとこの白鳥論は、白鳥のキリスト教への「入信」と「棄教」そして「信仰復活」(白鳥は自らの葬儀を自分の意志でキリスト教会において行なった)という、一人の文学者の内面の変遷と信仰への葛藤を辿り描いており、事実その通りなのだが、その背後には正宗白鳥という個性的な作家の問題をこえた、より広く深い「魂」についての問いがあったのではないだろうか。――<「解説」より>


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

2011年01月09日

ISBN

9784062901093

判型

A6

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

320ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

1983年10月講談社刊「山本健吉全集」第11巻を底本とし、多少ふりがなを加えた。また、体裁を変更した部分がある。本文中明らかな誤記、誤植と思われる箇所は正したが、原則として底本に従った。

著者紹介

関連シリーズ

BACK
NEXT