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小林秀雄全文芸時評集 下
コバヤシヒデオゼンブンゲイジヒョウシュウ
- 著: 小林 秀雄

時代を超えた若き「文芸時評集」
文学と時代を語り文芸時評の行く末をも見定めた小林秀雄
昭和九年の後半から、文芸時評から身を退く昭和十六年八月までの二十七篇を収録。時代は日中戦争へ、さらには太平洋戦争へと緊迫するなか、マルクス主義壊滅後の中心的批評家として、いかなる文芸時評が可能であったか。戦争目的の是非を論ずることの無意味さをいだきつつ、「当麻」「無常といふ事」「西行」など一連の古典論へと沈潜していくその後の小林を予感させる、貴重な一冊。
山城むつみ
どんなに緻密な解釈であれ、解釈は原文に限りなく漸近することができるだけで、決してこれに追いつくことはできない、いわんや追い越すことなどありえない。これは昭和十年以降、小林が自分に課した「批評的創作」の命法にほかならない。――<「解説」より>
※本集は、掲載紙誌において、「文芸時評」「文芸月評」と銘打たれた作品を集成したものです。底本は、新潮社刊『小林秀雄全作品』5~14(二〇〇三年二月~二〇〇三年十一月)としました。
書誌情報
紙版
発売日
2011年08月12日
ISBN
9784062901307
判型
A6
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
掲載紙誌において「文芸時評」「文芸月評」と銘打たれた作品を集成した物。底本は、新潮社刊「小林秀雄全作品」5~14(2003年2月~2003年11月)とし、振り仮名は適宜調整した。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
「紋章」と「風雨強かるべし」とを読む
初出
『改造』1934年10月
-
作品名
文芸月評4
初出
『東京日日新聞』1934年10月
-
作品名
文芸月評5
初出
『国民新聞』1934年11月
-
作品名
文芸時評に就いて
初出
『行動』1935年1月
-
作品名
文芸月評6
初出
『東京朝日新聞』1935年1月
-
作品名
文芸月評7
初出
『中外商業新報』1935年4月
-
作品名
文芸月評8―岸田國士「鞭を鳴らす女」其他
初出
『東京朝日新聞』1935年12月
-
作品名
文芸月評9―岸田國士の「風俗時評」其他
初出
『読売新聞』1936年2月
-
作品名
文芸月評10
初出
『中外商業新報』1936年3月
-
作品名
文芸月評11
初出
『読売新聞』1936年4月
-
作品名
文芸月評12
初出
『都新聞』1936年5月
-
作品名
文芸月評13
初出
『報知新聞』1936年9月
-
作品名
文学の伝統性と近代性
初出
『東京朝日新聞』1936年12月
-
作品名
文芸月評14
初出
『読売新聞』1937年3月
-
作品名
文芸月評15
初出
『東京朝日新聞』1938年1月
-
作品名
文芸月評16
初出
『東京朝日新聞』1938年2月
-
作品名
文芸月評17―「仮装人物」について其他
初出
『東京朝日新聞』1939年1月
-
作品名
文芸月評18
初出
『東京朝日新聞』1939年4月
-
作品名
鏡花の死其他
初出
『文藝春秋』1939年10月
-
作品名
学者と官僚
初出
『文藝春秋』1939年11月
-
作品名
イデオロギイの問題
初出
『文藝春秋』1939年12月
-
作品名
期待する人
初出
『東京朝日新聞』1940年1月
-
作品名
文芸月評19
初出
『東京朝日新聞』1940年1月
-
作品名
文芸月評20
初出
『東京朝日新聞』1940年3月
-
作品名
島木健作
初出
『文藝春秋』1941年2月
-
作品名
林房雄
初出
『文藝春秋』1941年3月
-
作品名
文芸月評21―林房雄の「西郷隆盛」其他
初出
『朝日新聞』1941年8月
著者紹介
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