講談社文庫作品一覧

枕草子(下)
講談社文庫
春は曙。夏は夜。秋は夕暮。冬は早朝(つとめて)。……説経師は顔の美しいのがよい。又、見習いするのは欠伸(あくび)、ちごども……、とか。この感覚は現代に息づく。にくきもの、すさまじきもの、どの段から読んでもおもしろく、今感覚あふれた、清少納言の手による、エッセイの不易の古典。本書は盤斎抄を底本に、原文の巧みな表現を生かした全訳付き。全二冊。批評的精神がとらえた「をかし」の世界!

枕草子(上)
講談社文庫
『源氏物語』が「あはれ」の世界なら、『枕草子』は「をかし」の世界という。才たけた美貌の中宮・定子の豊かな文芸サロン。その自由で対等な、エスプリに溢れ、遊び感覚の男と女の交歓を、とりわけ中宮への深い敬慕をこめ、清少納言が、鋭い感性と知的批評的精神で活写した。平安の華麗な中宮生活の実態をつづった、唯一の記録文学。原文の巧みな表現を生かした、川瀬一馬の全訳付き。

悪の扉(下)
講談社文庫
証券マン殺人事件の真犯人に迫る法廷推理ーー大証券会社の営業マンを告訴した森本美津子の弁護人は、「法廷荒らし」で名高い猪狩文助。猪狩は会社側を窮地に追い込むが、その公判中に殺人事件が発生。なんと美津子が、殺人容疑で逮捕される。猪狩は、美津子の無実を信じて法廷に臨む。欲望渦巻く株式投資の世界と、からみ合う男女の愛と憎しみを描く力作。<上下巻>

悪の扉(上)
講談社文庫
素人投資家をはめていく大証券会社。大衆投資家時代の罠と欲望……。金富証券の若手営業マン・古橋実は、社命どおりに株を売りまくり、顧客の主婦・森本美津子を破滅させ、告訴される。美津子の弁護人は、「法廷荒らし」の異名をとる老獪な猪狩文助。猪狩は、大証券会社の手口をつぎつぎと暴いていくが、公判中に意外な事件が起こる。株の世界の表と裏を克明に描く、長編法廷推理。<上下巻>

さらりーまん指揮官学
講談社文庫
節目に来て危機に立つ日本的経営。新しき救世主は誰か? 国鉄病は他人ごとではない、官僚症候群が死を招く、会社の奴隷になるな! 血も涙もあるキャプテン型指揮官よ出現せよ……。行き詰まった日本的経営を救うのは、新しいリーダーシップだ! いま、あえて同族経営のメリットを説く、会社宗教法人の復活をすすめるユニークなワンマン待望論。「『人生二回就職』のススメ」など、クールに、したたかに社会を生き抜く知恵も合わせて伝授する、新・旧人類への熱いメッセージ集。新リーダーとの対話、新入社員への熱い激励も収録。サラリーマン、大言壮語すべし!

薩南の鷹 人斬り半次郎異伝
講談社文庫
幕末動乱の修羅場で暗殺剣を揮い、京洛に名をはせた薩摩示現流の名手・中村半次郎。この剽悍剛毅な男にも、意外なやさしさ人間味があったーー幕末動乱のとき、薩摩にすごい奴がいた。示現流の名手、その名は中村半次郎。人斬りの異名を京洛にとどろかせて、京童をふるえあがらせた、後の桐野利秋である。この剽悍剛毅な快男児は、西郷隆盛に殉じて城山の露と消えた。その短くも激烈な生の軌跡を、祗園名妓との恋物語を織りなして描く、渾身の歴史長編。幕末動乱の修羅場に暗殺剣が躍る!
魔界
講談社文庫
汚れた血の衝動でひき起こされる凄絶ドラマひき逃げの痕跡を完全に消せたと思った。しかし何者かがかぎ回っている!陰湿で巧妙なやり方で。誰が、一体何の目的で?血筋にひそむ狂気を鮮烈に描く連作集。

続 徳川家臣団 組織を支えたブレーンたち
講談社文庫
徳川300年を支えた幕臣18人の列伝の続編。前編につづき、酒井忠清、柳沢吉保、新井白石、大岡忠相、田沼意次、水野忠邦、鳥居耀蔵、井伊直弼、松平容保、勝海舟ら、多士済済。これほど多彩な人物が登場する時代は他にあるまい。18人それぞれの歩んだ道は、そのまま江戸時代の通史を成し、現代に及んでいる。<正続全2巻>
寂野
講談社文庫
女の情念を多彩に謳い上げる時代小説秀作集宮本武蔵の剣に,長兄吉岡清十郎を蓮台寺野で討たれ,いままた次兄伝七郎を果し合いの三十三間堂へ…のうの胸奥を悲愴な風が吹き抜ける.名作「寂野」他六編収録
日本式経営の現場
講談社文庫
官民労使で作る日本式経営の実態を暴くルポ諸外国から驚異の眼でみられる「KKニッポン」の経営手法や労使関係の深層を、綿密な現場取材で解明。栄光の陰に隠れた“もう一つの素顔”が鮮やかに浮上する。

よせばいいのに…
講談社文庫
男女の機微を軽妙に描く雨彦エッセイの真髄。男と女は片思い、よせばいいのにラブコ-ル、言っちゃナンだが苦言も呈する。男性・女性と知性のお話ーー女は、女であることだけで美しい。他ならぬ本書の著者が断言するのだから、これは真実である。だが、「女たちは、そういうことではなかなか納得してくれない」。いわんや、あなたが鼻の頭に汗を浮かべて告げたコトの結果が、「よせばいいのに……」となるのは、しかたないではないか? それでも、また……。言えば後悔、言わねば無念? 男女のほろ苦さを優しく包む、男と女の機微を描くエッセイの真髄。
鏡の中のガラスの船
講談社文庫
70年代青春の彷徨を感性豊かに描く注目作ロックの旋律、内ゲバ殺人……。60年代の混乱のあとの白々とした静けさの中で、閉塞された青春の日々を綴った群像新人文学賞優秀作。「湖に墜ちた流星」を併録
鈴鹿サーキット物語
講談社文庫
2輪・4輪レースのメッカ“鈴鹿”の興奮を待望のFI公式戦が11月、2輪の世界GPが3月に開催決定! 世界の名手たちが激走する鈴鹿サーキットのすべてと、これまでの名勝負などを網羅したカラー文庫
青春の源流(3)本流篇
講談社文庫
激動の青春群像を鮮烈に描く大河小説第三部第二次インドシナ戦争へ突入した楯岡は、ベトナムの解放に死力を尽す。逢坂がヒマラヤに没頭している時、美穂はベトナム戦争の報道写真に楯岡を発見し驚愕する。

緋の鯱
講談社文庫
白い裸身に映える緋色の鯱。好評第5弾! ーー途方もない要求を突きつける謎の電話に対して、日本の警察官や検事は拒絶で応じ、次々に殺害されていった。司法の壊死を狙うこの狂気の電話の正体は? 仙石文蔵らスーパーヒーローは、狂気の正体を追う。思念に浮かんだ悪魔は、白い裸身に緋色の鯱を描かれた美女の背後に……。空前のスケールで展開される痛快「鯱」シリーズの第5弾。

伝教大師巡礼
講談社文庫
一途な情熱を過酷な修行で天台宗を開いた伝教大師=最澄の全生涯! 清らかな人間像を描き出す評伝紀行ーー一途な情熱と過酷な修行で、天台宗を開いた最澄(伝教大師)、そのゆかりの聖地を巡礼し旅をしながら、その風土を体験し記録と伝説の隙を作家の想像力で埋めて結晶させた、紀行評伝。比叡山に堂舎を整え、慕ってくる弟子たちを教化し、命がけの入唐を果たした真摯な宗教家の、晩年は空海との劇的な対立に苦悩する姿も鮮やかに伝え、高潔な魂の人の全生涯を語る傑作。

鎖
講談社文庫
死体が4つ、転がっている。5つ目の死体を私は待っていた──。5年前まで一緒に芸能プロダクションを経営していた男から、突然連絡が入ったのだ。北海道の筋者に命を狙われているその男は私に借金を押しつけて逃げた旧友。だが、彼を見殺しにできない私は闘いに踏み込んでいく。男の心情を描く傑作!

悪女軍団
講談社文庫
息つく暇もなく展開されるセックス・アンド・バイオレンスの強烈シーン――。堀越組組長の堀越軍次を殺された妻の涼子と娘の真紀・昌子たちは、豊満な女体を武器に、つぎつぎに真犯人を責めたてる。燃え上がる官能と立ちはだかる巨悪の接点に、恐怖の叫びと快楽の呻きが飛び交うのだった。「儀式は終りよ。さあ、送ってあげるわ。地獄に」……。女の秘密兵器で悪魔の城に突撃し、美貌のママと娘たちが演じる死とエロスの復讐物語。巨悪に鉄槌を!

商いの心くばり
講談社文庫
消費不況の中で、小売業利益日本一を独走するイトーヨーカドー。驚異の高成長を続けるセブン-イレブン、デニーズなど、イトーヨーカドー・グループ28社の商いの心くばりとは何か!?グループの総帥が、売れる商品のポイント、人の心をつかむコツ、利益を生みだすノウハウなど、真髄を初めて明かす。

修道士の首
講談社文庫