講談社文庫作品一覧

慟哭の家
講談社文庫
妻と障害を抱えた息子を殺し、自殺を図るも生き残った一人の男。複雑な家庭環境ゆえの無理心中として同情が集まる中、男は強硬に自らの死刑を望む。弁護を引き受けることになった長嶋駿斗は、接見を重ねるごとに、この事件への疑問を抱き始める。「愛しているから、殺しました」。この言葉に真実はあるのか。社会の「無関心」が生んだ、家族の「悲劇」。江上剛が迫る、家族の「絆」とは。
この殺人は愛情か、それとも独善か。
社会の「無関心」が家族の「悲劇」を生む。
妻と障害を抱えた息子を殺し、自殺を図るも生き残った一人の男。複雑な家庭環境ゆえの無理心中として同情が集まる中、男は強硬に自らの死刑を望む。弁護を引き受けることになった長嶋駿斗は、接見を重ねるごとに、この事件への疑問を抱き始める。「愛しているから、殺しました」。この言葉に真実はあるのか。
<居場所>さえあれば、人間は生きていける--。
江上剛が迫った、「家族の絆」。

とろり蜜姫・掛け乞い 睦月影郎傑作選
講談社文庫
これぞ極上睦月作品詰め合わせ。小説現代に掲載され、話題を呼んだ短編「みだら根付け」「掛け乞い」「あによめ」「祭の夜」の4編と中編「とろり蜜姫」を収録。睦月三昧夢の文庫オリジナル。
思いもかけず江戸の美女たちに囲まれて、俺はどうなってしまうのだろう。
不思議のなかに淫ら満天。中編「とろり蜜姫」と短編4本。極上時代官能傑作集。
単身赴任の徳永丈二は四十五歳、休日に趣味の剣道場に稽古着姿で出かけ、妖しい黒い突風に巻きこまれた。気がつくとそこは文化年間の江戸、持っていた葵の紋の手拭いから水戸徳川家ゆかりの者と誤解され、奇妙で艶めいた体験の日々が始まった。(中編「とろり蜜姫」)他に時代官能短編四編収録の睦月影郎満漢全席。
収録作品
短編 みだら根付け/掛け乞い/あによめ/祭の夜 中編 とろり蜜姫

面影はこの胸に
講談社文庫
大正11年に来日したアインシュタイン博士が肌身離さず大切にしていたバイオリンが盗まれた! 騒ぎにならないように取り戻してほしいという博士の依頼に、招聘元の改造社が白羽の矢を立てたのは早稲田大学の等々力教授。博士とも意気投合した天才言語学者の推理が冴える。『ジャズと落語とワン公と』を改題。
アインシュタイン、幣原喜重郎、柳家金語楼。彼らの危難に天才言語学者が挑む!
世界大戦による好景気、デモクラシーの勃興、関東大震災、モダンな都市文化の隆盛……大変貌を遂げる帝都を学者探偵が縦横無尽に駆けめぐる。
『翳りゆく夏』の著者が描く傑作歴史ミステリー
面白いことに、「銭形平次」や「人形佐七」など江戸時代を舞台にした捕物帖は一つのジャンルとして定着しています。ところが、江戸時代以前を舞台としたミステリーは、かなり少ない。
おそらく、ミステリーは江戸後期のように、文化が成熟し、社会が安定している時代背景と、なじみがいいのでしょう。
そう言った意味でも、大正はデモクラシーとモダン文化が開花した、ミステリーにふさわしい時代だったと思うのです。――「文庫版あとがき」より
大正11年に来日したアインシュタイン博士が肌身離さず大切にしていたバイオリンが盗まれた! 騒ぎにならないように取り戻してほしいという博士の依頼に、招聘元の改造社が白羽の矢を立てたのは早稲田大学の等々力教授。博士とも意気投合した天才言語学者の推理が冴える。『ジャズと落語とワン公と』を改題。(講談社文庫)

衣更月家の一族
講談社文庫
別居中の妻の潜伏先を察知した男が、応対に出た姉のほうを撲殺――110番通報の時点では単純な事件と思われた。だが犯人が直接目撃されていないうえ、被害者の夫には別の家庭があった。強欲と憤怒に目がくらんだ人間たちが堕ちていく凄まじい罪の地獄。因業に満ちた世界を描ききった傑作ミステリー!

隠密 味見方同心(二) 干し卵不思議味
講談社文庫
月浦魚之進が、殺された兄・波之進。の跡を継いで、同心になった。だが、兄と比べて、すべてが劣っている。皆からも「大丈夫か?」と、心配されながら、魚之進は仕事に励む。兄が残した謎の言葉。「美味の傍には悪がいる」そして、最高にうまい食べものとはなにか?それと、兄の殺しは関係あるのか。軽妙洒脱な「風野」風味いっぱいの「味見方同心」シリーズ!
月浦魚之進が兄・波之進の跡を継いで、味見方同心になった。
だが、兄と比べて、すべてが劣っている。
皆からも「大丈夫か?」と、心配されながら、魚之進は仕事に励む。
兄が残した謎の言葉ふたつ。
「美味の傍には悪がいる」
「この世のものとは思えないほど最高にうまい食べものを食べた・・・」
それらと、死んだ兄との関係はあるのか。
珍味好きには嘘つき多し!
軽妙洒脱、「風野」風味いっぱいの味見方同心シリーズ!
あらすじ)
「美味の傍には悪がいる」という言葉を言い遺し、味見方同心・月浦波之進は、刺客に襲われ死んでしまった。弟の魚之進に、兄の供養の為にも味見方同心を継げ、との命が下る。切れ者の兄と違い気弱な性格の魚之進に、隠密捜査が出来るのか? 新江戸料理が次々登場する、江戸グルメ捕物帖・第2弾!

光る牙
講談社文庫
厳冬の北海道、消息を絶ったカメラマン捜索のため、若き森林保護官はスキーを履き、険しい山中へ向かう。カメラマンは無残な遺体で発見され、手負いの羆は銃殺され事件は一件落着したかに見えた。しかし、噛み跡はその羆のものより遙かに巨大だった。最強の野生動物「羆」との壮絶な死闘を描く、元自衛隊の、期待の大型新人による傑作山岳小説。
はかりしれない自然への畏怖の念。血が騒ぎます。胸をうちます。冒険小説ファンは必読。驚くぞ。読むべし!―池上冬樹(文芸評論家)
生きとし生けるものすべてへの畏敬の念が静かに満ちている。―角田光代(作家)
むせかえるような自然と獣の匂い、五感の全てを刺激する傑作。―さわや書店フェザン店 松本大介

探偵の探偵3
講談社文庫
決定! 地上波連続ドラマ化! 決定! コミック連載開始!正視できるか、これほどの悪を。乗り越えられるか、これほどの憎悪を! 「探偵の探偵」第3巻早くも刊行! 悪徳探偵を「駆除」するためにまったく手段を選ばない玲奈は、警察から24時間マークされることになる。玲奈は監視をかわしながら、自分と家族の人生を破壊した「死神」を追い続ける。あまりに過酷な闘いに、玲奈の心は持ちこたえられるのか?
決定! 地上波連続ドラマ化!
決定! コミック連載開始!
読書メーター週間おすすめランキング1位!(vol.118)。
3/19付Bookwalker文芸週間ランキング1位!
『探偵の探偵IV』が『ダ・ヴィンチ』誌のブック・オブ・ザ・イヤー2015・小説ランキングで10位を記録しました!
正視できるか、これほどの悪を。乗り越えられるか、これほどの憎悪を! 「探偵の探偵」シリーズ最新刊、早くも登場。
悪徳探偵を「駆除」するためにまったく手段を選ばない玲奈は、警察から24時間マークされることになる。玲奈は監視をかわしながら、自分と家族の人生を破壊した「死神」を追い続ける。ついに姿を現した「死神」の驚くべき正体とは。あまりに過酷な闘いに、玲奈の心は持ちこたえられるのか?
イラスト・清原紘
その女、凶暴につき―孤高の探偵・紗崎玲奈。彼女の世界では、彼女が掟=ルールだ!―吉田伸子(書評家)
ついに現れた仇敵はこんな人間だったのか!? 探偵同士、究極の対決に興奮必至。―円堂都司昭(文芸評論家)
正義のヒーローの化けの皮が、容赦なく剥がされる。―香山二三郎(コラムニスト・文芸評論家)
このシリーズの秀逸さは、圧倒的な情報量で描かれたリアルな探偵業界という舞台設定と、フィクションならではのエッジの利いたキャラクターを組み合わせた点にある。―千街晶之(ミステリ評論家)
松岡圭祐作品の読みどころのひとつは、作中に配された豊富なトリビアにある。―宇田川拓也(ミステリ評論家)

天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺
講談社文庫
未曾有の大嵐に見舞われ深刻な被害を受けた“江南”。折しもクワン王子に請われて隣国を訪れていたソニンは、国民の困窮する姿を見て心を痛める。“巨山”はすかさず食料の援助を申し出るも、侵略の布石ともとれる話に警戒するクワン。そんな中、“江南”に向かう“沙維”のイウォル王子が乗る馬に魔の手が迫る。

素浪人半四郎百鬼夜行(零) 狐嫁の列
講談社文庫
半四郎が国許の少年藩士だった頃、上役の娘・志津を怪物・オオヒトから救い、その勇敢さは村人の語り草となっていた。志津は家老筋の名家に嫁ぐが、姑のいじめにあい、自ら死を遂げる。なぜ志津は自決にまで追い込まれたのか。志津の不幸を解せぬ半四郎に、藩を捨てる原因となる事件が起こる。 「2015年版この時代小説がすごい!」(宝島社)文庫書き下ろし部門第5位、目利き絶賛の好評シリーズ、第4巻。

猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数
講談社文庫
大学の探偵助手学部に通う君橋と月々は、志望のゼミに落ち、悪ふざけで出した第3希望の猫柳ゼミ行きが決定してしまう。指導教官は、功績不明かつ頼りなさげな女探偵・猫柳十一弦(25歳)。ショックを受ける二人だったが、名門ゼミとの合同合宿が決まり、勇んで向かった孤島で、本物の殺人事件に遭遇する!

白い遠景
講談社文庫
終戦を境にして戦時中から著しく変化した人間の不可解さを見きわめることを出発点とした吉村文学。現地に足を運び、戦争の生存者の声に耳を傾けた記録。また、大切な古本を庭に埋めて空襲から守った思い出や、文学とはなにかを学んだ「暗夜行路」の舞台を巡る旅など、作家の原点を浮彫りにした初期随筆集。
終戦前の数ヵ月間は、太陽も、空も、道も、焼跡もすべて白っぽかった――。
吉村文学の原点である戦争、そして文学をめぐる真率なる言葉の瑞々しさ
作家・吉村昭の精髄
あとがきを書きながら、早くこの随筆集を手にしたい気持ちがしている。随筆集は、書く者の自画像に似たものだが、自ら描いた自分の顔をあらためてながめまわしてみたいからだ。――「あとがき」より
終戦を境にして戦時中から著しく変化した人間の不可解さを見きわめることを出発点とした吉村文学。現地に足を運び、戦争の生存者の声に耳を傾けた記録。また、大切な古本を庭に埋めて空襲から守った思い出や、文学とはなにかを学んだ「暗夜行路」の舞台を巡る旅など、作家の原点を浮彫りにした初期随筆集。

魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿
講談社文庫
日本中を恐怖に陥れた殺人鬼を追って、警視庁の史上最強女王・薬師寺涼子警視は部下の泉田らとシベリア出張。常識超えの作戦で挑む!

蔵盗み 古道具屋 皆塵堂
講談社文庫
小間物屋の大店の手代だった益治郎は、若旦那を差し置いて跡継ぎにと期待されるほどだった。だが盗みの濡れ衣を着せられ追放され、その恨みにつけこんだ盗人甚左に仲間になることを約束する。甚左は皆塵堂の”開かずの蔵”に目をつけ、益治郎は皆塵堂に入り込む。ところが幽霊やら憑きものばかりの皆塵堂で、呑気な伊平次たちのペースに益治郎は巻き込まれていく。そんな益次郎を心配する娘がいるのだが!? 快調人情怪談騒動記。

トマト・ケチャップ・ス
講談社文庫
のんびり屋のゆなは、美少女の依理、クールな葉に誘われ、漫才トリオに引き入れられる。親の病気、心の通わない母、家庭内暴力――。染み出してくる血のような痛みを抱え、でも、軽やかな笑いと一緒に過ごす三人の高校生活は、葉の失踪で色合いを変える。あたたかな言葉が照らし出す、泣き笑いの青春物語。

血脈 交代寄合伊那衆異聞
講談社文庫
サムライの心意気で新たな時代に漕ぎ出せ! 佐伯泰英の幕末冒険小説、第二十二巻。交易に一族の命運を託した座光寺藤之助。井伊直弼暗殺後の幕政の混乱が順調に進んできた東方交易の行く手に影を落とす。さらに、頼みの交易品を積んだレイナ一世号とストリーム号が野分に襲われる。波濤の先に、光明は見えるか?

真夏の航海
講談社文庫
かくも危うく、みずみずしい。安西水丸が熱烈に惚れ込み、自ら翻訳した若きカポーティ、まぼろしの傑作。まだ女ではなく、もう少女でもない。上流階級の娘グレディが、心をかき乱された初めての恋。華々しい’40年代のN.Y.社交界と、その陰りの中に生きる人々のコントラストをくっきり描く長編を初文庫化!

花篝 御探し物請負屋
講談社文庫
手習い師匠の息子藤井文平は齢十六。小柄で元服前の前髪立ちのためよく子供扱いされるが、二年ほど前から「御探し物請負い屋」の看板をかかげている。知り合った二枚目の哲哉とごつい岩五郎が、暇つぶしの助っ人を買って出てくれている。二人とも旗本家の部屋住みだが剣の腕はあり、秀才でもある。蒔絵の文箱、消えた盆栽……請負い屋の本領は、失せ物が見つかってからにある。江戸に生きる人々の機微を切なく描く連作時代小説。

ファンム・アレース 2
講談社文庫
聖魔の魂の秘密と王家の謎を解くララの旅! ララとバビロンは長い旅路のなかで、自分の場所で誠実に生きる人々に出会い何を思うのか

悪魔の種子
講談社文庫
<内容紹介>「親友が心を寄せる男に掛けられた、殺人の嫌疑を晴らしてほしい」。お手伝いの須美子に頼まれ、霞ヶ浦を訪れた浅見光彦は、秋田・西馬音内盆踊りで起きた不審死事件との関連に目を留める。二つの事件の被害者は、共に"奇跡の米"開発に携わる農業技術者だった。亡者の装束で死んだ男が握る巨大利益を巡る秘密とは?

不妊治療と出生前診断 温かな手で
講談社文庫
晩婚化に伴い、激増する不妊治療の実態と、これに並行して進化を続ける出生前診断の実情を取材。技術が進歩し選択肢が増えたことで、より悩みを深める夫婦の姿をありのままに描き、大きな反響と共感を呼んだ。信濃毎日新聞に連載され、「新聞協会賞」を受賞した傑作ルポ、待望の書籍化!<文庫オリジナル>