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内部の人間の犯罪 秋山駿評論集
ナイブノニンゲンノハンザイアキヤマシュンヒョウロンシュウ
- 著: 秋山 駿

「犯罪」とは――。都市の空虚なビル、そのコンクリートの壁の上に、簡単な1本の線で描かれる「人間」の形である。少年による「理由なき殺人」の嚆矢、小松川女高生殺人事件。犯人の少年の獄中書簡に強く心を衝たれた著者は、動機の周りを低回する世間の言説に抗し、爆発的な自己表現を求めた内部の「私」の犯罪であるとする文学の言葉を屹立させた。他、永山則夫、金嬉老など、犯罪を論じた評論17篇を精選。
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目次
内部の人間の犯罪
殺人考
金嬉老の犯罪
現実は要求する、さらに深く問え
犯罪と文学
犯罪の形而上学
都市の犯罪
「犯罪」への意思
「犯罪」について
スキャンダルと犯罪の繁栄
生を螺旋形に変えよ!
自己発見としての犯行
永山則夫と私
永山則夫への懐疑
余談・閑談
『山の人生』へ一言
少年の理由なき殺人と文学
著者から読者へ
書誌情報
紙版
発売日
2007年09月12日
ISBN
9784061984882
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2016年07月29日
JDCN
0619848800100011000D
初出
「内部の人間の犯罪」から「都市の犯罪」までの七篇は『秋山駿批評1定本 内部の人間』(73年小沢書店)『秋山駿批評3壁の意識』(76年同)『秋山駿批評4内的生活』(81年同)を、「『犯罪』への意思」から「少年の理由なき殺人と文学」までの十篇は初刊の『こころの詭計』(83年同)、『簡単な生活者の意見』(88年同)、『路上の櫂歌』(94年同)、『片耳の話』(01年光芒社)、『批評の透き間』(05年鳥影社)を底本とした。。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
内部の人間の犯罪
初出
初出:『文学者』’63年11月(初出表題「想像する自由」)
-
作品名
殺人考
初出
初出:『文芸』’67年4月
-
作品名
金嬉老の犯罪
初出
初出:『中央公論』’68年4月
-
作品名
現実は要求する、さらに深く問え
初出
初出:『朝日ジャーナル』’69年7月
-
作品名
犯罪と文学
初出
初出:『すばる』’72年12月
-
作品名
犯罪の形而上学 謎、反日常への回路
初出
初出:『月刊エコノミスト』’76年10月
-
作品名
都市の犯罪 あるいは光と影
初出
初出:『GRAPHICATION』’77年6月
-
作品名
「犯罪」への意思
初出
初出:『群像』’81年10月
-
作品名
「犯罪」について 再び小松川女高生殺しの問題
初出
初出:『文芸』’82年11月
-
作品名
スキャンダルと犯罪の繁栄 団地通信12
初出
初出:『週刊読書人』’85年2月
-
作品名
生を螺旋形に変えよ!団地通信13
初出
初出:『週刊読書人』’86年1月
-
作品名
自己発見としての犯行 永山則夫『無知の涙(増補新版)』解説
初出
河出文庫90年7月
-
作品名
永山則夫と私
初出
初出:『文学時評』’90年8月
-
作品名
永山則夫への懐疑
初出
初出:『朝日新聞夕刊』’97年8月7日
-
作品名
余談・閑談
初出
初出:『新潮』’99年1月
-
作品名
『山の人生』へ一言
初出
初出:『季刊文科』’00年8月
-
作品名
少年の理由なき殺人と文学
初出
初出:『西日本新聞』’03年9月20日
著者紹介
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