新刊書籍
レーベルで絞り込む :

2025.05.15発売
哲学するベートーヴェン カント宇宙論から《第九》へ
講談社選書メチエ
「われらが内なる道徳法則と、われらが上なる星輝く天空! カント!!!」
1820年、49歳のベートーヴェンは筆談用のノートにこう記した。《第九》初演のおよそ4年前にあたる。ここに引用されているのは、ほかならぬカントの『実践理性批判』の結語の一部だが、少しアレンジされている。そのアレンジは、なぜ生じたのか。そしてベートーヴェンのこの感激は、何を物語るのか――。その問いは《第九》に込められたベートーヴェンの思いへとつながっていく。
若き日にはボン大学で講義を聴講していたこともあるベートーヴェンと、彼を取り巻く文化的・社会的文脈から《第九》を生んだドイツの時代精神を描き出す意欲作!
ベートーヴェン(1770-1827)が生きた時代のドイツ語圏には、ゲーテをはじめヘーゲル、シラー、フィヒテ、シェリングと綺羅星のごとき知性がいた。そのなかでひときわ大きく強い輝きを放ったのが、巨星イマヌエル・カント(1724-1804年)である。
天文学と神学、そして音楽がまだかろうじてつながりを保っていた18世紀後半にあってカントの哲学は、ベートーヴェンの音楽にも大きな影響を及ぼした。哲学と音楽、それぞれの領域でドイツを代表するといっても過言ではない二人が、これほど近接した時を生きたことにこそ、《第九》誕生の秘密はあった。
若き日、ボン大学で講義を聴講していたベートーヴェンに遡り、やがて訪れる「苦悩を突き抜けて歓喜へ」と至る道筋を追いながら、有名無名さまざまな人的・知的交流の網の目を丹念に浮かび上がらせることで「知の歴史」を描くこれまでにない試み。
【本書の内容】
プロローグ
第1講 啓蒙都市ボン
第2講 ボン大学の教授たち(その1)
第3講 ボン大学の教授たち(その2)
第4講 皇帝カンタータ
第5講 歓喜に寄す
第6講 無限と宇宙
第7講 シラーとカント
第8講 危機の時代
第9講 歌劇《レオノーレ》
第10講 苦悩を突き抜けて歓喜へ
第11講 カント宇宙論に挑む
第12講 会話帳をめぐる問い
第13講 星空のエチカ
第14講 第九交響曲
エピローグ

2025.05.15発売
イギリス東インド会社 軍隊・官僚・総督
講談社学術文庫
21世紀の経済大国・IT大国として存在感が高まっているインドは、18世紀半ばから20世紀半ばまでの200年間、植民地としてイギリスに支配されてきた。
このイギリス支配の基礎を築いたのが、イギリス東インド会社である。しかし、その存在があまりに大きいために全体像はつかみにくく、特に日本では、その規模と活動範囲がずっと小さいオランダ東インド会社に比べても、イギリス東インド会社についての研究や著作は非常に少ない。しかし著者は、現在のインドの経済成長と今後の可能性を見るとき、東インド会社にさかのぼるイギリスのインド支配の歴史と遺産を見直すことが必要だという。
1600年にエリザベス1世がロンドンの商人に特許を与えたことに始まるイギリス東インド会社は、商社として発足しながら独自の軍隊を持ち、領土の支配者に変身していった。1858年に実質上消滅したときには、すでに商業的な機能さえもたない完全な植民地統治機関になっていたのである。
オランダやフランスとの貿易競争、会社経営と企業統治の実態、会社の軍隊と国王軍・インド政府軍の関係、さらに巨大な官僚制を支えた社員採用と社員教育や、歴代総督のプロフィールまでを通観する。
巻末に東京大学名誉教授で『東インド会社とアジアの海』の著者、羽田正氏が解説を執筆。〔原本:2009年 中央公論新社刊〕
目次
はじめに
第一章 商社の時代
一 イギリス東インド会社とは何者か
二 オランダ、ポルトガルとの競争
三 アウトサイダーの挑戦
四 統一東インド会社の誕生
第二章 商社から領土の支配者へ
一 フランスの挑戦
二 ベンガルでの領土獲得
三 社員の不正蓄財
第三章 ベンガルの支配者から全インドの支配者
一 会社経営における商業原則の後退
二 会社と政府によるインドの共同統治
三 企業統治の変遷
第四章 インド貿易の自由化
一 会社を牛耳った「海運族」
二 私貿易人
第五章 会社の軍隊
一 会社軍と国王軍
二 会社軍
三 会社軍の部隊編制
四 二つの英軍の統合の試み
五 会社軍将校の勝利
六 インドの大反乱後も傭兵頼みのインド政府軍
第六章 インドの高級官僚―ジェントルマンリー・ルーラー
一 社員の採用と行政官教育
二 東インド会社一家
三 公開試験の時代へ
四 ICSはインドにおける超エリート
第七章 三億人の支配者インド総督
一 その起源
二 ベンガル総督
三 会社の時代の総督│クライヴからカニングまで
結びにかえて
あとがき
イギリス東インド会社関連年表
解説(羽田正)

2025.05.15発売
神々の構造 印欧語族三区分イデオロギー
講談社学術文庫
人類はいかにして「神」を創り、「世界」を描いたのか?
比較神話学・言語学の巨星、時に構造主義やレヴィ=ストロースの先駆ともされるジョルジュ・デュメジルが、自身の「三区分イデオロギー」――印欧語族(インド・イラン人、古代イタリア人、ゲルマン人……)は世界を「聖性/戦闘性/豊饒性」の三要素からなるものとしてとらえ、かつそれぞれの機能に対応する神々を奉じていた――のエッセンスをまとめた、コンパクトかつダイナミックな神話学入門!
神話に現れる「秘密の「3」」とは?
[目次]
序文
第一章 社会的・宇宙的な三機能
第二章 三区分神学
第三章 神学、神話、叙事詩における種々の機能
研究史と文献案内
注
訳者解説 ジョルジュ・デュメジルと印欧語族研究
訳者文献案内
(*本書の原本は1987年に国文社より刊行されたものです。)

2025.05.15発売
北斎殺人事件 新装版
講談社文庫
ボストン美術館で殺された老日本人画家とは何者か。一方日本では、謎の生涯を送った浮世絵師葛飾北斎の正体に迫ろうと研究家たちが資料を追う。北斎は陰密だった? 日本とアメリカを結ぶキーはどこか? 『写楽殺人事件』に続く浮世絵推理の傑作。日本推理作家協会賞受賞作。

2025.05.15発売
妖声 警視庁異能処理班ミカヅチ
講談社タイガ
美しい声が
地獄から呼びかける。
都市伝説「#呼ぶ声」は死を招く。
死がより身近になる街で、
警察はまたひとつ決断を下す。
続々重版!
大人気ホラーミステリシリーズ!
☆☆☆
見知らぬ着信から響く美しき声。応答すれば、生きる術なし。
警視庁の秘された部署・異能処理班に持ち込まれた怪異「呼ぶ声」。
行方不明や死を招くその声は、刑事・極意のものとよく似ていた。
同じ頃、行き倒れた山岳密教の修行僧が、怜に告げたのは思いもよらない彼の過去で――。
怜は広目とともに過去を知るための旅に出る。
警察×怪異ミステリー第七弾、物語は急転する。

2025.05.15発売
SAT-light 警視庁特殊班
講談社文庫
SATを出すまでもないが警官には危険と思われる、凶悪事件に発展しそうな事案を担当する組織が新設された──新・警察ミステリー誕生!
警視庁特殊班は新設部署である。庁内では「SAT-light」と呼ばれている。SATやSITなどの特殊部隊が出動するまでもないが、一般の警察官が対処するには危険すぎる事案を担当する。具体的には、カジノや裏風俗店への着手支援、一般人の身辺保護、反社会勢力の組織の摘発などだ。そんな特殊班が今回出動したのは、都内で起きた地下アイドルへのストーカー案件。生活安全課ストーカー対策室からの要請を受け、対象女性の保護に出向いたものだった。ナイフを向けて保護対象に接触しようとした被疑者を班員が無事確保。ミッションは完了したかに思われた。だが、被疑者の自供から芸能事務所による「管理売春」の疑惑が持ち上がる。SAT-lightは真相究明に乗り出すことになった……。

2025.05.15発売
現代生活独習ノート
講談社文庫
「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」
入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。代々続く母と娘の台所戦争。遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載! 味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。
「もう何もしたくないという切実な本音に寄り添ってくれる稀有な小説」――金原ひとみ
本屋大賞2位『水車小屋のネネ』、Xで何度もバズった芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』など、
書店&SNSで話題を集める著者による、「脱力系」日常譚の真骨頂!

2025.05.15発売
vs.井上尚弥 怪物に出会った日
講談社文庫
あの日、命を懸けたーー。
「ある意味、満足だった。それは自分を下した男が最高の男だったから」
――ファンカルロス・パヤノ(文庫特別書き下ろし章より)
井上尚弥に挑み、敗れ去った男たちの生き様を描いた
第34回ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞作!
リング上で体感した井上尚弥の強さとは何か。闘った後の人生はどう変わったのか。怪物に挑んだ者しか知らない真実を追い、米国、メキシコ、アルゼンチンへ。執念の取材と誇り高き敗者たちの言葉が織り成す、極上のスポーツノンフィクション!(『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』改題)
【本書の内容】
プロローグ
第一章 「怪物」前夜(佐野友樹)
第二章 日本ライトフライ級王座戦(田口良一)
第三章 世界への挑戦(アドリアン・エルナンデス)
第四章 伝説の始まり(オマール・ナルバエス)
第五章 進化し続ける怪物(黒田雅之)
第六章 一年ぶりの復帰戦(ワルリト・パレナス)
第七章 プロ十戦目、十二ラウンドの攻防(ダビド・カルモナ)
第八章 日本人同士の新旧世界王者対決(河野公平)
第九章 ラスベガス初上陸(ジェイソン・モロニー)
第十章 WBSS優勝とPFP一位(ノニト・ドネア)
第十一章 怪物が生んだもの(ナルバエス・ジュニア)
エピローグ
第十二章 あの日書けなかった七十秒の真実(ファンカルロス・パヤノ)
文庫版エピローグ
【著者略歴】
森合正範(もりあい・まさのり)
1972年、神奈川県横浜市生まれ。東京新聞運動部記者。大学時代に東京・後楽園ホールでアルバイトをし、ボクシングをはじめとした格闘技を間近で見る。卒業後、スポーツ新聞社を経て、2000年に中日新聞社入社。「東京中日スポーツ」でボクシングとロンドン五輪、「中日スポーツ」で中日ドラゴンズ、「東京新聞」でリオデジャネイロ五輪や東京五輪を担当。雑誌やインターネットサイトへの寄稿も多い。本書で第34回(2023年度)ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。

2025.05.15発売
今日も事件が起きませんよう。
講談社文庫
『あめつちのうた』
著者の最高傑作!
弱いのに、強い。
拳銃も持てない。逮捕もできない。
それでも、私たちを守ってくれる警備員たちの物語。
『あめつちのうた』
著者の最高傑作!
トラウマを抱えた4人の警備員が守るもの。
「人間としてのプライド」
「最低限の生活」
「それは、もちろん正義」
「守りたいものなんて、とうになくしました」
人生に迷った者だけが見つけた答えとは?
6年前、3億円盗難事件を引き起こし、信用が失墜したサクラ警備保障株式会社。佐久良社長は経営立て直しの中過労で亡くなり、現在は息子の光輝と基輝が跡を継いでいる。父は何を守ろうとしていたのだろうか。そして、俺は何を守ればいいのだろうか。答えの出せない弟の基輝は、人事部次長として面接をすると最後に「あなたは何をまもりますか?」と尋ねるようになった。
過去、保護観察処分を受けながらも父のコネを使って警備員となった男。交通誘導をしている高齢男性。万引きGメンだったときの失敗がトラウマとなっている女性。戦死した画家の絵にとらわれている小説家。
4人の日々を見つめ、自分を顧み、基輝がたどり着いた守ることの意味とは――。
もう一度問います。
「あなたは何をまもりますか?」
本書は単行本『サクラの守る街』を改題し文庫化したものです。
![ムーミンパパの思い出 [新版]](https://dvs-cover.kodansha.co.jp/0000412659/OlKQMENXGJSWdPqdTwXpkk7ngXaScHHbjjy7enJO.jpg)
2025.05.15発売
ムーミンパパの思い出 [新版]
講談社文庫
≪ムーミンみなし子ホームの階段の上に、ごくありふれた買いもの用の紙ぶくろがひとつ見つかりました。この紙ぶくろの中にいたのが、ほかでもない、このわたしでした。≫
夏の暑いさかりに、ひどい風邪をひいたムーミンパパは、「若いころのことを書いて、本にしてはどうかしら?」とムーミンママにすすめられます。
すっかりのり気になったパパは、あわれな少年時代から、天才発明家のフレドリクソンとともに大海原や空にのりだしたこと、ムーミンママとの劇的な出会いなどを執筆し、みんなに朗読してきかせます。
竜との戦い、嵐でたどりついた王さまの島……話をきいているスニフやスナフキンは、パパの冒険仲間のロッドユールやヨクサルが、じぶんたちのお父さんだと知って大興奮!
ムーミンパパから読者のあなたへのメッセージがあります。
≪あなたが、わたしの思い出の記をじっくり味わおうとしてくださるのなら、はじめからくり返し読みかえすことを、おすすめします。≫
ムーミンの物語は全部で9冊あります。この『ムーミンパパの思い出(原題 MUMINPAPPANS MEMOARER)』は、幻の第1作『ちいさなトロールと大きな洪水』が出るまでは、第3作めとされてきたものです。
ながく愛読されてきた児童向けのハードカバー版「ムーミン童話集」(1990年初版 全9巻)の改訂版「ムーミン全集[新版]」が2019年に刊行され、「しょうぎ」を「チェス」、「ウナ電」を「至急電報」、「あわだてクリーム」を「ホイップクリーム」にするなど、いまの言葉にあわせた、より読みやすいムーミンの物語になりました。
講談社文庫では、1978年からムーミンの物語をご紹介してきました。2025年小説ムーミン誕生80周年記念として、講談社文庫版も[新版]になりました。トーベの手になる61点もの挿絵とともに、ムーミンの物語をお楽しみください。
《収録》
解説……小野寺百合子
ムーミン谷の魅力 3『ムーミンパパの思い出』うそも、まことも、なんでもあり……冨原 眞弓
*この本は『ムーミン全集[新版]3 ムーミンパパの思い出』(2019年講談社刊)の文字づかい等を改めたものです。
*中学生以上漢字にふりがな
![たのしいムーミン一家 [新版]](https://dvs-cover.kodansha.co.jp/0000412658/jknZ2Aln29wpstMgYEkNmgw1HOAe7opKk74jeDyo.jpg)
2025.05.15発売
たのしいムーミン一家 [新版]
講談社文庫
「あなたがムーミントロール? まさか。あの子は小さくてかわいい耳をしているけど、あなたのはなべつかみそっくり!」
長い冬眠からさめたムーミントロールは、黒いぼうしを発見します。
それは、ものの形を変えてしまう、飛行おにの魔法のぼうしでした!
姿が変わったムーミントロールを、スニフも、スノークのおじょうさんも、スナフキンも、ヘムレンさんもわかってくれません。
ムーミンやしきがジャングルになってしまったり、ふしぎな旅行かばんをもったトフスランとビフスランを追って、きらわれもののモランがやってきたり、ちょっぴりこわくて、でも、わくわくする事件がつぎつぎに起こります。
ムーミン谷がわすれられなくなる、最高にたのしいムーミンたちの物語です。
ムーミンの物語は全部で9冊あります。この『たのしいムーミン一家(原題 TROLLKARLENS HATT 魔法使いの帽子)』は1948年に発表されるとまもなく英訳され、大人気に。世界中にヤンソン、そして、ムーミントロールの名をひろめました。
ながく愛読されてきた児童向けのハードカバー版「ムーミン童話集」(1990年初版 全9巻)の改訂版「ムーミン全集[新版]」が2019年に刊行されました。「きもの」を「服」、「きいちごのジュース」を「こけもものジュース」にするなど、いまの言葉にあわせた、より読みやすいムーミンの物語になりました。
講談社文庫では、1978年からムーミンの物語をご紹介してきました。2025年、小説ムーミン誕生80周年記念として、講談社文庫版も[新版]になりました。トーベの手になる40点もの挿絵とともに、ムーミンの物語をお楽しみください。
《収録》
解説……山室 静
ムーミン谷の魅力 2『たのしいム-ミン一家』くるり、びっくり、もとどおり……冨原 眞弓
*この本は『ムーミン全集[新版]2 たのしいムーミン一家』(2019年講談社刊)の文字づかい等をあらためたものです。
*中学生以上漢字にふりがな

2025.05.15発売
ヒカリ文集
講談社文庫
第75回野間文芸賞受賞作
「いつか冷めない恋をしてみたいと思う?」
学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリ。
六人の男女が彼女が残したものを語る。
『ヒカリ文集』の中核となるヒカリという女性も〈心を使わない人〉である。
無類に優しく人を傷つけることを小心なまでに恐れていて人の役に立ちたいと願っているのに、男性とも女性とも恋愛が長続きせず次々とつき合う相手を替える。(略)
ヒカリという女性が伝統的な〈宿命の女〉像を少しでも塗り替えることができていれば幸いである。
――松浦理英子(「群像」2022年3月号より)
無類に優しく、好意以上のものを語る笑顔で人に依存を惹き起こす。
小心なまでに人を傷つけるのを恐れ、身についた習慣のように人を喜ばせ力づける。
それなのに、親密な関係を結んでは自分から壊す。
学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリとは何者だったのか。
第75回野間文芸賞受賞の著者の新たな代表作。
![ムーミン谷の彗星 [新版]](https://dvs-cover.kodansha.co.jp/0000412505/h7XvL4w1UOeHBh06ek02CJMshL5VgK3H7Vdh1gGR.jpg)
2025.05.15発売
ムーミン谷の彗星 [新版]
講談社文庫
暑い夏の日、赤く長いしっぽを光らせた彗星が地球に向かって進んできます。
このままでは、地球がこなごなになってしまうかもしれません。
ムーミントロールと友だちのスニフは、この危険な星について調べるため、たったふたりで遠い天文台へと出かけることになりました。
スナフキンやスノークのおじょうさんと知り合い、友だちになる間にも、ぐんぐん彗星は近づいてきて……。
ムーミンの物語は全部で9冊あります。この『ムーミン谷の彗星(原題 KOMETEN KOMMER)』は、幻の第1作『小さなトロールと大きな洪水』が発表されるまでの長い間、第1作とされていたものです。国際アンデルセン賞作家であるトーべ・ヤンソンが何度も推敲し、書き直した、愛着深い1冊でもあります。
ながく愛読されてきた児童向けのハードカバー版「ムーミン童話集」(1990年初版)の改訂版「ムーミン全集[新版]」が2019年に刊行されました。「おなべ」を「パンケーキ用フライパン」、「さかずき」を「カップ」、「レモン水」を「レモネード」にするなど、いまの言葉にあわせた、より読みやすいムーミンの物語になりました。
講談社文庫では、1978年からムーミンの物語をご紹介してきました。2025年の今年、小説ムーミン誕生80周年記念として、講談社文庫版も[新版]となりました。トーベの手になる82点もの挿絵とともに、ムーミンの物語をお楽しみください。
《収録》
解説……下村隆一
附記……山室 静
ムーミン谷の魅力 1『ムーミン谷の彗星』風変わりでも、かまわない……冨原 眞弓
*中学生以上漢字にふりがな
*この本は『ムーミン全集[新版]1 ムーミン谷の彗星』(2019年講談社刊)の文字づかい等を改めたものです。

2025.05.15発売
ゴッホの犬と耳とひまわり
講談社文庫
きっかけは「古いフランス製の家計簿に書き込まれたゴッホの直筆かもしれない文書を訳してほしい」という依頼だった。
翻訳を進めながら、来歴を調べるうちに、この冊子の持ち主と、彼につらなる家族の系譜が浮かび上がる。
膨大な蘊蓄が回収されていく長野まゆみの仕掛ける圧倒的推理ゲーム。
〈解説:石沢麻依〉

2025.05.15発売
ゴリラ裁判の日
講談社文庫
満場一致のメフィスト賞受賞作にしてデビュー作がいよいよ文庫化。
まさかゴリラに泣かされる日がくるとは――誰もが応援したくなる最強のヒロイン、ここに登場!
数多の作家、書評家、書店員の度肝を抜いた全人類必読のミステリー!!
「ダ・ヴィンチ」プラチナ本! 読書メーター「読みたい本ランキング」1位!
京極夏彦さん、宮部みゆきさん、宮島未奈さん、宮内祐介さん、
五十嵐律人さん、斜線堂有紀さん、真下みことさんなどが大絶賛!!
カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。メス、というよりも女性と言った方がいいだろう。
ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解し「会話」もできる。
彼女は運命に導かれ、アメリカの動物園で暮らすようになり、そこで出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係となった。
だが ―― 。その夫ゴリラが、人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。
どうしても許せない。 ローズは、夫のために、そして自分のために、人間に対して裁判で闘いを挑む!
正義とは何か? 人間とは何か? ゴリラの命は人間よりも軽いのか――私たちの”当たり前”を問う感動巨編。

2025.05.15発売
素材ひとつですぐできる 絶品副菜
◆すぐできて、作り置きにもなる! リピート必至の絶品副菜集
スーパーの店頭で買える旬の野菜は、その季節に一番栄養価が高く、なおかつ低価格で購入できる食材です。本書は季節ごとの旬の野菜1品だけで作れる、かんたんな副菜レシピ集です。四季の副菜の他、豆腐や鶏肉など季節を問わず重宝する「たんぱく質のとれる副菜」も紹介。リピート間違いなしの絶品副菜を計176紹介します。
◆献立に1品プラスする小さなおかず=副菜
丼にいろいろのっけて終了! たくさん素材を組み合わせて1品つくって栄養満点!
……というのはとても手軽ですが、実は、一度の食事で、異なる食感、異なる味、異なる香りを体感することは、心身の健全につながると言われています。それが昔ながらの「献立」という概念で、本書は献立の概念にのっとって手軽にできる副菜を提案しています。
本書に登場するすべての素材40種類の、基本の扱い方と保存法を紹介。旬の野菜を使ったすべてのレシピに献立の提案がついています。
◆登録者数64万人超!YouTubeチャンネル「食堂あさごはん」のエキスを集約!
ナチュラルなトークで安心感がある一方で、確かな知識と技術で目からウロコのコンテンツが満載! 中井先生が運営する「食堂あさごはん」の、特に人気のあった情報、多かったリクエスト、大事な豆知識などをピックアップして、本書に掲載しています。野菜の特徴がわかると、料理のレパートリーが増え、料理のレパートリーが増えると、献立上手になれます。手元に置いて毎日の食事づくりにぜひご活用ください。

2025.05.15発売
そんな部屋、あります!?
講談社文庫
住まい探しは、生き方探し。
近藤麻琴36歳、賃貸仲介部門勤務。行きつけの店で愚痴っても、あなたのお部屋、みつけます!
近藤麻琴は、大手不動産会社「グリーンホーム」の賃貸仲介部門に勤めて14年。中堅どころとして仕事にも慣れ、年若い部下と「昭和」から抜けきれない上司に挟まれながら、譲れない条件だらけのお客さま相手に「そんな部屋はない!」と内心叫びながら奮闘する毎日。
息抜きは、親友の仲島恵が店主を務める居酒屋『慈雨』や、風変わりなマスターがいるバー『LR』に仕事帰りに立ち寄って、美味しいお酒と料理を楽しむこと。
人生の節目に立ち、住まいを探すお客さまを通して、自身の人生についても迷い、考える麻琴。長く付き合う恋人と結婚するのかしないのか、子どもはどうする? 仕事はーー?〈文庫書下ろし〉

2025.05.15発売
『改造』論文集成 革新の現象学と倫理学
講談社学術文庫
本書は、ドイツの哲学者エトムント・フッサール(1859-1938年)が日本の総合雑誌『改造』のために執筆した連続論文とそれに関連する草稿を集成したものです。
1900/01年の『論理学研究』で注目されたフッサールは、独自の超越論的な哲学を追究し、『イデーンI』(1913年)によって「現象学」を確立しました。3年後にフライブルク大学の正教授に就任し、その地位を確かなものとしたフッサールは、しかし1910年代後半から20年代の大部分をほぼ何も出版せずに過ごしました。
まさにその時期にあたる1922年8月、改造社のベルリン駐在員がフッサールに宛てて書いた手紙が残されています。そこには「あなたに自己紹介なしにお手紙をお送りすることについて、お詫び申し上げます。しかし、私が今こう述べれば、あなたはおそらくそれを理解してくださるでしょう。私は日本の東京の雑誌『改造』(Reconstruction)の代表者としてベルリンに在住しており、私たちの『改造』のために、あなたにご論考を寄せていただくことを心より望んでいる、と」と書かれていました。この依頼に応えて1922年秋から翌23年初頭にかけて執筆されたのが、本書に収められた5篇の論文です。
その地位を確かなものとした哲学者がなぜ日本の雑誌に寄稿することを決めたのか――本当の理由は分かっていません。フッサールはのちに改造社に4篇の論文を送付したと述べていますが、『改造』に掲載された論文は3篇である上、5篇目の論文も残されています。
このように謎に包まれた5篇の連続論文で、フッサールは社会倫理学に属する内容を扱い、「ヨーロッパ文化の革新」を掲げました。これは、のちの『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(1936年)を予告するものです。『改造』論文全5篇を、11本の草稿、および内容上の関連が深い公開講演「フィヒテの人間の理想」を合わせて集成した本書は、哲学者が晩年の思索に向かう過程を示す貴重な記録であるとともに、危機の時代における「革新」という今日につながる主題を追求した重要な作品であることは間違いありません。
[本書の内容]
〔第一論文〕革 新――その問題と方法
〔第二論文〕本質研究の方法
〔第三論文〕個人倫理学の問題としての革新
〔第四論文〕革新と学問
〔第五論文〕人間集団の発展における文化の形式的諸類型
附論I~XI
フィヒテの人間の理想[三つの講演]
訳者解説

2025.05.15発売
小鳥遊るい 小鳥のいたずら FRIDAYデジタル写真集
FRIDAY初掲載時のX投稿が万バズを達成!「もっといろいろな“るいちゃん”が見たい」の声にお応えする、#ババババンビ・小鳥遊るいさんの最新デジタル写真集。
真紅のランジェリーを身にまとい、いたずらっぽく微笑む彼女に心奪われる──。
ギャップにドキドキ……童顔な小鳥遊さんが魅せるオトナSEXYを詰め込みました。
さらに、趣味でもあるアイドル衣装の作成風景や、ピアノの演奏をする様子など、貴重なカットも満載。
90p超えの大ボリューム、“るいちゃん”の新たな魅力を発見しちゃってください!

2025.05.14発売
黒柳徹子ビジュアル大図鑑
「何かと出会って心が動くことに、特別な価値を感じる」
黒柳徹子さんが「綺麗!」「好き!」「いい!」と思って買ってきたドレスに着物、靴やバッグやアクセサリーからリボンやガラスの文鎮や食器のような趣味で集めているものまで多岐にわたってご紹介します。
▼黒柳徹子さんからのメッセージ
私が、綺麗なものに猛烈に憧れてしまうのは、おそらく戦争中に、心を豊かにしてくれる生活の中の品々を全て奪われたことに起因しています。今、こうして好きなものに囲まれる生活ができているのも、平和と自由があってこそ。つまりこの本は、平和な時代に培われた私の好奇心が、ビジュアル化されたものなのです。
【本書の内容】
・徹子の美意識のルーツは〇〇にあった!
・私の好きなオノマトペ
・DRESS ハナヱ・モリ/イッセイミヤケ
・ACCESSORIES キラキラ大好き!相棒みたいな装飾品たち
・PANDA!!! 私のパンダコレクションのほんの一部をご紹介(笑)
・KIMONO MAGIC! 着物がくれたニューヨークの奇跡
・BEAUTY FOR LIVING 暮らしの中の美
・そのほか徹子さんが「すっごーい」と圧倒された私物をたっぷり。
【著者プロフィール】
黒柳徹子(くろやなぎ・てつこ)
東京・乃木坂生まれ。トモエ学園、香蘭女学校を経て東京音楽大学声学科を卒業。NHK放送劇団に入団し、NHK専属のテレビ女優第1号となる。その後、文学座研究所、ニューヨークのメリー・ターサイ演劇スタジオなどで学ぶ。テレビ、ラジオへの出演ほか、舞台女優としても活躍。著作『窓ぎわのトットちゃん』は累計800万部というベストセラーに。英語、ドイツ語、ロシア語、中国語、アラビア語など、20以上の言語に翻訳され、全世界での発行部数は2500万部を超える。日本語版の印税で社会福祉法人トット基金を設立。プロのろう者の俳優の養成、演劇活動、手話教室などに力を注ぐ。ベストセラーの続編となる『続 窓ぎわのトットちゃん』を2023年に刊行。またユニセフ(国連児童基金)親善大使としてアフリカ、アジアなどの各国を訪問し、メディアを通して、その現状報告と募金活動などに従事。日本ペンクラブ会員。ちひろ美術館(東京・安曇野)館長、東京フィルハーモニー交響楽団副理事長、日本パンダ保護協会名誉館長などを務める。