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2024.11.15発売
京都四条 月岡サヨの板前茶屋
講談社文庫
〈ドラマ化『鴨川食堂』の人気作家がおくる、幕末京都時代小説〉
作家・「下鴨茶寮」主人 小山薫堂氏推薦!
粋を尽くした絶品料理と京の町に息づく人情。ああ、私もこんな茶屋に通いたい。
―岡崎琢磨氏(作家・シリーズ「珈琲店タレーランの事件簿」)
料理を作る目的はひとえに相手の心を豊かにするため。
料理屋そして京都文化を知り尽くした著者だから描けるハンナリ、
ほっこりの京情緒溢れる文章の中で、そんな一番大事なことを教えられました。
―森川裕之氏( 板前割烹「浜作」三代主人)
風情漂う京都の町と京ことばとお料理、そして十二支巡り。これぞ京都人の小説です。
―中澤めぐみ氏(「大垣書店京都本店」店長)
あらすじ)
駆け出しの落語家・桂飯朝の小噺のネタ元は、京都のとある古本屋でみつけた幕末のころの日記。
『小鍋茶屋の大福帳』と題された帳面には、若女将・月岡サヨの小料理屋での出来事が絵入りで
わかりやすく描かれている。おもてなしの成就を願い妙見菩薩へのお参りを欠かさない信心深いサヨの、
今宵のお客は幕末明治に名を馳せたあのお方。サヨは幸運で手に入れたレシピ本〈豆腐百珍〉から
とっておきの豆腐料理を披露し、お客と料理人が直に対面するカウンター式のお店にも驚かれる。
しかしお客の最後の一言は、サヨにとっては意外に手厳しいものだった。
麟太郎、小五郎、楳太郎、リョウさん……「お忍び」で茶屋に通う、あの志士や女たちの意外な横顔。
落語の小噺をまくらに、幕末の京都でひっそり繁盛した小料理屋をめぐるペーソスあふれる感動の時代小説。
(シリーズ第1作『京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋』は講談社文庫から発売中)

2024.11.15発売
浜村渚の計算ノート 11さつめ エッシャーランドでだまし絵を
講談社文庫
球場が数学テロ集団『黒い三角定規』にジャックされた! 黒い三角定規捜査班と浜村渚たちは、無理やり「リアル野球盤」をプレイする羽目に。もちろん、それはただの野球盤ではない。得点は数式によって導き出されるのだ――「log10.ルース・アーロンゲーム」
その他、浜村さんが大活躍の全4編を収録!講談社文庫書下ろし。

2024.11.15発売
誰かがこの町で
講談社文庫
江戸川乱歩賞作家が「地域の同調圧力」をテーマに描いた衝撃作。
ゾクゾクが止まらない、読む前には戻れないミステリー!
高級住宅街の恐ろしい秘密。住民たちが隠し続けてきた驚愕の真実とは?
人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。
やがて誰も理由を知らない村八分が行われ、誰も指示していない犯罪が起きる。
外界から隔絶された町で、19年前に何が起きたのか。
いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス!

2024.11.15発売
うたかたモザイク
講談社文庫
甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。どんな人にも、どんな日々にも、凸凹や濃淡、裏表はかならずあるから、そんな欠片を集めたこの本のなかに、自分に寄り添う物語がきっとある。文庫化に際し「魔法少女ミラクルミルキー」「大阪の叔父さん」「前夜」「ムーンライダー」を収録。
sweet / spicy / bitter / salty / tasty
第171回直木賞受賞作『ツミデミック』で話題の著者、
一穂ミチの色とりどりの欠片をちりばめた、味わい豊かな作品集
あなたの思いや生きかたが
きらめき、翳(かげ)り、
揺らいで、にじむ。

2024.11.15発売
星占い的思考
講談社文庫
占いは社会的に「アリか、ナシか」?
答えは、そう、「ナシ」である。
世の中的には「ナシだけどある」ままならない現実に
真面目で正しい人たちが向き合うために
「星占い」の手法が役に立つ!?
古今東西の文学作品を手がかりとして、人生を深く洞察し、
自己責任の考え方から解き放つ。
120万部超のベストセラー「12星座シリーズ」著者の言葉が
「私」と向き合う機会をくれる、
占い×文学、ここにしかない哲学的エッセイ。
著書売上げ累計520万部!
文学書から思考を深め、迷いや不安を解きほぐす。

2024.11.15発売
聖刻 警視庁総合支援課0
講談社文庫
シリーズ累計100万部突破!!
ヒロイン柿谷晶は、なぜ捜査一課を離れ「支援課」にやって来たのか。
ファン必読のエピソード0!
大物司会者の息子が元恋人を殺害したと出頭。捜査一課の柿谷晶が取り調べに臨むが、被疑者は動機について口を閉ざし、その家族はネットでの誹謗中傷に悩まされる。自らの苦い記憶が甦る中、晶は犯罪被害者支援課の村野らと捜査を続けるが、事態は最悪の方向に向かっていた。
加害者と被害者の狭間で苦悩する女性刑事を描く傑作サスペンス。「総合支援課」誕生の物語!

2024.11.15発売
バッド・コップ・スクワッド
講談社文庫
「私のいる場所が正義だなんて誰が言った」
5人の刑事の最低な1日の、最悪な選択。
「彼は法を破ってでも、君を救ってくれるのか?」
違法捜査 昇任試験 監察官室 追跡 6億3000万円 小心者 人質家族 逃走経路 管理官 埼玉県警武南警察署 警視庁捜査一課特殊犯捜査……
正義と悪の狭間を行く5人の刑事の行き着く先は……!?
誰も見たことのない、衝撃の警察小説誕生!

2024.11.15発売
ルーティーンズ
講談社文庫
「長嶋さんの書く日常って素晴らしくしみじみ良いなあと思う」犬山紙子(解説より)
「コロナ以後、宙ぶらりんになったままの願いや欲望を、本書が慰めてくれた気がした」綿矢りさ
「不要不急の言葉で、僕の生活も止まった。この本を読んで、あの時期のごたついてた気持ちをひとつ整理してもらえた」藤井 隆
「伝えたい気持ちと、見つけたなにかを言葉にしていくことが、一日一日を支えてくれる」柴崎友香
夫の「俺」、妻の「私」、2歳の娘。
あの年。あの日々。思いが交錯し形をなす傑作小説。
緊急事態宣言で2歳の娘の通う保育園が休園になった。
マスクが店先から消え、プールもドラム教室も休みになり、ありとあらゆるものが静止したコロナ下でも、子どもの成長は止まらない。
作家の夫「俺」と、漫画家の妻「私」は、手分けして育児をしながら非常時の日常(ルーティーンズ)を歩きはじめる。
かけがえのない家族小説。

2024.11.15発売
最終列車
講談社文庫
平成(コロナ以前)の思考とは何か
鉄道の本質とは何か
鉄道を愛する政治学者による、思索の到達点/出発点
原武史さんは鉄道をひとつの場として考え、近代日本史のなかに置いてその歴史や現状をとらえてゆく。鉄道を通してその背後にある歴史を見てゆく。(略) 車両から一歩外に出て、鉄道を取り巻く場、環境をとらえてゆく。開かれた鉄道本である。(川本三郎「解説」より)
平成の時代から令和の現在に至り、鉄道という交通手段の本質はいかに変質したのか。
新幹線が増え、ローカル線が衰退する。
豪華列車が登場し、地方で廃線が増える。
そして、コロナ禍が人間どうしの距離を引き離し、鉄道の公共性は失われてゆく。
日本近現代史における「鉄道」の意味を問う愛惜の鉄道文化論。

2024.11.15発売
さっちゃんは、なぜ死んだのか?
講談社文庫
公園でホームレスの女性が殺害された。
犯人も殺された理由も不明。
殺害現場近くのカフェでバイトをしているセキグチユウコは、
仕事も人生もうまくいかなかった被害女性に「縁」を感じ、
導かれるように彼女の過去へ踏み込んでいく。
おひとりさま、毒親、貧困、時代ガチャ。
#さっちゃんはあなただったかもしれない
#さっちゃんはわたしだったかもしれない

2024.11.15発売
神楽坂つきみ茶屋5 奄美の殿様料理
講談社文庫
美食グルメバトル最終戦!
「うちの割烹を助けてくれないか?」
剣士の叔父の頼みに応え、つきみ茶屋一行は奄美大島へ!
新規オープンしたリゾート施設に流れた客を取り戻すべく、
新たな名物料理を考える。翔太と不仲の父・栄蔵も現地に現れて、親子対決に?
翔太に憑いている江戸の料理人・玄は二人を料理で
取り持とうと奮闘する。
〈文庫書下ろし〉

2024.11.15発売
陽昇る国、伊勢 古事記異聞
講談社文庫
「伊勢を知らぬと、出雲の半分しか分からん。伊勢は出雲であり、出雲は伊勢」
日枝山王大学民俗学研究室の院生・橘樹雅は、
学会出席のために三重へ向かう准教授・御子神伶二に同行し、伊勢を訪れる。
男神仕様なのに女神を祀る神社、
狛犬、御神籤、注連縄など伊勢神宮にない五つのもの。
明治以前の天皇には参拝されなかった伊勢の神の正体とは!?

2024.11.15発売
エラ・フレイヤ 写真集 百花繚蘭
写真集・画集
総フォロワー数300万人超!
オランダ出身の人気YouTuberエラ・フレイヤ
待望の写真集がついに発売決定!
美しいビジュアルと明るいキャラクターで人気を博す
オランダ人YouTuberエラ・フレイヤ(Ella Freya)。
彼女のファン待望となる初の紙媒体写真集『百花繚蘭』が
11月15日(金)に発売されますが、同時に
電子書籍版も配信することが決定しました!
本作は、エラの魅力を余すところなく収めた完全撮りおろし写真集。
日本各地を楽しむ彼女の素顔に迫るショットから、
ランジェリー姿の大胆なカットまで、
幅広いシーンで彼女の新たな一面を発見できます。
また、2024年の話題や今後の活動について
彼女が語る独占インタビューも収録。
エラにゃんファン必見の一冊です!!
【注目ポイント】
●「ランジェリー姿」も多数収録!
●エラ・フレイヤ スペシャルインタビュー収録!! 初ランウェイの感想やカンヌ国際映画祭でレ
ッドカーペットを歩くなど、初めての体験がいっぱいの2024年を語る
【プロフィール】
エラ・フレイヤ(Ella Freya)
1997年9月18日生まれ。オランダ出身。
オランダ人の美人YouTuberとして活躍するエラ・フレイヤ(Ella Freya)。彼女は日本の文化が大
好きで、日本語も堪能であり、日本人に向けてYouTube配信をしている。すでにチャンネル登録者
数は82万人以上に達している。その他、インスタグラム114万人、tiktok70万人、X38万人などSNS
フォロワー合計300万人超!

2024.11.15発売
イクサガミ 人
講談社文庫
弱き者は皆、死んだ。
「蠱毒」はこれからが本番だ。
Netflixでドラマ化決定の超話題作、
完結目前、疾風怒濤の第3巻!
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ドラマ化決定!!
Netflixにて11月世界独占配信
主演・プロデューサー・アクションプランナー:岡田准一
監督:藤井道人
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
東海道を舞台にした「蠱毒」も、残り23人。
人外の強さを誇る侍たちが島田宿で一堂に会した。
血飛沫の舞う戦場に神と崇められる「台湾の伝説」が現れ、乱戦はさらに加速する――!
数多の強敵を薙ぎ倒し、ついに東京へ辿り着いた愁二郎と双葉を待ち受ける運命とは。
〈文庫書下ろし〉

2024.11.15発売
悲終伝
講談社文庫
シリーズ累計100万部突破!
〈伝説シリーズ〉堂々完結。
英雄VS.地球。最後の対決が始まる――。
にっくき『地球』と和解せんとする地球撲滅軍の英雄・空々空の説得に応じ、
太陽系の星体が人工衛星『悲衛』の一室に集った。
だが、『小さき悲鳴』により、和平条約締結の試みは無残な結果に終わる。
ついに目の前に姿を現した宿敵。
空々少年と『地球』の、最後の戦いが始まる。
超巨編〈伝説〉シリーズ最終巻!

2024.11.14発売
アストロノミカ
講談社学術文庫
本書は、紀元1世紀、帝政を迎えた古代ローマに生きた詩人マルクス・マーニーリウスによる、天文学・占星術について記された最古の文献の一つです。作者マーニーリウスについては『アストロノミカ』の著者であること以外、確かなことは知られておらず、本作に見られる記述から初代皇帝アウグストゥスから第二代皇帝ティベリウスの時代に書かれたことを推測できるにすぎません。
古代において、天文学と占星術のあいだの区別は存在しませんでした。執筆当時のローマを見れば、アウグストゥスが生まれた日に占星術師プブリウス・ニギディウスが「地上世界の主が生まれた」と断言したと伝えられ、アウグストゥス自身も天文学や占星術を利用していたことが知られています。未来を知ることができる技術がとりわけ政治家にとって重要な意味をもつことは想像に難くないでしょう。だからこそ、マーニーリウスは本作の第一巻の序歌にこう記しました。
「生きた身ながら果てしない大空を巡ること、そして星座や
逆行する惑星の動きを知ることは喜ばしい。
だがこれらの知識だけでは不充分だ。大宇宙の心臓部さえも知悉すること、
それが星座を介して生物を生み出し支配する方途を
認識すること、そしてアポッローンの調律に従い
それを詩に語ることはいっそう激しい喜びとなる。」(1.13-19)
つまり、星座の分布や天体の動きに関する知識だけでなく、それらがいかなる力をもって地上に働きかけるのかという問題にまで踏み込んでいく必要がある、言い換えれば「天文学」の知だけでなく「占星術」の知をも身につけて初めて宇宙について知ることができる、と詩人は宣言しているわけです。
それゆえ、本書には古代の宇宙に関する知識のすべてが書かれています。「教訓詩」と呼ばれる韻文としてそれを綴った本作は、きわめて貴重な古典にほかなりません。残念なことに、本作にはラテン語原典から韻文の形で日本語に訳出したものは存在しませんでしたが、気鋭の訳者を得て、ここにその偉業が成し遂げられました。星空を眺め、宇宙に思いを馳せながら、ぜひ手にしていただきたい1冊です。
[本書の内容]
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
第五巻
訳者解説
訳者あとがき
図 表

2024.11.14発売
切手の歴史
講談社学術文庫
1840年――日本で天保の改革が行われていた頃、イギリスで誕生した小さな紙片が、世界の通信網を一気に変えた! 発売初日に410万枚も売れた英国切手「ペニー・ブラック」伝説。東欧で大ブレイクしたヌード切手の謎。19世紀末に、毎週5万フラン(当時の大英博物館館長の年俸10年分)もの大金をつぎこんだ、オーストリアの貴族蒐集家のお話。12歳の少年が売った1セント切手が50年後に1億円相当に高騰するオークションのからくり。独裁時のヒトラーの切手と第三帝国崩壊後の諷刺切手や、精巧な贋作から幼稚な偽物まで玉石混合、切手偽造名人列伝。まさかのまさかのミス切手紹介まで・・・・・・。圧倒的点数の切手写真と逸話から、社会背景と時代を丁寧に解説した前代未聞の「切手の世界史」。
「趣味の王者・王者の趣味」といわれた、切手の歴史と魅力を網羅する!
★国王の顔に消印禁止! イタリア
★なぜ天地逆? 逆刷500文切手の妙 日本
★世界一優雅で繊細な凹版切手 オーストリア
★名画に加筆…切手と著作権をめぐる事件 アメリカ
★0が17桁! インフレ切手に窮余の策を ハンガリー
三角、八角、ダイヤ型、金箔にアルミ箔まで…変形、珍素材切手も大集合!
・本書の原本は、1976年11月、講談社より刊行されました。
・掲載切手に関しましては,口絵2-8をはじめとする著者私物の他、画像の鮮明化のため、解説者・田辺龍太氏の私物を撮影し、一部差し替えしております。

2024.11.14発売
インドの宗教とキリスト教
講談社学術文庫
「キリスト教のライバルは存在するか」。『聖なるもの』(一九一七年)で知られるドイツの宗教学者ルードルフ・オットーは、ヒンドゥー教の一派、ヴィシュヌ派こそが値すると考えた。「救済」をめぐって驚くほど類似が見られる両者の徹底的な検討を通して、宗教の本質に迫る。比較宗教学の古典。
「ヌミノーゼ」と名付けられた、非合理的な神秘経験を宗教経験の本質として析出した『聖なるもの』。ルター派の敬虔なプロテスタント神学者ルードルフ・オットー(1869-1937年)による洞察は、その後ミルチャ・エリアーデやロジェ・カイヨワに引き継がれ、宗教を研究するうえで重要な柱となる「聖と俗」をめぐる研究の土台を築いた。
『聖なるもの』と同時期に研究が進められていたと考えられるのが、本書『インドの宗教とキリスト教』である。18世紀後半、英国による植民地化を通じてサンスクリット文献がもたらされたヨーロッパでは、『リグ・ヴェーダ』や『バガヴァッド・ギーター』など次々にそれらの翻訳がおこなわれ、ヨーロッパの起源のひとつとしてオリエントへの関心が急激に高まっていた。
そのような文脈のなかで、オットー自身も『ヴィシュヌ・ナーラーヤナ』などのサンスクリット文献の翻訳・注釈に取り組み、そしてヒンドゥー教、そのなかでも彼が「献信の宗教」と呼ぶヴィシュヌ派に、キリスト教に匹敵する救済論を見出す。ルター派とヴィシュヌ派の比較の末に見いだされる、真の救済とは―。
オットーが終生、一貫して求めたものは、「聖なるもの」の普遍的な弁証であった。ルター派という一つの神学に自らの立場を置きながら、他の神学にも心を開き、あまつさえ神学を有しない宗教体験に対しても視野を開いたオットーの独自性がいかんなく発揮されたインド宗教研究の古典にして比較宗教学の名著。(原本:『インドの神と人』人文書院、1988年)
【本書の内容】
序
第一章 キリスト教のライバル―ーインドの恩寵(恵み)の宗教
第二章 神をめぐる戦い――シャンカラとラーマーヌジャ
第三章 救済の問題ー―いかにして達成されるか
第四章 インドの恩寵の宗教とキリスト教――異なる精神、異なる救い主
結 び
補 説
一 隠れたる神と献信者の神
二 贖いと贖罪
三 本源的堕落の理念
四 同一性神秘主義の同一体験
五 神は個人的存在ではない
六 すべては恩寵から
訳者あとがき
学術文庫版あとがき

2024.11.14発売
『孫子』の読書史 「解答のない兵法」の魅力
講談社学術文庫
華々しい戦史も、将軍たちの勇壮な逸話も、ましてや必勝の極意もない小さな兵法書は、なぜ2400年にわたる世界史的ベストセラーになりえたのか?
曹操、蒋介石、毛沢東、山鹿素行、吉田松陰、旧陸海軍、公安警察、労働組合、電通、そしてイギリス軍やアメリカ軍へと読み継がれてきた歴史を辿りつつ、形篇や勢篇、行軍篇など実際のテキストを吟味し、その「魅力」の源泉に迫る!
【目次】
はじめに
中国王朝名一覧
■第一部 書物の旅路ーー不敗への欲望
第一章 戦いの言語化ーー『孫子』の原型
第二章 成立と伝承
第三章 日本の『孫子』ーー江戸時代末期まで
第四章 帝国と冷戦のもとで
■第二部 作品世界を読むーー辞は珠玉の如し
第一章 帝王のためにーー『群書治要』巻三三より
第二章 形と勢ーー永禄三年の読み
第三章 不確定であれーー銀雀山漢墓出土竹簡「奇正」
第四章 集団と自然条件ーー西夏語訳『孫子』より
おわりに
参考文献
学術文庫版へのあとがき
【本書の主なトピック】
□『孫子』古典化の秘密は非万能・抽象・非戦志向にあり
□日清・日露戦争の勝利で進んだ『孫子』の聖典化
□米軍を『孫子』研究に向かわせた毛沢東率いる人民解放軍の脅威
□電通PRセンター初代社長が仕掛けた企業経営者向け『孫子』キャンペーン
□帝王・皇族は『孫子』から何を学んだのかーー『群書治要』
□なぜ勝ち負けが生ずるのかーー形篇・勢篇
□無限に変化し、不確定であれーー銀雀山漢墓出土竹簡「奇正」
□”China Rising”で『孫子』は21世紀世界の必読書へ

2024.11.14発売
ルーヴル美術館 ブランディングの百年
講談社選書メチエ
なぜ、数ある美術館のなかで、ルーブルだけが特別なのか?
世界中の人が「人生に一度は」《モナリザ》《サモトラケ島のニケ》《ミロのヴィーナス》をひと目見たいと願っている。
だが、かつては時代遅れのみっともない美術館として「ルーヴルは国の恥」「若者よ、ルーヴルに行くな」と言われたこともあった。1793年、フランス大革命によって成立した第一共和制政府が王室コレクションを「略奪」して公開する場所として誕生したこの美術館は、その後、さまざまなコレクションを吸収して肥大化した挙げ句、近代化に乗り遅れた「カオスの迷宮」となり果てていたのである。
それが、いかにして世界中から憧れられる場所となったのか?
繰り返される国内紛争と政権交代に翻弄された苦難の時代を経て、現代アート、モードや漫画をも「古典」と成して飲み込み文化国家フランスを荘厳する「偉大なるルーヴル」が生み出されるまでの百年は、戦略と欲望、政治と資本が渦巻く歴史に彩られている。
◯なぜ《ニケ像》だけが大階段の前に据えられているのか?
◯印象派が十年間だけ所蔵された顛末とは?
◯ケネディ米大統領を《モナリザ》に「拝謁」させたフランス初代「文化大臣」の恐るべき手腕とは?
豊富な図版と多彩なエピソード満載、驚くべき発見と鋭い洞察に満ちた興奮の美術史!
【本書の内容】
序章 ルーヴル美術館の現在
第一章 ルーヴル美術館の歴史―─誕生から巨大化への長い道のり
第二章 コレクションと展示室の発展―─第三共和政前期(一八七〇―一九一四)
第三章 一九二〇年代、「迷宮」からの再出発
第四章 ルーヴル美術館の「ナショナリゼーション」―─近代化に隠された意味
第五章 ルーヴルの「顔」―─ブランド・イメージの創出と《サモトラケ島のニケ》の秘密
第六章 ルーヴル・マジック、もしくは古典の誘惑
第七章 幕間劇 空白の二十年(一九三九―五九年)と一九三〇年代の「忘却」
第八章 「世界一の美術館」の誕生―─《モナリザ》とともに
第九章 「ルーヴルへの回帰」―─グラン・ルーヴル計画
第十章 グローバル・ブランド「ルーヴル帝国」への「進化」
第十一章 「ルーヴル美術館展」の歴史―─学芸員による展覧会活動
【本書より】
ルーヴル美術館は、過去の作品を祀るだけの神殿であることを止め、芸術作品を「解体」し、「変容」させていった。展示空間の大改革を進めることによって、過去の作品を「眠り」から目覚めさせ、新しい「後世」の形象を与えていったのである。翼を広げた《ニケ像》は後世、すなわち未来に向かって飛び立ったのであり、それは、そのまま、みずから変容しようとしていたルーヴルの姿に重なっていたと言ってよいだろう。