講談社文庫作品一覧

カーテンコール
カーテンコール
著:黒井 千次,解説:永井 愛
講談社文庫
男は書き、女は演じる。舞台をめぐる愛の行方。かつて有望なプロデューサーを葬り去った「森下家の沈黙」の再演にあたって、家出娘のマナコ役に抜擢された赤坂絢子。最後の第3場にしか登場しない難しい役に、気持ちは作者の寺脇滋有へと向かう。舞台初日は好意的に迎えられたものの演技に悩む絢子は、深夜、滋有の家に電話をかけて……。読売文学賞受賞作。 男は書き、女は演じる。舞台をめぐる愛の行方 かつて有望なプロデューサーを葬り去った「森下家の沈黙」の再演にあたって、家出娘のマナコ役に抜擢された赤坂絢子。最後の第3場にしか登場しない難しい役に、気持ちは作者の寺脇滋有へと向かう。舞台初日は好意的に迎えられたものの演技に悩む絢子は、深夜、滋有の家に電話をかけて……。読売文学賞受賞作。
電子あり
応酬
応酬
著:リンゼイ,P.,訳:笹野 洋子
講談社文庫
FBIからはみ出した男がマフィアの最深部に肉薄する! 判事失踪の鍵を握るファミリーで内紛が? 組織犯罪専門捜査官ヴァンコー登場 組織犯罪専門の捜査班を率いるニック・ヴァンコーの許には他部署が持て余したはみだしものばかりが集まっていた。判事失踪事件を追っていたヴァンコーは、首領(ドン)の縁戚・パリシと叩き上げメンバーがいがみ合う一家(ファミリー)に目を付ける。だがドンの急病で対立は逼迫。元FBI捜査官の著者が描くニューヨークの裏側。
ファミリー
ファミリー
著:森村 誠一
講談社文庫
婚約者を事故で亡くした弓子は、上司の薦めで見合いをした。羽室裕也は好青年で、羽室家も完璧な円満家庭にみえた。だが弓子の中では次第に違和感が膨らみはじめる。姉弟が父娘がそして夫と姑が……近親相姦も平然なおぞましい化け物連中だと気づいたとき、弓子はすでに恐怖の館の囚われ人となっていた!(講談社文庫) 理想の円満家族 そう信じていたのに 婚約者を事故で亡くした弓子は、上司の薦めで見合いをした。羽室裕也は好青年で、羽室家も完璧な円満家庭にみえた。だが弓子の中では次第に違和感が膨らみはじめる。姉弟が父娘がそして夫と姑が……近親相姦も平然なおぞましい化け物連中だと気づいたとき、弓子はすでに恐怖の館の囚われ人となっていた!
電子あり
C-blossom case729
C-blossom case729
作:福井 晴敏,著:霜月 かよ子
講談社文庫
考えろ。いかに生きるかを! 人生は、思っているほど長くはない。 防衛庁の庁費横領事件に隠された巨大な陰謀。その渦中に分け入った少女と少年の熱情が、7つ目の染み(シテイン)を刻む。オリジナル長編コミック。 防衛庁に勤める父が起こした巨額の庁費横領事件――。高校生の松宮香奈は家族、友人、すべてを失ってしまう。生きる希望を見出せなくなったとき、如月行という名の教育実習生が現れる。だがそれは、事件が香奈にも及ぶことを意味していた。『6ステイン』から続く、漫画でしか読めないオリジナルストーリー。
6ステイン
6ステイン
著:福井 晴敏
講談社文庫
愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。心に傷を持ちながら、独り誇りを抱き続けた者たちの消せない染み。あきらめることを知らない6つの魂が、薄明の世界に鮮烈な軌跡を刻む。著者が織り成す切なく熱い人間讃歌、人生を戦うすべての者へ。(講談社文庫) 福井晴敏が短編の名手でもあることの証明! 人は皆、自分の人生しか生きられない。不器用だが胸の奥に熱い魂を宿し、所属する組織の中でもがき抗いながら、信義をつくす人間たち。心ふるわせる珠玉の6編。
電子あり
骨董屋征次郎京暦
骨董屋征次郎京暦
著:火坂 雅志
講談社文庫
京の八坂下、夢見坂の骨董屋「遊壺堂」を営む柚木征次郎。御一新の世の中で移ろう世間の価値観に抗って、日本古来の文物を守ろうと西洋化の波と対峙する。骨董をただの“もの”として西洋に売りさばこうとする輩と文化の価値を信ずるものとの戦いは、自ずと過酷なものとなっていくのだが……。前作品集『骨董屋征次郎手控』につづく、骨董屋シリーズ第二弾にあたる傑作時代短編小説集。(講談社文庫) 闇の骨董鑑定人が文明開化の京を往く 文明開化の波高く、世の中の価値観がひっくり返った明治初頭。5年には日本初となる京都博覧会が開かれたが、並んだものは見るに堪えない贋物(がんぶつ)ばかりだった。闇の骨董鑑定人・征次郎は長い時を経てきた日本の宝が異国へ流れるのをふせぐため、裏取引の市に踏みこむが。移る世に変わらぬ義を描く傑作時代連作集。
電子あり
劫火(4) 激突
劫火(4) 激突
著:西村 健
講談社文庫
明らかになる「秩父日召(ちちぶにっしょう)」の正体と目的。都庁はテロリストに占拠され、アクアラインに核爆弾が――。秩父日召率いる極右集団が雇った“傷(ラーナ)”たちテロリストが、都庁を占拠した。敵の作戦の全貌を掴んだオダケンたちは銀次、一徹の合流を待ちつつ、東京に持ち込まれた核爆弾の在り処を探るため都庁に潜り込み、対決に挑む。著者渾身の2800枚大長篇、オダケンシリーズここに完結。(講談社文庫) 第24回日本冒険小説協会大賞受賞作 怒涛の4ヵ月連続文庫化 驚愕のラストに瞠目せよ! 東京陥落! 闘え、サムライ 明らかになる「秩父日召(ちちぶにっしょう)」の正体と目的 都庁はテロリストに占拠され、アクアラインに核爆弾が―― 秩父日召率いる極右集団が雇った“傷(ラーナ)”たちテロリストが、都庁を占拠した。敵の作戦の全貌を掴んだオダケンたちは銀次、一徹の合流を待ちつつ、東京に持ち込まれた核爆弾の在り処を探るため都庁に潜り込み、対決に挑む。著者渾身の2800枚大長篇、オダケンシリーズここに完結。
電子あり
孤独な交響曲 ミステリー傑作選
孤独な交響曲 ミステリー傑作選
編:日本推理作家協会,著:逢坂 剛,著:横山 秀夫,著:篠田 節子,著:伊坂 幸太郎,著:畠中 恵,著:歌野 晶午,著:折原 一,著:田中 啓文,著:小川 勝己,著:小貫 風樹
講談社文庫
推理の名手による美しいハーモニー 壮大な謎が大競演 神保町の「がらくた市」で古びた茶碗を見つけた、御茶ノ水署・生活安全課の斉木と梢田。実は値の張る骨董品であることがわかったが、意外な事件を掘り起こすことになり……。「欠けた古茶碗」(逢坂剛)。横山秀夫「第四の殺意」、篠田節子「ヒーラー」、ミステリーの名手10人が競演するアンソロジーの開幕! 「欠けた古茶碗」――逢坂剛 「第四の殺意」――横山秀夫 「ヒーラー」――篠田節子 「死神の精度」――伊坂幸太郎 「思い出した……」――畠中恵 「偶然」――折原一 「転居先不明」――歌野晶午 「時うどん」――田中啓文 「胡鬼板心中」――小川勝己 「とむらい鉄道」――小貫風樹
中国の歴史 近・現代篇(二)
中国の歴史 近・現代篇(二)
著:陳 舜臣
講談社文庫
恵州蜂起、蘇報事件など蜂起は幾度も潰(つい)えたが、革命の花秋瑾(しゅうきん)ら留学生が先導し、湖南の黄興(こうこう)、浙江(せっこう)の章炳麟(しょうへいりん)らを核として革命の火勢は増した。孫文は三民主義を唱え、大同の夢を語る。光緒帝(こうしょてい)、西太后が崩じ、武昌(ぶしょう)での蜂起成功以後「光復(こうふく)」の燎火は全土に。民国臨時政府は産声を上げた。中国近代史の精華〈全二巻〉。 現代中国を知る上でも必読の史書 第二巻 黎明に燃ゆ(辛亥革命)/大同の夢(民国誕生) 秋瑾、黄興ら幾多の蜂起失敗を乗り越え、三民主義を唱えた孫文は、辛亥革命への道を切り拓いていく。 恵州蜂起、蘇報事件など蜂起は幾度も潰(つい)えたが、革命の花秋瑾(しゅうきん)ら留学生が先導し、湖南の黄興(こうこう)、浙江(せっこう)の章炳麟(しょうへいりん)らを核として革命の火勢は増した。孫文は三民主義を唱え、大同の夢を語る。光緒帝(こうしょてい)、西太后が崩じ、武昌(ぶしょう)での蜂起成功以後「光復(こうふく)」の燎火は全土に。民国臨時政府は産声を上げた。中国近代史の精華〈全二巻〉。
電子あり
中国の歴史 近・現代篇(一)
中国の歴史 近・現代篇(一)
著:陳 舜臣
講談社文庫
列強の蚕食に苦しむ清国では、甲午の役(日清戦争)の敗戦で不満が爆発。保皇派の康有為は公車上書を著し、立憲君主制を提唱する。義和団事変で8ヵ国連合軍が紫禁城に乱入し、権勢を誇った西太后も光緒帝(こうしょてい)と西安に逃れた。王朝打倒を目指す孫文ら若き革命家たちは集結を始める。中国近代史の精華〈全二巻〉。 中国近代史の精華、待望の文庫化 第一巻 黄龍振わず(義和団前後)/落日に立つ(革命前夜) 列強の蚕食(さんしょく)に苦しむ清朝末期、西太后は紫禁城を追われ、公車上書を著した康有為(こうゆうい)は清朝改革をめざす。 列強の蚕食に苦しむ清国では、甲午の役(日清戦争)の敗戦で不満が爆発。保皇派の康有為は公車上書を著し、立憲君主制を提唱する。義和団事変で8ヵ国連合軍が紫禁城に乱入し、権勢を誇った西太后も光緒帝(こうしょてい)と西安に逃れた。王朝打倒を目指す孫文ら若き革命家たちは集結を始める。中国近代史の精華〈全二巻〉。
電子あり
天路 TENRO
天路 TENRO
著:宗田 理,解説:郷原 宏
講談社文庫
人を殺した少年は、どうすれば、罪を償えるのか? 担任の中学女教師を刺殺してしまった幸雄は、児童自立支援施設を出た後、自らの罪を告白しながら、日本じゅうを歩いて周る「償いの旅」に出た。犯した「罪」の重さに値する「罰」とは何か? 暴力の連鎖を止め、残された者たちに、魂の再生が訪れる時は来るのか? 人を殺した少年の果てなきデスロード!
電子あり
源氏物語 巻四
源氏物語 巻四
訳:瀬戸内 寂聴
講談社文庫
最愛の女性・藤壺の尼宮が崩御。冷泉(れいぜい)帝もついにその出生の秘密を知ってしまう。正室にと噂された朝顔の君には拒まれ、夕顔の忘れ形見・玉鬘(たまかずら)を発見するが……。広大な六条の院に愛する女君たちを住まわせ、太政大臣となった源氏は栄耀栄華の限りを尽くす。 源氏物語千年紀 美しい現代語ですらすら読める 華麗なる王朝絵巻 哀歓を秘めて女君たちが咲き競う第四巻 最愛の女性・藤壺の尼宮が崩御。冷泉(れいぜい)帝もついにその出生の秘密を知ってしまう。正室にと噂された朝顔の君には拒まれ、夕顔の忘れ形見・玉鬘(たまかずら)を発見するが……。広大な六条の院に愛する女君たちを住まわせ、太政大臣となった源氏は栄耀栄華の限りを尽くす。
電子あり
神々のプロムナード
神々のプロムナード
著:鈴木 光司
講談社文庫
もうおまえとは暮らせなくなった――日曜日の夕方、テレビも点けたままの状態で姿を消した松岡邦夫。妻の深雪に相談された友人の村上史郎は、邦夫を捜し始めた。すると続発する不可解な失踪劇との関連性がちらつく。その陰にはある新興宗教組織の存在が……。世界を混沌の淵へとみちびくミステリー大作。(講談社文庫) 『リング』に先立つ世界観 息を呑む結末! もうおまえとは暮らせなくなった――日曜日の夕方、テレビも点けたままの状態で姿を消した松岡邦夫。妻の深雪に相談された友人の村上史郎は、邦夫を捜し始めた。すると続発する不可解な失踪劇との関連性がちらつく。その陰にはある新興宗教組織の存在が……。世界を混沌の淵へとみちびくミステリー大作。
電子あり
阿片 交代寄合伊那衆異聞
阿片 交代寄合伊那衆異聞
著:佐伯 泰英
講談社文庫
幕末の長崎を駈ける快男児・座光寺藤之助(ざこうじとうのすけ)。 友との約定、果たすべし。 長崎丸山の遊女が路上で服毒死した。大量の阿片が流入している!座光寺藤之助は長崎会所の椚田太郎次(くぬぎだたろうじ)と密輸の現場を目撃する。女郎おらんと黒蛇頭の仕業か。商家の娘玲奈は黒幕をあぶり出す途方もない方法を考えつく。藤之助と玲奈が絆を深めた朝、長崎の空を舞ったのは!?快男児幕末を駆ける快調第5弾!
恋愛映画館
恋愛映画館
著:小池 真理子
講談社文庫
恋愛小説家と辿る男と女の名場面 恋愛小説作家と恋の映画をご一緒に。アヌーク・エーメ、ヴィンセント・ギャロから佐藤浩市まで、ラブ・ストーリーの名手による、俳優たちへの恋文。『映画は恋の教科書(テキスト)』に続き、厳選された73本の映画、73通りの男女のゆくえ。おとなのための恋愛映画ガイドとしても楽しむことができるエッセイ集。
蜂起には至らず 新左翼死人列伝
蜂起には至らず 新左翼死人列伝
著:小嵐 九八郎
講談社文庫
1960~2000年 27人を悼む鎮魂の書 死屍累々。60年安保の樺(かんば)美智子さんから、2000年病死の島成郎(しげお)さんまで。ベトナム反戦、安田講堂占拠、よど号ハイジャック、連合赤軍、三菱重工爆破、中核VS.革マル、三里塚闘争――新左翼運動の中で落命し、あるいは自死した者たち。自らも活動家であった著者が、27人の死者への祈りを込めた挽歌!
電子あり
霧舎 巧 傑作短編集
霧舎 巧 傑作短編集
著:霧舎 巧,解説:諸岡 卓真
講談社文庫
名探偵・後動悟が、密室の列車内で、華麗なアリバイ崩しを披露する「手首を持ち歩く男」。師・島田荘司の人気シリーズから御手洗潔と石岡和己の名コンビが登場する「動物園の密室」。ほかに《あかずの扉》研究会と《霧舎学園》のメンバーも集結し、オールスター探偵がハイレベル推理を連発する、珠玉のミステリ短編集!
電子あり
黄昏の百合の骨
黄昏の百合の骨
著:恩田 陸
講談社文庫
電子あり
ブラフマンの埋葬
ブラフマンの埋葬
著:小川 洋子
講談社文庫
ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している〈創作者の家〉。その家の世話をする僕の元にブラフマンはやってきた――。サンスクリット語で「謎」を意味する名前を与えられた、愛すべき生き物と触れ合い、見守りつづけたひと夏の物語。(講談社文庫) 読めば読むほどいとおしくなる。 胴の1・2倍に達する尻尾の動きは自由自在、僕が言葉を発する時には目をそらさないブラフマン。 静謐な文章から愛が溢れだす。 ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している〈創作者の家〉。その家の世話をする僕の元にブラフマンはやってきた――。サンスクリット語で「謎」を意味する名前を与えられた、愛すべき生き物と触れ合い、見守りつづけたひと夏の物語。 朝日を遮るものが何もない庭の真ん中に、2人で寝転がる。僕は草の上に、ブラフマンは僕のお腹の上に。 みぞおちに頭を埋め、首の後ろをベルトのバックルで固定し、下腹にお尻を載せている。少しでもたくさん光を浴びられるよう、脚は4本とも水かきを開いてだらんとさせている。僕が深呼吸すると、膨らむ下腹に合わせてうまくお尻をくねらせる。――<本文より> 第32回泉鏡花賞受賞作
電子あり
わたくしの旅
わたくしの旅
著:池波 正太郎,解説:小島 香
講談社文庫
初文庫化エッセイ集2 味や良し。風景や良し。 歴史を知り、人情に触れる のびやかな日本の旅。 旅先では、時に作家である自分を隠し長崎の「べっこう屋」や京都の「呉服屋」と称したという著者。日常から離れたところにこそ旅の楽しみを感じ、先々で交友を広めてゆく。前夜のうちに翌日の食事を朝食分から計画する食へのこだわり、「堀部安兵衛」執筆時の取材の旅など興味深い逸話49編を収録した充実の1冊。