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認知症の「真実」
ニンチショウノシンジツ
- 著: 東田 勉

認知症医療の「闇」と「希望」を描いた衝撃作。介護業界のカリスマ 三好春樹氏が「認知症は国と医師が作り上げた虚構の病だった」と大絶賛。 ●家族や介護従事者が悲鳴をあげるアリセプトの副作用 ●専門医ですら知らないレビー小体型認知症の治療法 ●「廃人になる薬」を説明なしで処方する医者 ●薬に頼らない新しい医療や介護の取り組みが始まった! など、本書でしか読めない情報を多数満載
「認知症」はいまや中学生でも知っている言葉だが、実はその歴史はきわめて浅い。認知症という言葉が使われるようになったのは2004年。それまでに使われていた「痴呆」という言葉が差別的であるという理由から、厚生労働省は痴呆を認知症と言い替える決定した。しかし新たに定義された「認知症」はさまざまな意味で問題をはらんでいる。
漠然と「脳の病気である」という知識は普及しつつあるものの、医学的な定義が曖昧で、診断基準もきわめて曖昧で、治療法も確立していない。ひとくちに認知症といっても、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがあり、その症状や治療法も大きく異なる。しかしながら、診断する医者側に認知症の知識が決定的に不足しており、誤った治療法により、症状を悪化させるケースが後を絶たない。とりわけ問題が多いのが精神科医で、病気扱いされる必要のないお年寄りまでが向精神薬などを使った過剰な薬物治療を受け、寝たきりや廃人同様になる悲劇がいたるところでおきている。
こうした被害に合わないためには、患者を介護する家族が認知症に対する正しい知識を持ち、診断能力のある医者を選択しなければならない。また、薬を使わずに落ち着かせてくれる介護現場を探し、プロの適切なケアを受けなければならない。しかしそれは、一般の読者にとって至難の業といえる。
そこで著者は、不幸にも無知な医者から塗炭の苦しみを舐めさせられた認知症の家族を幾人も取材し、陥りやすい医療過誤と、そこから逃れるにはどうすればいいかという貴重な証言を得た。また、認知症の薬害問題と闘う医療の専門家、介護の専門家の意見と実践も併せて紹介した。
本書は、誤った認知症医療に対する警告の書であると同時に、正しく認知症と向き合う途を示す希望の書である。
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目次
はじめに
第1部 認知症はどういう病気なのか?
第1章 その医者が認知症患者をダメにする!
62歳でアルツハイマー病になった内田さんの場合/「入院して、薬の調整をしてみませんか」という誘い/他
第2章 認知症の診断基準のミステリー
認知症はなぜこんなに増えたのか/国のキャンペーンで広まった認知症/そもそも何をもって認知症というのか/他
第3章 認知症は薬で「治る」のか?
中核症状と周辺症状/抗認知症薬とはどういう薬か/アリセプトの増量規定という謎/中核症状の標準治療/他
第4章 コウノメソッドの挑戦 治療薬の適切量をコントロールする
コウノメソッドとは/認知症を「治せる」医者はどこにいるのか/他
第2部 こんなに違う認知症タイプ別分類
第5章 レビー小体型認知症(1) 専門医ですら知らない治療法
前提としてのアルツハイマー型認知症/レビー小体型認知症とは/他
第6章 レビー小体型認知症(2) 当事者の口から語られたレビー小体型認知症
栗岡紀世美さんの場合/レビー小体型認知症の宣告を受ける/他
第7章 脳血管性認知症 高次脳機能障害とのあまりに微妙な線引き
脳血管性認知症は認知症なのか/岩崎美枝さんの場合/認知症と高次脳機能障害との違い/他
第8章 ピック病などの若年認知症
若年認知症とは何か/分類が複雑な前頭側頭型認知症/家族が振り回されるピック病/ピック病のケアと治療
第3部 認知症にどう向き合うか
第9章 認知症介護で潰れないために 家族会からのアドバイス
「薬を飲ませているのは、家族なのよ」/干場功さんの場合/若年認知症をどうサポートするか/他
第10章 薬に頼らない認知症介護 「諏訪の苑」の取り組み
入院が認知症をつくる/横山靖男さんの場合/向精神薬を次々と中止/「諏訪の苑」の認知症ケア/嘱託医と看護師の連携プレー/他
第11章 認知症の人は病人ではなく「普通の人」
「ゆきぐに大和病院」に宮永和夫氏を訪ねて/認知症は「死に至る病」なのか/精神科への入院がすべてを悪化させる/他
おわりに
書誌情報
紙版
発売日
2014年11月19日
ISBN
9784062882927
判型
新書
価格
定価:880円(本体800円)
通巻番号
2292
ページ数
272ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2014年12月26日
JDCN
0628829200100011000D
著者紹介
東田/勉(ひがしだ/つとむ) 1952年生まれ。國學院大学文学部国語学科卒業。コピーライターとして制作会社数社に勤務後、フリーライターとなる。2005年7月から2007年9月まで、主婦の友社から刊行された介護雑誌『ほっとくる』の編集を担当。同誌休刊後、フリーのライター兼編集者として活躍中。主な編著作に『介護のしくみ』、『新しい認知症ケア 介護編』『新しい認知症ケア 医療編』など多数
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