ブルーバックス作品一覧

量子の世界をみる方法 「スピン」とは何か
ブルーバックス
電子の「スピン」といわれたときに、皆さんはどんなイメージを持ちますか?
「地球が自転をしながら太陽のまわりを回るように、電子が自転しながら原子核のまわりを回っているようなイメージ」や「電子がコマのように回っている」「フィギュアスケートの選手のように回っている」などのイメージが頭に浮かんでいるのではないでしょうか?
実は、この答えは正しくないのです、といったら皆さんは驚くでしょうか。
「スピン」は私たちの暮らしているマクロな世界の「回転」とは異なり、なかなか感覚的に掴みにくく、それが「スピン」への理解を難しくしているのではないかと思います。
本書は、「スピン」をもっと深く、そして正しく理解してほしいという思いから、物理学者とサイエンス分野の広報関係者、そして素人!? がチームを組んで執筆しました。
この本は、多様な読者を想定したものです。物理に興味のある高校生から「スピン」をきちんと理解したい大学生。学生時代に量子力学の授業で「スピン」の話を聞いたことがあるけど、もう一度、きちんと理解したいと思っている方などなど。さまざまな人に本書をとおして「スピン」の不思議さやおもしろさ、凄さを知ってもらいたいと考えています。
「スピン」の正体とは? 量子力学の誕生からスピンの発見までの歴史的な背景。さらに「スピン」はどのように記述され、捉えればいいのか? 本書では、できるだけ具体的に理解できるように「シュテルン=ゲルラッハの実験」を紹介しながら解説していきます。
さらに、電子だけでなく、陽子、素粒子のスピンまでを取り上げ「量子」の世界をみていきましょう。
そして、2022年度のノーベル物理学賞の受賞でニュースでも話題になっている「量子もつれ」を利用する量子コンピューターや生き物の特殊な能力について、そのほかにも超伝導や永久磁石など社会の様相さえ劇的に変えつつあるスピンを利用した技術最先端までをていねいに解説していきます。
本書を片手に「量子」と呼ばれる摩訶不思議な世界に飛び込み、「スピン」をめぐる冒険に出かけましょう。

宇宙を解くパズル 「真理」は直観に反している
ブルーバックス
ハーバード大学で300年近い歴史がある「ホリス数学・自然哲学教授」にして、「超弦理論」などの研究で理論物理学をリードしてきたカムラン・バッファ氏が、1年生向けの講義で使っているパズル満載の型破りなテキストを書籍化!
ブライアン・グリーン氏、エドワード・ウィッテン氏が驚きつつも絶賛した(文末に記載)類のない一冊の日本語版!
「宇宙はどうなっているのだろう?」この素朴な問いにとりつかれた人類が宇宙の謎を解明してきた結果わかったのは、宇宙はあまりにも人類の直観に反しているということだった。なにしろ空間や時間は歪んでいて、光は波でも粒でもあり、物質の最小単位は「ひも」かもしれないというのだ! このような宇宙をどう理解すればいいのか?
バッファ氏は言う。「理論物理学者の仕事は、宇宙の難解な問題を、単純なパズルに分解して解くことだ」
トランプやコイン、アリやカメらが繰り出す問題に悩むうち、物理学はどう進歩してきたのか、対称性やその破れがなぜ重要なのか、さらにいま注目の概念「双対性」の本質までが見えてくる。バッファ氏の盟友・大栗博司氏が監訳者として随所で注釈をほどこした、楽しみながら物理学の「真髄」に迫れる本!
【たとえば、こんな問題があります】
缶が2つあって、一方には緑のペンキが、もう一方には白のペンキが入っている。缶は同じ大きさで、入っているペンキの量もまったく同じだとしよう。ここで緑のペンキを少量すくって、白の缶に入れる。次にその混ざったペンキの缶から同じ量をすくって、緑の缶に戻す。
そこで問題。白の缶に入っている緑のペンキの濃度と、緑の缶に入っている白のペンキの濃度、どちらのほうが高いか?
※バッファさんの本書刊行記念講演と、大栗さんとの対談をこちら↓からご覧いただけます!
https://www.youtube.com/watch?v
【理論物理学の大家たちも絶賛!】
「現代の物理学と数学の中核をなす概念を、パズルを通してひととおり説明するというすばらしい本。私が知る中でももっとも風変わりで魅力的なアプローチで、初学者も専門家も頭の体操に楽しく取り組みながら学べる。世界屈指の物理学者から、最先端の本質的な考え方を楽しみながら効果的に吸収できる」――ブライアン・グリーン
「簡単で愉快なパズルを解きながら、物理学と数学の高度な概念の数々を楽しく巡っていくという独特な本。たくさん楽しんで、たくさん学べるはずだ」――エドワード・ウィッテン
【監訳者の大栗博司さんより】
「本書は、完成した成果ではなく、そこのいたる過程をパズルを解くことで体験できるようになっているのが斬新です」

カラー図解 脳の教科書 はじめての「脳科学」入門
ブルーバックス
脳の複雑で不思議なしくみを、豊富なカラー図版と共に、わかりやすく徹底的に解説しました。脳の進化や構造、1000億個を超えるといわれる神経細胞の不思議、神経細胞以外にも重要な働きをするグリア細胞、脳はどのように世界を見て、聞いて、認識しているのか? 記憶はどのようにつくられ、どこに蓄えられているのか? など、「脳」の謎や不思議をあますところなく、丁寧に解説しています。
主な内容
第1章 脳の全体像
第2章 脳の細胞
第3章 外の世界を知る
第4章 体の中の世界、体の外の世界にはたらきかける
第5章 記憶・思考・言語など 脳の高次の機能
第6章 脳の発達
第7章 脳の病気
医学生やコメディカル関係者はもちろん、「脳」に興味があるすべての人必読の一冊です。

ブルーバックス科学手帳2023
ブルーバックス
日々の生活にもっと「サイエンス」を!
365日の科学の出来事や元素周期表、ノーベル賞受賞者の一覧など、役立つ情報満載の科学ファン必携のスケジュール手帳です。

時計遺伝子 からだの中の「時間」の正体
ブルーバックス
体内時計とは何か? 生体リズムはどのように生まれるのか?
時計遺伝子は、様々な体の機能に関わっていた!
・生体リズムの乱れが、生活習慣病を引き起こす
・深夜にコンビニに行くと元気になるのはなぜか
・「朝日を浴びると良い」「寝る前のスマホは良くない」理由とは
・「寝る子は育つ」の本当の意味
・時差ぼけを解消する薬ができる?
・ブルーライトはなぜ体に良くないのか?
・朝型・夜型を決める遺伝子があった
・分子レベルでみた「規則正しい生活」が大切なわけ
――遺伝子レベルで体内に何が起きている?
睡眠、血圧、体温、ホルモン分泌……
体の中で起きているほとんどの生理現象は24時間の生体リズムを示します。一体なぜか。
その謎に答えを出したのは、2017年のノーベル生理学・医学賞のテーマにもなった「時計遺伝子」でした。
37兆個の全細胞に存在する時計遺伝子が臓器のリズムを作り、脳の視交叉上核という小さな部位が司令塔となって、全身の「時間」を司っていたのです。
哺乳類における生体リズム研究の第一人者が、その分子機構から、睡眠障害・生活習慣病の関係までを解説。
【主な内容】
第1章 からだのリズムを作る時計遺伝子
第2章 生体リズムはどこで作られるのか? ――時計中枢の発見
第3章 時間情報の送信ルートを特定せよ ――脳から全身の臓器に至るまで
第4章 時計遺伝子は細胞分裂の時間も決める
第5章 光と時計遺伝子の深い関係 ――「朝日を浴びると良い」理由
第6章 生活習慣病と時計遺伝子 ――高血圧を分子レベルで解明する
第7章 時差ぼけはなぜ起こるのか? ――生物が初めて直面したリズム異常
第8章 視交叉上核の謎を解く ――朝型・夜型遺伝子の発見と睡眠障害治療薬の可能性
第9章 睡眠と時計遺伝子 ――霊長類の時計と睡眠覚醒リズム
第10章 なぜ生物は体内時計を持つようになったのか ――からだの「時間」を作る様々なメカニズム

日本の気候変動5000万年史 四季のある気候はいかにして誕生したのか
ブルーバックス
日本の気候は、5000万年前の超温暖期から3000万年前の寒冷化、2300万年前のモンスーン開始による梅雨の誕生、エルニーニョ多発の時代、260万年前の氷期など、さまざまな変化を経験してきた。そうしたなかで、日本は列島を形成し、日本特有の温暖湿潤で美しい四季をもつ気候となってきた。5000万年前には大陸の一部だった日本が、大陸から分かれ始めたのは約4000万年前、日本列島が現在の位置になったのは約1500万年前だが、その長い時代の変遷の中で、日本の気候はどのように変化してきたのだろうか? 気候は、日本だけでは語ることはできない。日本の気候の成立には、ヒマラヤ山脈の誕生によるモンスーンの開始や黒潮と対馬海流の成立も大きく関わっている。本書では、地球全体の気候変動、日本列島の地質学的な変化と気候の変化を関連づけて明らかにしていく。
主な内容
第1章 超温暖期とその後の寒冷化 日本列島以前の気候
第2章 モンスーン時代の到来 梅雨の始まり
第3章 日本列島誕生と気候への影響
第4章 地球温暖化アナロジーの時代
第5章 第四紀氷河時代の日本
第6章 日本特有の気候の成立

1日4分 世界標準の科学的トレーニング 今日から始める「タバタトレーニング」
ブルーバックス
ジムに通ってコツコツ運動しても、ストイックに追い込んだトレーニングをしても、なかなか思うような効果が出ないと感じる人も多いなか、「高強度、短時間、間欠的」のシンプルなタバタトレーニングが世界じゅうで人気です。欧米のアスリートや俳優やモデルなども、タバタトレーニングを取り入れて効果を実感しているコメントが寄せられています。
もともとは、アスリートのチームで経験的に組まれたプログラムが基本になったものですが、著者はさまざまなデータを取り、実験や研究を重ね、科学的に裏づけを取り、プログラムを確立しました。
アスリートから高齢者まで、それぞれに合った「高強度、短時間、間欠的」な運動であれば、体力をつけ、パフォーマンスを出すことができる理由を徹底解説。10代から高齢者まで年齢別に、また「趣味のスポーツのパフォーマンスを上げたい」「体力をつけたい」「筋肉を増やしたい」「健康維持」など目的別のトレーニングを紹介します。
第1章 誰でもすぐできる! 世界が認める、タバタトレーニングとは
海外では超有名! タバタトレーニングが認められた理由/たった4分で完結! 気軽にできるシンプルなトレーニング/有酸素性運動と無酸素性運動のどちらも最大効果が得られる/運動が苦手な人でも、追い込まなくても、効果は出せる/大きな筋肉を使って効率よく/ウォーミングアップ、クーリングダウン、メディカルチェックで身体をケア/生活習慣病の予防や肥満解消効果/タバタトレーニング実践法 ほか
第2章 身体とトレーニングの科学
身体活動を数値化する/有酸素性運動とはなにか/最大酸素摂取量と持久力/最大酸素借と筋の無酸素性体力/有酸素性運動と無酸素性運動のバランス/骨格筋の科学――筋量と筋力/運動における疲労の科学 ほか
第3章 科学的視点で組み立てるトレーニング
トレーニングの原則/トレーニングの原理/科学的トレーニングの要素/効果はトレーニングによってなぜ変わるのか/トレーニングと生体反応
第4章 分子生物学的タバタトレーニング

天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで
ブルーバックス
日本が世界有数の地震大国であることは知られていますが、ほかにも火山噴火に台風、そして近年の線状降水帯による異常な大雨と、いったいなぜ、この国にはこれほど自然災害が集中するのでしょうか? じつは地球科学によれば、それは必然であり、日本は世界でも稀な「災害が束になってやってくる国」だというのです。災害が束になると、それはもう「天変地異」です。
しかし地球46億年の歴史をたどれば、もっとすさまじい天変地異の連続でした。日本列島の体積の6倍ものマグマが海底から噴き出し、すべての大陸が一つに合体してはまた分裂し、地球全体が凍りついて一個の雪玉になったこともありました。この間に、生物は何度も大量絶滅を繰り返してきました。
じつは、天変地異にはサイクルがあります。そのサイクルは、より大きなサイクルに呑み込まれ、そのサイクルもまた、さらに巨大なサイクルの歯車の一部となっています。
では、最も大きなサイクルとは何でしょうか? 地球を動かしている究極の原動力とは、いったい何なのでしょうか?
その答えは、宇宙にあるのかもしれない! 「しんかい6500」で深海底に50回以上潜った地球を知り尽くす筆者が、回転木馬に乗りながら考えてたどりついた推論とは? 天変地異を軸に46億年をとらえなおす、かつてないスケールの地球科学!
序 章 天変地異とは何か
第1章 人類が経験した天変地異
第2章 空、海、陸と天変地異
第3章 生物を襲った天変地異
第4章 究極の天変地異
終 章 銀河と天変地異

最小にして人類最大の宿敵 病原体の世界 歴史をも動かすミクロの攻防
ブルーバックス
私たちのおよそ2000万分の1の大きさのウイルス。ゲノムのサイズもヒト全ゲノムが約62億塩基対、2万2千個のタンパク質をコードすると言われているのに対し、新型コロナウイルスはたった29種類のタンパク質しかもたず、遺伝情報の量も非常に少ない、シンプルな存在。なのに私たちはなぜ新型コロナウイルス翻弄されるのでしょうか。
人類誕生から現在までの人の死因の累計第一位である感染症を引き起こす、ウイルスや細菌などの病原微生物(病原体)は、その小さな体と限られた遺伝情報量の中に、ヒトなどに感染して自らの子孫を効率よく増やして広めるための、巧妙で狡猾な生態を持つものばかりです。
本書では、そんな病原体たちが進化の過程で身に付けた、さまざまな感染戦略、生存戦略を紹介します。宿主に寄生することに特化した構造や機能、生態などの高度な進化は、いずれも驚くほどうまくできたしくみで、なかなかエキサイティングな世界です。恐ろしいものであると同時に、その「見事な」までの病原体について知っておくことが、次なる病原体との戦いの備えになるかもしれません。

生物を分けると世界が分かる 分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷
ブルーバックス
すべての生物学の土台となる学問こそが、分類学だ!
なぜ、我々は「ものを分けたがる」のか?
人類の本能から生まれた分類学の始まりは紀元前。
アリストテレスからリンネ、ダーウィン……と数々の生物学の巨人たちが築いてきた学問は、
分子系統解析の登場によって大きな進歩を遂げている。
生物を分け、名前を付けるだけではない。
分類学は、生命進化や地球環境の変遷までを見通せる可能性を秘めている。
生命溢れるこの世界の「見え方」が変わる一冊!
地球上で年間1万種もの生物が絶滅しているという。
その多くは、人類に認識すらされる前に姿を消していっている。
つまり私たちは、まだこの地球のことをこれっぽっちも分かっていない。
それどころか、「分かっていないことすらも分かっていない」のである。
だが、分類学を学ぶことで、この地球の見え方は確実に変わる。
奇妙な海洋生物・クモヒトデに魅せられ、
分類学に取りつかれた若き分類学者が描き出す、新しい分類学の世界。
◆主な内容
プロローグ 分類学者の日常
第1章 「分ける」とはどういうことか ~分類学、はじめの一歩
第2章 分類学のはじまり ~人は分けたがる生き物である
第3章 分類学のキホンをおさえる ~二名法、記載、命名規約とは?
第4章 何を基準に種を「分ける」のか? ~分類学の大問題
第5章 最新分類学はこんなにすごい ~分子系統解析の登場と分類学者の使命
第6章 生物を分けると見えてくること ~分類学で世界が変わる
エピローグ 分類学の未来

50歳からの科学的「筋肉トレーニング」 若いときとは違う体をどう鍛えるか
ブルーバックス
筋トレこそ最強のアンチエイジングだった
男性更年期を乗り切り、肥満、生活習慣病を防ぐ方法
「贅肉が気になるので、痩せたい」「若い時のように筋肉をつけたい」「以前のように持久力を戻したい」
中年になって、そんな思いでスポーツジムに行っても、なかなか思い通りになりません。とくに、若い頃にハードにスポーツをしていた人は、だれもが経験しますが、その頃と同じハードなトレーニングをしても、効果はほとんど現れません。ダイエットしても、若いときのようには痩せません。
これは、男性にも更年期があり、テストステロン(男性ホルモン)が減少するからです。テストステロンは、筋肉の形成と肥満の解消に大いにかかわっています。気力やチャレンジ精神、精力の源泉ともいわれる男性ホルモンのひとつです。
これを無視して激しいトレーニングをすると、中枢神経系の働きが阻害され、テストステロンは生産されにくくなり、運動しても筋肉がつかず、また痩せにくい体になってしまいます。
男性の更年期(男性ホルモンの減少と性ホルモンのアンバランス化)と、それによるトレーニングと身体の関係は今では詳しく解明されています。本書では、テストステロンの減少を抑え、筋肉を増やし贅肉を減らすのに効果的なトレーニング方法・メニュー、食生活の注意点、睡眠法などを紹介。筋トレ未経験の初心者から中級・上級者まで、レベル別にガイドしているので誰でも今日から始められます。
【間違い 1】中高年になって腹が出てくるのは不摂生が原因? → ◯太りやすいのは男性ホルモンが減ってくるから
【間違い 2】男性ホルモンの減少は仕方ない? → ◯筋トレと食事で男性ホルモンの分泌を増やすことが可能
【間違い 3】年を取ったら筋肉はつかなくなる? → ◯中高年向けのメソッドで誰でも筋肉はつく
【間違い 4】筋トレは最低半年はやらないと効果が出ない? → ◯初心者なら1ヵ月で体が変わる

カラー図説 生命の大進化40億年史 古生代編 生命はいかに誕生し、多様化したのか
ブルーバックス
本書は、40億年にわたる生命の進化史を綴る全3巻企画の一冊目、古生代編です。進化の新たなステージに登場した特徴的な種を特に取り上げ、豊富な化石写真と美しいカラー復元画とともに解説していきます。
古生代編では、生命の誕生から哺乳類の祖先に近いグループである単弓類の登場までを7つの地質時代を通して見ていきます。生命の誕生した先カンブリア時代から、多種多様な多細胞生物が登場したカンブリア紀、三葉虫類やウミサソリ類が繁栄したオルドビス紀とシルル紀、魚類が大繁栄し、脊椎動物が四肢をもち陸上への足がかりを築いたデボン紀、植物が大森林をつくり、巨大昆虫が栄え、爬虫類が登場した石炭紀、そして哺乳類の遠い親戚である単弓類が繁栄したペルム紀までの37億5000万年の生命進化の歴史。各時代に現れた、進化史上で重要なおよそ80種をピックアップして紹介。本書に登場する生物を追っていくだけで、生命の進化の流れが理解できる構成になっています。
目次
第1章 はじまりの時代 先カンブリア時代
第2章 爆発的進化の時代 カンブリア紀
第3章 先駆者たちの時代 オルドビス紀・シルル紀
第4章 革命の時代 デボン紀
第5章 終焉の時代 石炭紀・ペルム紀
著者紹介
土屋 健
オフィス・ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者、サブデスク(部長代理)を経て2012年に独立し、現職。近著に『機能獲得の進化史』(みすず書房)、『地球生命 水際の興亡史』(技術評論社)、『恋する化石 「男」と「女」の古生物学』(ブックマン社)など多数。

地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球
ブルーバックス
地球温暖化、そして「気候変動」は、どうすれば解明することができるのか?
2021年、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士。
この受賞は、「気候システム」という複雑系の物理分野に贈られた初のノーベル賞でもありました。
その「気候システム」という遠大な謎への挑戦が、本書では詳細に語られます。
真鍋先生が初期の研究で用いた大気層を18層に区分、その放射・対流を計算する「1次元の鉛直モデル」からはじまり、成層圏までを、さらに雲による太陽放射の反射率の変化、陸上と海上の違い、極域での氷の面積の変化、緯度・経度による変動や季節要因による変化。さらには、海洋の対流による深層への熱の移動、そして土壌や河川における水の移動まで、2万年前の古気候を再現するというプロジェクトから始まった気候システム解明への挑戦は、その努力によって精緻なシミュレーションを可能としました。
この研究の成果は、非常に高い精度で「地球温暖化」の予測を可能にしていることも知られています。
シミュレーションの中で、CO2の濃度を変化させていったときに、どのような結果が表れるのか。
その結果は、カラーの図とともに本書の随所でていねいに解説されています。
地球温暖化とはなにか? それは、どう考えるべきものなのか?
いま大きな科学、社会的な関心事でもある地球温暖化についても、深い理解を得ることができます。
本書は、プリンストン大学での真鍋博士の講義をもとに構成されています。
また、本書の監訳を担当した、増田耕一博士、阿部彩子博士も、真鍋先生が1983年に東京大学で行った講義や、その講義録で学んだ研究者でもあります。
「気候システム」という大きな謎、そして地球温暖化という人類的な問題に挑む科学者の探求の軌跡として、21世紀を生きる私たちにとって必読の科学書の登場です。

新体系・大学数学 入門の教科書 下
ブルーバックス
高校までの数学と大学数学のギャップは大きい。ε‐δ論法や1次独立・1次従属など、新しい言葉や定義が立て続けに出てきて、抽象的な概念の理解を要求される。大学数学は他の学問と比べて、最初の一歩をよく理解することが極めて重要である。そこさえクリアすれば、じつに楽しい学びの世界が広がっている。本書は、冒頭で述べたようなギャップを埋めることを主な目的として、さらに、大学数学の導入部分の簡単なガイドを兼ねることも目標とする、まさに入門の教科書である。上下2巻を読まれた暁には、大学数学全般の入門部分を一通りつかめるように構成してある。
下巻
【もくじ】
6章 群・環・体の入り口
6・1 偶置換・奇置換の一意性と演算
6・2 群とはどのようなものか
6・3 環と体はどのようなものか
7章 線形空間と行列
7・1 線形空間と次元
7・2 線形写像から導入する行列
8章 行列と行列式
8・1 行列
8・2 連立1次方程式
8・3 行列式
9章 固有値と実対称行列の対角化
9・1 固有値
9・2 実計量線形空間と実対称行列の対角化
10章 統計の基礎にある数学上の勘所
10・1 異色な分布であるポアソン分布
10・2 多変量解析と距離の概念・分散共分散行列
10・3 正規分布の面積が1であることの証明
補章 代数学の基本定理の証明
(上巻のもくじ)
1章 集合・写像と同値類
1・1 「1対1の対応」と整数誕生
1・2 集合と論理
1・3 写像
1・4 集合の濃度とカントールの対角線論法
1・5 同値関係と同値類
2章 離散数学の入り口
2・1 「数えること」に3種類:帰納的,2通り,対称性
2・2 知り合いの関係から理解するグラフ理論
2・3 整数条件が強力なデザイン論
2・4 ISBN記号による誤り検出と符号理論
3章 極限の概念
3・1 「すべて」と「ある」の用法と開区間・閉区間
3・2 実数の連続性
3・3 数列の極限
3・4 関数の極限とε-δ論法
3・5 関数の連続性
4章 微分学入門
4・1 微分に関する基礎的定理
4・2 テイラーの定理
4・3 不定形の極限値
5章 積分学入門
5・1 積分の導入
5・2 有理関数の積分
5・3 広義積分
補章 アルキメデスの取り尽くし法による円の面積公式の証明

新体系・大学数学 入門の教科書 上
ブルーバックス
高校までの数学と大学数学のギャップは大きい。ε‐δ論法や1次独立・1次従属など、新しい言葉や定義が立て続けに出てきて、抽象的な概念の理解を要求される。大学数学は他の学問と比べて、最初の一歩をよく理解することが極めて重要である。そこさえクリアすれば、じつに楽しい学びの世界が広がっている。本書は、冒頭で述べたようなギャップを埋めることを主な目的として、さらに、大学数学の導入部分の簡単なガイドを兼ねることも目標とする、まさに入門の教科書である。上下2巻を読まれた暁には、大学数学全般の入門部分を一通りつかめるように構成してある。
上巻
【もくじ】
1章 集合・写像と同値類
1・1 「1対1の対応」と整数誕生
1・2 集合と論理
1・3 写像
1・4 集合の濃度とカントールの対角線論法
1・5 同値関係と同値類
2章 離散数学の入り口
2・1 「数えること」に3種類:帰納的,2通り,対称性
2・2 知り合いの関係から理解するグラフ理論
2・3 整数条件が強力なデザイン論
2・4 ISBN記号による誤り検出と符号理論
3章 極限の概念
3・1 「すべて」と「ある」の用法と開区間・閉区間
3・2 実数の連続性
3・3 数列の極限
3・4 関数の極限とε-δ論法
3・5 関数の連続性
4章 微分学入門
4・1 微分に関する基礎的定理
4・2 テイラーの定理
4・3 不定形の極限値
5章 積分学入門
5・1 積分の導入
5・2 有理関数の積分
5・3 広義積分
補章 アルキメデスの取り尽くし法による円の面積公式の証明
(下巻のもくじ)
6章 群・環・体の入り口
6・1 偶置換・奇置換の一意性と演算
6・2 群とはどのようなものか
6・3 環と体はどのようなものか
7章 線形空間と行列
7・1 線形空間と次元
7・2 線形写像から導入する行列
8章 行列と行列式
8・1 行列
8・2 連立1次方程式
8・3 行列式
9章 固有値と実対称行列の対角化
9・1 固有値
9・2 実計量線形空間と実対称行列の対角化
10章 統計の基礎にある数学上の勘所
10・1 異色な分布であるポアソン分布
10・2 多変量解析と距離の概念・分散共分散行列
10・3 正規分布の面積が1であることの証明
補章 代数学の基本定理の証明

日本史サイエンス〈弐〉 邪馬台国、秀吉の朝鮮出兵、日本海海戦の謎を解く
ブルーバックス
歴史とは、人と物が時間軸・空間軸の中をいかに運動したかを記述するものである。
話題騒然の前作に続き、日本史の「未解決事件」に「科学」を武器に切り込む!
【謎の一】邪馬台国はどこにあったのか?
九州か、近畿か、それともほかの場所だったのか? 古代史最大の謎に、皆既日食の観測と
『魏志倭人伝』の科学的解読から迫り、女王・卑弥呼はどこにいたのかを推理する!
【謎の二】秀吉は亀甲船に敗れたのか?
文禄・慶長の役で連戦連勝だった豊臣秀吉軍は、なぜ朝鮮から撤退したのか? 李舜臣が
乗ったとされる「亀甲船」は実在したのか? 新資料をもとにその可能性に迫る!
【謎の三】日本海海戦で日本はなぜ完勝できたのか?
日露戦争の最終決戦・日本海海戦で、日本海軍はなぜロシア艦隊を壊滅させることができたのか?
東郷ターンによる「丁字戦法」ではなかった真の勝因を突きとめる!
歴史をサイエンスで読み解くと、日本人が見えてくる!

本当に役立つ栄養学 肥満、病気、老化予防のカギとなる食べものの科学
ブルーバックス
「食物繊維は体にいいから消化もいい」と語っている学生に、そもそも消化ができないものを食物繊維ということを説明すると、では「消化できないものが体に必要なのか」ときかれて、これは正しい食の知識が必要だと感じた著者。
体にいい、悪いで語られがちな食べものについて、多くの人がわかっているようでわかっていないという実態を感じて、現在わかっている食の科学を理解し、正しい情報の受け取り方ができるようにという思いで執筆した1冊。栄養学的な面と、複雑な体の代謝のしくみをなるべくやさしい言葉で解説します。
食品によっては、時代的背景も関係していたり、健康ブームの空気にのって「良い食べもの」になっているものも。食と代謝はまだまだ解明されていないことも多いのですが、わかっていることをクリアにしながら、誤った認識に陥らない方向を示します。
序章 食べもの、その正体とは
第1章 食べものに含まれる栄養素の真実
第2章 消化と吸収から考える食べもの
第3章 体のなかで栄養素はどんな動きをしているのか
第4章 血液という体液から考える食べもの
第5章 筋肉、骨、皮膚と食べもの
第6章 脳と神経に作用する食べもの
第7章 健康な食べものは本当に体に良いのか

遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
ブルーバックス
2003年にヒトゲノムの解読が完了したが、これで「遺伝子」がわかったのかというとそうではない。DNAにコードされている遺伝子の構成が判明したことで、ヒトゲノムの複雑さがかえって判明してきた。また、DNAに遺伝子はコードされているが、それらは非コード配列やそのコピーである多様なRNAなどによって、たくみに制御されていることがわかってきた。「遺伝子」とは、それらの制御機構を抜きにしては語れないし、「遺伝子」の概念は新たなステージで考える必要があるのではないだろうか?
本書では、メンデルの実験から、ワトソン、クリックによる二重らせんモデルの発表など、「遺伝子」をめぐる科学史を追いかけながら、「遺伝子」の正体を問い続ける。ゲノムの解読は終わりではなく、「遺伝子とは何か?」という、古くて新しい問いとその答えをめぐる研究の始まりであることを明らかにする野心的な一冊。

なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論
ブルーバックス
「宇宙論」は、ここ100年で非常に目覚ましい発展をとげています。これら直近100年の宇宙論の歩みを、最先端の発展までを含め、宇宙論や素粒子論、量子重力理論などを専門とする著者が、徹底解説。はじめての「宇宙論」として本格的な、そして現代的な宇宙論を知ることができるような1冊になっています。
人間の宇宙への興味は、古来より尽きることはありませんでした。実際、古代エジプトからインド、ギリシャに至るまで、様々な「宇宙論」が考えられ、それらに基づいた神話や哲学が発展してきました。にもかかわらず、現代の宇宙論につながる「観測に基づいた系統的な世界観の構築」が始まったのは、かなり最近、ここ400年あまりのことなのです。
理論物理学の最前線では、私たちの宇宙を超えた、その外側や生まれる以前などについても議論できるようになってきています。これらの驚くべき成果は、主に20世紀に入って起こった爆発的な物理科学の発展によってもたらされたものであり、それはアルベルト・アインシュタインをはじめとする多くの科学者の長年における仕事の結果として得られたものです。
現代の宇宙論で科学的に調べることができる、私たちの宇宙が誕生してから約10のマイナス30乗秒後といった宇宙の「超初期」について紹介したり、恒星や銀河、銀河団といった現在私たちが見る構造の起源が、このような宇宙の超初期にどのようにして作られたのか、理論的な説明や、それを確認するための観測についても触れていきます。
よく耳にする「ビッグバン宇宙」や「インフレーション宇宙」といった言葉についても理解が進むように詳しく解説しています。
さらに、近年理論物理学者の間で急速に受け入れられつつある描像である「マルチバース理論」を紹介します。この最新の描像によれば、私たちが全宇宙だと思っていたものは無数にある「宇宙たち」の一つにすぎず、それら多くの宇宙においては素粒子の種類、性質およびそれを支配する法則、さらには空間の次元に至るまで、多くのことが私たちの宇宙とは異なっているとされるのです。
私たちのこの宇宙が始まる前から寿命について、またこの宇宙の外側まで、壮大なスケールで語られる、わかりやすい最先端の宇宙論です。

楽器の科学 美しい音色を生み出す「構造」と「しくみ」
ブルーバックス
弾く人も聴く人も、科学の視点で音楽を楽しもう!
ピアノ、バイオリン、トランペット、マリンバ……「魅惑の響き」はどう作られるのか?
楽器の個性を生み出す「倍音」とは?
音色を美しくする「共鳴」とは?
バイオリンの最重要パーツ「魂柱」とは?
楽器の素晴らしさを引き出すコンサートホールの条件は?
そして、プロが考える「最高の楽器」とは?
フランスで最も栄誉ある音楽勲章を最年少受章した著者が楽器の秘密を解き明かす!
〈もくじ〉
プレリュード──音楽は「五線譜上のサイエンス」
第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち──楽器には5種類ある
第2楽章 楽器の個性は「倍音」で決まる──楽器が奏でる「音」の科学1
第3楽章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする──楽器が奏でる「音」の科学2
第4楽章 「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?──コンサートホールの音響科学
第5楽章 演奏の極意──世界的ソリスト10人が教えるプロの楽器論
※本書は、1979年刊行のブルーバックス『楽器の科学──角笛からシンセサイザーまで』(橋本尚著)とは内容が異なります。