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1978.06.28発売
婦人科選手 佐野洋 推理傑作選
講談社文庫
プロ野球の人気選手に瓜二つの男が、夜の街に出没した。その選手とは、芸能誌でさんざん浮き名を流すことになってしまったペガサス球団の田室だ。ニセ者は何が目的で、彼の名をかたったのか? その秘められた意外な真相を追求した表題作「婦人科選手」。外科医夫人殺害事件の予想だにできない結末を描いた「ある証拠」など、9編収録の傑作ミステリー短編集。

1978.06.28発売
脂肪の塊・テリエ館
講談社文庫
フランス自然主義を代表する文豪モーパッサンが、30歳で発表したデビュー作「脂肪の塊」と、その翌年に発表して不動の地位を得た「テリエ館」の、中編2作を新訳。ともに、世間からは卑しめられる娼婦が、心の底には清純なものを持っていることを、辛辣な人生観と温かい人間愛で描き、読者を魅了する不朽の名作。

1978.06.28発売
彼方の水音
講談社文庫
真昼のしらじらとした明るさの中にこそ闇を見つめる孤高な眼。平穏な日常の中にこそ死の気配を嗅ぎとる存在の痛み。狂暴な破壊への意志を内に秘め生きる女の虚無……。鋭利な感覚で人間存在の毒と、清冽な〈彼方〉への憧れを描き、特異な文学空間を創り上げた著者の処女作品集。「相似形」「囚われ」「渺芒」など5篇を収録。

1978.06.27発売
天使で大地はいっぱいだ
講談社文庫
北海道・石狩平野に住む森谷三郎(サブ)一家。サブたちの担任・キリコ先生を中心に、けんかあり友情あり、たくましく成長する子どもたち。また、彼らの悩みを真剣に受けとめ、ともに考えるおとなたち。厳しく、またやさしい自然の中での人々の出会いと別れ……。貧しくともおおらかに生きる子ども群像をえがく、長編力作。

1978.06.27発売
海音寺潮五郎短篇総集(三)
講談社文庫
歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇を全8巻に編成。第3巻は、薩摩武士の美意識に殉じた「人斬り新兵衛」、才女の薄幸の生涯をつづる「風流才媛伝」、玉の輿物語「はやり唄五千石」、男と女の織りなす人生模様「梅花の契」「行くえも知らず」、大名の孫がたどる数奇な半生「浅き夢見し」、ユーモラスな「日本行進曲」、苦難に耐える武家娘「木に花咲く頃」、関ヶ原を舞台に薩摩武士気質を描く「男一代の記」など9篇。
1978.06.27発売
新西遊記(下)
講談社文庫
三蔵法師が天竺まで経典を授かりに行く途中、様々な苦難に会い、それを孫悟空や猪八戒らが助けるのが「西遊記」だが、本書はそのコースを著者が実際に旅し、中国大陸の当時の政治事情や風俗を解説する、古典文学と現代中国とを心象風景によって結合させた「西遊記」現代版解釈。中国文学に造形深い著者の好著。〈上下 全二巻〉
1978.06.27発売
新西遊記(上)
講談社文庫

1978.06.27発売
対馬丸事件 沖縄の悲劇
講談社文庫
太平洋戦争末期、学童・教師・父兄・病人等1600余名を乗せて、沖縄を逃れ、本土へ向かった学童疎開船・対馬丸は、トカラ列島の一つ、悪石島沖で米潜水艦の魚雷を受けて沈没した。この事実は、長い間軍の命令で隠されていたが、著者はたくましい想像力によって、船と運命を共にした学童たちと沖縄の悲劇を描く。
太平洋戦争末期、学童・教師・父兄・病人等1600余名を乗せて、沖縄を逃れ、本土へ向かった学童疎開船・対馬丸は、トカラ列島の一つ、悪石島沖で米潜水艦の魚雷を受けて沈没した。この事実は、長い間、軍の命令で隠されていたが著者は、たくましい想像力によって、船と運命を共にした学童たちと沖縄の悲劇を描く。

1978.06.27発売
太陽を這う
講談社文庫
一枚の辞令が、エリート社員の人生をかえた。納得できぬ左遷に憤激した早見は、情報新聞に転職。復讐の鬼となって、配転の秘密を探る。暗躍する二人の謎めいた美女を追跡。早見は遂に、会社の致命的な秘密を握る――。大阪の鉄鋼業界を舞台に、巨大な資本力と一サラリーマンの欲望との激しい闘いを描いた、長編力作。

1978.06.20発売
のっそりと参上
講談社文庫
お香の人相をひと目みた易者の天運堂は、「あんたは“帝王の星を持った女”だ。しかし盗難の相がある」と言った。江戸は日本橋堀留の材木問屋の女主人で、鳶の頭と番頭を供に江戸へ戻る途上……。そのお香が、高崎城下のはずれで、旅の浪人・浅香八百太郎と道連れになった。一見茫洋としているが、江戸前の年増盛りで、娘時代には日本橋小町と謳われたほどの美人のお香が、ほれぼれするような男ぶり。お香の女心は、次第に八百太郎に傾いていった。さて、お香の胴巻と美しい身体を狙って出現した怪盗・稲妻小僧と旅人やくざ・杉次郎、そして悪旗本の頼光組。正義の味方・八百太郎の活躍は!?
1978.06.15発売
少年伝記 野口英世

1978.06.09発売
風貌(続)
講談社文庫
人と人との出会いを語り、これほど劇的で、興趣の尽きぬものがあろうか。流れゆく時のなかで、一瞬一瞬におのれのすべてを賭け、強靱鮮烈の世界を築き上げてきた鬼才が、「日本の顔」と会い、撮り、論じた古典的名著。これは、巨匠の入魂の写真集、独白の書であり、また登場人物を通しての、近代日本の歴史でもある。

1978.06.08発売
チベット旅行記(1)
講談社学術文庫
仏教の原典を求めたいという求道者の一心から、厳重な鎖国をしくチベットに、あらゆる困難にうちかって単身入国を果たした河口慧海師の旅行記。抜群の面白さをもっているだけでなく、チベットの風俗・習慣等についての的確な記述は、本書をチベット研究のための第一級の基本的文献としている。この第一巻では、チベット行を決心して海路カルカッタへ着き、万全の準備の後、ヒマラヤに入り、チベット国境を越えるまでが述べられる。

1978.05.30発売
裂けた背景
講談社文庫
「同窓会に出席する」と言い残し家を出て名古屋から上京し、行方を断っていた元教師・野坂は、遺体となって埼玉県吉見百穴で発見される。遺体は新宿の連続放火を報じる新聞を握りしめ、傍らには、野坂の教え子で人気放送作家・泉慎也の黒焦げの名刺が落ちていた。野坂と放火犯をつなぐ鍵は何なのか? また泉の役割は? 謎を孕む本格推理の傑作。アリバイ崩しが冴え渡る!

1978.05.30発売
彼女の夫たち(下)
講談社文庫
竜子は、愛人・藤田の妻が離婚に同意しそうだと聞かされて悩む。藤田に内密での画家・小松との激しい愛も、忘れかねるのである。一方、和美も、若い恋人・木沢洋の結婚話を機に、愛の決断を迫られた。このふたりがこうして岐路に立ったのに対し、人妻・伸子は家を出てしまう。彼女たち姉妹の愛の終着駅は? 流麗なる完結篇。<上下巻>

1978.05.29発売
風は思い出をささやいた
講談社文庫
望郷の詩人・おのちゅうこうが、郷里の赤城山麓で過した幼い日の思い出を活写した、土の香り豊かな珠玉の連作集。「母と木イチゴ」「一年ぼうずの先生」「村のおばけ」「もらいぶろ」「イヌと少年」「カモシカの話」「町っ子の冬子」「こぶ吉さん」「おとなのうそ」「きびしい父の目」など16編。ほかに姉妹編の代表作『氏神さま』も収録。野間児童文芸推奨作品賞受賞作。

1978.05.29発売
海音寺潮五郎短篇総集(二)
講談社文庫
歴史文学の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇80余篇を全8巻に編成。第2巻は、勤王の大義に邁進する父子を描く「父祖の道」「残月の賦」、浪人と女歌舞伎役者との儚い関係をつづる「白日夢」、武士道の厳しさを描く「宮本造酒之助」、家康御領の民斬殺事件「駿河ばなし」、占領軍の検閲により発表をとめられた「つばくろ日記」、唐代の中国を舞台にした「遥州畸人伝」など、9篇を収録。

1978.05.29発売
彼女の夫たち(上)
講談社文庫
書道家として、はなやかに生きる長女・和美、人妻の座に安住して11年、夫婦間の沈滞に悩む次女・伸子、愛し合って結ばれた夫に浮気をされて呆然とする三女・節子、独身のOLで、中年の愛人との不安定な愛に揺れる四女・竜子。美しい4人姉妹が、それぞれの宿命と愛憎とに翻弄されてゆく姿を、みずみずしく描く、長篇ロマン。<上下巻>

1978.05.29発売
続 今昔物語ふぁんたじあ
講談社文庫
長く続いた貴族政治も衰退の一途を辿る平安時代後期に成立をみた『今昔物語』。乱世を生きる人々、とくに庶民の赤裸々な生への希求は、惰眠をむさぼる現代人に激しく人間とは何かを問いかける。該博な古典の知識を駆使し、独自の今昔世界を創り上げた短編16。ここに躍動する人間群像は時空を超えて新しい。
1978.05.29発売
狐狸庵VSマンボウPART
講談社文庫