主権者のいない国

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電子あり

主権者のいない国

シュケンシャノイナイクニ

「なぜ私たちは、私たちの政府はどうせロクでもないと思っているのか。その一方で、なぜ私たちは、決して主権者であろうとしないのか。この二つの現象は、相互補完的なものであるように思われる。私たちが決して主権者でないならば、政府がロクでもないものであっても、私たちには何の責任もない。あるいは逆に、政府はつねにロクでもないので、私たちに責任を持たせようとはしない。
 だが、責任とは何か。それは誰かに与えてもらうものなのか。そして、ここで言う責任とは誰に対するものなのか。それは究極的には自分の人生・生活・生命に対する責任である」
本文より抜粋 


政治が国民にとって「災厄」となった絶望の時代を、私たちはどう受け止め、どう生きるべきなのか?

いま日本でもっとも忖度しない、ひよらない、おもねらない政治学者の最新論考!

国民を見殺しにして、お友だちの優遇や経済を優先する現権力の暴走の根源にあるものとは?
資本主義の「人間毀損」が行きついた果ての「命の選別」を受け流さず、顕在化した社会的モラルの崩壊に立ち向かうための必読書!

序章  未来のために想起せよ
第一章 「戦後の国体」は新型コロナに出会った
第二章 現代の構造――新自由主義と反知性主義
第三章 新・国体論
第四章 沖縄からの問い 朝鮮半島への想像力
第五章 歴史のなかの人間
終章  なぜ私たちは主権者であろうとしないのか


ⒸSatoshi Shirai

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書誌情報

紙版

発売日

2021年03月29日

ISBN

9784065216866

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

322ページ

電子版

発売日

2021年03月31日

JDCN

06A0000000000320489I

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    第一章 日本史上の汚点としての安倍政権

    初出

    『論座』2020年8月30日、9月1日、9月5日

  • 作品名

    第一章 国民の自画像としての安倍/菅政権

    初出

    『論座』2021年1月2日、3日

  • 作品名

    第一章 安倍政権とコロナ危機ー三つの危機、三つの転換

    初出

    『サンデー毎日』2020年5月3日号

  • 作品名

    第一章 命令できない国家

    初出

    『北海道新聞』2021年1月14日

  • 作品名

    第二章 菅政権が目指す「反知性主義的統制」

    初出

    『サンデー毎日』2020年11月8日号

  • 作品名

    第二章 安倍政権と新自由主義

    初出

    『サンデー毎日』2020年8月30日号

  • 作品名

    第二章 社会の消滅についてー新自由主義がもたらした「廃墟」

    初出

    『情況』2020年冬号

  • 作品名

    第二章 高校野球と階級闘争

    初出

    『信濃毎日新聞』2017年9月2日

  • 作品名

    第二章 「反知性主義」ーその世界的文脈と日本的特殊性

    初出

    内田樹編「日本の反知性主義」晶文社、2015年

  • 作品名

    第二章 泰明小学校アルマーニ問題が問いかけるもの

    初出

    『信濃毎日新聞』2018年3月3日

  • 作品名

    第三章 「戦後の国体」の終焉と象徴天皇制の未来

    初出

    『サンデー毎日』2019年1月6日・13日合併号

  • 作品名

    第三章 原爆と国体

    初出

    『中国新聞』2018年10月27日

  • 作品名

    第三章 「拝謁記」と国体のタブー

    初出

    『週刊金曜日』2019年9月13日号

  • 作品名

    第三章 改元の政治神学ー戦後民主主義と象徴天皇制の葬式

    初出

    『週刊金曜日』2019年4月26日号

  • 作品名

    第三章 平成最後の日に

    初出

    『中日新聞』2019年4月30日

  • 作品名

    第三章 <歴史>以後としての平成時代

    初出

    内田樹編「街場の平成論」晶文社、2019年

  • 作品名

    第四章 沖縄と国体ー犠牲と従属の構造

    初出

    『DAYS JAPAN』2018年10月号

  • 作品名

    第四章 追悼・翁長雄志沖縄県知事ーその闘いの意味、闇を切り裂いた言葉

    初出

    『沖縄タイムス』2018年8月23日

  • 作品名

    第四章 朝鮮戦争と戦後の国体

    初出

    『情況』2019年秋号

  • 作品名

    第四章 戦後日本にとっての拉致問題

    初出

    『情況』2020年夏号

  • 作品名

    第四章 日韓・歴史意識の衝突とその超克

    初出

    内田樹編「街場の日韓論」晶文社、2020年

  • 作品名

    第五章 戦後75年を直視する

    初出

    『北海道新聞』2020年7月30日

  • 作品名

    第五章 中曽根康弘の逡巡

    初出

    『週刊金曜日』2019年12月13日号

  • 作品名

    第五章 西部邁の60年安保体験

    初出

    『信濃毎日新聞』2018年2月3日

  • 作品名

    第五章 廣松渉の慧眼

    初出

    進藤榮一・木村朗共篇「沖縄自立と東アジア共同体』花伝社、2016年

  • 作品名

    第五章 アジア主義の廃墟に何が見えるかー『虹色のトロツキー』論

    初出

    限界小説研究会議「サブカルチャー戦争」南雲堂、2010年

著者紹介

著: 白井 聡(シライ サトシ)

思想史家。政治学者。京都精華大学教員。 1977年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学) 『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)により、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞などを受賞。その他の著書に『未完のレーニン』(講談社)、『国体論 菊と星条旗』(集英社新書)、『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社)などがある。

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