文芸(単行本)作品一覧

エグゼクティブ・プロテクション
文芸(単行本)
退避。それは外部からの攻撃に対する最善の策。
落涙のラストまで一気読み必至!
マラソンランナー・真姫(まき)に襲いかかる凄惨な悲劇。プラチナブロンドのBG(ボディガード)・八木率いる女性警護チームが、命を賭して守り抜く!
トップランナー、真姫の警護を担当することとなったボディガードの八木は、自らの髪を金色に染め、ハイ・プロファイル・プロテクションを実施する。企業のイメージキャラクターとして、アスリートとして、涙を見せず気丈にふるまう真姫に、悲劇は襲いかかる。コーチが殺害され、あらぬ疑いをかけられた真姫を救うため、八木の率いる女性警護チームがあらゆる危険を排除すべく動いたが――
ボディガードは、究極のサービス業だ。
『左手に告げるなかれ』の江戸川乱歩賞作家、渡辺容子が圧倒的なスピードとスケールで描く、渾身のボディガードエンターテインメント!
※本書は『IN・POCKET』(講談社)にて、2008年9月から2009年12月までに連載された「リボーン―復活」を加筆修正し、新たに刊行したものです。

幻日
文芸(単行本)
島原に散った、天草四郎「幻の夢」。
時代小説のスケールをはるかに超えた「神」と「人間」の攻防戦。響き合う法螺貝と聖歌の声が、聞こえてきそうだ。――役所広司
九州キリシタン王国建国は、目前だった!
一揆軍の総大将・天草四郎は、天正遣欧使節・千々石ミゲルの息子だった。そして幕府軍を震撼させた長崎要塞化計画とは――ほとんど取り上げられることのなかった文献をもとに、日本史上最大の一揆といわれる島原の乱を大胆な推理で活写する、著者渾身の長編歴史小説。

澪つくし 深川澪通り木戸番小屋
文芸(単行本)
優しさあふれる大人気時代小説シリーズ。江戸深川。木戸番小屋に住むお捨と笑兵衛の夫婦は、町の人たちをいつも優しく包み込んでいる。端正な文章で人生の機微を描きだす人気シリーズ第5弾! お捨の手はやわらかかった。やわらかくて、わけもなしに「もう大丈夫」と安心させてくれる力があった。孤独や後悔を抱え生きる人達にそっと手をさしのべるぬくもりに満ちた八篇を収録。
江戸深川。人の心に灯をともす木戸番夫婦の物語
お捨・笑兵衛夫婦のやさしさが沁みる大人気シリーズ、七年ぶり、待望の新刊!
お捨の手はやわらかかった。やわらかくて、わけもなしに「もう大丈夫」と安心させてくれる力があった。
孤独や後悔を抱え生きる人達にそっと手をさしのべるぬくもりに満ちた八篇を収録。

自殺者の森 Suicide Forest
文芸(単行本)
第8回講談社BOX新人賞Powers受賞作登場!
自殺の罪を犯した人間は地獄へ落ち木に姿をやつし、最後の審判がくだるその日まで永遠に苦しむ破目に陥るのだという。
自殺者の森を管理する少女はある時思い立ち、明日自殺する運命にある人間たちに自殺を思い留まるようにと夢で告げることに。
恋人からの連絡を24時間待つ青年。一回りも歳下の女子高生に骨抜きのヤクザ。漫画家志望の元坊主――。
繋がり連続する人間の糸に少女自身の物語が絡み織り成す、自殺をめぐる物語。

悲しみは逆流して河になる
文芸(単行本)
上海、現代(ゼロ年代)、悲しいまでにすれ違い続ける幼なじみの二人。
中国最強の天才作家、郭敬明(グォジンミン)が放つ終わりのないジェットコースター・ラブストーリー。
現代中国を代表するベストセラー。最も若く、最も才能ある作家の“代表作”。
暗闇の中にゆっくりと悲しみの川が流れている。あらゆる逃げ遅れた青春と時間を水の底に沈めて。君たちなら遠くに逃げることができたはずだ。けれど君たちはずっとここに留まった。いかに水が逆巻き、頭の上から降ってこようとも。音や光と一緒に、逃げ遅れた悲しみの巨大な大河。

神の左手
文芸(単行本)
世界30ヵ国で話題騒然!
「この物語を読み終えたときの衝撃は、おそらく一生忘れない。飼い慣らされたかに見えたファンタジーが、いきなり牙をむいて挑みかかってきた。ほうき星のように飛びこんできた、怪物のような作品」――金原瑞人
あたり一面不毛の荒野にそびえる超巨大な建物――「サンクチュアリ(聖域)」。縦横無尽に迷路が走るこの場所は、その名に反して監獄とも修道院ともつかない恐怖の迷宮。
自らを救世主(メシア)と呼ぶ謎の集団が支配するここには、10歳にも満たない男の子たちが次から次へと連れてこられる。
食事は最悪、規則を破れば死にも至る刑罰、友人は禁止、知識を求めるなどもってのほか。
10年にも及ぶ訓練を経て、彼らはいずこへか送り出される。そしてその目的は誰も知らない……。
嘘と裏切りと抑圧に満ちたこの世界で、他人には決して心を開かない14歳のケイルは、殺人がらみのいまわしい事件に巻き込まれ、仲間二人との脱出を余儀なくされる。
その逃亡をきっかけに一気に加速する物語! 神は彼らにいったい何をさせたいのか?
(原題)
THE LEFT HAND OF GOD

肉体について
文芸(単行本)
あの栞というのは、下の方に髪の毛の赤い子供が蹲ってなにかしている絵のついた栞のことだが(いまになってみると、それがにんじんのスケッチだということがわかる)、その栞が忘れられないのは、余白のところに、ペンでこんな文句が書いてあったからである。家庭は愛し愛される者だけで作れぬものであらうか。
おのれの自由にならない肉体を見つめ、人生を振り返る著者最後の小説。
少年の日の思い出を通して語られる家族、優しい光に満ちた日常。
あの栞というのは、下の方に髪の毛の赤い子供が蹲ってなにかしている絵のついた栞のことだが(いまになってみると、それがにんじんのスケッチだということがわかる)、その栞が忘れられないのは、余白のところに、ペンでこんな文句が書いてあったからである。
――家庭は愛し愛される者だけで作れぬものであらうか。――<本文より>

新・花と蛇
文芸(単行本)
追悼、団鬼六氏、緊急出版!
「悦楽王」、最期の隠し玉 マゾヒスト静子のDNAが現代に
「これが私の生きる道」
舞台は現代、静子夫人は依然として田園調布の豪邸にてマゾヒストの高級娼婦として監禁され続けていた。ある日、彼女の前に連れてこられた19歳の少女繭子。繭子もまた静子と同じ道を辿らねばならないのか。繭子を守るため、箱根・強羅での狂乱の宴後、静子夫人は一世一代の大勝負に出るが……。SMを世に広めた団鬼六の未完の代表作は、生前、『女薫の旅』の神崎京介の手に続編を託されていた。
「この世は夢よ、ただ遊べ」

半島へ
文芸(単行本)
「海松」を超えた、究極の「半島物語」。東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作「海松」を超えた、究極の「半島物語」。谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作!
その春、「私」は半島に来た。
森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで――。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために――。
川端賞受賞の名作「海松(みる)」を超えた、究極の「半島小説」
顔を上げると、樹間で朝を待つものたちの気配がした。たぶんメジロやウグイス。どこに巣があるのかわからないが、葉擦れや枝のこすれとは違う音がする。寝覚めの脳に届いたのは身じろぎする鳥たちの気配だったのかもしれない。やがて、森のあちこちに青みを帯びた筋が差しこむ。樹間に広がる光の筋は、やがて明るい金色を帯びていった。途端に森の奥から、鳥の声がにぎやかに聞えてきた。なかに「リッカ、リッカ、ピイィ」と鳴く鳥がいる。そういえば、今日は立夏。東京から半島にきて、もう一ヵ月がたっていた。――<本文より>
第47回谷崎潤一郎賞受賞作

恋活 40’s LOVE
文芸(単行本)
まだ若い。もう若くない。20年ぶりの同窓会。誘惑の罠と うごめく影。
燃える想いはもう止まらない。
アラフォーからの青春 元気になれる恋愛小説(ラブサスペンス)
20代 就活 30代 婚活 40代からは恋活(コイカツ)
20年ぶりの同窓会で再会したほんとうの恋をしらない女と男
ほほえみに想いを秘めて、一歩を踏みだすのか? ふたりをとりまく甘い罠と不穏な影。
東京、パリを舞台に、アラフォーの青春、40代からの恋活を描くラブサスペンス。

陽の鳥
文芸(単行本)
「生命倫理と家族愛」をテーマに、希代のヒットメーカーが挑むメディカル・エンタテインメント大作!
関東大学畜産学部の沖田森彦は医師免許を持つ霊長類クローンの研究者。妻を亡くし、高いIQを持つ小学生の息子・有基と二人で暮らしている。1999年、沖田は助手の名嘉城数矢とともに、世界で初めてヒト・クローン胚の樹立に成功していた。科学の歴史に新たに名を刻む、世紀の発見。しかしその発表を間近に控えた矢先、息子の有基が突然の事故に遭い、この世を去ってしまう。
悲嘆に暮れる沖田が下したある決断――それは、助手の名嘉城と共謀し、生命科学のタブーであるヒト・クローン技術によって、息子を「復活」させることだった……!!

幕末維新史の定説を斬る
文芸(単行本)
京都見廻組犯行説と薩摩藩黒幕説とがある竜馬殺しの真相は、どこにあるか? 尊王攘夷派と対決する役割である京都守護職を、松平容保が幕府から押しつけられ、悲劇の人となった、その根っこには、会津藩・寛政の改革の成功があった! 巷間言われている孝明天皇病死説には、論理の飛躍や不備が存在する。では、毒殺説に説得力はあるのだろうか?
定説に疑義あり!
竜馬殺しの真相は? 松平容保、京都守護職指名の裏事情。孝明天皇は、本当に病死だったのか? 幕末維新の「事件」の謎を、史料を駆使して解く史論集。
定説を、まず疑ってみよう!
京都見廻組犯行説と薩摩藩黒幕説とがある竜馬殺しの真相は、どこにあるか? 尊王攘夷派と対決する役割である京都守護職を、松平容保が幕府から押しつけられ、悲劇の人となった、その根っこには、会津藩・寛政の改革の成功があった! 巷間言われている孝明天皇病死説には、論理の飛躍や不備が存在する。では、毒殺説に説得力はあるのだろうか?

グッバイ・ヒーロー
文芸(単行本)
江戸川乱歩賞受賞から9ヵ月――。
「困っている人がいたら助けなければいけない。それが俺のルールなんだ」
ピザと音楽を愛する人気配達人“亮太”と、立てこもり事件の人質“おっさん”が運び届ける、謎と絆の物語。
反響御礼!
●何が一番大事かなんて、誰にもわからないけれど、性別も歳も関係なく、手をつなぐことはできる。最後の亮太の叫びで、こらえていた涙があふれ出しました。(紀伊國屋書店横浜みなとみらい店 安田有希さん)
●ポップな文章に見え隠れする、切ないほどの思いやひたむきさが伝わってきました。(文教堂書店浜松町店 大浪由華子さん)
●J-ROCKが好きだった元若者たちよ! こんな話なんてありえない! と思いながらも絶対に涙するはずだ!! 伊庭亮太が好きだ!! (ジュンク堂書店吉祥寺店 松川智枝さん)
●「困っている人がいれば必ず助ける」亮太とおっさんのこのルールが、ずんっと胸にひびきます。チキン・ランナウェイ、そして亮太に胸キュンです。(MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店 三瓶ひとみさん)
横関エンターテインメントがいまここに幕を開ける――。

諏訪の妖狐 はやぶさ新八御用旅
文芸(単行本)
甲府から諏訪へ、新八郎の探索行は続く。
ご存知人気シリーズ「はやぶさ新八御用旅」第5弾。
築地であがった女の水死体。内藤新宿で見つかった甲府勤番の惨殺体。江戸、甲府、諏訪――新八郎の周囲には不穏な空気が流れ、おかしな事件が続発する。江戸で起きた二つの事件をつなぐのは、幕府を揺るがしかねない驚天動地の事実。
白髪なのに肌や体つきは若く、町人か武家の女かも判然としない不思議な水死体が、築地本願寺脇の水路にあがった。懐中にしのばせた、観音像が彫られた紫水晶が唯一の手がかりだった。
同じ頃、内藤新宿で、身延詣に行ったはずの甲府勤番の惨殺体が見つかった。根岸肥前守は新八郎に、甲府への探索行を命じた。
周囲に不可解な事件が続き、新八郎が甲府から諏訪へと辿り着いた時、一見、関係ないかに見えた江戸の二つの事件がつながったが、そこには、驚くべき真相が隠されていた!

猫とあほんだら
文芸(単行本)
泣いて笑って喧嘩して生きている。突如として引っ越しをしようと思ってしまった。物件を見に行ったら玄関の庇の下で二匹の子猫がふるえていた。掌に載るくらいに小さな、子猫であった。写真と文章で綴るキュートでパンクな日々の記録。

戯史三國志 我が糸は誰を操る
文芸(単行本)
誰も知らない三國志、始動
読者モニター・書店員さん大激賞の声、声、声!
「主人公・陳宮は諸葛孔明以上かも」(埼玉県・50代男性)
「一気読み必至、徹夜覚悟の娯楽大作!」(八重洲ブックセンター八重洲本店・内田俊明さん)
「吉川永青さん! ありがとう! 新たなる三國志ワールド、ここに誕生ですな」(精文館書店中島新町店・久田かおりさん)
「歴女の私が、震えました」(山口県・40代女性)
「完全無欠のヒーローなんかいない。等身大のキャラに共感」(埼玉県・40代男性)
「続々シリーズ化を期待!」(山口県・20代女性)
「言葉の駆け引きや心理戦にハラハラドキドキ」(大阪府・20代女性)
「主人公とヒロインの触れ合いがとても心に残りました」(神奈川県・30代女性)
「モンスター呂布の暴れっぷりが凄い!」(東京都・50代女性)
「読書仲間に推薦したい一冊」(福井県・60代男性)
「聖人君子づらした劉備より、こっちが本当に思える」(神奈川県・50代女性)
「紙面ごしに曹操のキラキラしたパワーが伝わってきた」(東京都・20代女性)
「三國志ビギナーの私でも楽しく読めました」(高知県・40代女性)
「こんな壮大な小説こそ、勇気を求める今の日本に必要だ」(鹿児島県・40代女性)

ちよの負けん気、実の父親 物書同心居眠り紋蔵
文芸(単行本)
場所・時間を問わず突然居眠りを始めてしまう持病を抱えるため、物書同心の藤木紋蔵は「窓ぎわ」の立場。しかし書に通じありとあらゆる判例が頭に入っている紋蔵のもとに、上が頭を抱える厄介事はいつももちこまれる。八丁堀小町のちよが「あたいは公方さまのお姫様かもしれない」と思い込みはじめ……表題作他8篇を収録の人気シリーズいよいよ第11弾。
人気シリーズいよいよ第11弾
たまにはこんな紋蔵もいかがですか
「あたいは公方さまのお姫様かもしれない」
最大の難敵、それは娘の気持ち……。
場所・時間を問わず突然居眠りを始めてしまう持病を抱えるため、物書同心の藤木紋蔵は「窓ぎわ」の立場。しかし書に通じありとあらゆる判例が頭に入っている紋蔵のもとに、上が頭を抱える厄介事はいつももちこまれる。八丁堀小町のちよが「あたいは公方さまのお姫様かもしれない」と思い込みはじめ……表題作他8篇を収録の人気シリーズいよいよ第11弾。
![Powers Selection [新走]](https://dvs-cover.kodansha.co.jp/0000208888/yQ6nFzA8j2UuvwJx5EdgPLPInAmrPKIl47MqeiA6.jpg)
Powers Selection [新走]
文芸(単行本)
自重に耐えられず、ほとばしる才能。
10人の作家×10人の絵師が放つ、新種のパワーフィクション!!
『BBDB(バイバイデイビイ)』円居挽 Illustration/ここのか鳩
『ダンスモンキーの虚と実』新沢克海 Illustration/05
『優作の優』岩城裕明 Illustration/スオウ
『フォーティユースボーイ』小柳粒男 Illustration/小石
『ガラパゴス・エフェクト』針谷卓史 Illustration/宮部サチ
『うなさか』杉山幌 Illustration/キナコ
『転転転高生生生』森野樹 Illustration/ぷちでびる
『アービアス』ganzi Illustration/菅野アキ
『押入れで花嫁』井上竜 Illustration/葬蟻
『木の葉に回すフィルム』円山まどか Illustration/hakus

アリシアの三姉妹
文芸(単行本)
名探偵アリシアの遺伝子を受け継ぐ三姉妹vs.「神」犯人!!
『アンタ(主人公)は、ミステリ小説の地の文みたいなヤツなのよ!』
ウソをまったく受け付けない体質の真実一朗(しんじついちろう)は、親友ヒヅキの父親が殺されたのをきっかけに、ある三姉妹と関わることになる。伝説の女子高生探偵・不鏡(ふきょう)アリシアを母にもつ三姉妹は、それぞれが「探偵に必要な資質」を受け継いでいるという。長女の知力。次女の武力。そして末っ子の名探偵に最も欠かせない能力……。一朗と三姉妹は、「神犯人(しんはんにん)」を名乗る謎の連続殺人魔に挑む!!

少年殺人者考
文芸(単行本)
少年たちは、少年ゆえに、罪を犯した。少年たちは、なぜ人を殺したのか? 李珍宇、永山則夫、酒鬼薔薇聖斗、光市母子殺害事件犯・・・。戦後史に残る少年殺人事件、彼らの残した言葉に迫る傑作論考!
少年たちは、少年ゆえに、罪を犯した。
少年たちは、なぜ人を殺したのか?
李珍宇、永山則夫、酒鬼薔薇聖斗、光市母子殺害事件犯・・・。戦後史に残る少年殺人事件、彼らの残した言葉に迫る傑作論考!
本書のテーマは殺伐たるものだ。しかし、私は犯罪や殺人といった事件そのものに格別強い関心があるわけではない。私の関心を惹くのは、事件そのものというよりも、むしろ、事件を起こした少年たちの「表現」、とりわけ彼らの言葉である。(中略)
彼らの言葉は、たいていは、事件の重大性に比してあまりに幼稚で凡庸だったり、妄想めいて意味不明だったりする。けれども、時折、鋭く尖った一句が私の眼を撃つことがある。そこには、拳銃や刃物によって噴出させるしかなかった彼らの閉ざされた心が、その秘密の内奥を露頭させている。私は、彼らの言葉を手がかりに、彼らの隠された内奥のドラマを読み取ろうと試みたのである。――<「はじめに」より>