柄谷行人の初期思想

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柄谷行人の初期思想

カラタニコウジンノショキシソウ

講談社文芸文庫

【本書は『柄谷行人初期論文集』、のち『思想はいかに可能か』として刊行された単行本の文庫化です】
2022年に「哲学のノーベル賞」と呼ばれるバーグルエン哲学・文化賞をアジア人として初めて受賞した柄谷行人が、1969年の群像新人文学賞評論部門当選作「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」以前に書いた「思想はいかに可能か」(東大新聞五月祭賞佳作)「新しい哲学」(同)や、群像新人賞当選作を読んだ「ユリイカ」編集長三浦雅士の依頼によって書かれた「サドの自然概念に関するノート」のノートなど、1966年から72年にかけて発表された7編からなる初期論文集。
著者によれば「遠い過去でありすぎ」また「幼稚な考え方や言葉使いが多くて閉口」しつつも「近年において自分が考えていることに近いところが少なからずあって、驚きもした」テクストである。
すでに思想家柄谷行人の思考の基本的構造が現れていたという意味において、本書を味読することは、最新刊『力と交換様式』読解にも役立つであろう。


ⒸKojin Karatani

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目次

【本書は『柄谷行人初期論文集』、のち『思想はいかに可能か』として刊行された単行本の文庫化です】
思想はいかに可能か
新しい哲学
『アレクサンドリア・カルテット』の弁証法
「アメリカの息子」のノート
自然過程論
現代批評の陥穽――私性と個体性
サドの自然概念に関するノート
著者自身による解題
あとがき

書誌情報

紙版

発売日

2023年09月11日

ISBN

9784065329443

判型

A6

価格

定価:2,310円(本体2,100円)

ページ数

272ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2023年09月09日

JDCN

06A0000000000695546A

初出

「思想はいかに可能か」…「東京大学新聞」1966年5月、「新しい哲学」…「東京大学新聞」1967年5月、「『アレクサンドリア・カルテット』の弁証法」…「季刊世界文学」第7号 1967年12月、「「アメリカの息子のノート」のノート」…「新批評」1968年10月号、「自然過程論」…「情況」1970年8月号、「現代批評の陥穽――私性と個体性」…『現代批評の構造』1971年 思潮社、「サドの自然概念に関するノート」…「ユリイカ」1972年4月号。 底本|『思想はいかに可能か』2005年4月 インスクリプト刊

著者紹介

著: 柄谷 行人(カラタニ コウジン)

柄谷行人(1941・8・6~)批評家。兵庫県生まれ。1965年、東京大学経済学部卒業。67年、同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。また批評誌「季刊思潮」「批評空間」を創刊。『畏怖する人間』『意味という病』『マルクスその可能性の中心』(亀井勝一郎賞)『隠喩としての建築』『探究』『トランスクリティーク』『世界史の構造』『哲学の起源』『力と交換様式』など著書多数。2022年、バーグルエン哲学・文化賞をアジア人として初めて受賞。

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