テクストから遠く離れて

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電子あり

テクストから遠く離れて

テクストカラトオクハナレテ

講談社文芸文庫

いま小説に何が起きているのか?現場の思考を貫いた著者が、同時代の文学・批評と格闘してつかんだ、共に生きるための思想。

『テクストから遠く離れて』は、一見、難しそうに見える本だ。けれども、難しいのには理由がある。それは、ほんとうに大切なことだけれど、それをきちんと理解するためには、ぼくたちがふだん考えているような、「適当な」、あるいは、「みんなが考えているのでそうだと思いこんでいる」やり方では、ダメだ、という場合があるからだ。ときには、「堅い」ものを噛まなきゃならない必要がある。ぼくたちのからだに必要な「栄養」を与えてくれるものを、摂取するためには。
―ー高橋源一郎(「解説」より)

ポストモダン思想とともに80年代以降、日本の文学理論を席巻した「テクスト論」批評。その淵源をバルト、デリダ、フーコーらの論にたどりつつ、大江健三郎、高橋源一郎、村上春樹、阿部和重ら、同時代作家による先端的な作品の読解を通して、小説の内部からテクスト論の限界を超える新たな方法論を開示した、著者の文芸批評の主著。批評のダイナミズムを伝える、桑原武夫学芸賞受賞作。


ⒸAtsuko Kato

書誌情報

紙版

発売日

2020年04月13日

ISBN

9784065192795

判型

A6

価格

定価:2,200円(本体2,000円)

ページ数

384ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2020年04月10日

JDCN

06A0000000000200948U

初出

収録作品参照。底本「テクストから遠く離れて」(2004年1月、講談社刊)

収録作品

  • 作品名

    「作者の死」と『取り替え子(チェンジリング)』

    初出

    『群像』2002年10月号

  • 作品名

    『海辺のカフカ』と「換喩的な世界」

    初出

    『群像』2003年2月号

  • 作品名

    『仮面の告白』と「実定性としての作者」

    初出

    『群像』2003年9月号、(初出時のタイ「『仮面の告白』と「作者殺し」」を改題)

著者紹介

著: 加藤 典洋(カトウ ノリヒロ)

1948・4・1~2019・5・16。文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部仏文科卒。国立国会図書館勤務、明治学院大学教授を経て、早稲田大学名誉教授。85年『アメリカの影』で文芸評論家としてデビュー。97年『言語表現法講義』で新潮学芸賞、98年『敗戦後論』で伊藤整文学賞、2004年『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞を受賞。主な著書に『日本風景論』『戦後的思考』『人類が永遠に続くのではないとしたら』『戦後入門』『9条入門』 『大きな字で書くこと』などがある。

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