
マイページに作品情報をお届け!
解放老人 認知症の豊かな体験世界
カイホウロウジンニンチショウノユタカナタイケンセカイ
- 著: 野村 進
認知症を"救い"の視点から見直す。2025年には730万人に達する可能性があるともいわれる認知症患者(厚生労働省調べ。最多の場合)。『救急精神病棟』『脳を知りたい!』で知られる著者が、重度認知症治療病棟のお年寄りたちに長期間密着。この難病をまったく新しい角度から見つめた画期的なルポ。
認知症=不幸なのか?
「認知症が進むにつれ、がんの痛みを感じなくなる。死に対する恐怖とも無縁になる。末期がんにも苦しまず、安らかに永眠する。これは、私ではなく、認知症の研究や治療、介護、看護にあたってきた専門家たちがよく口にする現実である。一般には、ほとんど知られていない事柄かもしれない。」(著者より)
認知症を"救い"の視点から見直す。
2025年には730万人に達する可能性があるともいわれる認知症患者(厚生労働省調べ。最多の場合)。『救急精神病棟』『脳を知りたい!』で知られる著者が、重度認知症治療病棟のお年寄りたちに長期間密着。この難病をまったく新しい角度から見つめた画期的なルポ。
(内容)
つげ義春の名作「ねじ式」も顔負けの
シュールな幻想を語ってやまないハナさん。
すきあらば病棟からの脱出を狙いつづける源五郎さん。
車椅子を両手でこぎまわりながら、悪罵と怨嗟(えんさ)のかぎりを叫びつづける徳子さん。
一日中、病棟の中をほぼ決まったコースで歩きまわる勘平さん・・・。
「なんと個性的な人々であろうか。
山形県南陽市にある重度認知症治療病棟での取材を始めてすぐ、私はそこにつどう人々の圧倒的な存在感に目を見張らされる思いがした。(中略)認知症の進行とともに、罹患者の内面から、常識や世間体や煩雑な人間関係といった余分なものが削ぎ落とされ、いわば”地肌”があらわになる。それは、私たちから見れば、ときに目をそむけたくなったり見るに忍びなかったりするものであろうが、その人が秘めていた個性の核心であるに違いない。」(「あとがき」より)
(事前にゲラを読んだ、ある読者の感想)
元気だった両親が年を重ねるにつれて、耳が遠くなったり、ちょっと前の出来事を完全に忘れていたりして、「もしかして・・・認知症かな」と思うことが多くなりました。そういうことを考え始めると、正直暗い気持ちになっていたのですが、この本を読んで、少し不安が和らいだような気がしました。親が認知症になるのは怖いです。でも、もしそうなっても、落ち着いて対応できそう、たとえば、親が自分のことを忘れてしまったり、時には攻撃的になったとしても、「うんうん」と優しく接することができるような気がしました。
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
プロローグ
第一話 なめる人
第二話 ファンタジー
第三話 待つ男
第四話 仕事の痕跡
第五話 もの盗られ妄想
第六話 記憶地獄
第七話 長老の知恵
第八話 配偶者
第九話 男女の関係
第十話 花火
第十一話 家族
エピローグ
書誌情報
紙版
発売日
2015年03月11日
ISBN
9784062164252
判型
四六
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
266ページ
電子版
発売日
2015年11月27日
JDCN
0621642500100011000N
初出
本書は、『G2 vol.12』(2013年)に掲載された「最晩年 重度認知症治療病棟にて」と、「G2」ウェブサイトに連載された「ルポ 最晩年」第1章~第10章を大幅に加筆したものです。
著者紹介
野村/進 1956年、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科中退。78~80年、フィリピン、アテネオ・デ・マニラ大学に留学。帰国後、『フィリピン新人民軍従軍記』で、ノンフィクションライターとしてデビュー。97年、『コリアン世界の旅』で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。99年、『アジア新しい物語』でアジア太平洋賞を受賞。現在、拓殖大学国際学部教授もつとめる。主著に『救急精神病棟』『日本領サイパン島の一万日』『千年、働いてきました――老舗大国企業ニッポン』。近著は『千年企業の大逆転』
オンライン書店一覧
関連シリーズ
-
認知症の人の気持ちと行動がわかる本
-
認知症といわれたら
-
認知症の人は何を考えているのか?
-
東大教授、若年性アルツハイマーになる
-
認知症の私から見える社会
-
国富215兆円クライシス 金融老年学の基本から学ぶ、認知症からあなたと家族の財産を守る方法
-
認知症の人が「さっきも言ったでしょ」と言われて怒る理由
-
世界初・認知症薬開発博士が教える 認知症予防 最高の教科書
-
認知症になりたくなければラーメンをやめなさい
-
認知症の人のイライラが消える接し方
-
アルツハイマー病のことがわかる本
-
なぜか笑顔になれる認知症介護
-
もの忘れをこれ以上増やしたくない人が読む本
-
ゆかいな認知症 介護を「快護」に変える人
-
認知症 専門医が教える最新事情
-
その認知症ケアは大まちがい!
-
アルツハイマー病は「脳の糖尿病」
-
認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ
-
40歳からの「認知症予防」入門
-
認知症の人がスッと落ち着く言葉かけ
-
認知症の人の不可解な行動がわかる本
-
まだ間に合う! 今すぐ始める認知症予防
-
認知症の真実
-
社会脳からみた認知症 徴候を見抜き、重症化をくい止める
-
認知症を知る
-
レビー小体型認知症がよくわかる本
-
脳からみた認知症
-
認知症を防ぐスーパー健脳食
-
認知症の人のつらい気持ちがわかる本
-
認知症にならない、進ませない
-
図説 認知症高齢者の心がわかる本
-
新しい認知症ケア
-
妻が「若年認知症」になりました
-
ふたたびのゆりかご アルツハイマー型認知症の夫と笑い合う日々
-
セラピードッグの子守歌 認知症患者と犬たちの3500日
-
アルツハイマー病のすべてがわかる本