慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

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慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

ケイオウサンネンウマレシチニンノツムジマガリソウセキガイコツクマグスロハンシキコウヨウリョクウトソノジダイ

講談社文芸文庫

夏目漱石、宮武外骨、南方熊楠、幸田露伴、正岡子規、尾崎紅葉、斎藤緑雨の七人がみな、幕末維新動乱真っ只中の慶応三年生まれの同い年だということに、著者が興味を感じ続けてきたことからすべてが始まる。明治期の文学に造詣の深い著者が膨大な文献を渉猟することで浮かび上がってきた、七人の傑物たちの姿や相互に絡み合う関係を生き生きと筆致で描くことで、明治初期から日清戦争までの時代を鮮やかに浮かび上がらせる本書は、2001年講談社エッセイ賞を受賞した。鋭い批評性を保ちながらも、ひたすら頁を繰っていきたくなる面白さに満ちた文芸評論の傑作。


Ⓒ坪内祐三

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目次

エージャナイカと神経衰弱/二つの誕生日を持つ男たち/漱石や子規が転校した理由/英語と漢文の間で/自由民権運動の時代に/熊楠、子規の上京と賄征伐

七人男、東京に揃う/『当世書生気質』と『小説神髄』/学制改革が二葉亭を作家にした/外骨が『頓智協会雑誌』を創刊する/露伴という号の由来と子規の句/『我楽多文庫』と『都の花』/女学生ブームの中で/『露団々』が世に出るまで

大日本帝国憲法発布/紅露時代の幕開け/緑雨の「小説八宗」と熊楠の『珍事評論』/正岡常規、喀血し正岡子規となる/漱石と子規の交流。紅葉・露伴、読売新聞入社/尾崎紅葉と文士劇のはじまり/第三回内国勧業博覧会開催される/獄中の外骨と露伴・漱石の憂鬱

紅葉館熱と東京専門学校文学科の創設/正直正太夫死す/露伴の引っ越し、紅葉の引っ越し/恋愛は神聖か肉交か/驚異の新人、森鴎外/明治二十四年の夏休み/作家志望の若者たち/子規と露伴の出会い/二つの英訳『方丈記』

漱石の「中学改良策」/子規の入社と外骨の出獄/紅葉の覆面小説と『万朝報』の創刊/郡司大尉の千島行きと二つの月ケ瀬紀行/外骨の『文明雑誌』と子規の「文界八つあたり」/北村透谷と『文学界』の「怒れる若者たち」

英文学士・夏目金之助誕生する/外骨の細川家騒動とロンドンの熊楠/正岡子規の「おくのほそ道」紀行/三文字屋金平の『文学者となる法』/内田魯庵と尾崎紅葉をめぐる因縁/紅葉もスランプ、露伴もスランプ/正岡子規の二つの新聞小説

あとがき

ここまでは描きたかった ――文庫版あとがきに代えて

解説
年譜
著書目録

書誌情報

紙版

発売日

2021年01月11日

ISBN

9784065222751

判型

A6

価格

定価:2,970円(本体2,700円)

ページ数

752ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2021年01月12日

JDCN

06A0000000000263879T

初出

本書は、『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代』(2011年7月、新潮文庫)を底本としました。

著者紹介

著: 坪内 祐三(ツボウチ ユウゾウ)

坪内祐三(つぼうち・ゆうぞう) 評論家。1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院修士課程修了。雑誌「東京人」の編集者、フリー編集者を経て執筆活動を始める。書評、文芸評論、社会評論、映像、演劇、相撲などさまざまな分野に関心を寄せ、つねに独自の視点から恐るべき記憶力を駆使したしなやかな文体でものごとの本質に迫ろうとする文章に定評があった。2020年1月、61歳で急死。『ストリートワイズ』『靖国』『文庫本を狙え!』『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り』『文学を探せ』『一九七二』『『別れる理由』が気になって』『変死するアメリカ作家たち』『大阪おもい』『酒中日記』『探訪記者 松崎天民』『右であれ左であれ、思想なネットでは伝わらない』など著書多数。筑摩書房『明治の文学』全25巻の編集や季刊文芸誌「en-taxi」編集同人も務めた。

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