ブルーバックス作品一覧

宇宙はいかに始まったのか ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学
宇宙はいかに始まったのか ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学
著:浅田 秀樹
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謎の「ナノヘルツ重力波」は、宇宙誕生の痕跡なのか!? 2023年、世界に衝撃を与えた国際研究チーム「ナノグラブ」の報告。 それはある重力波の存在を捉えたというものでした。 発見された重力波は、ナノヘルツ(ナノ=10のマイナス9乗)、つまり数年もの非常に長い周期の超長波長の重力波でした。 この観測プロジェクトで使われた手法は「パルサー・タイミング法」というものです。 電波星ともいわれる「パルサー」から送られてくる電波を観測することで、宇宙の空間の歪みを検出するという手法が、この「パルサー・タイミング法」です。 では、このナノヘルツ(超長波長の)重力波はどこで生まれたのか? ・宇宙のはじまり、ビッグバンより前に起きたとされる「インフレーション」によって空間が引き延ばされたさいの痕跡「原始背景重力波」。 ・銀河の中心「活動銀河核」に存在する太陽質量の数万倍といわれる「超巨大なブラックホール」が合体した。 といった候補が考えられています。 これまで謎とされていた「宇宙のはじまりの姿」。 その痕跡を見ることが人類にとって現実のものとなりはじめました。 本書では、その背景にある宇宙論を、重力とは何か? アインシュタイン方程式とは? そして宇宙のはじまりはどのように考えられてるのか?  ひとつずつ段階を踏みながら解説し、「ナノグラブ」によって行われた「パルサー」を用いた宇宙空間の精密観測「パルサータイミング法」と今後の観測計画。そして15年以上にもわたる「パルサー・タイミング・アレイ」による観測の結果から、この謎の超長波長の重力波「ナノヘルツ重力波」の正体に迫っていきます。 宇宙の誕生に迫る宇宙論と観測の最前線をていねいに解説します! 序章 ナノヘルツ重力波の衝撃  謎の重力波とパルサー・タイミング・アレイ 1章 重力とはなにか……空間そして時間の歪み   コラムメジャーリーグ投手の放つ重力波  2章 重力波望遠鏡……宇宙を見る新しい目  3章 連星パルサーの謎……電波天文学と中性子星  コラム 重力波に縦波成分は存在するのか?  4章 宇宙誕生の痕跡とは……インフレーション理論と原始背景重力波 5章 巨大ブラックホールの謎……宇宙の歴史を探る  コラム 「特異点定理」の数理 6章 超波長重力波を捉えるには……パルサータイミング法と宇宙の謎 7章 もう一つの重力波観測……位置天文学で見える宇宙 8章 宇宙のはじまりを見る……超長波重力波の正体と未来の宇宙観測
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登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術
登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術
著:山本 正嘉
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登山人口は年々増加の一途をたどり、いまや登山は老若男女を問わず楽しめる国民的スポーツになっています。いっぽう、登山人口の増加に比例して山岳事故も増えており、GWや夏期のハイシーズンには、事故のニュースを目にしない日はありません。安全な登山技術の普及が喫緊の課題となっています。本書は、安全に楽しく登山をするために、運動生理学の見地から、疲れにくい歩き方、栄養補給の方法、日常でのトレーニング方法、デジタル機器やIT機器の効果的な使い方などをわかりやすく解説しています。さらに、豊富なコラムで楽しみながら知識が身につけられます。 目次 第1章 登山とはどのような運動か 第2章 山での疲れにくい歩き方 第3章 山での栄養補給の方法 第4章 環境の影響から身体を守る 第5章 山で起こる身体のトラブルを防ぐ 第6章 体力トレーニングの考え方と方法 第7章 登山計画の立案と身体面の準備 第8章 安全登山の仕組みづくりとセルフチェック
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新しい免疫入門 第2版 免疫の基本的なしくみ
新しい免疫入門 第2版 免疫の基本的なしくみ
著:審良 静男,著:黒崎 知博,著:村上 正晃
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免疫を学ぶとき最初に読むべき一冊として高く評価された入門書を10年ぶりに改訂。複雑な免疫応答の流れがよくわかる解説が好評。  わたしたちのからだを病原体の攻撃から守る免疫の基本的なしくみはどうなっているのだろう。 20世紀のおわりから21世紀の今日にかけて、免疫の“常識”は大きく変わった。自然免疫が獲得免疫を始動させることがわかり、自然炎症という新たな概念も加わった。制御性T細胞の存在は確かなものとなり、mRNAワクチンは現実のものとなった。 本書では、最新の知見をふまえ、免疫という極めて複雑で動的なシステムの中で無数の細胞がどう協力して病原体を撃退するのか、その流れがよくわかるように解説する。 【もくじ】 1章 自然免疫の初期対応 2章 獲得免疫の始動 3章 B細胞による抗体産生 4章 キラーT細胞による感染細胞の破壊 5章 複数の免疫ストーリー 6章 遺伝子再構成と自己反応性細胞の除去 7章 免疫反応の制御 8章 免疫記憶 9章 腸管免疫 10章 自然炎症 11章 がんと自己免疫疾患
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東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム
東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム
著:山本 高穂,著:大野 智
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私たちの生活に身近なツボ・鍼灸・漢方薬。 近年、そのメカニズムの詳細が西洋医学的な研究でも明らかになってきています。 ・手のツボが便秘改善に効くのはなぜ? ・「長寿遺伝子」と漢方薬との関わり ・漢方薬が腸内細菌の「エサ」になる? ・免疫システムを「発動」させる鍼灸 ・脳の「ドーパミン報酬系」に作用する鍼灸の刺激 ・ツボに特徴的な神経構造を発見!  など 解明が進む「東洋医学」のメカニズム研究最前線! まだ知らない「東洋医学」がここにある。 【目次】 第1章 鍼灸で「痛み」が和らぐのはなぜか 第2章 心とからだを整える鍼灸の最新科学 第3章 漢方薬は体内で「なに」をしているのか 第4章 「人に効く」を科学する 第5章 今すぐ実践! ツボのセルフケア
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生命と非生命のあいだ 地球で「奇跡」は起きたのか
生命と非生命のあいだ 地球で「奇跡」は起きたのか
著:小林 憲正
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地球に生命が誕生したことは「奇跡」なのか? それとも「必然」なのか? たとえば天文学者のフレッド・ホイルは、生命ができる確率は「がらくた置き場の上を竜巻が通りすぎたあとにジャンボジェットが組み上がっている確率」にひとしく、それは10の4万乗分の1ほどであると言った。それほどできにくいものが、なぜ地球にはこんなに存在するのか? もしかしたら、生命とは本当に「神の仕業」なのか? 「生命の起源」についての仮説として圧倒的な支持を集める「RNAワールド」が説明できないこの問いに、アストロバイオロジーの第一人者が正面から向き合い、フラスコの中から宇宙空間にまで思索を広げて提唱する「がらくたワールド」と「生命スペクトラム」とは何か。非生命はいかにして生命になるのか、神に頼らない説明は、はたして可能なのか? 「生命の起源」研究の全貌と、何が論点なのかを類書にないわかりやすさで整理し、宇宙の開闢と並ぶ現代科学「究極の謎」に挑む、著者の代表作!   (おもな内容) ◆生命の材料は「化学進化」で意外と簡単にできる ◆初めてフラスコ内でアミノ酸をつくったミラーの「罪」 ◆生命が誕生したのは海か陸か、それぞれの言い分は? ◆地球に大量のアミノ酸を持ち込んだ隕石と宇宙塵 ◆「RNAワールド仮説」はなぜ圧倒的に支持されているのか ◆生命の材料を正しくつなぎ合わせることがいかに難しいか ◆化学進化の「王道」を行くとRNAは「神のいたずら」になる ◆宇宙に目を向けることで「生命の起源探し」は「科学」になった ◆「地球生命」誕生の謎は「地球外生命」が見つかれば解ける ◆ダーウィン進化の正しい理解から導かれる「がらくたワールド」とは? ◆選ばれたわずかな分子を急激に増加させる「自己触媒反応」の威力 ◆「生命」と「非生命」のあいだに境界はあるのか? など
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大陸の誕生 地球進化の謎を解くマグマ研究最前線
大陸の誕生 地球進化の謎を解くマグマ研究最前線
著:田村 芳彦
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地球の大陸は謎だらけ。そもそも地球にはなぜ大陸があるのか? そんなことすらわかっていなかった! 【海の惑星? いやいや、大陸の惑星】 地球の大きな特徴として「海」が挙げられる。地球表面の多くの部分を液体の水が覆っている。カラカラに渇いているお隣の惑星(火星や金星)とは大違いだ。 逆に見れば、地球には海に覆われていない場所(陸)がある。じつは、岩石学的には、この「陸」こそが地球の特徴である。 地球表面を構成する岩石は、海洋底と陸で明確に異なる。火星や金星の表面を覆う岩石は、地球の海洋底の岩石と同じ「玄武岩」。地球の陸地を構成する「安山岩」は、火星や金星には存在しない。ほかの惑星には存在しない安山岩に、地球表面の3割が覆われている。 地球にはなぜ安山岩があるのかーー? これが、本書が挑む最大の謎である。 【マグマをめぐる冒険】 地表の岩石はすべて、マグマが冷え固まったもの(火成岩と総称される)。マグマの大部分は、地下の岩石(マントル)が溶けたもの。したがって問うべきことは、「安山岩をつくるマグマはマントルでどのようにして生じるのか?」となる。 火成岩研究をライフワークとする岩石学者の「マグマをめぐる冒険」へご招待! わたしたちの大陸についての知識が大幅にアップデートされること間違いなし。 【おもな内容】 序章 岩石学者なのに“海の研究所”に入ってみた 第1章 大陸とは何だろう?:地球の層構造を知ろう 第2章 地殻の材料はどうやって生まれる?:マグマの生成条件を知ろう 第3章 大陸地殻の材料はどこでできる?:安山岩マグマの生成条件を知ろう 幕間章 溶けるのか、溶けないのか?:岩石の融点について熱力学で考えよう 第4章 西之島は大陸の卵か?:大陸生成モデルを検証しよう 第5章 最初の大陸はいつできたのか?:40億年の歴史を復元しよう 終章 岩石学者が大陸と生命の起源を考えてみた
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サピエンス前史 脊椎動物の進化から人類に至る5億年の物語
サピエンス前史 脊椎動物の進化から人類に至る5億年の物語
著:土屋 健,監:木村 由莉
ブルーバックス
 約5億年前に脊椎動物が誕生し、それ以来生命は様々に分化し多様化して現在に至り、我々ホモ・サピエンスは何十万種もいる種のたった一つである。様々に枝分かれを繰り返すなかで、たった一本の道筋がホモ・サピエンスへとつながっているのだ。  本書では、サカナの仲間から始まった脊椎動物の先祖が、どのように体を変え、新しい特徴と能力を手に入れ、サピエンスへ近づいてきたのかをつぶさに見ていく。これまでの生命史にはなかった画期的な視点で、およそ70の特徴に焦点を当てた、姿形のまったく違う祖先から人類への大進化史!   主な内容 ●序章 最初からもっていた「眼」 ●黎明の章 すべてが陸続きの時代/二つの肺の獲得で陸を目指す/耐乾燥卵で内陸に進出/爬虫類と分かれる/単弓類の進化/史上最大の大量絶滅 ●雌伏の章 毛をもつ/哺乳類の登場/聴覚の発達/子を産み、育てる/有胎盤類式繁殖法はいつから?/再び絶滅の危機 ●躍進の章 哺乳類時代の始まり/脳より先に体を大きくする/長い妊娠期間と大きな胎児/アフリカの仲間と分かれる/ローラシアの仲間と分かれる/森林での進化 ●人類の章 真の「猿の惑星」/森から平野へ/尾の消失と二足歩行/氷河時代の始まり/サピエンス以前のホモ属/サピエンスと生きたホモ属
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宇宙と物質の起源 「見えない世界」を理解する
宇宙と物質の起源 「見えない世界」を理解する
編:高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所
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推薦の声、続々! ノーベル物理学賞受賞・小林誠 氏 「物理学者の飽くなき探究が解き明かす宇宙のなりたち」 東京大学Kavli IPMU初代機構長・村山斉氏 「鏡にうつらないドラキュラ、爪先で立つバレリーナ、足りない金(きん)と不安定な宇宙。私たちの起源を探る旅のスリリングな解説!」 138億年前、点にも満たない極小のエネルギーの塊からこの宇宙は誕生した。 そこから物質、地球、生命が生まれ、私たちが今ここに存在するまでには、数々の偶然が重なった。 誰も見たことがない「この世界の起源」を、人類はどのように解明してきたのか? そして、反物質、ダークマター、マルチバース……残された謎は、どこまで明らかになったのか? 宇宙の謎に挑む研究者たちが総力を挙げて、基礎から最先端までを丁寧に解説する。 基礎から最先端の宇宙論まで、これ一冊でよくわかる! ・世界はたった3種類の粒でできている ・何もない真空で起こっていること ・インフレーションを証明する実験とは? ・「強い力」が強いわけ ・素粒子の標準理論の「標準」とは? ・ダークマターは存在する ・身の回りには反物質が存在しないことの不思議 ・「偽の真空」と「真の真空」 ・宇宙の進化の起源 ・マルチバースと人間原理 ……ほか ■目次 第1章 宇宙は何でできているのか 第2章 素粒子の標準理論のはじまり 第3章 元素の起源 第4章 質量の起源 第5章 力の起源 第6章 非対称性宇宙の起源 ――物質・反物質 第7章 宇宙膨張の起源 ――ビッグバンとインフレーション 第8章 宇宙の大規模構造の起源 ――ダークマター・ダークエネルギー 第9章 宇宙の進化の起源 第10章 宇宙は安定か?
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植物の謎 60のQ&Aから見える、強くて緻密な生きざま
植物の謎 60のQ&Aから見える、強くて緻密な生きざま
編:日本植物生理学会
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知っているようで実は知らないことだらけ。 植物にまつわる60のナゾに、専門家集団が最新の研究成果をもとに徹底回答! ・ダイコンの辛さが場所によって違うのはなぜか? ・吉田兼好の『徒然草』に出てくる落葉の描写は正しいのか? ・葉の縁のギザギザにはどんな役割があるのか? ・植物細胞で世界最大のものはなにか? ・樹木の根がアスファルトを持ち上げられるのはなぜか?  ・大気中の二酸化炭素濃度の上昇は、植物にどんな影響を及ぼすのか? 日本植物生理学会のWEBサイト(https://jspp.org/)の人気コンテンツ「植物Q&A」には日々様々な植物にまつわる質問が寄せられ、植物科学の研究者がボランティアで回答しています。 本書では小学生から大学院生、趣味で植物を育てるひとから植物に関わる職業のひとまで、幅広い人からこれまでに寄せられた3000を超える質問とその回答の中から60問を厳選。 植物に興味がある大人の方はもちろん、小中学生の自由研究のテーマ探しにもピッタリです。 ※本書には2007年刊行の『これでナットク! 植物の謎』および2013年刊行の『これでナットク! 植物の謎 Part2』の内容も一部抜粋、改訂のうえ盛り込みました。
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中学数学で磨く数学センス 数と図形に強くなる新しい勉強法
中学数学で磨く数学センス 数と図形に強くなる新しい勉強法
著:花木 良
ブルーバックス
九九表にひそむ「2つの対称性」を探してみよう! 中学3年間で学ぶ重要ポイントを抽出し、教科書では習わない視点でとらえなおす「新しい時代の新しい勉強法」──。 「数を図形でとらえ」「図形を数でとらえる」=「数学する力」が誰でも身につく! 〈理系に強い子ども〉に育てたい親世代へのヒントも満載! 九九表から平面図形、多面体まで、中学校で習う知識を一歩掘り下げるだけで、高校数学・大学数学への道がひらける。仕事にも役立つ。 ●「分数を小数で表す」と何がわかる? ●「2乗した数」や「3, 4, 5乗した数」のふるまいからわかることとは? ●三平方の定理は「数」を「図形」で、「図形」を「数」でとらえる入り口だった! ●「回文数」と超難問「196問題」からわかる数の不思議とは? ●多面体の「多面的な見方」を身につけよう──「オイラーの多面体公式」とはなにか ●「敷き詰め問題」の奥深さ──ペンローズが考えたこと 〈もくじ〉 第1部 「数」のセンスを磨く 第2部 「数」を「図形」でとらえるセンスを磨く 第3部 「図形」のセンスを磨く 〈著者紹介〉 花木良(はなき・りょう) 1981年、愛知県岡崎市生まれ。岐阜大学教育学部准教授。早稲田大学大学院教育学研究科修了、博士(理学)。早稲田大学教育・総合科学学術院助手、奈良教育大学准教授等を経て現職。専門は結び目理論。数学に関する科学館展示、教員養成等の研究もおこなっている。趣味は、2人の娘といろいろな公園へ行って遊ぶこと。遊具の形の観察も欠かさない。科学系の絵本を読むことにもはまっている。
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現代数学はじめの一歩 集合と位相 数学はいかに「無限」をかぞえたのか
現代数学はじめの一歩 集合と位相 数学はいかに「無限」をかぞえたのか
著:瀬山 士郎
ブルーバックス
現代数学の二本柱「集合と位相」が楽しくわかる! 自然数と有理数の「無限の濃度」が同じ!? 実数の無限より大きな無限は存在するのか? 自然数、有理数、代数的無理数、超越数、そして実数へ。 カントール、ヒルベルト、ベルンシュタイン、デデキント……。そうそうたる数学者たちは「数」をどのように考え、「無限」をいかに数えたのか。 数えられる無限とは? 実数の無限基数「アレフ」ってなに? 数の近傍ε(イプシロン)の正体は? コンパクトとはなにか? 重要なキーワードと楽しい解説をもとに、「現代数学の景色」を一望しましょう。 <本書まえがきより抜粋> 世に数学嫌いの人は多いとか……。 しかし、嫌いというのは数学に関心のある証拠かもしれません。じつは分かるものなら数学を楽しんでみたい。もしかしたら数学の素顔は案外素敵かもしれない。 本書はそんな人のために、現代数学の二つの分野、「集合と位相」を解説した本です。 集合と位相、言葉からしてなんとなく現代数学の柱のようで(事実これは現代数学の大きな柱の2本です)、抽象的でかっこいいという感じもするし、いかにも数学! という雰囲気もある。 たしかに集合と位相は現代数学の根底を形づくるもっとも重要な概念です。これらは20 世紀になって初めてきちんと確立されたものですが、数千年の歴史を持つすべての数学を展開する場を提供しています。 子供たちが算数の中で初めて出会う、もっとも素朴な「数を数える」という行為の中にさえ、集合の考え方が潜んでいるのです。 本書はそんな集合と位相を、数式をなるべく少なくして(数学の宿命でどうしても最小限の記号は使わなければなりませんが)、その意味するところをイメージとしてつかんでもらうための解説書として書かれました。 現在進行形で数学を学んでいる人にはひと味違った解説として、これから数学を学ぶ人には一種の旅行案内として、すでに数学を学んでしまった人には、自分の学んできたことを振り返り、さらに数学とつき合っていくための手引書として活用していただけることと思います。
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あっぱれ! 日本の新発明 世界を変えるイノベーション
あっぱれ! 日本の新発明 世界を変えるイノベーション
著:ブルーバックス探検隊,協力:産業技術総合研究所
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世界的に奪われていく産業シェア、低迷する経済、深刻さを増す人材不足……。かつて隆盛を誇った「ものづくり大国」日本の凋落は、もはや免れないように見える。だが、そんな逆風のなか、創意工夫と緻密な技巧で、日々、奮闘する研究者たちの姿があった。わが国最大級の研究機関・産業技術総合研究所における、世界の「標準」をくつがえす驚きの新発明の数々に、あっぱれ!  <目次・おもな内容> 第1章 冷やすメカニズムを根底から変える!「磁気冷凍」という革命 代替フロンから脱却せよ! 日本発の磁力で冷やす冷蔵庫が、世界中の冷蔵庫シェアを席巻する日は近いのか。  第2章 その力仕事、おまかせあれ!「ガテン系ロボット」いざ出動! Youtube再生回数120万回! 想定外の事態まで自分で考えて対応できる、すごいヒト型ロボットHRP-5Pの意外なスペックとは?  第3章 300℃でもさわれる!レンガを進化させた「意外すぎるもの」 ほぼ空気でできたレンガは、強度そのままに断熱性は98%。それを実現させたヒントはなんと、高野山と北海道の魚にあった!  第4章 エネルギー問題が変わる!日本の「地中熱」のすごい可能性 地面のちょっと下の生ぬるい温度が起こすイノベーション! 日本の地下には、いったいどんな「お宝」が眠っているのか。  第5章 世界初「どう剥がれるか」を撮影! 接着剤の謎が見えてきた じつはいまだに「なぜくっつくのか」は謎だった。接着剤だけで自動車を組み立てるいま、職人技が探る接着のメカニズム!  第6章 その誤差、3億年に1秒!「光格子時計」は時間を再定義する ノーベル賞候補ともいわれる、「1秒」を新たに定義する光格子時計。相対性理論を体感できる、その驚くべきしくみとは?  第7章 まるで小さなブラックホール!「暗黒シート」はなぜそんなに黒い? 99.98%の光を吸収する「手のひらサイズの暗黒」が実現! その用途は、自動車のフロントガラスにとどまらない!  第8章 クルマが「感情」を読む!「自動運転」の驚くべき未来図 大切なのは「操作感」。心理学のデータが生かされた新しいテクノロジーで、自動なのに運転が楽しくなるしくみを紹介。  第9章 音楽の楽しみ方が変わる!「サビ」も探せる「音楽地図」 じつは難しかった、コンピュータによる音楽解析。「能動的」に聴くことで、好きな曲と出会い、仲間と楽しむ発明があった!  第10章 「臭い」を除去して資源に!「プルシアンブルー」のすごい力 悪臭やPM2.5を生むやっかいなアンモニアを吸収するプルシアンブルーが、地球環境問題をも解決するかもしれない。
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地球46億年 物質大循環 地球は巨大な熱機関である
地球46億年 物質大循環 地球は巨大な熱機関である
著:月村 勝宏
ブルーバックス
地球は、活動し、生きている惑星である。地球を構成するさまざまな物質は、そのかたちを変えながら、長い時間をかけて循環している。それにともなう多様な物質の多様な反応もじつは、熱い物質からは揮発性物質が放出され、冷たい物質には揮発性物質が入り込むという、非常にシンプルな原理で理解することができる。マントルの対流、大陸地殻の成長と循環、二酸化炭素の循環は、揮発性物質の出入りによって、さまざまな物質に変化しながらおこなわれていることがわかる。そして、それらの循環、揮発性物質の出入りは、地球が熱機関であることによって駆動されている。地球の成り立ちそして進化を、俯瞰した目で眺め、解説した地球科学の新しい入門書。 主な内容 プロローグ 第1章 太陽系の元素と揮発性物質 第2章 太陽系惑星と原始の地球 第3章 地球の物質循環 第4章 ゆっくり変化した地球 第5章 物質循環の中の生命の誕生 第6章 二酸化炭素と大陸地殻 第7章 粘土:冷たい環境でできた物質 第8章 親銅元素とウランの循環 第9章 熱機関である地球 エピローグ
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疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた
疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた
著:近藤 一博
ブルーバックス
2023年に日本人10万人を対象に実施した調査によると、じつに78・5%の人が「疲れている」と答えたという。だが欧米では、「疲れているのに働く」ことは自己管理ができないだらしない行為と見なされるため、疲労の科学的な研究は軽視されてきた。「疲労」が美徳とされ、お互いを「お疲れさま」と称えあう特異な国だからこそ、日本の疲労研究は世界のトップを走っている。本書は、その日本で疲労研究をリードする著者が、数々のノーベル賞級の新研究をなしとげて見えてきた、疲労の驚くべき実像を明らかにするものである。  ◆どれだけ疲れているかは、唾液中のヘルペスウイルスの数でわかる! 人類のほとんどが幼いころに感染する「ヒトヘルペスウイルス6」は、その後、潜伏感染しているが、宿主が疲労すると、 逃げ出そうとして口中に出てくる。  ◆うつ病は、疲労とウイルスから生じる遺伝子が原因である! うつ病の原因は「心の弱さ」ではない。疲労が高じ、ヒトヘルペスウイルス6が再活性化することで、うつ病の原因遺伝子が発現する。この遺伝子を発見した著者は、ダークサイドの力を操る『スターウォーズ』の暗黒卿にちなんで「SITH-1」(シスワン)と命名した。  ◆新型コロナ後遺症は、うつ病と同じ病的疲労の症状だった! 世界で数億人にのぼる新型コロナ後遺症の患者は、うつ病患者と同じように脳内炎症を起こしている。その研究から、いま世界で疲労研究が活気を帯びてきている。  ◆病的な疲労を起こす脳内炎症を消火する物質こそが、疲労対策のカギである! SITH‐1は、その物質の「消火機能」を阻害してしまう。 ◆そのほか、栄養ドリンクの飲みすぎはなぜ危険なのか、軽い運動はなぜ疲労を軽減するのか、トレーニングのしすぎはなぜうつ病の原因になるのか、など本当に役に立つ知識も満載!  ◆おもな内容 序 章 疲労を科学するには 第1章 生理的疲労とはなにか 第2章 慢性疲労症候群 病的疲労の代表格 第3章 うつ病 究極の病的疲労 第4章 新型コロナ後遺症 見えてきた病的疲労の正体 第5章 ついにすべてがつながった 第6章 人類にとって疲労とはなにか   
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古代日本の超技術〈新装改訂版〉 あっと驚く「古の匠」の智慧
古代日本の超技術〈新装改訂版〉 あっと驚く「古の匠」の智慧
著:志村 史夫
ブルーバックス
【シリーズ累計10万部突破!】現代科学で読み解く大好評の技術史ミステリー「国内編」の最新刊! あの時代になぜそんな技術が!? 「五重塔」はなぜ倒れないのか? 日本の歴史上、地震で倒壊した木塔は皆無だという。 東京スカイツリーにも応用された巧妙な制振機構とは? 三内丸山の縄文人はセラミックスを開発し、古代中国と同レベルの建築技術をもっていた! 前方後円墳が「鍵穴」の形状をしている科学的理由とは? 法隆寺の釘はなぜ1300年も朽ちないのか? 名刀「正宗」に隠された、半導体顔負けの多層複合構造とは? 現代のハイテクを知り尽くす実験物理学者が、日本が誇る古代の工匠たちの「驚異の技」の謎を解く! 〈もくじ〉 第1章 三内丸山遺跡──縄文時代の最新技術 第2章 「前方後円墳」──巨大墳墓はなぜ大量に造られたのか 第3章 五重塔はなぜ倒れないのか──揺れる「心柱」の秘密 第4章 日本古来の「木材加工」技術──適「材」適「所」、適「具」 第5章 「呼吸する」古代瓦──“瓦博士”との共同研究 第6章 法隆寺の和釘と日本刀の秘密──古代鉄はなぜサビないのか 第7章 「奈良の大仏」建立の謎──天平時代の工匠はなぜ「長登の銅」を選んだのか 〈著者紹介〉 志村史夫(しむら・ふみお) 1948年、東京・駒込生まれ。工学博士(名古屋大学・応用物理)。ノースカロライナ州立大学終身教授(Tenured Professor)、応用物理学会フェロー・終身会員、日本文藝家協会会員。日本とアメリカで長らく半導体結晶などの研究に従事したが、現在は古代文明、自然哲学、基礎物理学、生物機能などに興味を拡げている。物理学、半導体関係の専門書、教科書のほかに『古代世界の超技術〈改訂新版〉』『いやでも物理が面白くなる〈新版〉』『いやでも数学が面白くなる』『人間と科学・技術』『アインシュタイン丸かじり』『漱石と寅彦』『「ハイテク」な歴史建築』『日本人の誇り 「武士道」の教え』『文系? 理系?』『理系のための「実戦英語力」習得法』などの一般向け著書も多数ある。
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古代世界の超技術〈改訂新版〉 あっと驚く「巨石文明」の智慧
古代世界の超技術〈改訂新版〉 あっと驚く「巨石文明」の智慧
著:志村 史夫
ブルーバックス
【シリーズ累計10万部突破!】現代科学で読み解く大好評の技術史ミステリー「海外編」の最新刊! あの時代になぜそんな技術が!? 「ピラミッド」はなぜ潰れないのか? 平均2.5トンの石を200万個も積み上げたギザの巨大ピラミッドはなぜ、自重で崩壊しないのか? “重量軽減の間”に、科学的な意味はあるのか? 精密な「宇宙カレンダー」として機能したストーンヘンジに遺された、謎めいた56個の穴の秘密とは? 一体ごとに顔が異なる兵馬俑はどうやって作られた? エジプト、イギリス、ギリシャ・ローマから中南米、アジアまで、現代のハイテクを知り尽くす実験物理学者が、世界各地の古代人たちの「驚異の技」の謎を解く! 〈もくじ〉 第1章 ピラミッド──「強度」と「形」の謎を解く 第2章 ストーンヘンジ──古代巨石文明の比類なき最高傑作 第3章 古代ギリシャ・ローマ──現代建築をしのぐ「超」耐久力コンクリートの驚異 第4章 メソアメリカ・アンデス文明──精緻な石組みはどう組まれたか 第5章 古代アジア──現代文明に直結する「金属文明」の誕生 〈著者紹介〉 志村史夫(しむら・ふみお) 1948年、東京・駒込生まれ。工学博士(名古屋大学・応用物理)。ノースカロライナ州立大学終身教授(Tenured Professor)、応用物理学会フェロー・終身会員、日本文藝家協会会員。日本とアメリカで長らく半導体結晶などの研究に従事したが、現在は古代文明、自然哲学、基礎物理学、生物機能などに興味を拡げている。物理学、半導体関係の専門書、教科書のほかに『古代日本の超技術〈新装改訂版〉』『いやでも物理が面白くなる〈新版〉』『いやでも数学が面白くなる』『人間と科学・技術』『アインシュタイン丸かじり』『漱石と寅彦』『「ハイテク」な歴史建築』『日本人の誇り 「武士道」の教え』『文系? 理系?』『理系のための「実戦英語力」習得法』などの一般向け著書も多数ある。
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「がん」はどうやって治すのか 科学に基づく「最良の治療」を知る
「がん」はどうやって治すのか 科学に基づく「最良の治療」を知る
編:国立がん研究センター
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【がん治療本の決定版】 ――「後悔しない選択」のために必要な知識が凝縮。 ◆「がんを治す」ための正しい知識が身につく がんの罹患率は年々上昇しているが、 医療の進歩に伴って、死亡率は低下している。 そんな最新医療の恩恵を受けるには、 治療を受ける側、患者をサポートする側の知識も欠かせない。 手術、放射線、抗がん剤(薬物療法)、免疫療法は、 どのようなメカニズムでがんを治療するのか。 最新検査からがんゲノム医療まで、 エビデンスに基づく「意味のある治療」とはどのようなものか。 2人に1人がかかり、 「国民病」ともいえるがんと折り合いをつけて生きるために、必要な知識を徹底解説。 ◆おもな内容 ・どんな検査でなにがわかるか ・腫瘍マーカーは目安にすぎない ・手術するかしないかを決める基準 ・手術が先か、抗がん剤が先か――治療法の選択と順序 ・臨床試験に参加するにはどうすればよいのか ・転移がんの治療方針 ・ガイドラインを超えた選択をするとき ・がん組織を取らずに検査できるリキッドバイオプシー ・「薬が効きそうか」を判断する遺伝子検査 ・分子標的薬、免疫療法の最新事情 ・「標準治療」=「並の治療」ではない ・「がんの遺伝子情報」に基づく個別化医療のはじまり ほか ――〈治療を受ける〉〈患者を支える〉全ての人へ 第1章 臨床医が考える「がんとは何か」 第2章 どんな検査で何がわかるか 第3章 治療方針はどのように決まるか 第4章 手術でがんを取り除く 第5章 放射線でがんをたたく 第6章 薬でがんをたたく 第7章 がん免疫療法でがんを追い込む 第8章 一人ひとりに合わせたがんゲノム医療
電子あり
免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム
免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム
著:吉村 昭彦
ブルーバックス
パンデミックによって感染症や免疫に関する情報を目にすることが多くなり、私たちの知識も増えたように見える。ただ、そこで出てきた情報は、曖昧なものや誤った情報、感情的なものなどもあり、玉石混淆ともいえる。本書ではあらためて、ウイルスなどの病原体がどのように感染を起こし、免疫がどのように働くのか、その複雑なしくみを、基本から正しくわかりやすく解説する。 また、身体を守るための免疫が、アレルギーの原因となるなど、ときには自分に攻撃的にもなるメカニズムについて解説。免疫が低い場合についてはもちろん、過剰な場合の脅威にも触れる。後半では、さまざまな病気との関連、特にがんとの関係について、期待される免疫療法を軸に展開する。 さらに、免疫は、老化と脳にも深く関わっているという研究が進んでおり、今後の医療への応用も期待できる。認知症や脳梗塞などを、免疫という視点からひもといていく。
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地球規模の気象学 大気の大循環から理解する新しい気象学
地球規模の気象学 大気の大循環から理解する新しい気象学
著:保坂 直紀
ブルーバックス
風、雲、雨、雪、台風、寒波……。日々変わる天気は、「大気の大循環」と呼ばれる地球規模の巨大な循環システムの、極めてミクロな表現でしかありません。「大気の大循環」は赤道付近に大量に供給された太陽エネルギーが、対流や波動によって高緯度に供給される大気のシステムで、大気の誕生以来、営々と続いている地球規模の現象です。大気の大循環によって地球上のそれぞれの地域の気象・気候が決定され、さらに、砂漠や森林、ステップやサバンナといった地上の状態も大気の大循環の結果として形成されます。ですから、気象に興味がある人なら、是非とも理解しておきたい気象学の基礎でもあります。  本書では、大気の大循環を構成する偏西風、貿易風、偏西風波動、ブロッキング高気圧、さらには低緯度から高緯度への巨大な流れであるハドレー循環、フェレル循環、極循環、ロスビー波などを解説するとともに、大気の大循環に最も大きな影響を与えている「コリオリの力」を、高校生でも納得できる形で解説します。
電子あり
自転車に乗る前に読む本 生理学データで読み解く「身体と自転車の科学」
自転車に乗る前に読む本 生理学データで読み解く「身体と自転車の科学」
著:髙石 鉄雄
ブルーバックス
キーワードは”疲れない”! 通勤・通学・買い物を「自転車」にかえるだけでいいんです! もちろん軽快車(ママチャリ)や電動アシスト付き自転車でも、体は変わります! 中年期から始まる筋力低下。そしてメタボリックシンドロームに起因する「糖尿病」「肥満」「循環器系のトラブル」……。 体質を改善しながら、筋力を鍛えるための最高のアイテム「自転車」。 その乗り方のコツや体への影響を、運動生理学の専門家が、さまざまなデータとともにより運動効果を高めるための自転車の乗り方のコツ、そして体質を改善するための自転車活用の目安をレクチャーします。 ウォーキングやランニング、筋トレなど、さまざまな健康法が提唱されています。そのなかにあって、なぜ「自転車」なのか? そのヒミツは、自転車の構造と体の使い方、そして道路事情にあります。 ★信号待ちでとまる:無意識のうちに運動に緩急をつける「インターバルトレーニング」が行えています。 ★交差点でとまる:交差点は中央部が高くなっています。そのためスタートで自然に脚に負荷がかかります。 ★ツラくないから続く:被験者のフィードバックでは、ジムなどのエアロバイクよりも、野外を走る自転車は、同じ運動量であっても爽快感を感じており、運動を長く持続できます。 自転車に乗るまえに、必読の書です!
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