講談社現代新書作品一覧

誰も教えてくれない人を動かす文章術
講談社現代新書
企画書・稟議書・謝罪文・始末書から小論文・就活の自己アピール文・伝わるメールの書き方まで、具体的に紹介。簡単で確実、「書く技術」を身につける方法ネタは自分で考えない。ゴールは一つに絞る。発問力を忘れない。当たり前のことは言わない覚悟を持つ。要点は3つにまとめる……。誰でも簡単に書ける文章のコツを伝授!
「カンタン確実書く技術」決定版
企画書・稟議書・謝罪文・始末書から
小論文・就活の自己アピール文・
伝わるメールの書き方まで具体的に紹介。
【著者からのメッセージ】
単なる記録や報告ではない、人を動かす力を持つ言葉。
そうした力のある言葉は、書き言葉の修練を通じて獲得されます。もちろん深い人生経験があれば、
そこから滲み出てくる言葉には重みがあります。しかし、私たちは深い人生経験を持っているとは限りません。
人の心を動かし、現実を動かす書く力を身につけようと意志を持つことで、「言葉の力」に目覚めるのです。
この本では、様々な局面で求められている文章力を、できるだけ実例を示しつつ、明らかにしたいと思っています。
求められているのは「実用的」文章力ですが、その「実用的」というのは、本質的には「人を動かす」という意味なのです。
ポイントは、文が「上手いか、下手か」にあるのではなく、「人を動かすか、否か」にあるのです。

変わる家族と介護
講談社現代新書
著者の春日氏は、30年以上にわたってケアワーカーや保健師の方たちと一緒に仕事をしてきた研究者ですが、この10年近く、家族と介護をめぐる状況が大きく変わったと感じるようになりました。
たとえば、「高齢の親と同居する、経済力のない中年シングル息子/娘」の世帯が急増しています。介護と仕事の両立に悩む中年シングルの娘も増えています。高齢者夫婦の世帯で、夫が妻の介護や家事を担うストレスから、極端な場合は高齢者虐待に陥るケースも増えています。夫方の両親より妻方の両親を優先する夫婦も増えました。子が親を世話するという価値観が崩れ、二世帯同居でも実質ひとり暮らしという老母のケースもあります。
著者は、このような状況を、「家族のかたちが大きく変わったことによって、家族に<セーフティネット>の役目を担わせるかたちでつくられている日本の福祉制度のあり方が限界に達し、人々が重大な困難に陥ったとき、どこからも救い手がなく、孤立し、ときには命までも脅かされようとしている」ということではないか、と考えています。
本書はそのような「極端に聞こえるかもしれないが、けっして他人事ではない」ぬきさしならない家族と介護の問題の数々を、エッセイのかたちで語り、要所でデータなど解説を加えた本です。深刻なケースに対しても、著者の共感のこもった眼差しはあたたかく、個々の家族や、社会の制度について、どうしたらよいかを模索しながら語ります。誰にとっても大切で切実なテーマである家族について、考えるヒントになれば幸いです。

はじめてのポルトガル語
講談社現代新書
初歩の初歩から会話まで。ポルトガル語への第1歩! ポルトガル語はどんなことば/ポルトガルとブラジルの単語の違い/ロナウド? ホナウド? ロナルド?/旅先で便利なフレーズ/いいたいことをいうための基本/肯定文、疑問文、否定文/これは、誰の車?/風邪を引いて会社にいけない/未来を表すir/命令形の表現/7つの不規則変化/便利なつなぎ言葉/「小さな昼食」と「朝のコーヒー」……
実際にコミュニケーションをとるために必要な単語・文法を体系だてて解説。
実践的な日常会話、丁寧な発音指導に、国や地域による発音・文法の違いを歴史・文化などもまじえて面白く紹介。
ポルトガル語入門書の決定版!

笑う禅僧─ 「公案」と悟り
講談社現代新書
本書は、禅の伝統的な修行の場で用いられる問答に使われる問題である「公案」を中心に禅者のエピソードをいくつか取り上げ、臨済禅の世界を紹介するも のです。
公案にはいろいろな種類があります。修行者を悟りへと導くもの、逆に悟りへの執着を捨てさせるもの、あるいは師匠が修行者の悟境を測り、さらに向上させるべく教導するうえでの法財となるもの、などです。これらの問いに答えていくことによって悟りに接近していくのが臨済禅の特徴です。只管打坐の曹洞禅に比してロゴスが介在する余地が大きいかもしれません。
公案の多くは、禅僧の言行録のなかに見えるエピソード、あるいは経典の言句などから成り立っています。
わかりやすい例(?)として「蚯蚓段段孰是眞」という公案があります。「キュウインダンダンイズレカコレシン」と読みます。こんな漢字は見たこともない、どこがわかりやすいのかとご立腹かもしれませが、意味はいたって簡単。ミミズが二つに切られてしまった、さてどちらがほんとうのミミズだ? それだけの問いです。このような問いにどんな意味があるのか、また、そもそも悟りとはいかなる状態をいうのか……本書では実際に20の公案にぶつかり、ともに考えていきます。
【著者紹介】
安永祖堂(やすなが・そどう)
1956年、愛媛県生まれ。花園大学卒業。前天龍寺管長平田精耕老師に就いて参禅。現在、・臨済宗天龍寺派管長の下で修行。現在、天龍寺国際禅堂師家、花園大学教授。専攻は禅学。主な著書に『私が生きて・掴んで・実践したもの』(共著、宗教心理出版)、大阪府松 雲寺住職。著書に『禅 ぜん ZEN』(禅文化研究所)などがある。

認知症と長寿社会 笑顔のままで
講談社現代新書
本書は、信濃毎日新聞連載のルポルタージュ「笑顔のままで 認知症―長寿社会」(2010年1月3日~6月29日)を書籍化したものです。長野県内を中心に、認知症の本人や介護する家族、介護施設の受け入れ、医療と研究の現場、高齢者を包み込む地域の取り組みなどの現状を77回にわたって報道し、連載中から大反響を呼びました。
新聞協会賞(編集部門)はじめ、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞、ファイザー医学記事賞大賞、日本認知症ケア学会・読売認知症ケア賞特別賞を受賞、「実名報道に徹した取材手法と平易な文章で紹介した連載は、認知症に対する価値観を転換させ、読者に共感と勇気を与えた」(新聞協会賞選評)と高く評価されました。
<著者からのメッセージ(本書「プロローグ」より)>
私たちも、この病気をどこまで理解しているのだろうか。認知症であっても、喜びも悲しみも、安心も不安も、つながりも孤独も感じているという。
直前の記憶が分からなくなっていく不安は、迷子のような心細さかもしれない。いら立ちは、不自由を強いられ、自尊心が傷つき、怒りのやり場がないためかもしれない。周囲との摩擦を避けようと、感情を心の底に沈めているのかもしれない。それなのに、私たちは冷たい視線を向けてはいないだろうか。
国の推計だと、患者数は200万人を超え、30年後には385万人に達すると予測されている。それは日本人の3人に1人が高齢者で、その9人に1人が認知症という時代だ。
患者や家族をどう支えていくか。いま真剣に考えなければ、この長寿大国で、命の尊厳を失わずに最期まで生きることはかなわなくなる。

電子マネー革命─キャッシュレス社会の現実と希望
講談社現代新書
もし、現代日本で「私はすべての支払をコインやお札でしかやらない」という人がいたら、よほどの信念を持った人かかなりの変わり者と見られることを覚悟しなくてはならないでしょう。現金以外の支払手段としてクレジットカードやデビットカードがあるのですから。
ただ、より普及しているのはスイカやパスモ、お財布ケータイなど小口決済の電子的ツール=「電子マネー」ではないでしょうか。これらは社会にすっかり定着した観があります。その背景には「電子マネー」が各企業の提供するポイントに互換性をもたせるという事態がありました。
しかし、こうした決済手段を本格的に規制する法律は、今年(2010年)4月に「資金決済に関する法律(資金決済法)」が施行されるまで、事実上存在しなかったのです。電子マネーの信用源は「民間企業の保証」です。否、「民間企業の保証」にすぎない、といってもいい。
政府の保証、国家の信用にもとづく通貨以外のものが流通するという人類史上はじめての事態に、政治は追いつくのに必死です。本書では電子マネーの普及による小口決済手段の革命的変化の実態と、それがもたらす事態の問題性と可能性を提示します。
【著者紹介】
伊藤亜紀(いとう・あき)
1972年広島県尾道市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、1996年NHK入局。報道記者として事件事故、行政等の取材を担当。退職後、司法試験を志し、2002年弁護士登録。企業法務や破産、離婚まで幅広い法律業務に従事し、現在は片岡総合法律事務所にて、主に電子マネーなど決済ビジネスの法務を担当。複数の大手企業から新たなビジネスモデルの立ち上げに向けた相談を受けるなど、法的な課題の解決に取り組んでいる。
【目次】
第一章 「おカネ革命」進行中
第二章 「資金決済法」があなたのおカネを守る
第三章 電子マネーに似ているけれど──ポイントは「オマケ」か
第四章 「おカネ革命」が新たな市場をつくる
第五章 「おカネ革命」は世界へ

天智と持統
講談社現代新書
持統天皇はなぜ夫・天武天皇よりも亡父・天智天皇を称揚したのか? 『日本書紀』は大化の改新、壬申の乱をどう描いたのか? 蘇我親子を滅ぼした英雄。律令制の創設者。武と文の二つの天智天皇像はなぜ生まれたか? 激動する七世紀、古代律令制国家誕生までの道を検証し、従来の古代史像を塗り替える一冊。
天皇と古代日本の見方が変わる!
持統天皇はなぜ夫・天武天皇よりも亡父・天智天皇を称揚したのか?
『日本書紀』は大化の改新、壬申の乱をどう描いたのか?
激動する七世紀、古代律令制国家誕生までの道を検証し、
従来の古代史像を塗り替える一冊。
【著者紹介】
遠山美都男(とおやま みつお)
一九五七年、東京都生まれ。学習院大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士後期課程中退。現在、学習院大学、立教大学、日本大学非常勤講師。博士(史学)。専攻は日本古代史。主な著書に『大化改新』『壬申の乱』『天皇誕生』『天平の三姉妹』(いずれも中公新書)、『白村江』『天皇と日本の起源』『日本書紀の読み方』(編著、いずれも講談社現代新書)、『蘇我氏四代』(ミネルヴァ書房)などがある。
【目次】
序 章 二つの天智天皇像
第一章 『日本書紀』の天智天皇像
第二章 『鎌足伝』の天智天皇像
第三章 持統天皇の生涯
終 章 持統天皇の-古代史-

「科学技術大国」中国の真実
講談社現代新書
中国の「飛躍」は日本の大チャンス!
近年、科学技術推進を国家の最優先課題として突き進む中国。
その現場を大使館書記官が詳細にレポート!
米ロに続く有人宇宙飛行を成し遂げた宇宙開発技術、世界初のクローンマウス、世界第二位のスパコン……、
そうした事実の背後にある彼らの掛け値なしの真の実力が初めて明らかになった!
【目次】
第1章 あふれる中国人材
第2章 カネ余りの研究開発現場
第3章 宇宙開発大国・中国
第4章 猛追する中国のライフサイエンス
第5章 中国の「ハイテク」企業事情
第6章 発展への阻害要因
第7章 巨大市場を開拓せよ
第8章 中国と拓く新時代のイノベーション
終 章 科学技術の戦略的互恵関係
【著者紹介】
伊佐進一(いさ しんいち)
一九七四年、大阪府で生まれる。
一九九七年、東京大学工学部航空宇宙工学科卒業後、科学技術庁入庁。
科学技術政策や、原子力の危機管理等に携る。
二〇〇三年、ジョンズホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)において、中国研究及び国際経済の修士号を取得。
帰国後、宇宙開発政策や、知的財産分野(著作権)における自由貿易協定や条約交渉に携った。
二〇〇七年より在中国日本国大使館一等書記官(科学技術アタッシェ)。
二〇一〇年に帰国後、文部科学省大臣官房総務課課長補佐。
著書に、“Japanese Copyright Law”,Max Planck Institute,2005(共著)がある。

句会入門
講談社現代新書
俳句がうまくなりたい人必読の実践的俳句入門書
一人でひねっているだけではなかなか上達しないのが俳句。
本気で上達したければ、先生のいる句会に行くのが一番。
本書は著者が主宰する句会の実録をもとに、書き下ろしの「句会の心得」を加え、
句会とはどういうものか、どうすれば句がもっとよくなるかを具体的に解説。
これから句会に行きたい人、必読。
すでに参加している人は、自分の句会を見直すいい機会に。
ちょっとのぞいてみたい人にも楽しめる「読む句会」。
【著者紹介】
長谷川櫂
1955年、熊本県生まれ。俳人。俳句結社「古志」主宰。
朝日俳壇選者、「季語と歳時記の会」代表。
東京大学法学部卒業後、読売新聞記者を経て、俳句に専念。
『俳句の宇宙』でサントリー学芸賞(1995年)、
句集『虚空』で読売文学賞(2003年)を受賞。
【目次】
はじめに
俳句は実践の文芸/句会の進め方
第一章 春の句会
春の句会1 題詠(席題=朧、雲雀) ・考えすぎてはいけない ・火事場の馬鹿力
春の句会2 吟行(北鎌倉) ・目を凝らし、耳を澄ます ・句会の正三角形
第二章 夏の句会
夏の句会1 吟行(江ノ島) ・どんな句会がいい句会か ・句会は何人でするのがいいか
夏の句会2 題詠(席題=風鈴、夕顔) ・先生のいる句会、いない句会 ・どの先生を選べばいいか
第三章 秋の句会
秋の句会1 持ち寄り(当季雑詠) ・先生の選と互選のずれ ・句会は臨機応変に
秋の句会2 吟行(鎌倉) ・泊まりがけの句会 ・旧かなか新かなか
第四章 冬の句会
冬の句会1 持ち寄り(当季雑詠) ・句会は平等である ・先生の句とわかる句は選ばない
冬の句会2 題詠(席題=鷹、神の留守) ・先生も披講の前に選を出す ・肩書を捨てる
第五章 新年の句会
新年の句会1 持ち寄り(当季雑詠) ・どんな句を直すのか ・投句と選句の違い
新年の句会2 吟行(江ノ島) ・句会という生命体 ・句会の終わりが俳句のはじまり
おわりに

「戦後」を点検する
講談社現代新書
本書は 2008年8月に刊行され好評を博した『「昭和」を点検する』の姉妹編です。前著が昭和20年までの「戦前昭和」を扱ったのに対し、本書では昭和50年(1975年)までの「戦後昭和」を対象とします。
いったいどこまでが「戦後」なのか、むろん今も「戦後」であると言われれば、なるほどそのとおりではありますが、すでに65年、これだけの時の流れをどう評価し、区切るのか。それだけでも議論はつきないでしょう。
今回も「事件」「人物」ではなく、いくつかのキーワードによって歴史を截っていきます。「~帰り、~あがり、~崩れ」「「一から出直し」神武以来」「米帝と中共」などなど。対論するうちに私たちが求めたのもの、忘れようとしたことが浮き彫りになり、「戦後」の明るさと、その後ろに貼り付いたある種の無責任さがあぶり出されてきます。まさに「かがみ」としての歴史をやさしく説く一冊になります。
【著者紹介】
保阪正康(ほさか・まさやす)
1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒業。ノンフィクション作家。昭和史の実証的研究を志し、延べ四千人もの関係者たちに取材してその肉声を記録してきた。個人誌『昭和史講座』を中心とする一連の研究で、第五十二回菊池寛賞を受賞。『「特攻」と日本人』(講談社現代新書)、『昭和史 七つの謎』(講談社文庫)、『東條英機と天皇の時代(上下)』(文春文庫)など著書多数。半藤一利氏との対談・鼎談に『「昭和」を点検する』(講談社現代新書)、『昭和の名将と愚将』(文春新書)など多数ある。
半藤一利(はんどう・かずとし)
1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。『週刊文春』『文藝春秋』各編集長、専務取締役を歴任。作家。「歴史探偵」を自称。『漱石先生ぞな、もし』(文藝春秋)で第十二回新田次郎文学賞、『ノモンハンの夏』(文藝春秋)で第七回山本七平賞、『昭和史』(平凡社)で第六十回毎日出版文化賞特別賞を受賞。ほかにも多数の著書がある。
【目次】
第一章 いったい、いつまでが「戦後」なのか
第二章 ~帰り、~あがり、~崩れ
第三章 一から出直し
第四章 神武以来
第五章 「安保反対」と「米帝」
第六章 「日中友好」

子ども虐待
講談社現代新書
著者の西澤哲氏は、虐待を受けた子どもの心の専門家。日本でこの問題が取り上げられるようになる前、1980年代から活動を続けてきた。その現場経験と実感を通して「虐待やネグレクトは子どもの心やその後の人生にどのような影響を与えるか?」「なぜ親が子に酷いことをするのか?」「性的虐待の実態とは?」「傷ついた心をどのように回復していくのか?」といった、多くの人が疑問に感じている事柄について語る。
著者の西澤哲氏は、虐待を受けた子どもの心の専門家です。
日本でこの問題が取り上げられるようになる前、1980年代から活動を続けてきました。
その現場経験と実感を通して「虐待やネグレクトは子どもの心やその後の人生にどのような影響を与えるか?」
「なぜ親が子に酷いことをするのか?」「ドメスティックバイオレンスと虐待の関係は?」「性的虐待の実態とは?」
「傷ついた心をどのように回復していくのか?」といった、多くの人が疑問に感じている事柄について語っていきます。
虐待問題への入門書となり、関係者には手引きの書にもなる、著者の30年の経験と知見がこめられた1冊です。
【著者紹介】
1957年、神戸市生まれ。サンフランシスコ州立大学大学院教育学部カウンセリング学科修了。
現在、山梨県立大学人間福祉学部教授。
虐待などでトラウマを受けた子どもの心理臨床活動を行っている。
著書に『子どものトラウマ』(講談社現代新書)、『子どもの虐待』(誠信書房)、『トラウマの臨床心理学』(金剛出版)、
訳書にレノア・テア『恐怖に凍てつく叫び』(金剛出版)などがある。
【目次】
プロローグ
第1章 子ども虐待とは何か
第2章 虐待してしまう親の心理
第3章 DVと虐待
第4章 性的虐待は子どもの心をどのように蝕むのか
第5章 トラウマについて考える
第6章 アタッチメントと虐待
第7章 本来の自分を取り戻すために
エピローグ

リスクに背を向ける日本人
講談社現代新書
労働市場・教育・男女の不平等など動きの止まってしまった日本社会の問題点がわかる、わかる! 自分の伝えたいことをなかなか口にしない、筋からはみ出す人にセカンドチャンスがない、など日本独自の堅いシステムがリスクを高めています。実は日本のほうがアメリカよりリスクを高リスク社会だということを、日米を代表する研究者二人が徹底対論します。日本人の「心と知性」を読み解くユニークな試み。
「なるほど」の連続です。
労働市場・教育・男女の不平等など動きの止まってしまった日本社会の問題点がわかる、わかる!
自分の伝えたいことをなかなか口にしない、筋からはみ出す人にセカンドチャンスがない、など日本独自の堅いシステムがリスクを高めています。
実は日本のほうがアメリカよりリスクを高リスク社会だということを、日米を代表する研究者二人が徹底対論します。
日本人の「心と知性」を読み解くユニークな試み。
【著者紹介】
山岸俊男
一九四八年、愛知県名古屋市に生まれる。社会心理学者。一橋大学社会学部、同大学大学院を経て、一九八〇年ワシントン大学社会学博士。北海道大学大学院文学研究科教授、同大学社会科学実験研究センター長。社会的ジレンマ、信頼、社会的知性など心と社会の関係について、認知科学、心理学、社会学、経済学などの多くの側面から、実験、調査、コンピュータを通じて総合的に研究。二〇〇四年、紫綬褒章受賞。著書に『信頼の構造』(東京大学出版会)、『安心社会から信頼社会へ』(中公新書)、『日本の「安心」はなぜ、消えたのか』(集英社インターナショナル)などがある。
メアリー・C・ブリントン
ハーバード大学社会学部長兼ライシャワー日本研究所教授。シカゴ大学、コーネル大学を経て、二〇〇三年より現職。主な研究テーマは、ジェンダーの不平等、労働市場、教育、日本社会など。一九九〇年代に日本に長期間滞在し、日本の経済状況の変化が若者の雇用環境にもたらした影響を研究。『失われた「場」を探して』(NTT出版)が話題となる。
【目次】
第一章 日本を覆う「リスク回避傾向」
第二章 はしごを外された若者たち
第三章 どこで自分を探すのか?
第四章 決められない日本人
第五章 空気とまわりの目
第六章 なぜ日本人は子どもを産まないのか?
第七章 グローバル化の意味
第八章 女性の能力を生かすには
第九章 ジャパン・アズ・ナンバースリー

村上春樹を読みつくす
講談社現代新書
リトル・ピープル、羊男、ドーナツ、井戸、螢、海辺……。全作品を通じて、村上春樹が読者に伝えようとしているものとは。世界各国で読まれながら、それでもなお濃厚に漂う「日本」とは。25年にわたって村上氏と対話をつづけてきた文芸記者が、謎に満ちた物語世界を案内する入門書。初級者もマニアも、読めば「目からウロコ」間違いなし!
リトル・ピープル、羊男、ドーナツ、井戸、螢、海辺……。
全作品を通じて、読者に伝えようとしているものとは。
世界各国で読まれながら、それでもなお濃厚に漂う「日本」とは。
25年にわたって村上氏と対話をつづけてきた文芸記者が、
謎に満ちた物語世界を案内する入門書。
【目次】
一章 近い「生」と「死」の世界
二章 今そこにある言葉への不信
三章 動物の力
四章 偏愛する図書館
五章 ブーメラン的世界
六章 「あちら側」と「こちら側」
七章 永遠のヒーロー・羊男
──など、全二十章
【著者紹介】
1949年群馬県生まれ。
一橋大学卒。73年共同通信社入社。
川崎、横浜支局、社会部を経て、84年から文化部で文芸欄、生活欄などを担当。
現在、同社編集委員兼論説委員。
著書に『文学者追跡』(文藝春秋)、『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(共同通信社、文庫版は新潮文庫)、『白川静さんと遊ぶ 漢字百熟語』(PHP新書)など。

イギリス近代史講義
講談社現代新書
一国史観・進歩史観では世界史はわからない。都市と田舎の違いとは。近世イギリスはなぜ晩婚社会だったのか。昼寝より残業を選ぶ心性はいつ生まれたか。世界で最初の産業革命はなぜイギリスだったのか――。ヨーロッパ世界システム下、イギリスの民衆はどのような日常生活を送ったのか。イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える。生活史、世界システム論を開拓してきた泰斗による近代史講義!
都市と田舎の違いとは。
近世イギリスはなぜ晩婚社会だったのか。
昼寝より残業を選ぶ心性はいつ生まれたか。
世界で最初の産業革命はなぜイギリスだったのか――。
ヨーロッパ世界システム下、イギリスの民衆はどのような日常生活を送ったのか。
イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える一冊。
【目次】
プロローグ 歴史学は終わったのか
第一章 都市の生活文化はいかにして成立したか――歴史の見方
第二章 「成長パラノイア」の起源
第三章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス
第四章 世界で最初の工業化――なぜイギリスが最初だったのか
第五章 イギリス衰退論争――陽はまた昇ったのか
エピローグ 近代世界の歴史像
【著者紹介】
川北稔(かわきた みのる)
一九四〇年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授を経て、現在、京都産業大学文化学部客員教授、国際高等研究所副所長、大阪大学名誉教授。
主な著書に、『工業化の歴史的前提――帝国とジェントルマン』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史――騎士の国から紳士の国へ』(平凡社ライブラリー)、『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波現代文庫)、『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)、『アメリカは誰のものか――ウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版)、『知の教科書 ウォーラーステイン』(編著、講談社選書メチエ)がある。

「最強のサービス」の教科書
講談社現代新書
価格競争で生き残っていく時代はすでに終わった。
日本のサービスはここから変わる!
徹底した顧客目線、異業種の視点、科学的なアプローチを駆使し、作業のムダを省きながら
顧客満足をドンドン上げる、目からウロコの仕組みと工夫の数々。
サービスにかかわるすべての人必読の一冊。
【目次】
第1章 極上のサービスの舞台裏
(1)「高品質のおもてなしサービス」の加賀屋
(2)顧客満足を作る仕組み
第2章 「顧客目線」でサービス提供
(1)「こだわりと割り切り」のスーパーホテル
(2)「鉄道業からサービス業へ転換」のえちぜん鉄道
(3)「全員参加型店舗経営で地域密着」のヤオコー
(4)「宿泊客が求めることだけに専念」の一の湯
第3章 サービスを支える「仕組み」
(1)「三方よし新規需要を創出」の喜久屋
(2)「気軽に立ち寄れる店舗」の大垣共立銀行
(3)「小売業から流通業へ」のバロー
第4章 最強の秘訣
【著者紹介】
内藤 耕(ないとう こう)
工学博士。独立行政法人産業技術総合研究所・サービス工学研究センター。サービス産業生産性協議会・業務革新フォーラム推進委員会委員、日本小売業協会・流通業サービス生産性研究会コーディネーター、日本スーパーマーケット協会・店舗オペレーション業務改善研究会等コーディネーター等を務める。主な著書は、『入門! システム思考』(共著、講談社現代新書)、『サービス工学入門』(編著、東京大学出版会)、『サービス産業進化論』(共著、生産性出版)、『サービス産業生産性向上入門─実例でよくわかる! 』(日刊工業新聞社)、『消費者行動の科学』(共編著、東京電機大学出版局)など。

攘夷の幕末史
講談社現代新書
坂本龍馬も、勝海舟も、「攘夷」派だった! 生麦事件や下関砲撃事件など、幕末期に吹き荒れた攘夷の実相とは? ロシアの脅威、そしてペリー来航に直面した当時の日本人の対外認識とは? 尊皇攘夷と公武合体の対立という幕末史の構図を捉え直す1冊。
坂本龍馬も、勝海舟も、みんな「攘夷派」だった!
ロシアの脅威、そしてペリー来航に直面した当時の日本人の対外認識とは?
尊王攘夷と公武合体の対立という幕末史の定説をくつがえす一冊。
【目次】
序 章 幕末のイメージと攘夷
第一章 東アジア的視点から見た江戸時代
第二章 幕末外交と大国ロシア
第三章 坂本龍馬の対外認識
第四章 攘夷実行と西国問題
第五章 攘夷の実相・朝陽丸事件
終 章 攘夷の転換と東アジアの侵略
【著者紹介】
町田明広(まちだ あきひろ)
一九六二年長野県生まれ。上智大学文学部・慶應義塾大学文学部卒業、佛教大学文学研究科修士課程・同博士後期課程修了、博士(文学)。日本近現代史(明治維新史・対外認識論)研究者、佛教大学非常勤講師。著書に『島津久光=幕末政治の焦点』(講談社選書メチエ)、『幕末文久期の国家政略と薩摩藩――島津久光の皇政回復』(岩田書院)がある。

財政危機と社会保障
講談社現代新書
日本の財政危機はどのくらい深刻か、医療・介護は成長産業なのか、少子高齢化・人口減少の影響とは、待機児童問題はなぜ解決しないのか。借金日本で安心して暮らすための社会保障入門。●日本の財政危機はどのくらい深刻なのか? ●医療・介護は本当に成長産業なのか? ●待機児童問題はなぜ解決しないのか? ●世界最速ですすむ少子高齢化、人口減少の影響は? (講談社現代新書)
日本の財政危機はどのくらい深刻なのか、医療・
介護は成長産業なのか、少子高齢化・人口減少の
影響は、待機児童問題はなぜ解決しないのか、等
借金日本で安心して暮らすための社会保障入門!
【目次】
第一章 「日本の借金」はどのくらい危機的なのか?
第二章 「強い社会保障」は実現可能か?
第三章 世界最速で進む少子高齢化、人口減少のインパクト
第四章 年金改革は、第二の普天間基地問題になるか
第五章 医療保険財政の危機と医師不足問題
第六章 介護保険財政の危機と待機老人問題
第七章 待機児童問題が解決しない本当の理由
第八章 「強い社会保障」ではなく「身の丈に合った社会保障」へ
【著者紹介】
1970年生まれ。上智大学経済学部卒業後、日本銀行入行。1998年に退職後、1999年大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、2000年同後期課程単位取得退学(2001年、経済学博士号取得)。大阪大学社会経済研究所助手、(社)日本経済研究センター副主任研究員、東京学芸大学准教授などを経て、現在、学習院大学経済学部教授。専門は社会保障論、医療経済学、福祉経済学。主な著書に『だまされないための年金・医療・介護入門』(東洋経済新報社、2009年、第9回・日経BP・Biz Tech図書賞)、『生活保護の経済分析』(東京大学出版会、2008年、第51回・日経・経済図書文化賞)などがある。

日本料理の贅沢
講談社現代新書
素材の吟味、出汁の種類、火入れのコツ、そして旨味の方程式……
世界の食通を魅了する一流の技を公開!
2007年以降、東京版ミシュランガイドで13年間連続三つ星を獲得している「日本料理 かんだ」。そのの主人、神田裕行氏による日本料理の極意の数々。国内での修業やパリでの和食作りも経験し、改めて「日本料理」を定義し直したいという神田氏が、気候風土と切っても切れない日本料理の本質や、素材との対話について、今後の食の方向性までも視野に入れて語り尽くす。
前菜から始まってお造り、お椀と進む店のお品書きに準じて、素材選びから出汁の取り方、仕上げまでの目配り、そして「かんだ」の名物料理や読者のための調理のアドバイスまで紹介。
「素材が勝負の日本料理なんて、魚を切っただけ、が何ぼのもんじゃ、と言われるかも知れない。しかし、その切るだけ、の後ろ側には物語がいっぱいある。足して加えて美味しくなる西洋料理が油絵なら、日本料理は水墨画」と神田氏は語る。不要なものをそぎ落として、シンプルな素材のうまみに耳を澄ます。そして、一瞬の芸とも言える調理法でその素材と対峙する。世界中でも日本料理にしかない、そんな贅沢な「かんだ」流の和食の哲学を、読んで知って味わい尽くす。
●著者紹介
神田裕行(かんだ ひろゆき)
1963年徳島生まれ。大阪で日本料理の修業後、1986年パリに渡り、日本料理店の料理長に。91年帰国後、徳島の「青柳」へ。その後、東京・赤坂「basara」料理長に。2004年東京・元麻布にカウンター割烹の「日本料理 かんだ」をオープン。『ミシュランガイド東京』が刊行された2007年以降、13年連続で三つ星を獲得している。また、自身が発起人となり、2008年に料理人仲間と結成したNPO法人「FUUDO」では、食の未来を考える活動を続けている。
●主な内容
はじめに
第一章 前菜
季節の食感を味わう/茶碗蒸しの思い出他
第二章 お造り
魚のおいしいサイズで決めた「かんだ」の席数/春 の鯛、秋の鯛、冬の鯛/塩か醤油か他
第三章 お椀
お椀は両手で持って出汁を味わう/まず出汁の味 をみてから塩を入れる/季節のしんじょ12ヵ月他
第四章 お寿司
お寿司は一区切りの合図/四季を彩るお寿司/ 「おいしい」の秘訣は香 りと酸他
第五章 焼き魚
生きたまま焼く鮎の塩焼き/フライパンで作る焼き 鰹/日本独自の炭火焼き他
第六章 煮物
煮物の基本/丸い鍋/日本の野菜だからこそおい しい煮物他
第七章 肉料理
松茸と牛のすき焼き/暑い地域の豚はおいしい/ 肉の熟成他
(以下続く)

未来を変えるちょっとしたヒント
講談社現代新書
未来の大切な定義、それは「まだ何も決まっていない」ということ。
すべては、未来への明確なイメージ(ビジョン)を持つことから始まる。
人々がもつイメージと経済状況の関係、不可能と言われた記録を破った陸上選手、大学進学をイメージすることから劇的に変わった子どもたちなど
ビジョンが起こしたさまざまな「奇跡」の実例をあげながら、実際に未来を創り出していくヒントを示す。
【目次】
第1章 未来とは何か
未来を考える意味/Event(出来事)とTrend(趨勢)/Possible、Probable、そしてPreferableな未来 etc
第2章 未来に対する思考停止
「悪い未来は考えない症候群」/生と死と未来 etc
第3章 未来を探る
未来探索の前提/未来は創られる/未来への種 etc
第4章 自己イメージの罠
未来三角形/自己のイメージ
第5章 社会の神話的信念
Causal Layered Analysis (CLA) 手法/神話的信念の重み
第6章 イメージする未来
未来予測/未来雲
第7章 ビジョンが起こす奇跡
ImpossibleをPossibleに/アスリート、子どもたち、被強制収容者のビジョン
etc
第8章 未来への行動
未来世代/未来を考え行動する人に起こる変化 etc
【著者紹介】
小野良太(おの りょうた)
1958年、東京都立川市に生まれる。
米国コロラド大学で修士 (Interdisciplinary Telecommunications)、ハワイ大学で博士 (Communications and Information Sciences) を取得。
国際協力機構 (JICA)、ハワイ大学、シンガポール南洋理工大学 (NTU)を経て、現在、愛知大学経営学部准教授。
未来学者として未来学ゼミを開講し、中高生にも未来を考える講義を提供。
社会人に対してはFutures planning workshopを実施。

江戸の気分
講談社現代新書
病いとは戦わない、顔が信用のもと、神様はすぐそこにいる、米さえ食べられれば……大切なことはみんな落語が教えてくれた! 生き生きと語り継がれる江戸庶民の暮らしと知恵に学ぶ。(講談社現代新書)
病いとは戦わない、顔が信用のもと、神様はすぐそこにいる、米さえ食べられれば……
大切なことはみんな落語が教えてくれた!
生き生きと語り継がれる江戸庶民の暮らしと知恵に学ぶ。
【著者紹介】
堀井憲一郎(ほりい けんいちろう)
1958年生まれ。京都市出身。コラムニスト。
週刊文春にて「ホリイのずんずん調査」を連載中。
著書に『落語論』『落語の国からのぞいてみれば』『若者殺しの時代』(以上、講談社現代新書)、『青い空、白い雲、しゅーっという落語』(双葉社)、
『東京ディズニーリゾート便利帖』(新潮社)、『深夜食堂の勝手口』(小学館)などがある。
【目次】
第一章 病いと戦う馬鹿はいない
第二章 神様はすぐそこにいる
第三章 キツネタヌキにだまされる
第四章 武士は戒厳令下の軍人だ
第五章 火事も娯楽の江戸の街
第六章 火消しは破壊する
第七章 江戸の花見は馬鹿の祭典だ
第八章 蚊帳に守られる夏
第九章 棺桶は急ぎ家へ運び込まれる
第十章 死と隣り合わせの貧乏
第十一章 無尽というお楽しみ会
第十二章 金がなくても生きていける
第十三章 米だけ食べて生きる
附 章 京と大坂と江戸と