講談社文庫作品一覧

十七八より
講談社文庫
ある夏、ある少女の「1か月」。
いつかどこかに存在したあらゆる一瞬の堆積が、鮮やかに立ち上がる。
第58回群像新人文学賞受賞作。期待の書き手のデビュー作がついに文庫化。

源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義
講談社文庫
1160年、平治の乱の後、源頼朝は平清盛によって助命される。後に大納言・時忠が、「此一門にあらざらむ人は、皆人非人なるべし」とまで言い放ち、知行国三十余国、荘園五百ヵ所、田園その数を知らずと言われるまでに栄華を誇った平家一門の命運は、この瞬間に窮まった。
後に平氏を滅ぼすことになる頼朝を清盛はなぜ救ったのか?
平氏を滅亡に追い込んだ天才武将・源義経は数々の戦果を挙げたにもかかわらず、兄の不興を買って非業の死を遂げる。その義経が怨霊として祀られていないのはなぜなのか?
二つの謎が解けるとき、源氏と平氏の真の姿が現れる。

連理の宝 Cocoon外伝
講談社文庫
若かりし日の惣右衛門。瑠璃の親友・津笠がひそかに抱いていた苦悩。鳩飼いの頭領になった惣之丞の決意。最終決戦後の五人衆。時には笑い、時には泣ける。ここでしか読めない、黒雲たちの物語!

うちの旦那が甘ちゃんで 鼠小僧次郎吉編
講談社文庫
奉行から月也に「深川飯を食べろ」との奇妙な指令が。沙耶と二人でご当地を探っていると盗賊と会うことに……好評書下ろし時代小説!
文政八年、月也が沙耶を小者にしたばかりの頃、奉行の筒井から奇妙な指令を受ける。沙耶を連れて一番美味しい「深川飯」を探せというのだ。月也は早速沙耶に事情を話し、ご当地の深川に二人で繰り出すことにする。こういう訳のわからぬ指令が出るということは、きっと「訳あり事件」に違いない。沙耶は月也と深川飯を食べ歩くと同時に、音吉や牡丹に協力を要請する。そして、庶民に盗んだ金の一部を与える「義賊」の情報を得、また木づくり職人の次郎吉という男を紹介してもらい、足を洗おうとしている盗賊であることがわかる。おかしな指令が少しずつ結びついていく……。

大天使はミモザの香り
講談社文庫
時価2億のヴァイオリンが消えた。
アラフォー地味美人の光子と天才(?)高校生・拓人に、
このトリックは解けるのか!?
ヨーロッパのラ・ルーシェ公国から来日していた、世界的に有名なヴァイオリンが消えた。
アマチュア・オーケストラのパトロンのマダム、
実直なヴァイオリン職人、
ヨーロッパ貴族、才媛の秘書、
イケメンコーディネーター
誰にも不可能で、誰もが怪しい。
……えっ、私も!?
江戸川乱歩賞作家が描くオーケストラ・ミステリー!

偽神の審判 警視庁公安分析班
講談社文庫
★★★2022年2月スタート! WOWOW「連続ドラマW」原作!!★★★
現場に残された矛盾こそが、「真実」を手にするためのヒントだ!
公安警察 対 殺し屋
手に汗握る激闘の行方は――!?
殺人現場に残される心臓と羽根の載った天秤。有力政治家と大学教授が殺害された二つの事件に見え隠れするのは、公安が長年追ってきた殺し屋「鑑定士」の存在だった。殺人を依頼したと思われる組織の情報を得るため、鷹野秀昭は一般人を協力者(スパイ)として潜入させるよう命じられるが――。
手に汗握る公安ミステリー!
★★★ドラマ情報★★★
「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」
2022年2月13日(日)スタート(全10話)
毎週日曜 夜10時 放送・配信(第1話無料放送)
青木崇高 松雪泰子 徳重聡 小市慢太郎 福山翔大 瀧内公美 奥野瑛太
渡辺いっけい 段田安則 菊地凛子 筒井道隆

揺れる女
講談社文庫
深夜、私の部屋の電話が鳴った。「あたし、由香利です。死のうと思ってるの」……電話の主は、青江由香利・18歳。女流作家の私を慕ってくる、六本木のフーテンのひとりであった。その翌朝、由香利は、私の8年来の情人である国井と、心中しているのを発見された。私は愕然とした。なぜ、あのふたりが? 苦悩と懐疑が私を駆り立てた。由香利には、国井を《死》に誘うほどの魅力があったのだろうか。そして、私はついに、由香利の肉体の秘密を知った……。傷ついた心と肉体をもち、荒涼たる現代の夜をさすらう少女を描く「揺れる女」など、全7編。

いじわるな唇
講談社文庫
隣室に住む洋子の声が時々、那可子の部屋まで聞こえてくる。それは、罵詈に属する言葉である。まだ少女のような女に罵られて黙っている男の気持が、那可子には腑に落ちない。男は、50近い年配である。男がいない時、洋子は、若者たちを呼び入れて不埒な行為をしているらしい。ある日、那可子は、男を自分の部屋に誘い入れた。洋子の不謹慎を男に教えたい気持と、男と浮気したい気持を、那可子は、半々ずつ持っていた。男の技巧は、幼稚だった。と、急に男は、顔を踏みつけてくれと那可子に頼んだ……。変態の男と、男を足拭き程度に考えている女の、奇妙な関係を描く表題作のほかに、8編を収録。

情報銘柄
講談社文庫
正確な株式銘柄情報に、自分の誇りを感じている佐川にとって、最近は、憂鬱の連続であった。勤め先である<週刊東京情報>に書いている彼の推奨銘柄が、外れ続けているのだ。失意の佐川は、しかしある日、耳寄りな情報を得た。河松製作所に中共から、大量のブルドーザーの発注があったという。佐川はこの情報に、情報屋としての誇りの全てを賭けた。推奨原稿を書く一方、借金して河松を20万株買い込んだのである。……兜町に生きる男の栄光と悲哀を描く標題作のほか、苛烈なビジネス戦争の実態を生々しく描く異色企業小説3篇を収録。

砂糖菓子が壊れるとき
講談社文庫
映画スター・千坂京子は、無名だった頃、お金のためにヌードを撮らせたことがあった。教育のない彼女は、人一倍知的なものに憧れたのに、世間はその1枚のヌード写真のために、彼女に肉体女優の烙印を押した。京子は、あるときは烙印の痛みから逃がれるために、あるときは自分が高められると信じて、つぎつぎに、男の胸の中に顔をうずめた。男たちは、それぞれに、彼女の中に光を放っている純粋さを知っていた。しかし、京子の魂は、どの男によっても、安らぐことができなかった。……幸福を空しく追い求める美貌の女の短い生涯を、乾いた叙情で歌いあげた名作!

虎の牙
講談社文庫
武田信玄の父・信虎の謎の弟、勝沼信友。「山の民」として育てられたその男は、自らに流れる血の運命にのみ込まれていく。一方、罪を犯して流浪の末武田家に仕官した足軽大将の原虎胤は、その武勇から「鬼美濃」と恐れられ、外様ながら家中で重きをなしていく。乱国甲斐の統一を目指す武田信虎を挟んで、二人の男がある「呪」を背負いながら戦場を駆け巡る。最強武田のルーツを描く、女流ヒストリーテラーのデビュー長編、待望の文庫化。〔解説〕平山優。

青の呪い 心霊探偵八雲
講談社文庫
ぼくは貴女のために
殺人犯になった
早朝の教室、呪われた絵画、先生の死体――
一気読み!のち驚愕!
圧倒的筆力の青春×特殊設定ミステリー
☆☆☆
殺人の朝、学校にいたのは君だった。
共感覚をもつ琢海は、”青い”声をした少女・真希と
呪われた絵を調べることに。
その矢先、美術室で先生が殺害される。
真希に関する秘密を抱えた琢海の前に、
孤高のクラスメート・斉藤八雲が現れ――。
累計700万部突破シリーズの異色作にして最高傑作!〈文庫書下ろし〉

大怪獣のあとしまつ 映画ノベライズ
講談社文庫
誰もが知る”巨大怪獣”の、誰も知らない、死んだ後の物語――。
人類を未曽有の恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。
国民が歓喜に沸き、安堵に浸る一方で、残された巨大な死体は徐々に腐敗・膨張を進めていた。
爆発すれば国家崩壊――。終焉へのカウントダウンがはじまった。
絶望的な時間との闘いのなか、国民の運命を懸けて死体処理を任されたのは、
警察でも軍人でもなく、3年前に姿を消した過去をもつ男……。
その名は、帯刀(おびなた)アラタ。
アラタに託された使命とは? 果たして、爆発を阻止することができるのか――!?
前代未聞の緊急事態を前に立ちあがった、ある男の”極秘ミッション”を巡る
空想特撮エンターテイメント映画をノベライズ。
帯刀アラタを演じる、山田涼介場面写真を口絵収録。
2022年2月4日公開予定の映画出演キャストは、
山田涼介、土屋太鳳、濱田岳、オダギリジョー、西田敏行。

損料屋見鬼控え 3
講談社文庫
「霊が見える兄」こと損料屋の又十郎は、困っている霊をほっとけない。そして「聞こえる妹」天音の能力が決め手に。温かい時代小説!
損料屋(レンタルショップ)の巴屋に紙問屋の藤屋から注文が入り、葬儀などに使う善と器を貸し出すことになった。巴屋の跡取り息子・又十郎が届けることになるが、案の定、成仏していないと思われる幽霊がいた。又十郎は霊を見ることができ、物に宿った声が聞こえる妹・天音と二人で「見える兄と聞こえる妹」として、江戸では少し有名なのだ。そして藤屋の幽霊。主人の儀兵衛に尋ねると亡くなったばかりの女将の霊だとわかる。又十郎は成仏させてあげたいと提案するが、儀兵衛は次の女将になるはずの嫁のことが気がかりだったのだろうと言って、そのままにしてほしいと断る。幽霊がいると伝えたことを又十郎は反省をする。だがその後、嫁姑問題に絡む思わぬ真相が……。

警告(下)
講談社文庫
レイチェルから協力を断られたマカヴォイは、ニュース・サイトの同僚と協力して事件を追う。
被害者と同じ状態で亡くなっている複数の女性を調べた彼は、彼女たちには他にも共通点があることを掴む。それはある会社に自分のDNA分析を依頼しているということだった。
マカヴォイはジャーナリストとして疑惑の会社を直撃するが、その壁は高く、さらに重要な情報に近づこうとするたびに、相手は次々と死んでいく。
そして、凶悪な連続殺人犯の魔の手は、マカヴォイに、またレイチェルにまで伸びてくる――。
「アメリカの犯罪小説の巨匠による新作ミステリーは、クライマックスに向かって突進し、あなたを心から感動させるだろう……優れた作家であるコナリーは、読者が悲鳴を上げそうになるくらい緊張感を高めていく。あらたなマカヴォイ/ウォリング・シリーズの到来を予感させる見事な作品である」
――ピーターボロ・テレグラフ紙(英国) アレックス・ゴードン

猫のエルは
講談社文庫
ここは不思議な、猫の世界。
ふてぶてしくて、わがままで、かわいくて――
猫を愛する作家によるぜいたくな一冊!
共に暮らす猫とねずみ。
冬に備えておいしい油をとっておきました。
しかし、猫がひとりでなめてしまい、ねずみは怒ります。
言い訳を探す猫は、王子さまが白い馬に乗ってやってくるのを見つけ――(「猫とねずみのともぐらし」)。
猫を愛する著者による、珠玉の作品集。
単行本の扉絵・挿画をフルカラーで収録。
〈収録作品〉
諧和会議
猫とねずみのともぐらし
ココア
猫のエルは
とりあえずこのままいこう
(全5編)

邪神の天秤 警視庁公安分析班
講談社文庫
★★★WOWOW「連続ドラマW」にて2022年2月、ドラマ放映スタート!!★★★
内臓が取り出された惨殺遺体。
心臓と羽根が載せられた天秤が意味するものは――?
現場に残された矛盾をヒントに、猟奇犯の正体を追え!
累計70万部突破の「警視庁殺人分析班」シリーズと対をなす、
「警視庁公安分析班」シリーズ、堂々開幕!!
都内で爆発事件が発生、直後に有力政治家が殺害された。遺体からは内臓が抜かれ、心臓と羽根を載せた天秤が残されていた。公安部に異動してきた刑事・鷹野秀昭は、持ち前の推理力で事件に挑むが、組織犯罪を疑う公安のやり方に馴染めない。苦悩する鷹野は猟奇犯に迫れるのか。緊迫のサスペンス・ミステリー!
★★★ドラマ情報★★★
「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」
2022年2月13日(日)スタート(全10話)
毎週日曜 夜10時 放送・配信(第1話無料放送)
青木崇高 松雪泰子 徳重聡 小市慢太郎 福山翔大 瀧内公美 奥野瑛太
渡辺いっけい 段田安則 菊地凛子 筒井道隆

霊獣紀 獲麟の書(下)
講談社文庫
未知の英雄が新しい時代を築く。必読の傑作!――作家 田中芳樹
【中華戦史ファンタジー2ヵ月連続刊行/特別付録:新シリーズ開始記念初回限定SS「青鸞」付き】
終わらぬ戦。天命のゆくえは……
戦に敗れ漢の新王・劉淵の臣下となったベイラ改め世龍。劉淵は世龍を重用し、氏族の娘ナランを妻として授ける。一方、天への光輝を放つ世龍を中原の聖王にするという天命を背負った霊獣・一角だが、激しさを極めてゆく戦争に、虐殺や流血を嫌う体は衰弱していく。いったんは結ばれた二人の心の絆はどこに?【講談社文庫50周年記念書き下ろし作品】
〈天命とは? 人界に降りた霊獣が霊格を上げるためにすべき責務。霊獣は自分自身で天命を見出さなくてはならない〉

僕が死ぬまでにしたいこと
講談社文庫
40歳、独身、フリーライター。「喪失の世代(ロスジェネ)」と言われるけれど、どんな世代もそれぞれの喪失(ロス)を抱えて生きている。再び妻と暮らしたい73歳。突然やくざライターに転身した同級生40歳。普通に憧れる漫画家30歳。仙人志望の15歳。目を背けてきた喪失(ロス)と向き合い僕がみつけた「希望」は。文庫化に際し『ロス男』改題。
幸福って、なんだ?
幸せとか、愛とか、希望とか。
大切なことはどうして曖昧なものばかりなんだ。
答えろ、誰か。
本当の人生を起動したい。
希望を抱かぬ者は、失望することもない ーーバーナード・ショー
若い時、人生はカネだと思った。いま歳を取って、それが真実だと知った ーーオスカー・ワイルド
若い時、人生はカネだと思った。歳を取って、なにがなんだか分からなくなった ーーカンちゃん

警告(上)
講談社文庫
『ザ・ポエット』『スケアクロウ』で凶悪な連続殺人犯に対峙した新聞記者のジャック・マカヴォイ。それぞれの事件を著書にした彼はLAタイムズを辞め、消費者問題を扱うニュース・サイトの記者になっていた。
ある日、一度だけ面識のある女性が殺され、マカヴォイに殺人容疑がかけられる。自分が犯人ではないことを知っている彼は、被害者がデジタル・ストーキングされていたとの情報から、独自に事件を調べ始める。
マカヴォイはかつての恋人であり、現在は探偵・調査事務所を運営している元FBI捜査官のレイチェル・ウォリングに協力を依頼するが――。
「コナリーの不屈のジャーナリスト探偵ジャック・マカヴォイを主人公とするあらたな刺激的な作品、本書は、何年も気づかれずに狩りをつづけてきた残忍な連続殺人犯を暴きだす。世界的な犯罪小説作家のひとりが最高の形で描いた作品であり、スピード感があり、息をのむほどサスペンスに満ちあふれている」
――ウォーターストーンズ書店