講談社学術文庫作品一覧

恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界
恐竜の骨をよむ 古脊椎動物学の世界
著:犬塚 則久
講談社学術文庫
太古の地上を闊歩した恐竜たち。近年の発見や研究の飛躍的な進捗は、従来の恐竜像を次々と書き換えている。地中から発掘されるバラバラの骨から、見る者を圧倒する巨大な骨格はどのようにして復元され、生時の姿を推定することが可能になるのか。本書は、比較解剖学、機能形態学を駆使して現生の脊椎動物類と比較検証し、恐竜の運動能力や生活のさまを明らかにする。最新の知見にもとづき、「復元」の視点から描き出す恐竜の実像。
電子あり
神曲 天国篇
神曲 天国篇
著:ダンテ・アリギエリ,訳・解説:原 基晶
講談社学術文庫
『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。 イタリアの生んだ最高の詩人ダンテが14世紀初めに著した『神曲』は「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3篇からなり、さらに各篇は33歌からなりますが、「地獄篇」冒頭に置かれた三篇の全体の序歌を加えれば、合計100歌となります。詩型は三行一連で全体では1万4233行におよび、文学、美術、現実の政治等に多大な影響を与えた、キリスト教文学の最高峰とされる叙事詩です。 主題は生身の存在であるダンテが、地獄、煉獄、天国の三界、すなわち彼岸の世界を遍歴した末に、ついには神との出会いを果たすというところにあり、歴史的事実を死後の世界に投影した詩を通じて、人類に正しい道を指し示そうとした作品です。 『神曲』には主だったものだけを挙げても、すでに山川丙三郎(岩波書店)、平川祐弘(河出書房)、寿岳文章(集英社)らによる邦訳がありますが、あるものは翻訳の底本が不分明であったり、訳文が現代の読者には難解すぎたり、文章の流れに重きを置きすぎるがために原典に忠実でなかったり、キリスト教世界を描くのに仏教用語を多用して違和感を与えたりと、それぞれに難点がある。これらを克服するために、本訳ではテクストの安定性や信頼性で評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な表現を心がけました。加えて読者の便宜を考慮し、訳注は可能な限り、当該の見開き内に収めました。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んでいます。 ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。
電子あり
生物学の歴史
生物学の歴史
著:アイザック・アシモフ,訳:太田 次郎
講談社学術文庫
SF作家として知られるアシモフは、ボストン大学医学部の教授も務め、多くの科学啓蒙書も著した。古代ギリシャに始まる生物学は、博物学や医術、遺伝学や化学のあいだで揺れ動き、20世紀になってようやく、自然科学の一分野として体系がまとまり大きな進歩をとげた。この長く複雑な生物学の歩みを、アシモフは極めて平易に興味深く描き出す。人類は生命の謎にいかに取り組んできたか。いま最も熱い学問分野への恰好の入門書。 『われはロボット』『黒後家蜘蛛の会』などのSF作品やミステリーで世界中に読者をもつアイザック・アシモフは、作家であると同時に、ボストン大学医学部の教授を務め、生化学の研究者として多くの一般向け科学啓蒙書も著している。 本書は、アメリカの自然史博物館が出版したAmerican Museum Science Books という叢書の1冊として刊行された。 生物学は、生命についての関心から始まり、古代より長い歴史を持つが、博物学や医術、遺伝学や化学のあいだで揺れ動き、自然科学の一分野として体系がまとまり大きな進歩をとげたのは、20世紀に入ってからだった。特に20世紀後半の分子レベルで生命現象を捉える研究は日進月歩である。 こうした、長く、広範、複雑な生物学の歩みを、一人の著者が簡潔にまとめあげるのは至難の業だが、アシモフの博学と文才はそれをなんなくこなしている。 生命と非生命の境目はなにか。人類は生命の謎にいかに取り組んできたか。いま最も熱い学問分野の基礎知識を整理した、恰好の生物学入門書。 〔原本:『生物学小史』(「アシモフ選集」生物編1)、1969年、共立出版刊。 原著:A Short History of Biology, 1964〕
「国史」の誕生 ミカドの国の歴史学
「国史」の誕生 ミカドの国の歴史学
著:関 幸彦
講談社学術文庫
近代日本の歴史学は、江戸期の漢学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、摩擦しながら、「新しい日本の自画像」を描くべく成立した。鎖国下の平賀源内や荻生徂徠、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、ドイツから来日したリースの働きなどから、「国史」誕生の経過を描く。さらに、久米邦武筆禍事件、南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、鍛えられていく過程をたどる。 日本の近代歴史学の成立事情とその背景のドラマを、おもな歴史学上の事件と人物を中心に描き出す。 明治時代とは、江戸期の知的遺産と、急速に流入した西欧の学問が出会った時代だった。歴史学に関していえば、江戸期以来の漢学、特に朱子学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、あるいは摩擦を起こしながら、「新しい日本の自画像」を描くべく、「歴史学」が成立し、さらに「国体史観」を形成していったのである。 本書では、鎖国下の平賀源内や林羅山、荻生徂徠らの歴史認識から、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、実証史学の移植に寄与したドイツの歴史家・リースの働きなどをみながら、「国史」誕生の経過をたどる。 さらに、久米邦武筆禍事件、喜田貞吉と南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、あるいは鍛えられていく過程をみていく。 日本の歴史学の成り立ちをあらためて整理し、現代も問われ続けている、「国家」と「歴史研究」との緊張関係という問題を考察する手掛かりとなる好著。 〔原本:『ミカドの国の歴史学』新人物往来社 1994年刊〕
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俳句と川柳
俳句と川柳
著:復本 一郎
講談社学術文庫
俳句も川柳も、同じ17音の文芸。季語や切字の有無だけでは区別がつかない。「風景を詠むと俳句、笑いを詠むと川柳」なのか。しかし、笑いを詠む俳句もあれば、風景を詠む川柳もある。本書では、まず連歌の発句・平句、狂句、前句付など、俳句と川柳のルーツを探る。また、新旧の名句を鑑賞し、また俳人や川柳作家の創作観を紹介しながら、それぞれの本質を探る。観賞にも創作にも必読の書。 俳句も川柳も、同じ十七音の文芸。季語や切字の有無だけでは区別がつかない。「風景を詠むと俳句、笑いを詠むと川柳」なのか。しかし、笑いを詠む俳句もあれば、風景を詠む川柳もある。本書では、まず連歌の発句・平句、狂句、前句付など、俳句と川柳のルーツを探る。また、新旧の名句を鑑賞し、また俳人や川柳作家の創作観を紹介しながら、それぞれの本質を探る。鑑賞にも創作にも必読の書。
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お金の改革論
お金の改革論
著:ジョン.メイナード・ケインズ,訳:山形 浩生
講談社学術文庫
インフレは投資家に対し不公正で、デフレは借り手に不公正。 ケインズの代表作を、わかりやすい訳で読む! 第一次世界大戦後、世界中で起きた急激な物価水準変動に対し、ケインズは何を考えたか。 物価安定か、為替の安定か。金本位制をどうとらえるか。 「邪悪な現実」と格闘するケインズの思考が、ここにはのこされている。 [本書の価値とぼくたちにとっての意義―訳者から]  まず本書で重要なのは、インフレとデフレの相対的な被害についての明示だろう。1990年代からの20年以上にわたり、日本経済はデフレに苦しんできた。2013年に日本銀行が黒田東彦総裁の指揮下で2パーセントのインフレ目標政策をはっきり採用し、そのために大規模緩和(黒田総裁は「量的・質的金融緩和(QQE)」と呼んでいるが、あまり名称としては普及していない)を行ったことで、執筆時点ではようやくデフレの時代が終わりつつあるようだ。だが、デフレが有害だという認識が浸透するにはあまりに時間がかかりすぎた。デフレは物価が安くなるんだからいいものなんだ、という「よいデフレ」論を、高名な経済学者を含む多くの「有識者」なる人々が言いつのっていた。本書に書かれた認識―デフレは生産者に負担を与え、生産活動を控えさせ、人々を失業に追いやり、喜ぶのは既得権益を持った金持ちばかり―がもっと浸透していれば。  ここは重要なポイントだ。インフレやデフレは、実体経済に影響を与える。そして本書は、その仕組みについても簡潔に指摘している。お金の市場の状況が実体経済に影響を与え、持続的な失業を引き起こすこともある―これはケインズ『一般理論』の肝だ。本書は『一般理論』ほどきちんと定式化してはいないものの、それにつながる明確な認識がすでにある。 (中略)  むろん、本書は管理通貨制度の夜明けに書かれたものだし、現在の中央銀行や金融当局ははるかに高度な理論もあり、考えるべき内容もきわめて多い。だがこの基本的な知見は、未だにかわらないものであるはずだ。  もちろん、もっと歴史的な文書として本書を読むこともできる。金本位制や、いわば「強い通貨」を主張する人々の変な議論は、現在でもいろんなところで見かけるものだ。それを見て、人間の進歩のなさを嘆く/おもしろがることもできる。さらに本書は、ケインズの一、二を争う名言が出てくる本でもある。「長期的には、われわれみんな死んでいる」というもの。経済学者は目先の問題―たとえば失業に対して、長期的にはそれが解決される、と言いたがる。できることは何もないとか、「自然に」任せるべきだとも言う。でも手をこまねいてそんなものを待つだけでは、経済学者も金融当局も存在価値がない。いまできることを考え、実行しよう!
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神曲 煉獄篇
神曲 煉獄篇
著:ダンテ・アリギエリ,訳・解説:原 基晶
講談社学術文庫
『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。 イタリアの生んだ最高の詩人ダンテが14世紀初めに著した『神曲』は「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3篇からなり、さらに各篇は33歌からなりますが、「地獄篇」冒頭に置かれた三篇の全体の序歌を加えれば、合計100歌となります。詩型は三行一連で全体では1万4233行におよび、文学、美術、現実の政治等に多大な影響を与えた、キリスト教文学の最高峰とされる叙事詩です。 主題は生身の存在であるダンテが、地獄、煉獄、天国の三界、すなわち彼岸の世界を遍歴した末に、ついには神との出会いを果たすというところにあり、歴史的事実を死後の世界に投影した詩を通じて、人類に正しい道を指し示そうとした作品です。 『神曲』には主だったものだけを挙げても、すでに山川丙三郎(岩波書店)、平川祐弘(河出書房)、寿岳文章(集英社)らによる邦訳がありますが、あるものは翻訳の底本が不分明であったり、訳文が現代の読者には難解すぎたり、文章の流れに重きを置きすぎるがために原典に忠実でなかったり、キリスト教世界を描くのに仏教用語を多用して違和感を与えたりと、それぞれに難点がある。これらを克服するために、本訳ではテクストの安定性や信頼性で評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な表現を心がけました。加えて読者の便宜を考慮し、訳注は可能な限り、当該の見開き内に収めました。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んでいます。 ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。
電子あり
神曲 地獄篇
神曲 地獄篇
著:ダンテ・アリギエリ,訳・解説:原 基晶
講談社学術文庫
『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。 イタリアの生んだ最高の詩人ダンテが14世紀初めに著した『神曲』は「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3篇からなり、さらに各篇は33歌からなりますが、「地獄篇」冒頭に置かれた三篇の全体の序歌を加えれば、合計100歌となります。詩型は三行一連で全体では1万4233行におよび、文学、美術、現実の政治等に多大な影響を与えた、キリスト教文学の最高峰とされる叙事詩です。 主題は生身の存在であるダンテが、地獄、煉獄、天国の三界、すなわち彼岸の世界を遍歴した末に、ついには神との出会いを果たすというところにあり、歴史的事実を死後の世界に投影した詩を通じて、人類に正しい道を指し示そうとした作品です。 『神曲』には主だったものだけを挙げても、すでに山川丙三郎(岩波書店)、平川祐弘(河出書房)、寿岳文章(集英社)らによる邦訳がありますが、あるものは翻訳の底本が不分明であったり、訳文が現代の読者には難解すぎたり、文章の流れに重きを置きすぎるがために原典に忠実でなかったり、キリスト教世界を描くのに仏教用語を多用して違和感を与えたりと、それぞれに難点がある。これらを克服するために、本訳ではテクストの安定性や信頼性で評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な表現を心がけました。加えて読者の便宜を考慮し、訳注は可能な限り、当該の見開き内に収めました。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んでいます。 ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。
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道元「永平広録 真賛・自賛・偈頌」
道元「永平広録 真賛・自賛・偈頌」
その他:大谷 哲夫
講談社学術文庫
禅者であるだけではなく、類まれな詩作者でもあった道元。 彼は幼いころから育まれた詩文の才により、生涯四〇〇首以上の偈頌(漢詩)を残していた。 祖師の頂相(肖像画)に寄せた賛頌である「真賛」、自身の頂相に寄せた辞である「自賛」、在宋時代から帰国後、越前時代に詠まれた観月、寓居、山居など応時応節の「偈頌」、計一五〇首を収録した本書は、道元の「さとりの詩人」としての姿を描き出す。 『永平広録』掉尾を飾る最終巻(巻十)の全訳註。 道元が漢詩に詠んださとりの深奥を簡明に解説する。
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生命誌とは何か
生命誌とは何か
著:中村 桂子
講談社学術文庫
私とはなにか、私たちはどこからきてどこへ行くのか――。この根源的な問いにたいし、分析と還元を旗印とする科学、とりわけ「生命科学」は、有効に答えてきただろうか。「生命誌」は、科学によって得られる知識を大切にしながら、生き物すべての歴史と関係を知り、生命の歴史物語を読み取る作業である。博物学や進化論、DNA、ゲノム、クローン技術など、人類の「生命への関心」を歴史的に整理し、科学を文化としてとらえる。 DNAの解析やゲノムの解読、ワトソン『二重らせん』の翻訳など、日本の生命科学を牽引し、一般読者への啓蒙にも功績の大きい著者が、この20年あまり提唱してきた新たな学知、「生命誌」とは何か。1999年、NHK『人間講座』として放送されて好評を博したテキストをもとに、「生命誌」の基本的な考え方と今後の展望をまとめた好著。 私とはなにか、私たちはどこからきてどこへ行くのか――。この根源的な問いにたいして、分析・還元・論理・客観を旗印にしてきた科学、とりわけ「生命科学」は、有効に答えてきただろうか。著者の唱える「生命誌」は、科学によって得られる知識を大切にしながら、それを包み込んで新たな世界観を作るべく更に広く展開するものだという。それは、生き物すべての歴史と関係を知り、生命の歴史物語を読み取る作業である。 博物学や進化論、DNAの発見、ゲノムという考え方、性と死、クローン技術をめぐる議論など、人類の「生命への関心」を歴史的に整理し、科学を文化としてとらえ、社会の中に生かしていこうとする「生命誌」の取り組みと展望を語る。 『生命誌の世界』(2000年、日本放送出版協会刊)の文庫化。
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雨のことば辞典
雨のことば辞典
著・編:倉嶋 厚,著・編:原田 稔
講談社学術文庫
日本の雨は四季のうつろいとともにその様相が千変万化する。そのさまざまな雨の姿をとらえ、日本語には、陰翳深くうつくしいことばが数多くある。雨は文学作品にもたびたび描かれ、詩歌にもよまれてきた。 季語から気象用語、各地の方言まで、雨にまつわる言葉だけを約1200語集めた辞典。花時雨、狐の嫁入り、半夏雨、秋霖、氷雨…。日本の雨は四季のうつろいとともにその様相が千変万化する。そのさまざまな雨の姿をとらえ、日本語には、陰翳深くうつくしいことばが数多くある。雨は文学作品にもたびたび描かれ、詩歌にもよまれてきた。これらの「雨」をあらわすことば、「雨」にまつわることばを集めた辞典。 ●雨にまつわる言葉を約1200語収録 ●「雨の降るしくみ」「雨の強さ」等の気象コラム ●巻末付録「雨のことわざ・慣用句」 ●「雨の歳時記」として利用できる季節別索引「四季雨ごよみ」
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荘子 下 全訳注
荘子 下 全訳注
その他:池田 知久
講談社学術文庫
「胡蝶の夢」「朝三暮四」「知魚楽」「万物斉同」「庖丁解牛」「寿(いのちなが)ければ則ち辱多し」「無用の用」などがよく知られているが、それだけではない、西洋哲学を凌駕する深い哲学・思想がある。最重要である「道」が「一」であり、また結局は「無」であり、人間には決して把えられないものであるという根本テーゼを定立した。宇宙論、生き方、処世、芸事まで、幅広い哲学を展開した、汲めども尽きぬ名著。 『荘子』は現在三十三篇本として確立しています。、内篇のみが荘子の自著であり、外篇・雑篇は荘子の弟子・後輩あるいは亜流の作であり、内篇は成立が最も早く価値も最も高く、外篇は成立がやや新しく価値も低くなり、雑篇ともなれば成立が最も新しく価値も最も低いというのが通説です。 しかし、内篇・外篇・雑篇は荘子によるものではないが、訳注者はその内容はどれも興味深いものであるとの立場をとります。 『荘子』には、よく知られた「胡蝶の夢」「朝三暮四」「知魚楽」「万物斉同」「庖丁解牛」「寿(いのちなが)ければ則ち辱多し」「無用の用」などがありますが、西洋哲学を超えるような大変に深い哲学・思想をふくんでいます。 「斉物論」は、中国古代の道家にとって最重要である「道」が「一」であり、また結局は「無」であり、人間の知恵によっては決して把えられない何ものかであるという根本テーゼを始めて定立しました。 宇宙論から人間の生き方、処世から芸事まで、幅広い哲学を展開した、汲めども尽きぬ面白さをもった『荘子』を全編、【総説】【読み下し】【現代語訳】【原文】【注釈】【解説】を付し、達意の訳文と丁寧な解説で読み解いていきます。
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荘子 上 全訳注
荘子 上 全訳注
その他:池田 知久
講談社学術文庫
「胡蝶の夢」「朝三暮四」「知魚楽」「万物斉同」「庖丁解牛」「寿(いのちなが)ければ則ち辱多し」「無用の用」などがよく知られているが、それだけではない、西洋哲学を凌駕する深い哲学・思想がある。最重要である「道」が「一」であり、また結局は「無」であり、人間には決して把えられないものであるという根本テーゼを定立した。宇宙論、生き方、処世、芸事まで、幅広い哲学を展開した、汲めども尽きぬ名著。 『荘子』は現在三十三篇本として確立しています。、内篇のみが荘子の自著であり、外篇・雑篇は荘子の弟子・後輩あるいは亜流の作であり、内篇は成立が最も早く価値も最も高く、外篇は成立がやや新しく価値も低くなり、雑篇ともなれば成立が最も新しく価値も最も低いというのが通説です。 しかし、内篇・外篇・雑篇はすべてが荘子によるものではないが、訳注者はどの内容も興味深いものであるとの立場をとります。 『荘子』には、よく知られた「胡蝶の夢」「朝三暮四」「知魚楽」「万物斉同」「庖丁解牛」「寿(いのちなが)ければ則ち辱多し」「無用の用」などがありますが、西洋哲学を超えるような大変に深い哲学・思想をふくんでいます。 「斉物論」は、中国古代の道家にとって最重要である「道」が「一」であり、また結局は「無」であり、人間の知恵によっては決して把えられない何ものかであるという根本テーゼを始めて定立しました。 宇宙論から人間の生き方、処世から芸事まで、幅広い哲学を展開した、汲めども尽きぬ面白さをもった『荘子』を全編、【総説】【読み下し】【現代語訳】【原文】【注釈】【解説】を付し、達意の訳文と丁寧な解説で読み解いていきます。
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ハンナ・アレント
ハンナ・アレント
著:川崎 修
講談社学術文庫
二十世紀思想の十字路と呼ばれたハンナ・アレント。 全体主義の起原をたどることで、その「新しい政体」を近代精神の所産として位置づけ、国民国家秩序の破綻と難民の世紀到来を明らかにした政治哲学者。 彼女は、帰るべき家郷を失った時代の保守主義者として、あるいは進歩を信じ得ない時代の革命的理論家として常に〈時代〉と対決することで現代の苦境を可視化し、政治の再定義を通じてこの現代に公共性を可能にする条件を構想した。 その思想の全体像を、第一人者が平易に描き出す。 「現代思想の冒険者たち」シリーズの一冊として発刊され、日本で初めてアレント思想の全体像を描いた解説書として驚きをもって迎えられた名著の復刊。 【本書の内容】 文庫版まえがき まえがき プロローグ 第一章 十九世紀秩序の解体――『全体主義の起源』を読む(前編)   1 『全体主義の起源』の謎   2 十九世紀政治秩序   3 破壊のモーターとしての帝国主義   4 人種主義と官僚制  第二章 破局の二十世紀――『全体主義の起源』を読む(後編)   1 国民国家体制の崩壊   2 「社会」の解体   3 二十世紀秩序としての全体主義    4 反ユダヤ主義   5 もう一つの二十世紀へ  第三章 アメリカという夢・アメリカという悪夢   1 アメリカとヨーロッパ   2 『革命について』   3 共和国の危機――その一   4 共和国の危機――その二   5 二十世紀としてのアメリカ  第四章 政治の復権をめざして   1 労働・仕事・活動   2 アレントの政治概念   3 個・公共性・共同性  エピローグ  1 全体主義の世紀 2 保守性と革命性 3 政治の限界 アレント略年譜 主要著作ダイジェスト あとがき 文庫版あとがき 索引
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愛欲のローマ史 変貌する社会の底流
愛欲のローマ史 変貌する社会の底流
著:本村 凌二
講談社学術文庫
平和と繁栄を極めた古代ローマ。そこに溢れる過剰な欲望と、淫靡な乱行の裏には、どんな意識が潜んでいたのだろうか。そして、そうしたいとなみを「頽廃」や「堕落」と断罪する感性は、どのように生まれてきたのだろうか。「性愛」と「結婚」、そして「家族」をめぐる意識の変化は、人々の規範をどのように規定し、社会を変容させたのだろうか。社会の変貌の底にある「愛」と「性」のかたちを描き、歴史の深層をとらえる。 平和と繁栄を極めた古代ローマ人の「頽廃」と「堕落」は、フェリーニ監督の「サテリコン」や、シェンキェヴィチの「クォ・ヴァディス」など、多くの映画や小説に描かれてきた。そこに描かれる過剰な欲望と、あり余る御馳走、淫靡な乱行の裏には、ローマ人のどんな意識が潜んでいたのだろうか。そして、そうしたいとなみを「頽廃」や「堕落」として断罪する感性は、いつ、どのように生まれてきたのだろうか。 著者によれば、こうしたローマ社会の「世相の転換」の背景には、「性の汚れ」の意識と「結婚にもとづく家族」の絆のあり方とが密接に関わりあっているという。「性愛」と「結婚」、そして「家族」をめぐる意識の変化が、人々の規範と倫理を規定し、社会を変容させ、キリスト教の発展の下地を用意したともいえるのである。 紀元1世紀後半に起こったローマ社会の大きな変貌の底に流れる、人々の「つながり」すなわち「愛」と「性」のかたちを描き、歴史の深層をとらえる社会史の試み。 講談社現代新書『ローマ人の愛と性』(1999年刊)の文庫化。
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すし物語
すし物語
著:宮尾 しげを
講談社学術文庫
1300年にわたる「すし」の日本史から、江戸時代の名店探索、米や魚の蘊蓄、地方特有のすし文化まで、多様な鮓・鮨・寿司を紹介。(講談社学術文庫) 1300年にわたる「すし」の日本史から、江戸時代の名店探索、米や魚の蘊蓄、地方特有のすし文化まで、多様な鮓・鮨・寿司を紹介。
電子あり
グノーシスの神話
グノーシスの神話
著・訳:大貫 隆
講談社学術文庫
1世紀の地中海世界に誕生し、「古代キリスト教最大の異端思想」ともいわれる「グノーシス主義」が生み出した神話の主要な断章を紹介する。1945年にエジプトで発見されて宗教界にセンセーションを起こしたグノーシス主義の基本文献「ナグ・ハマディ文書」のエッセンスとともに、その影響の強いマンダ教、マニ教の教典の主要部分を抜粋し編成。1999年および2011年に岩波書店より刊行された同名書籍の文庫化。 1世紀から3世紀ころの地中海世界に誕生し、「古代キリスト教最大の異端思想」ともいわれる「グノーシス主義」が生み出した神話の主要なものを編成・紹介する。 グノーシス主義は、古代末期から近代にいたるまで、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といった世界宗教や、神学、哲学、神秘主義思想、科学史といった領域において、「裏の文化」として連綿と影響を及ぼし続けた。また、近現代の世界文学、深層心理学、現代哲学や表象文化のなかにも、その影響は見て取ることができる。 にもかかわらず、日本では、グノーシス主義が生み出した本文そのものをまとまった形で紹介した書物は少ない。本書は、1945年にエジプトで発見されて宗教界にセンセーションを起こしたグノーシス主義の基本文献「ナグ・ハマディ文書」のエッセンスとともに、その影響の強いマンダ教、マニ教の教典の主要な断章を抜粋し、人間と世界の起源と運命を解き明かそうとする神話的思考の全貌に迫る。 1999年および2011年に岩波書店より刊行された同名書籍の文庫化。
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わたしの哲学入門
わたしの哲学入門
著:木田 元
講談社学術文庫
第二次大戦敗戦後の混乱の渦中で青春期を生きた著者は、ハイデガーをどうしても読むという渇望から、東北大学哲学科に入学。『存在と時間』を何度も読み返しながら、その内容の理解には古代ギリシャ以来の西洋形而上学の展開を知ることが不可欠だと思いいたりました。「存在とは何か」というテーマを軸に、プラトン・アリストテレスからスコラ神学、そしてデカルト・カントに始まる近代哲学まで、わかりやすく解説します。 第二次大戦敗戦後の混乱の渦中で青春期を生きた著者は、ハイデガーという哲学者の存在を知り、それを読まなければ済まされないという気持ちの昂揚から、東北大学の哲学科に入学。『存在と時間』を何度も読み返しながら、その内容を理解できるようになるには古代ギリシャ以来のの西洋形而上学の展開を知らなければならないと思うようになります。なぜなら、ハイデガーの仕事そのものが西洋哲学史の根本的な見直し、形而上学的思考が歴史的に特殊なものだったことを明らかにすることに狙いがあったからです。 本書は、「存在とは何か」という哲学史を貫くテーマを軸として、プラトン・アリストテレスからスコラ神学、そしてデカルト・カントに始まる近代哲学まで、著者本人がハイデガーに触発されつつたどっていった西洋思想の流れを、日本人にわかりやすい形で解説するものです。
電子あり
デカルト哲学
デカルト哲学
著:小泉 義之
講談社学術文庫
あらゆる世俗的な思想を根こそぎにして、「善く生きる」賢者の生を追求した、西洋近代哲学の父……それこそが、デカルトである。死者や病者によりそって思考し、哲学者の神とは何かを語り、まっすぐな倫理をめざす。そこにこそ、「我思う故に我在り」の哲学者の、いまなお読み直すに足る魅力がある。教科書的な知識としてではなく、現代を生きるわれわれ人間のための至高の哲学として、デカルト哲学を描き出した不朽の力作。 デカルトといえば、「我思う故に我在り」。西洋近代哲学の生みの親、というのが通り相場です。とにかくすべてのものを疑ってみる。いかにもありそうなものも、じつは私が邪悪な神によってそう思い込まされているだけかもしれない。この徹底的な懐疑(=方法的懐疑)によっても、どうしても疑いえないものがある。それは、今そう考えている私は存在するということだ。おおざっぱにいえば、これが「我思う、ゆえにわれあり」で、これがたしかに近代哲学の出発点になりました。 しかし、デカルト哲学の魅力は、そのような教科書的な知識にあるのではない。 著者は、主著『省察』を中心に丁寧に読み解きながら、デカルトの思考の意味を析出していきます。そこには、世俗道徳を脱し、最高善を求める、孤高の哲学者のすがたが浮き上がってきます。 戦争、宗教、病気といった、きわめて今日的な課題も、おのずからデカルト哲学の思索と重なり合っていく。そのあざやかな展開は、まさに、哲学をすることの最良の果実といえます。
電子あり
経済学再入門
経済学再入門
著:根井 雅弘
講談社学術文庫
本書は、経済思想史を俯瞰したうえで、経済学でよく使われるキーワード(「市場」「競争」「均衡」「独占」「失業」「制度」「希少性」など)を再検討します。すると、経済学タームはかなりの多義性をもっていることが判明します。経済学の現在から距離をとって、歴史的視野を持つことによって、さまざまな問題が存在したし、依然として存在することが見えてきます。経済学を学ぶ意義を改めて問い直します。(講談社学術文庫) 本書は、経済思想史を俯瞰したうえで、経済学でよく使われるキーワード(「市場」「競争」「均衡」「独占」「失業」「制度」「希少性」など)を再検討します。すると、経済学タームはかなりの多義性をもっていることが判明します。 経済学の現在から距離をとって、歴史的視野を持つことによって、さまざまな問題が存在したし、依然として存在することが見えてきます。 そういったなかで、最近過小評価されていると思われる「ケインズ革命」の意義や、市場至上主義を掲げるシカゴ学派の祖フランク・ナイトは、単純な市場主義者ではなかったりしたことに光をあて、経済思想の歴史を大きく振り返ります。 経済学の分野でも「多様性」は絶滅に瀕していますが、複雑な現実は、多様な思想なくしては理解できません。 経済学を学ぶ意義を改めて問い直します。
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