講談社文庫作品一覧

恋都の狐さん
講談社文庫
豆を手にすれば恋愛成就の噂がある、東大寺二月堂での節分の豆まき。奈良の女子大に通う「私」は、“20年間彼氏なし”生活からの脱却を願って、その豆まきに参加した。大混乱のなか、豆や鈴を手にするが、鈴を落としてしまう。拾ったのは、狐のお面を被った着流し姿の奇妙な青年。それが「狐さん」との生涯忘れえない、出逢いだった――。

参謀
講談社文庫
名将・落合博満監督の右腕、懐刀として2004年から2011年までの8シーズン、ドラゴンズのコーチを務めた「名参謀」森繁和が、落合監督の素顔から、若手の育て方、強い組織の作り方を、8年間のドラゴンズでのエピソードを例に、余すところなく書いた。なぜドラゴンズは強かったのか? 落合采配はどこが凄かったのか? ジャイアンツを苦しめた選手起用の妙、徹底した情報管理の秘策などを、参謀ならではの視点で振り返る。
名将・落合博満監督の右腕、懐刀として2004年から2011年までの8シーズン、ドラゴンズのコーチを務めた「名参謀」森繁和が、落合監督の素顔から、若手の育て方、強い組織の作り方を、8年間のドラゴンズでのエピソードを例に、余すところなく書いた。なぜドラゴンズは強かったのか? 落合采配はどこが凄かったのか? ジャイアンツを苦しめた選手起用の妙、徹底した情報管理の秘策などを、参謀ならではの視点で振り返る。文庫化にあたり、2014年シーズンから復帰するにあたっての秘話、2013年夏にテレビで行った「落合×森」対談を特別掲載。

天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星
講談社文庫
国境付近で捕らわれた“森の民”を救うため、北国“巨山”に向かったイウォル王子と侍女ソニン。天文学が発展した国の、城の中央広間には精密な「天象之図」が置かれていた。だが、その星図には重要な何かが欠けている―ソニンの指摘をはねつけるイェラ王女はしかし、孤独の中にある秘密を抱えていた。
捕らえられた<森の民>を救うため、北の隣国<巨山(コザン)>を訪れたイウォルとソニンは、孤独な王女・イェラと出会う。シリーズ第三弾。

麒麟の翼
講談社文庫
「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。だが刑事の一言で、ある人物の心に変化が生まれる。父の命懸けの決意とは。
この橋に架けた愛と償い
親子だからこそ起きた悲劇と奇跡。
この謎を解けるのは、加賀恭一郎しかいない。
「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。だが刑事の一言で、ある人物の心に変化が生まれる。父の命懸けの決意とは。

津波と原発
講談社文庫
被災者の肉声を縦軸に、現地の歴史的背景を横軸に紡ぎ、各メディアから高い評価を得た東日本大震災ルポルタージュの傑作を文庫化。あの未曾有の大災害の、一週間後に津波に襲われた被災地各所を、一ヶ月半後には福島第一原発周辺の立ち入り禁止区域内を緊急取材した筆者が見たものとは――。「あのとき、何が起きたのか。何が問題になっているのか。佐野さんにしか表せない、骨太な文章に心を打たれた」(解説・菅原文太)

カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 2
講談社文庫
イギリス西部の田舎町、パグフォード。議員のバリーの突然死により、議席に「突然の空席=カジュアル・ベイカンシー」が生まれた。その空席をめぐる選挙に向かい、それぞれの家庭の実情が明らかになる。「同級生」「富裕層と貧民層」「嫁姑」「親子」「恋人」「夫婦」――それぞれの闘い。町の人々の素顔が明らかになり、広がった物語が一気に本流にまとまったときの手腕。稀代のストーリーテラーがどうしても描きたかった物語。
イギリス西部の田舎町、パグフォード。議員のバリーの突然死により、議席に「突然の空席=カジュアル・ベイカンシー」が生まれた。その空席をめぐる選挙に立候補したのは3人。
立候補者と議員の家族、そして「フィールズ」の住人である家族が中心となり、選挙に向かって物語は進む。選挙活動が続く中で、さまざまな「戦い」が明らかになる。「子ども同士の戦い」「富裕層と貧民層の戦い」「嫁姑の戦い」「親子の戦い」「恋人同士の戦い」――。
町の人々の素顔が明らかになり、広がった物語が一気に本流にまとまったときの素晴らしさ。稀代のストーリーテラーがどうしても描きたかった物語がここにある。
「胸が張り裂けそうな気持になる。もうこれ以上ページはめくれないとさえ思う。でも同時にやめるにやめられない」ディープティ・ハジェラ/アソシエイティッド・プレス
「この上なく素晴らしい小説だ……これは本物だ。著者名がJ.K.ローリングでなかったとしても私は意見を変えない」デイヴィッド・ロビンスン/スコッツマン
「野心的でまばゆいばかり。神をも懼れぬ、人の心をかき乱すような大長編。小説とはそもそもこういうものだ。ウソやインチキなど微塵もない。人間とは何か、小説とは何かを知り尽くした者のみが書ける深い感動を呼ぶ物語」レヴ・グロスマン/タイム・マガジン
「忘れがたく素晴らしい登場人物たち…鮮烈な読書体験。心の底から揺さぶられた」エリザベス・グレイック/ピープル・マガジン
「あまりにも面白くて止まらない」マルコム・ジョーンズ/デイリー・ビースト
「ドンドン押しまくられるような読後感」ウォール・ストリート・ジャーナル
「心から感動した」モニカ・ヘス/ワシントン・ポスト
「現代の格差社会を鋭くえぐる悲喜劇。人はどのように生きてゆくべきかというテーマが非常に読みやすい物語で語られる」エマ・リー-ポッター/デイリー・エクスプレス
「『カジュアル・ベイカンシー』は実に魅力的で素晴らしい小説だ。我々の心をつかんで離さない……J.K.ローリングは本当に勇気のある作家だとみずから証明した」
ヘンリー・サットン/ミラー

カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 1
講談社文庫
イギリス西部の田舎町・パグフォード。パグフォード地方自治組織議会の議員で、バリー・フェアブラザーが40代の若さで突然亡くなった。彼のの死で、議席に「カジュアル・ベイカンシー=突然の空席」が生じる。その選挙で、住人たちの素顔が次々と明らかになる……。小さな町の大きな物語。稀代のストーリーテラーがなにをおいても描きたかった、社会派ドラマ。
イギリス西部の田舎町・パグフォード。パグフォード地方自治組織議会の議員であるバリー・フェアブラザーが40代の若さで突然亡くなるところから物語は始まる。
パグフォードは中流階級が多く住む町。しかし隣町との町境に、「フィールズ」という低所得者向け公営住宅が建っている。生活保護に頼り、薬物依存治療を受ける住人が多いフィールズを、中流階級の住人たちの多くは良くは思っていなかった。フィールズの住人たちに手を差し伸べていた議員のバリーが亡くなったことで、パグフォードに次々と騒動が持ち上がる。
議席に「カジュアル・ベイカンシー=突然の空席」が生じた故の選挙。この選挙如何で、フィールズの住人は窮地に追いやられるのだ。その選挙で、住人たちの素顔が次々と明らかになる……。
英語版の売り上げが3週間で100万部突破。『ニューヨーク・タイムズ』紙の書籍ランキングで、6週連続ベスト3入り(ハードカバー・フィクション部門)を記録した話題作、いよいよ文庫化!
「いや、お見それしました。ローリングを知らない人にも推薦したい、現代の黙示録」――大森 望さん(「週刊現代」2012年12月15日号より)
「作者の普遍的で世界規模の問題提起には圧倒される。またこのような壮大なテーマとの出会いを嬉しく思う」――鹿島田真希さん(「群像」2013年1月7日号より)
「これは傑作である」――茂木健一郎さん(2012年12月6日)

虫も殺さぬ 警視庁北多摩署特捜本部
講談社文庫
ゼネコン贈収賄がらみの殺人事件とオオクワガタ誘拐の身代金二百万円。
相馬刑事得意の独走捜査で思わぬ接点が浮上する。痛快警察小説!
※本書は2003年6月に光文社文庫より刊行されました。講談社文庫収録にあたり、シリーズ名を「警視庁北多摩署特捜本部」にあらためました。

天皇 「君主」の父、「民主」の子
講談社文庫
昭和二十年八月の敗戦を境に、皇室は根本から変わらざるをえなかった。平和日本を実現し、「新しい天皇像」を示さねば、皇統を維持することなどできない。そんな切迫した思いを胸に、昭和天皇と当時皇太子だった今上天皇はともに戦後を歩み、今日の礎を築いた。新時代の皇室へ至る軌跡を、天皇父子のありようから描いた好著。

人類資金6
講談社文庫
解放せよ。この後ろ暗い金を、今こそ人類のために。命と引き替えに託された男たちの思いをただ一人受け止め、世界に挑む捨て身の戦い。次巻完結! 最終巻『人類資金7』2014年初夏刊行予定。完結記念『限定版 人類資金7』刊行決定!『人類資金』誕生前夜に福井晴敏によって書かれたフルボリューム・プロットを、創作秘話を明かす著者コメンタリー付きで完全公開する特別冊子『人類資金0』と2冊セット。通常版と同時刊行
暢人は捕らえられた。
それを黙って見送るしかなかった石、
人生最後の猶予を与えられた本庄、
帰国と同時に美由紀に拘束された真舟。
絶体絶命の男たちはそれでも暢人を救うため、
そして『人類資金』を未来につなげるために、
ある戦いを挑む。
巨大な敵を相手にわずか三人――
暢人を、そして世界を救えるか?
いよいよ次巻完結!
最終巻『人類資金7』2014年初夏刊行予定
完結記念
『限定版 人類資金7』刊行決定!
『人類資金』誕生前夜に福井晴敏によって書かれたフルボリューム・プロットを、創作秘話を明かす著者コメンタリー付きで完全公開する特別冊子『人類資金0』と2冊セット。ファン必読!
通常版と同時刊行

南伊豆殺人事件
講談社文庫
伊豆下田の旅館から、会社社長で有田という名前の男が、五百万円入りのボストンバッグを残したまま失踪した。二日後、有田の娘を名乗る女性が旅館に現れるも、その後訪ねてきた甥は、有田に娘はいないという。しかし、この甥も実は偽者と判明。次々と偽者が現れる怪事件に、十津川はどう立ち向かうのか?
なんと事件の関係者、全員偽者!
伊豆下田の旅館から、会社社長で有田という名前の男が、五百万円入りのボストンバッグを残したまま失踪した。2日後、有田の娘を名乗る女性が旅館に現れるも、その後訪ねてきた甥は、有田に娘はいないという。しかし、この甥も実は偽者と判明。次々と偽者が現れる怪事件に、十津川はどう立ち向かうのか?

1984 フクシマに生まれて
講談社文庫
難病体験を綴ったエッセイ『困ってるひと』が大好評を博した大野更紗。福島原発を通して、中央と地方の関係に切り込んだ『「フクシマ」論』が高く評価された開沼博。同じ1984年に福島で生まれた注目の若手論客二人が、「3・11」「原発」「難病」「オウム」などを切り口に、六人の識者と語り合う!〈文庫オリジナル〉
難病体験を綴ったエッセイ『困ってるひと』が大好評を博した大野更紗(おおのさらさ)。
福島の原発を通して、中央と地方の関係に切り込んだ『「フクシマ」論』が高く評価された開沼博(かいぬまひろし)。
同じ1984年に福島で生まれた注目の若手論客二人が、「3・11」「原発」「難病」「オウム」などを切り口に、6人の識者と語り合う!
※本書は、文庫オリジナルです。対談および鼎談は、2013年1月11日~9月17日に行われました。

パパの電話を待ちながら
講談社文庫
ようこそ、イタリアを代表する児童文学作家、ロダーリの不思議な物語世界へ。
シュールでポップ、そして愛がいっぱい! 60年代イタリアから時を超えて届く、あなたへの直通電話。
20世紀イタリアを代表する作家の代表作。大人も子どもも楽しめる珠玉のショートショート!
ビアンキさんはイタリア中を旅するセールスマン。彼は、毎日9時きっかりに電話でお話を聞かせる約束を、娘としていました。
ビアンキさんのお話には、おてんばなミニサイズの女の子をはじめ、バター人やらイルカになる少年やら、宇宙ヒヨコやら、びっくりキャラクターが数々登場。シュールな展開に吹き出し、平和の尊さに涙する、きらめく珠玉のショートショート! 20世紀イタリアの傑作童話登場。
「物語の本質がここにはあって、それもこんなにふんだんに、惜しげもなく美しくならんでいて、こういうお話を毎晩聞いたこの子供は、どんなに心が丈夫になったことだろう。この本を知っている人と知らない人とでは、人生が違ってくると私は思う。愉快で、幸福で、豊かな本!」――江國香織
「おばあさんが殺される『かちかち山』。こわい映画もゲームもなかった頃に、ドキドキで聞きました。生意気ざかりに漱石の『夢十夜』でウットリ。そんな私が子どもだったおとなの人におすすめする1冊。『星の王子さま』のホンワリ感まで、たっぷりつまっています。」――聖路加国際病院副院長 細谷亮太
「カルヴィーノに、ロダーリ。このふたりだけで、イタリアがとんでもない国であるという証明には十分である。ロダーリの作品には、地球という棺桶に押しこまれた想像力の悲しさと、地球をはるかに越えて広がる想像力のたくましさが共存している。読み返すたびに発見がある。要するにおもしろいのだ。」――翻訳家 金原瑞人
イタリア人なら、子どもも大人も、本好きもそうでない人も、みんなが1度は読んでいるロダーリ作品!

ひとり上手な結婚
講談社文庫
「結婚」に関する大小様々な悩みに答える、報復絶倒、目からウロコのエッセイ&漫画。「結婚の仕方がわからない」「生活費どうしてる?」「夫の家族が嫌い!!」「夫が不潔なんですが?」「やきもち焼き、どうにかして!!」「エアコンつけない彼と大喧嘩」 etc.「ヒト」という生き物の謎に迫る、結婚しててもしていなくても、したくてもしたくなくても必読! ぶわははと笑ってすっきりすること間違いなし!
「結婚」を大きなお題とした、さまざまな悩みにこたえる、天才「小説家&漫画家」。
(ちなみにお二人とも現在2回目の結婚生活継続中)
「女性との縁が作れない。結婚ってどうやってすればいいのかわからない」(40代男性)
――という問いに答えた山本文緒、「結婚も、運動と同じで結婚神経があると思えばどうでしょう?」
「子どもがほしいが今の仕事もうまくいっている生活を変えたくない」(30代女性)
――という問いに答えた伊藤理佐、「しかし子どもがいなかったら今の生活は変わらないのでしょうか?」。
報復絶倒、目からウロコ。
結婚しててもしていなくても、したくてもしたくなくても必読! のエッセイ&漫画。
ほかの悩みは
「生活費どうしてる?」
「夫の家族が嫌い!!」
「夫が不潔なんですが?」
「やきもち焼き、どうにかして!!」
「結婚指輪、しないとダメ?」
「酒好きでない人を好きになってしまった」
「食材下手は結婚できない?」
「実家に行ったことないってどうよ?」
「力の強すぎる妻から助けて!」
「エアコンをつけない彼と大ゲンカ!」 etc.(目次より)
「ヒト」という生き物の謎に迫る勢いの、読んですっきり本。
巻末ゲストトーク:漫画家のけらえいこさん(『セキララ結婚生活』『あたしンち』作者)が登場して山本&伊藤コンビとあわせて大盛り上がり!!

人生オークション
講談社文庫
捨てるって、気持ちいい!
『三千円の使いかた』の著者による、
部屋が片づく、心が軽くなる、"デトックス小説"!
【内容紹介】
不倫の果てに刃傷沙汰を起こして謹慎中のりり子叔母さんと、就活に失敗してアルバイトをする私。
一族の厄介者の二人は、叔母さんのおんぼろアパートの部屋にあふれるブランドのバッグから靴や銀食器、
着物までをせっせとネットオークションにかけていく――。
【担当編集より】
今、私の部屋は奇跡的にきれいです。
部屋に「いらないもの」が溢れている。
「片づけなきゃ」と分かっているのに、動き出せない――。
本作はまさに、そんな私のための物語でした。
読めば、明日がきっとより素敵なものに変わる。
優しく、軽やかに背中を押してくれる一冊です!(編集T)

愛と日本語の惑乱
講談社文庫
コピーライターの野田は、恋多き大女優・百合子の愛情が失われつつあるのを感じた日から奇妙な言語障害におちいっていく。「いわずもがな」に「これみよがし」、「キモイ」から「ぱねえ」まで、愛の反乱が生む日本語の氾濫――。著者真骨頂、誰でも一度は疑問を持った覚えがある現代ニッポンの言葉をめぐる爆笑長編小説!
駄洒落全開、爆笑小説!
コピーライターの野田は、恋多き大女優・百合子の愛情が失われつつあるのを感じた日から奇妙な言語障害に陥っていく。「いわずもがな」に「これみよがし」、「キモい」から「ぱねえ」まで、愛の反乱が生む日本語の氾濫――。著者真骨頂、誰でも一度は疑問を持った覚えがある、現代ニッポンの言葉をめぐる爆笑長編小説!
※本書は2008年11月、KKベストセラーズより単行本として刊行されました。

ひそやかな花園
講談社文庫
幼い頃、毎年家族ぐるみでサマーキャンプをすごしていた7人。その思い出は輝かしい夏の大切な記憶だ。しかしキャンプは、ある年から突然中止になった。時は経ち、別々の人生を歩んでいた7人の中で一人が「あの集まり」の謎を探り始める。――このキャンプは何だったのか、なぜ突然なくなったのか。そして7人が再び会って衝撃の「真実」を知ったとき、彼らが選んださらなる道は――。すべての命に祝福を捧げる物語。
私たちがいま、ここに生きているということ。生まれてきたということ。
『空中庭園』『八日目の蝉』『ロック母』『対岸の彼女』――
家族、父、母、子、友を書き続けてきた著者だからこそ描けた、
角田光代の渾身作。
生まれてくる命のすべてに祝福を贈る、大切な物語。
幼いころに、毎年家族ぐるみでサマーキャンプをすごしていた7人。
7人の関係は、兄弟姉妹のようでもあり、ライバルでもあり、またそこにはほのかな恋心も芽生えていた。輝かしい夏の、大切な時間だった。
しかし、そのサマーキャンプは、ある年を境に突然立ち消えになっていた。
時は経ち、大人になった7人は、不安定な生活をどうにかしようとしていたり、成功していたり、悩みを抱えていたり――別々の人生を歩んでいた。
そしてあるきっかけで、一人が「あの集まり」の謎を探り始める。
このキャンプはどんな集まりだったのか、なぜ突然なくなったのか。
そして7人が再び集まり、「真実」を知ったとき、彼らが選んださらなる道は――
読後、必ず光を見る、すべての人に捧げる物語。
解説/平松洋子

タソガレ
講談社文庫
恩知らずな振る舞いをして、ストーカーまで呼び込む彼女の、他人には理解されにくいハンデは乗り越えられるか。心温まる愛と勇気のミステリー。……ぼくの彼女は、ぼくの顔を覚えられない。「相貌失認」という生きにくさを背負う彼女に、次々と襲いかかる事件。愛の力は、試練を乗り越えられるか? ーー社交的だったり、シャイになったり。その落差に惹かれて里美とつきあい始めた祐児。しかし、初めてのパリ旅行で、お世話になったご婦人を無視する里美に憤った祐児は、彼女から人の顔を覚えられない「相貌失認」だと打ち明けられる。人知れぬ生きにくさを背負う彼女が招く数々の苦難を、二人は乗り越えられるのか?

金閣寺の燃やし方
講談社文庫
若い修行僧はなぜ火を放ったのか。「金閣寺焼失事件」に心を奪われ、共に事件を題材に作品を書いた三島由紀夫と水上勉。生い立ちから気質まで、すべてが対照的な二人を比較すると、金閣寺の蠱惑的な佇まいに魅入られずにいられない日本人特有の感覚まで見えてくる。著者ならではの分析眼が生きた文芸エッセイ。
「金閣寺焼失事件」に心を奪われた作家・三島由紀夫と水上勉。
生い立ちから気質まで、対照的な二人を解剖。面白すぎる新・文芸評論!

ミッドウェー戦記(下)
講談社文庫
一瞬の隙を衝かれ空母三隻が被弾。日本海軍機動部隊が大混乱に陥るなか、ただ一隻残った「飛龍」の死闘が始まった。そのすさまじき奮戦と壮絶な最期。そして、傷ついた米空母に止めを刺さんとする潜水艦の苦闘。生き残った将兵たちを訪ね歩き、貴重な証言を得た筆者が著す戦記ドキュメントの金字塔。