講談社文庫作品一覧

嫁の遺言
講談社文庫
満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは、38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは――。不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる全7篇を収録。(講談社文庫)
こんな話にいま出会いたかった――。期待を集める新進女性作家が贈る珠玉の七篇。
表題作の「嫁の遺言」を読んで“おもしろかなし”と声が出た。「おかえり、ボギー」を読んで今度は“かなしおもしろ”と思った。人生はこのふたつでしかり。見事な短編集である。――伊集院静氏
この短編集は、作家、加藤元の大いなる宣言だ。ちいさく、みみっちく、弱くてずるく、それでいてたくましい、人の姿と営みをあますところなく書いていくのだという、力強い宣言である。――角田光代氏
満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは、38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは――。
不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる全7篇を収録。

虚ろ舟 泣きの銀次参之章
講談社文庫
情にもろく、涙もろい。「泣きの銀次」シリーズ最終章!
五十路を目前にした岡っ引きの銀次。長女が嫁に行くその日、不穏な事件の知らせが届く。翌朝、胸騒ぎを覚えた彼が見たのは轟音とともに過ぎていく空飛ぶ物体だった。以来、銀次の周りでは奇怪な事件が起こり始める。「虚ろ舟」と呼ばれるこの光る球は吉兆か、それとも凶兆か。

虚けの舞
講談社文庫
本能寺の変から十年。天下人となった秀吉は朝鮮出兵の大号令を発した。その前線、肥前名護屋陣(ひぜんなごやじん)にいた二人――秀吉からすべてを奪われた信長の息子・信雄と、秀吉に滅ぼされた北条家の生き残り氏規(うじのり)。この苛烈な時代を二人はいかに生き抜こうとしたのか。絢爛たる桃山文化を背景に描かれる落魄者(らくはくしゃ)たちの戦国絵巻。(講談社文庫)
第34回吉川英治文学新人賞受賞作家!
織田信雄(のぶかつ)が舞う悲しくも滑稽な“虚けの舞”
本能寺の変から十年。天下人となった秀吉は朝鮮出兵の大号令を発した。その前線、肥前名護屋陣(ひぜんなごやじん)にいた二人――秀吉からすべてを奪われた信長の息子・信雄と、秀吉に滅ぼされた北条家の生き残り氏規(うじのり)。この苛烈な時代を二人はいかに生き抜こうとしたのか。絢爛たる桃山文化を背景に描かれる落魄者(らくはくしゃ)たちの戦国絵巻。
※本書は2006年2月に彩流社より刊行されたものを加筆、修正したものです。

魔法使いの弟子たち (上)
講談社文庫
山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。生還者のウィルスから有効なワクチンが作られ拡大を防ぐが、発生当初の“竜脳炎”感染者で意識が戻ったのは、三名だけだった。その中の一人で、週刊誌記者として取材にきて感染した仲屋京介は、二人の生還者とともに病院内での隔離生活を続ける。やがて彼ら三名は、「後遺症」として不思議な能力を身につけていることに気づき始める。壮大なる井上ワールド、驚愕の終末―。
「一気に最後まで読んでしまった! これぞリアルの中のファンタジー!」真島ヒロ氏もこう絶賛した傑作長編。山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。生還者のウィルスから有効なワクチンが作られ拡大を防ぐが、発生当初の“竜脳炎”感染者で意識が戻ったのは、三名だけだった。その中の一人で、週刊誌記者として取材にきて感染した仲屋京介は、落合めぐみ、興津繁というほかの二人の生還者とともに病院内での隔離生活を続ける。そのうち、彼ら三名は、「後遺症」として不思議な能力を身につけていることに気づき始める。SFであり、ミステリであり、そしてアクション大作でもある壮大なる井上ワールド、驚愕の終末―。

ショートショートの花束5
講談社文庫
洗練された恐怖、ありえない展開、さりげない仕掛け、絶妙のオトボケ、時に短編小説のような味わい、物語に潜ませた寓意、キレキレのオチ、おバカな思い込み全開、計算された構成、そして、思いがけない笑い。短編の名手・阿刀田高氏が選び抜いた面白さ無制限の傑作59編に全作品への選評も収録。<文庫オリジナル>

現代霊性論
講談社文庫
イマドキの暮らしに霊なんて関係ない? いいえ、人間の営みと“スピリチュアル”は切っても切れないものなんです。タブー、占い、カルトと霊のつながりとは。新宗教から靖國まで現代における宗教の役割とは何か。霊的であることは、畏れを知ること――内田氏と釈氏の掛け合いがグルービーな面白すぎる宗教漫談! (講談社文庫)
「霊って、そういうことでしたか!!」
端から端まで面白すぎる宗教漫談
イマドキの暮らしに霊なんて関係ない? いいえ、人間の営みと“スピリチュアル”は切っても切れないものなんです。タブー、占い、カルトと霊のつながりとは。新宗教から靖國まで現代における宗教の役割とは何か。霊的であることは、畏れを知ること――内田氏と釈氏の掛け合いがグルービーな面白すぎる宗教漫談!
※本書は2010年2月に小社より刊行された単行本を加筆したものです。

黄金の街 (下)
講談社文庫
錚々たる米文学者たちが絶賛する作家の美しき犯罪小説
この広くはない一画に人生の全てが凝縮されている
カフェ・バークマンに勤めながら脚本を書いているユダヤ人のエリック。継父と団地に住むヒスパニックの少年トリスタン。妻と別れ息子たちをもてあますアイルランド系の刑事マッティ。一人の青年の死が人々の哀しみに光を当て、それぞれの人生を静かにつないでいく。米読書界絶賛の傑作長編。【解説・青山南】

黄金の街 (上)
講談社文庫
現代アメリカを形作った移民の末裔たちの今を描き切った奇跡の小説
米大統領バラク・オバマが休暇の読書に選んだ本
ニューヨーク、ロウアー・イースト・サイド――かつて黄金の未来を夢見た移民たちが最初に住み着いた街。さまざまな人種の人々が暮らすこの街に、カフェ・バークマンはあった。雇われたばかりの若いバーテンダーが路上で射殺され、犯行時に一緒にいたマネージャーのエリックが警察に連行されるが――。

北緯14度 セネガルでの2ヵ月
講談社文庫
30年も思い続けた打楽器奏者ドゥドゥ・ンジャエ・ローズの故郷である西アフリカのセネガルへ――。貧しいけれども食べ物が美味しく、笑顔が絶えない。会った人のことを忘れないというセネガルの人々と、子供のようなフランス語で交わりながら、自分を見つめ直し、心と言葉について考え続けた紀行エッセイ。(講談社文庫)
太鼓のリズムは、文字なんかより直接心に響く。
『そしてもう私は誰でもなくなっていた。
二つの黒い目とどきどきする心臓、それだけだった。
これがセネガルだ、と思った。強く思った。』
日本からはるかに遠いアフリカ大陸の西端・セネガルへの魂の旅!
30年も思い続けた打楽器奏者ドゥドゥ・ンジャエ・ローズの故郷である西アフリカのセネガルへ――。貧しいけれども食べ物が美味しく、笑顔が絶えない。会った人のことを忘れないというセネガルの人々と、子供のようなフランス語で交わりながら、自分を見つめ直し、心と言葉について考え続けた紀行エッセイ。

Logic 真相への回廊~ミステリー傑作選
講談社文庫
2009年発表の短編ミステリー17編を、春・秋の2回に分けて刊行。(4月刊行分)閑静な住宅地で発生した証券マンの変死事件。遺体は何を物語るのか? 病身の検死官が真相を喝破する横山秀夫『未来の花』。男手ひとつで育てた息子の不審な行動を目撃した会社員。いったい、なぜ? 父親の苦悩を描いた薬丸岳『休日』。DNA鑑定がドンデン返しを招く末浦広海『生き証人』など、全9篇収録。
2009年究極の短編ミステリー17編を、春・秋の2冊に分けて刊行。
(4月刊行分)
閑静な住宅地で発生した証券マンの変死事件。遺体はなにを物語るのか? 病身のベテラン検死官が真相を喝破する横山秀夫『未来の花』。男手ひとつで育てた息子の不審な行動を目撃した会社員。いったい、なぜ? 父親の苦悩を描いた薬丸岳『休日』。DNA鑑定がドンデン返しを招く末浦広海『生き証人』など、全9篇収録。

なんでもアリの国イギリス なんでもダメの国ニッポン
講談社文庫
バナナの皮は電車の床にポイ、病院で治療が受けられるかは医者の気分しだい、死んだら遺灰を公園にまくだけ、風呂代わり(?)の客でプールは体臭地獄、ゴミを分別しても収集車が結局ぜんぶ一緒に……。日本人が知らない英国人の仰天気質を、在英30年の著者が明かす。目から鱗の日英“徹底”比較文化論。(講談社文庫)
「イギリスは紳士と淑女の国」だなんて、誰が言った!?
不潔で、下品で、マヌケで、行儀が悪くて……、でも、最高な、愛すべきイギリス人!
貴婦人が電車の中でバナナを食べだし皮はそのまま床に捨てた、病院で予約をしていても治療が受けられるかどうかは医者の気分しだい、男性医師が性転換していきなり女医に、死んでも墓なんて建てない……。日本人が絶対知らない英国人の仰天気質を、在英30年の著者が明かす。目から鱗の日英“徹底”比較文化論。
※本書は2012年6月に小社より刊行された『けっこう笑えるイギリス人』を改題したものです。

オルゴォル
講談社文庫
母親と二人で東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を預かる。それは古いオルゴールを鹿児島に届けること。福知山線の事故現場、広島の原爆ドーム、父さんの再婚とお腹の大きな女の人――出会うものすべてに価値観を揺さぶられながら、少年は旅を続けていく。直木賞作家が紡ぎ出す心温まる成長物語。親が子どもに読ませたい本。(講談社文庫)
じいさんの笑顔、サエさんの涙、オルゴールの音色――
大人になってもずっとずっと忘れないでおくよ。
東京から鹿児島へ、「男と男の約束」を果たすべく少年は一人旅に出た。
母親と東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を頼まれる。それは古いオルゴールを鹿児島に届けること。福知山線の事故現場、広島の原爆ドーム、父さんの再婚――出会うものすべてに価値観を揺さぶられながら、少年は旅を続ける。直木賞作家が紡ぐ心温まる成長物語。

再会 交代寄合伊那衆異聞
講談社文庫
黒蛇頭(くろじゃとう)の内紛に巻き込まれ、名もなき邨(むら)で鉄格子の檻に囚われた藤之助(とうのすけ)。痩せゆく腕で懸命に脱出を試みるが……。一方、南洋に初交易に出ている玲奈(れいな)は、幼き日に生き別れた父ドン・ミゲルの消息を聞く。遠くマラッカの地で、念願の父娘再会を果たせるのか!? 読み逃すまいぞ、大注目の第十八巻!<文庫書下ろし>

マンチュリアン・リポート
講談社文庫
昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部。(講談社文庫)
これを読まずして昭和史は語れない!
張作霖はなぜ爆殺されたのか――瞠目の新史観で、闇に葬られた「真相」に迫る!
昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部開幕。

プールの底に眠る
講談社文庫
夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。彼女は、それでもとても美しかった。陽炎のように儚い1週間の中で、僕は彼女に恋をする。あれから13年……。僕は彼女の思い出をたどっている。「殺人」の罪を背負い、留置場の中で――。誰もが持つ、切なくも愛おしい記憶が鮮やかに蘇る。(講談社文庫)
夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。彼女は、それでもとても美しかった。陽炎のように儚い1週間の中で、僕は彼女に恋をする。
あれから13年……。僕は彼女の思い出をたどっている。「殺人」の罪を背負い、留置場の中で――。誰もが持つ、切なくも愛おしい記憶が鮮やかに蘇る。
――「プールの底から何が見える?」という好奇心から石川県へ。金沢21世紀美術館に「スイミング・プール」という体験型の作品があります。一見したところ普通のプールに見えるのですが、強化ガラスの上に約十センチの深さの水が張られているだけで、なんと、ガラスの下には部屋があるのです。
その部屋から水面を見上げると、上のプールサイドでこちらを覗き込んでいる揺らめく人影が見えます。水面の揺らぎに反射した日の光が溢れるプールの底で、この小説のイメージが湧きました。泳げない高校生のお話がふと。と言うのも、私が全く泳げないからです。猫と同じくらい水が苦手。
だからプールにはコンプレックスがあります。学校の水泳大会で泳げない生徒三人だけのビート板レースがあり、それは苦い思い出の一つ。プール・コンプレックスから小説が一つでき上がったからって、都合よく思い出が美化されません。今でも苦いまま。
そんな鬱積した気持ちが生んだ小説を読者がどう読むかは自由です。好きなように読んでください。ただ、ご存知のように小説はフィクションなので、作中にある迷惑行為を現実ですると、こっぴどく怒られます。そして回り回って私も怒られてしまうので、ご遠慮くださいませ。 (ノベルス新刊刊行時著者コメント)

浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って
講談社文庫
テロ組織「黒い三角定規」が、いよいよ浜村渚に直接対決を挑んできた。渚と武藤龍之介をミュージカル劇場に招き寄せ、一次方程式を解けという。だが、その問題は普通のやり方では解けないうえに、「黒い三角定規」の驚くべき策略を示唆するヒントも仕込まれていた! シリーズ第五弾。(講談社文庫)
テロ組織「黒い三角定規」が、いよいよ浜村渚に直接対決を挑んできた。渚と武藤龍之介をミュージカル劇場に招き寄せ、一次方程式を解けという。だが、その問題は普通のやり方では解けないうえに、「黒い三角定規」の驚くべき策略を示唆するヒントも仕込まれていた! シリーズ第五弾、文庫書下ろしで登場!!

リトルミイ ノート
講談社文庫
なかはシンプルな格子。
大人気のムーミンキャラクター、リトルミイで、文庫本タイプのノートを作りました。
コンパクトでかわいい大きさは、本の感想や身辺雑記をつづるのにぴったり。ムーミンママのように自慢の料理のレシピをつけたり、ムーミンパパのように旅行記を書くのもいいかも。
使う人次第で楽しめる、Little My Noteです。
あなたの大好きなムーミンのお話の本の隣にならべていってください!

坂道の向こう
講談社文庫
城下町、小田原。介護施設の同僚だった朝子と正人、梓と卓也は恋人同士。けれど以前はお互いの相手と付き合っていた。新しい恋にとまどい、別れの傷跡に心疼かせ、過去の罪に苦しみながらも、少しずつ前を向いて歩き始める二組の恋人たちを季節の移ろいと共にみずみずしく描く。(講談社文庫)
城下町、小田原。介護老人福祉施設の同僚だった正人と朝子、梓と卓也は恋人同士。けれど以前はお互いの相手と付き合っていた。 新しい恋にとまどい、別れの傷跡に心疼かせ、言えない闇をもてあましながら、それでも少しずつ前を向いて歩き始める二組の恋人たちを、季節の移ろいとともにみずみずしく描く。 【『坂道の向こうにある海』改題】

ドキュメント 太平洋戦争全史(下)
講談社文庫
真珠湾奇襲から終戦の大詔まで、1347日間にわたった先の戦争。講談社ノンフィクション受賞作家が、ライフワークとして積み重ねた戦場体験者たちへの聞き取り調査をもとに、太平洋戦争全体を見わたす通史を著した。著者が出会った戦場体験者は、提督・将官・兵士を合わせて計300人超。その貴重な肉声から、戦場で何が起きていたのかはもとより、死力を尽くして闘った日本人の「魂」の真実を描く。作戦解説47図を収録。
真珠湾奇襲から終戦の大詔まで、1347日間にわたった先の戦争。講談社ノンフィクション受賞作家が、ライフワークとして積み重ねた戦場体験者たちへの聞き取り調査をもとに、太平洋戦争全体を見わたす通史を著した。著者が出会った戦場体験者は、提督・将官・兵士を合わせて計300人超。その貴重な肉声から、戦場で何が起きていたのかはもとより、死力を尽くして闘った日本人の「魂」の真実を描ききる。作戦解説47図を収録。

おひとりさまで! アロハ萌え MAHALO HAWAII
講談社文庫
今回は、“おひとりさま”プチロングステイ!
ハワイが好きすぎて、もう4泊6日では足りない! 考えに考え、プチロングステイ決行。コンドミニアムのゴミポストにびくびく。“ひとりごはん教習”で自意識過剰。ひとりお酒でハッピー。美容だって忘れない。そして、海辺でなにもしない贅沢時間の輝き。ますます愛しい、ラブ・ハワイエッセイ第三弾!