ブルーバックス作品一覧

「ファインマン物理学」を読む 普及版 電磁気学を中心として
ブルーバックス
ファインマン物理学は1968年に邦訳され、現在60刷を超える超ロングセラーの学部生向け教科書です。
理系学生、社会人では知らない人はいないといわれる名著「ファインマン物理学」を、竹内薫氏が縦横無尽に読み解きながら、ていねいに解説した『「ファイマン物理学」を読む』シリーズ、電磁気学篇!
ファインマンという天才は何を知り、どう考え、何を伝えようとしたのか?
「場」とはなにか? ガウス、ストークスの定理、ファラデーの法則、マックスウェル方程式から電磁場へ――本書を読めばファインマン物理学の真髄がわかる!

数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ
ブルーバックス
1,2,3,‥‥といった「自然数」、自然数に、0,-1,-2,-3‥‥を加えた「整数」、分数の形で表すことができる「有理数」、有理数と無理数を合わせた「実数」、そして虚数単位のiを用いた「複素数」と、数学の発展とともに数の世界は広がってきました。
本書では、19世紀のイギリスの数学者ハミルトンによって導入された「四元数」と、同時期にグレイヴスやケイリーによって発見された「八元数」をみることによって、次々と数の世界が広がっていく不思議を解説します。
ハミルトンが発見した四元数の世界は複素数を含む数の体系とも考えられますが、交換法則が成り立たない世界です。しかし、その導入の経緯から3次元の回転を記述するのに優れていて、現在のコンピュータ・グラフィックスへの応用があります。さらに数を広げようと考えられたのが八元数です。複素数が2つの実数の組、四元数が4つの実数の組だと考えられるのと同じく、八元数は8つの実数の組だと考えることができます。四元数では交換法則が成り立たなくなりましたが、八元数では、交換法則と結合法則が成り立たなくなりますが、物理学の究極の理論といわれている超弦理論やM理論と結びついていることがわかっています。
数を拡張していくという視点から、自然数から実数、複素数、そして四元数や八元数の世界やその性質を見ていきます。はてしなく広がる数の不思議を実感できる一冊です。

カラー図解 分子レベルで見た薬の働き なぜ効くのか? どのように病気を治すのか?
ブルーバックス
あなたが飲んだ薬が、体のなかでなにをしているのか、知っていますか?
薬を理解するために必須の50種類の医薬分子のメカニズムを網羅!
・大村智博士、本庶佑博士がノーベル賞を受けた「イベルメクチン」「オプジーボ」とはどんな薬なのか?
・薬が効かない「耐性菌」はどのように生まれるのか?
・創薬はある種のギャンブル!? 新薬はなぜ高額になるのか?
・人類はインフルエンザ・ウイルスとの闘いに勝利できるのか?
・精神の病気は薬で治療できるのか?
・HIVプロテアーゼ阻害薬とはなにか?
2009年刊行の『分子レベルで見た薬の働き 第2版』の図をフルカラー化し、「免疫チェックポイント阻害薬」や「薬剤耐性」など、この10年の新しい話題を盛り込んだ最新版。
【目次】
第1章 薬はどのように効くか
1-1 薬は生命活動に関与する分子に働く
1-2 分子の世界での薬の働き
1-3 タンパク質の立体構造と働きとの関係
1-4 核酸の構造と働きとの関係
1-5 薬と生体高分子の間に働く力
第2章 魔法の弾丸を求めて
2-1 抗菌物質の歴史
2-2 動物とバクテリアの細胞の違い
2-3 どのような仕組みで抗菌物質はバクテリアを殺すのか
2-4 サルファ薬の効き方
2-5 ペニシリン
2-6 バクテリアのタンパク質合成を阻害する抗菌薬
2-7 バクテリアとの果てしなき闘い
2-8 バクテリア以外の寄生生物に対する薬
第3章 がんとの闘い
3-1 分子レベルで見たがん
3-2 DNAに直接作用する抗がん薬
3-3 がん細胞に必須のタンパク質に作用する抗がん薬
3-4 抗体でがんを治す
3-5 免疫チェックポイント阻害薬
3-6 がんとの闘いはまだ終わっていない
第4章 見えない敵
4-1 見えない敵とは
4-2 インフルエンザ
4-3 エイズと闘う薬たち
4-4 エボラ出血熱
第5章 生活習慣病の治療
5-1 血圧を下げる
5-2 血の塊を溶かす薬
5-3 糖尿病を治す
5-4 レステロールを下げる
5-5 骨粗鬆症を治す
第6章 免疫反応と炎症反応
6-1 免疫反応をコントロールする
6-2 自己免疫力をパワーアップする薬
6-3 炎症を止める
6-4 胃潰瘍の薬
第7章 脳や精神の病気の治療
7-1 アルツハイマー型認知症
7-2 パーキンソン病の治療薬
7-3 うつ病に対する薬

進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語
ブルーバックス
仲野 徹氏(大阪大学教授)が「むっちゃおもろい」と大絶賛!
読売新聞書評欄など各種メディアで話題沸騰!
進化生物学者も進化するそして誰もがダーウィンに!
「巻貝進化の研究をめぐる知的で詩的なエッセイ集
ユニークな進化生物学者たちが織りなす研究、
感心しながら読み終えた時、あなたも気分はダーウィンだ
そんな研究が何の役に立つのかって?
むっちゃおもろいから、それで十分!」
「歌うカタツムリ」(岩波科学ライブラリー)で第71回毎日出版文化賞 自然科学部門受賞を受賞し、新聞や雑誌の書評で、「稀代の書き手」として絶賛された千葉聡氏(東北大学東北アジア研究センター教授)。本作は受賞後の最新作になる。自身の小笠原のカタツムリ研究のフィールドワークや内外の若手研究者の最新の研究成果を紹介しながら、「進化生物学」の醍醐味を描いたエッセイ的な作品。練り込まれた構成と流れるような巧みな文章で、ダーウィンに始まる進化研究の「バトン」がいまも途切れることなく受け継がれており、我が国の研究者もこれにおおいに貢献していることが分かる。読み始めたらページをめくる手がとまらない、痺れるほど面白い傑作
千葉/聡
東北大学東北アジア研究センター教授、東北大学大学院生命科学研究科教授(兼任)。1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。静岡大学助手、東北大学准教授などを経て現職。専門は進化生物学と生態学。著書『歌うカタツムリ』(岩波科学ライブラリー、2017年)で第71回毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞。ほかに『生物多様性と生態学ー遺伝子・種・生態系』 (朝倉書店、2011年、共著)などの著作がある。
目次
第1章 不毛な島でモッキンバードの歌を聞く
第2章 聖なる皇帝
第3章 ひとりぼっちのジェレミー
第4章 進化学者のやる気は謎の多さに比例する
第5章 進化学者のやる気は好奇心の多さに比例する
第6章 恋愛なんて無駄とか言わないで
第7章 ギレスピー教授の講義
第8章 ギレスピー教授の贈り物
第9章 ロストワールド
第10章 深い河
第11章 エンドレスサマー
第12章 過去には敬意を、未来には希望を
第13章 グローバルはローカルにあり

企業研究者のための人生設計ガイド 進学・留学・就職から自己啓発・転職・リストラ対策まで
ブルーバックス
日本で働く研究者の数は約84万人といわれるが、そのうちの約6割を占めているのが企業に勤務する企業研究者である。数の上では、大学などアカデミアで働く研究者を凌いでいるものの、企業秘密などを扱う関係からその実態はあまり知られていない。本書は、米国の大手製薬会社で研究者として活躍した著者が、自らの体験をもとに、企業研究者に求められる資質やキャリア形成にあたって注意すべき点などをアドバイスする。これから企業に就職しようとしている理系学生やすでに企業研究者として勤務し、これからの人生設計を考える人たちに参考になるマインドセットをふんだんに盛り込んだ、ありそうでなかった人生指南書
第1部:企業研究者への道
第1章 企業で働く研究者の仕事
第2章 学士・修士で卒業するか、博士号を取るか?
第3章 企業で研究するか、大学で研究するか?
第4章 企業研究者になるとしたら、どの業種・企業・職種を選ぶか―鎌谷流就活指南
第5章 企業研究者に求められるスキル・経験と心構え
第6章 企業研究者としての人生設計
第2部:ある企業研究者の履歴書
第7章 大学院に進学し、海外に飛び出す
第8章 博士号を取得し、企業研究者を志す
第9章 企業研究者になって、僕がやったこと 国内製薬会社研究所編
第10章 企業研究者になって、僕がやったこと 米製薬会社米国研究所編
第11章 企業研究者になって、僕がやったこと 米製薬会社英国研究所編
第12章 研究への想い、化学への想い
第3部:企業研究者インタビュー
企業研究者インタビュー その1
木本絵美さん
ファイザー株式会社(米国コネチカット州) 主任研究員
企業研究者インタビュー その2
中鉢知子さん
ノヴァン株式会社(米国ノースカロライナ州) バイスプレジデント

時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」
ブルーバックス
科学が捉えた「時間の本質」――時間は過去から未来へ流れて《いない》!?
時間の正体は、宇宙の起源につながっている。
時間とは何か? 時は本当に過去から未来へ流れているのか? 「時間が経つ」とはどういう現象なのか?
先人たちが思弁を巡らせてきた疑問の扉を、いま、物理学はついに開きつつある。
相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学を見渡し、科学の視座から時間の正体に迫る。
――――
【本書「はじめに」より】
「時間が経つ」あるいは「時が流れる」とは、どういうことだろうか?
目の前に置かれた時計を見つめている自分を想像していただきたい。時計の針が、3時ちょうどを指しているのを見たとしよう。そのままじっと時計を見つめていると、秒針がゆっくりと一周し、長針がわずかに進んで、3時1分を指すのが見える。さらに見つめ続けると、やがて針は3時2分を、続いて3時3分を指す。
時計を見ている人にとって、針がある時刻を指すのを目にする場合、その時刻だけがリアルな瞬間だと感じられる。針が3時2分を指しているならば、3時1分を指す光景は過去の記憶であり、3時3分を指すことは未来の予測である。どちらも、3時2分を示す時計を目の当たりにしている「いま」のようなリアリティは感じられない。時計を見つめ続けると、時計の針は、しだいに、その後の時刻へと動いていく。この状況を素朴に解釈すると、眼前の時計が示す「いま」の時刻が、後へ後へと移動していくことを表すようにも思われる。
さて、ここで考えていただきたい。こうした「時の流れ」は、意識の外にある物理世界においても、客観的な出来事として起きているのだろうか? 言い換えれば、「時の流れ」は物理現象なのか――という問題である。
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【主な内容】
■はじめに――時の流れとは
《第I部 現在のない世界》
■第1章 時間はどこにあるのか
■第2章 過去・現在・未来の区分は確実か
■第3章 ウラシマ効果とは何か
《第II部 時間の謎を解明する》
■第4章 時間はなぜ向きを持つか
■第5章 「未来」は決定されているのか
■第6章 タイムパラドクスは起きるか
■第7章 時間はなぜ流れる(ように感じられる)のか

免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ
ブルーバックス
免疫学の第一人者が教える、感染予防のために「私たちができること」
新型コロナウイルス大流行の今こそ「知識のワクチン」を!
テレビや新聞、インターネットには、毎日のように「免疫力を高める」とか「がんを免疫で治す」といった情報が流れているが、免疫学的に見ると、その大部分は科学的エビデンスが欠けている。残念なことに、こうした怪しげな情報に、多くの人たちが惑わされて、かえって健康を損ない、ときには寿命を縮めているケースさえある。
その最たるものが、ワクチンに対する過剰な忌避感情・恐怖症だ。医学的にもっともエビデンスのある「免疫力増強法」は、ワクチン接種である。ところが、ワクチンの副作用を過剰に煽る人たちがいて、彼らの多くが医師や医学博士という肩書を持つことから、その主張はもっともらしく聞こえ、それなりの支持を獲得している。しかし、彼らの主張を子細に見てみると、ワクチンや免疫機構に関する初歩的な事実が見落とされ、しばしば医学的に誤った主張がなされている。こうした情報に翻弄されると、健康被害を受けかねない。もちろん、ワクチンは万能ではなく、効果が不十分である場合や、副作用が出ることもある。しかし、そのようなことを考慮しても、多くの感染症ではワクチン接種は有効で、ほとんどの人に利益をもたらす。
一方で、巷に氾濫している免疫力強化をうたう健康食品の多くには暗示効果以上のものはなく、摂取してもからだの免疫力はほとんど変わらない。健康食品は精神安定剤以上のものではない。免疫系全体の能力を上げるためには、むしろ、血流やリンパ流量をよくすることのほうが役に立つ(本書では、その科学的エビデンスや具体的な方法について、解説している)。そして、なるべくストレスをなくすことだ。「信じるものは救われる」と言うが、健康食品や民間療法の多くは「信じても救われない」。そのようなものに頼るよりも、からだの働き方を科学的に理解して、それに伴ったものの考え方、生活の仕方を実践することが賢明である。
本書では、近年注目を集めている「がん免疫療法」についても取り上げている。これまで抗がん剤以外に打つ手がなかった「がん」に対して、「がんワクチン」が使われ、効果をあげつつある。加えて、さらに最近、免疫チェックポイント療法、CAR-T療法など、劇的な効果をもたらす「がん免疫療法」が注目されている。
このほか、本書では、そもそも免疫力を科学的に測定することは可能なのか? また免疫力を科学的に高める方法は存在するのか? がんや高血圧などの病気をワクチンで治療することが可能なのか、など数多くの疑問に対して、科学的に誠実に解説した。

離散数学入門 整数の誕生から「無限」まで
ブルーバックス
離散数学の最も大切なポイントは「数える」ことにある!
組合せの数、グラフ理論、デザイン論、無限集合の濃度……離散数学の考え方をしっかりと理解するための一冊。
離散数学は、物事を「数える」ことから始まり、現代の暗号理論、プログラム理論をはじめ、さまざま分野で注目されている数学である。
整数の概念の誕生、あみだくじ、正多面体の回転、麻雀大会の組合せなど、豊富な例と問題を通して、離散数学の基礎的な概念をわかりやすく解説する。
【本書のもくじ】
第1章 整数の誕生
1.1 トークン
1.2 1対1の対応の発想
第2章 素朴に数えること
2.1 樹形図の発想
2.2 数えることのいろいろな問題
第3章 帰納的に考える発想
3.1 組合せに関する基本的な公式
3.2 包含・排除の公式と全射の個数
3.3 グラフ理論の木の個数
3.4 ハノイの塔と13個のオモリ問題
3.5 偶置換・奇置換の一意性の証明その1
第4章 2通りに数える発想
4.1 グラフ理論の基礎的定理と多面体
4.2 デザイン論の基礎
4.3 16人の麻雀大会とカークマンの女子学生問題
4.4 偶置換・奇置換の一意性の証明その2
第5章 対称性を用いる発想
5.1 ダイオキシンの異性体と正多面体
5.2 グラフの自己同型写像
5.3 偶置換・奇置換の一意性の証明その3
5.4 デザインの自己同型群と関連するガロア群
第6章 無限集合の濃度
6.1 集合同士の対等
6.2 いろいろな集合の濃度

子どもにウケる科学手品 ベスト版 どこでも簡単にできる77の感動体験
ブルーバックス
「簡単にできてインパクトが凄い!」を合言葉に、シリーズ累計85万部、中国では100万部突破! 大ベストセラーシリーズから選び抜いた傑作選。
準備不要、コツいらず、誰でもできます。
それでいて、見る側は息をのむ衝撃度!
ヤカンが宙に浮き、つまようじが水面を走り出す。
ビンの中身がいきなり凍り、水道の蛇口にだんごができる──。
身近にあるものだけを使い、誰がやってもできる傑作科学手品を精選し、描き下ろしイラストとともに一挙紹介。「タネあかし」用にわかりやすい解説もついています。
「えっ、どうして、どうして?」と子どもの目が輝く瞬間をどうぞ!
ーーー【著者より】---
本書は、日々の親子のふれあいの中で、子どもに科学の不思議さ、楽しさ、面白さを知ってもらうための材料を、あなたにこっそり提供するものです。
紹介する77の科学手品には、タネや仕掛けがいっさいありません。それなのに、信じられないような不思議な現象が、子どもの目の前で展開されます。
まさに、「目にも見えず、手でもさわれない力」の存在を子どもが実感することでしょう。
その昔、学校で「理科」をよく勉強したおとななら、それらが大気圧であり、重力であり、静電気であることを見抜けるでしょう。
しかし、子どもは、まだ、そのほとんどの存在を知りません。知っていたとしても、それらの力がこんな形で身の回りのものに影響をおよぼしているとは、思ってもみないでしょう。
子どもは目を輝かせて、手品に見入るはずです。そして、なんでそんなことが起こるのか、懸命に考えようとするでしょう。
そうしたら、すぐに答えを教えずに、ぜひ、子どもと一緒に考えてあげてください──。

道具としての微分方程式 偏微分編 式をつくり、解いて、「使える」ようになる
ブルーバックス
するする読めて、なっとくできる《偏微分「超」入門》!
身近な現象から偏微分方程式を作り、解いて、味わう。
数式のもつ物理的な意味が
みるみるイメージできるようになり、
読み終わる頃には「使える」ようになる。
研究・開発の現場で偏微分を使いこなしてきた著者が、
ユーモラスにていねいに解説。
スイカを、冷蔵庫に何時間入れれば冷える?
お風呂に何分つかれば身体が温まる?
――偏微分が使えれば、身近な現象を具体的に表現できる!
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【偏微分に"偏"見をもってしまっている人たちへ】
本書は、世界で最も、丁寧に、愛情をもって偏微分方程式を語っていると自負している。
偏微分方程式は、まったく変でも偏でもなく、現実を表現できる便利な道具なんだということを、私は言いたかったのです。(本書より)
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■おもな内容
プロローグ ちっとも変じゃない偏微分方程式
第1章 準備に時間がかかる偏微分方程式
第2章 つくるのがおもしろい偏微分方程式
第3章 つくるのがたいへんな偏微分方程式
第4章 ふしぎに解けていく偏微分方程式
第5章 解をグラフで味わう偏微分方程式

ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方
ブルーバックス
放っておくと筋肉は年齢と共に衰え、そのことが原因で免疫力が下がったり、生活習慣病を引き起こしたり、心の健康や、脳の認知機能にまで影響を及ぼすと言われています。とはいえ、筋肉を衰えさせてはいけないとわかってはいても、運動をコンスタントに取り入れるのはなかなか難しい……。ジムに通い続けるにはお金も必要だし、一人でできないスポーツはその場所や相手を確保するのに手間やお金もかかる、ランニングはいきなり走っても大丈夫か不安……などなど、運動に対するハードルはけっこう高いものです。
そこでウォーキングの提案です。ウォーキングなら家の周りを歩いてもいいし、どこかに行くついでに1駅分歩くこともできるし、すぐにでも始められます。ただ、なんとなく歩くだけでは体力アップはむずかしいことも事実です。著者は科学的に「どれくらいの速度で」「どれくらいの頻度で」「どれくらいの時間行えば」「どんな効果が得られるのか」を徹底的に研究し明確にしました。その根拠となるのは、10年余りで7000人以上のデータを取った結果と分析。それがわかりやすく示されているので、なぜどのように体にいいのか、納得できます。そのようにして確立した、効果的で継続しやすい方法「インターバル速歩」を紹介。ややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを一定間隔で繰り返すだけのシンプルな方法です。
第1章では、体力とはなにかについて、ミトコンドリアの働きなど細胞レベルの話も交えて解説します。なぜちょっときつめの早歩きを組み込むのかがわかります。第2章では、具体的なインターバル速歩のやり方を紹介し、多くのデータから明確になった、さまざまな効果について解説します。第3章は、インターバル速歩をさらに効果的にする方法や、腰痛・膝痛や体に不調のある人にもできる方法などを紹介する応用編です。
第1章 体力とはなにか
体力とはなにか/運動時のエネルギー源/体力が落ちると生活習慣病になりやすい!?/運動トレーニングによる持久力向上メカニズム/熱中症予防のために備わった驚くべき体のシステム/1日1万歩は体力アップになるか?/中高年者はトレーニングを明確に区別する必要はない ほか
第2章 効果的なウォーキング「インターバル速歩」とは
体力向上はウォーキングで十分だった!/体力向上が加齢による症状を改善する(生活習慣病を改善する/気分障害も改善する/睡眠の質も改善する/認知機能も改善する/関節痛も改善する/骨粗鬆症も改善する)/炎症反応を引き起こす遺伝子 ほか
第3章 「インターバル速歩」をより効果的にする科学
インターバル速歩後の乳製品摂取で(筋肉が太くなる ほか)/慢性炎症を抑制する/生活習慣病の症状が改善する/腰痛・膝痛の人にもできるインターバル速歩/水中インターバル速歩 ほか

「ファインマン物理学」を読む 普及版 量子力学と相対性理論を中心として
ブルーバックス
本書を読めば高校生でもファインマン物理学の真髄がわかる! ファインマンという天才は何を知り、何を伝えようとしたのか?
1.いきなり? 第5巻「量子力学」を読んでみる
2.量子力学のミステリー
3.ファインマン流の相対性理論
4.シュレディンガー方程式の登場
5.ファインマン経路積分とは何か

数の概念
ブルーバックス
日本近代数学の祖・高木貞治(明治8年~昭和35年)が昭和24年に物した生涯最後の著書。「数とは何ぞや」という問いに、「一般的教養としても、哲学的思考を有する人々の関心をひく問題」として、簡潔に答えを提示。整数とは、有理数とは、実数とは。矛盾のない理論を証明すべく挑む。大学院生時代の明治31年に物した初の著作『新撰算術』以来50年、生涯続いた「算術」の基礎への関心が、ここに貫かれている。

カラー図解 人体誕生 からだはこうして造られる
ブルーバックス
直径0.1ミリの受精卵が、猛烈なスピードで分裂・増殖して、37兆個の細胞からなる「人間」に変貌する。神秘的ともいえる人体誕生の過程を、豊富なメディカルイラストを駆使して丁寧に解説、生命科学最大のミステリーがいま解き明かされる。
ヒトの生まれるまで
第1章 からだの枠組み
第2章 からだ造りの戦略
第3章 からだ造りの手順
第4章 折れたたみで胚子の形が変わる
第5章 凸凹が生じて器官ができる
第6章 神経系の生まれ方
第7章 袋と管が作る体内の器官 PART1 循環器
第8章 袋と管が作る体内の器官 PART2 生殖器官と泌尿器官
第9章 ヒトのからだにサカナ時代の遺構
第10章 手違いをする造化の神
姉妹書ブルーバックス『新しい人体の教科書』(上・下)と併せて読むとさらに理解が深まります

ブルーバックス科学手帳2020
ブルーバックス
日々の生活にもっとサイエンスを!
365日の科学の出来事や元素周期表、ノーベル賞受賞者の一覧など、役立つ情報満載の科学ファン必携のスケジュール手帳です。
2020年版では改定となった国際単位系(SI)の新定義や、オリンピックに関連するデータも収録!
●本書の内容
【スケジュール帳】
年間カレンダー(2020年~2021年)
週間スケジュール帳(週間レフトタイプ)
【資料編】
〔物理・化学編〕
周期表/物質の成り立ち/物質の三態/原子の内部構造/素粒子/同位体/原子の電子配置/主な物質の化学式 など
〔天文・宇宙編〕
宇宙の歴史/宇宙の階層構造/太陽系/太陽と四季/月の満ち欠け/月の地図 など
〔地学編〕
世界のプレート分布/震度と揺れの程度/日本列島で想定されている大型の地震/日本列島の活火山と火山フロント/地球の大気循環/世界の気候区分/世界の海流/海水の深層循環/雲の形と名前/雨の強さを表す指標 など
〔生物学編〕
生物の分類/細胞の基本構造/タンパク質の合成/ヒト染色体の遺伝子地図/植物の分類/単子葉類と双子葉類の特徴/動物の分類/脊椎動物のしくみとふえ方/人間の骨格/人間の筋肉 など
〔数学編集〕
代数・幾何・数論/三角関数/微分・積分の公式/2次曲面の分類 など
〔単位・物理定数〕
国際単位系の基本単位(SI基本単位)/固有の名称をもつ国際単位系のSI組立単位/10の整数乗倍の接頭語/基礎物理定数表 など
〔単位換算表〕
長さ/面積/体積/重さ/速さ/温度
〔オリンピックに関するデータ〕
世界記録の推移/主な球技の諸データ
〔付録〕
ノーベル賞受賞者一覧/講談社科学出版賞

作曲の科学 美しい音楽を生み出す「理論」と「法則」
ブルーバックス
曲作りは「五線譜上のサイエンス」だ!
フランスで最も栄誉ある音楽勲章を最年少受章した著者が、書き下ろし新曲を例に基礎の基礎からやさしく手ほどき!。
すぐに聞ける音源付き!
「作曲とは数学である」──そのこころは?
「和音」と「不協和音」はどう違う?
「明るい曲」「暗い曲」は、どうやってできる?
ユーミンと童謡に意外な共通点が!
すべてのメロディとハーモニーは「計算」から生まれる!
狙いどおりの楽曲を生み出す“足し算”と“かけ算”とは?
豊富な音源を用いて気鋭の音楽家がわかりやすく解説する「作曲のロジックとテクニック」。
本書読者のための特別付録として、新譜『Gunung Kawi』を公開(ハイレゾ対応)。
【もくじ】
第1楽章 作曲は「足し算」である──音楽の「横軸」を理解する
第2楽章 作曲は「かけ算」である──音楽の「縦軸」を理解する
第3楽章 作曲のための「語彙」を増やす──楽器の個性を知るということ
第4楽章 作曲の極意──書き下ろし3曲で教えるプロのテクニック

DNA鑑定 犯罪捜査から新種発見、日本人の起源まで
ブルーバックス
知らないではすまされない現代人の常識――DNA鑑定の最もやさしい解説書!
●個人識別力「4兆7000億分の1」の根拠とは?
●DNAのどこを見てどのように鑑定するのか?
●DNA鑑定でこんな「事件」も解決してきた
●鑑定できるDNAと鑑定できないDNAの違いは?
などの基本的な知識から、
◆絶滅魚「クニマス」は本当に復活したのか?
◆「突然変異」と「生きた化石」の不思議
◆「新説」縄文人はどこで誕生したのか?
◆ネアンデルタール人と現代人は混血したのか?
などの生物学や人類学の話題、さらには、
▼戦没者のご遺骨探しにおける「国の不誠実」
▼初期のDNA鑑定が引き起こした「冤罪事件」
▼科捜研のDNA鑑定が抱える「決定的な欠陥」
▼なぜ科捜研では「追試」ができないのか
などの日本のDNA鑑定の大問題まで、DNA鑑定をこよなく愛し、ありとあらゆるものを
鑑定してきたプロフェッショナルが、DNA鑑定の面白さと深さを語り尽くす!
【本書の構成】
第1章 DNA鑑定「前夜」
第2章 なさねばならぬDNA鑑定
第3章 少しだけ学ぶDNA鑑定の原理
第4章 世にDNA鑑定の種は尽くまじ
第5章 DNA鑑定が明かす日本人の起源
第6章 DNA鑑定で迫る生物の謎
第7章 犯罪捜査とDNA鑑定

高次元空間を見る方法 次元が増えるとどんな不思議が起こるのか
ブルーバックス
現代科学を理解するために不可欠な「高次元」を感覚的に捉える超入門書!
科学の入門書やニュースだけでなく、SF小説や映画、アニメなどで目や耳にする高次元や4次元の世界。世界中で研究されている摩訶不思議な世界の入り口を、我々にとって身近な1次元、2次元、3次元から1つずつ次元を増やして解説していきます。
我々の暮らしている3次元空間の中では絶対にほどけない「結び目」が、4次元を使えば「ほどけてしまう」という数学的手品も、本書で実演します。また、4次元の中ではほどけないものがあるという具体例もお見せします。想像力をフル稼働させて、「4次元」や「高次元」を具体的に見て感じて、さらに、「高次元の図形」を作って動かしていきます。
【本書の内容】
Part 1 高次元空間とは
・高次元空間という言葉を、数学的にきちんと説明しておきましょう
Part 2 高次元の出てくる例
・日常レベルのことを調べることから、経済や自然観測まで、かなり多くのところで、高次元空間は基本事項である
Part 3 宇宙について
・我々の存在している宇宙について、少しばかり
Part 4 結び目がほどける?
・高次元空間を見るとはどのような精神状態か、体験させてさしあげましょう
Part 5 4次元で結ばれる
・4次元空間の中でも、やはり、結ばれるものはある。4次元空間を直感力で念想しよう
Part 6 高次元で結ばれる
・高次元空間の中でも、やはり、結ばれるものはある。高次元空間を気合いで直覚する
Part 7 次元を1つ上げる
・次元を1個上げれば、右手系、左手系は区別できない。次元を1個上げることを想像して直観する
Part 8 高次元空間で操作する
・高次元空間の中の図形を、局所の操作だけで変形するようすを観照する
Part 9 3次元だけでも高次元が必要
・3次元空間R^3の中だけ考えていても高次元の、しかも、複雑な図形が出現する

数学にとって証明とはなにか ピタゴラスの定理からイプシロン・デルタ論法まで
ブルーバックス
数学はなぜそれを必要とし、生み出したのか。知っているようで知らなかった、奥深き知的営み――「証明」の世界へ飛び込もう!
【おもな内容】
はじめに
第1章 証明とはなんだろうか
第2章 証明のさまざまな技術
第3章 命題と論理記号
第4章 算数の中の証明をもう一度
第5章 証明の花形――初等幾何学の証明
第6章 無限に挑戦する――解析学の証明
第7章 式は語る――代数学の証明
終わりに――数学にとって証明とはなにか

我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの
ブルーバックス
生命とは何か? それはどこで、どのようにして生まれたのか?
この「究極の謎」に、人類はいまだに答えられていない。
だが近年、「生命の起源」をさがす研究は大きな動きをみせている。
たとえば、生命誕生の地は従来、「海」が最有力とされてきたが、
最近では「陸」が、さらには「宇宙」が支持を集めつつあり、
「宇宙生物学」といわれる分野で活発な研究が進められている。
その一方では、「生命の起源がわからないなら、つくってしまおう」
という考え方が現れた。時計の仕組みを知るためにまず時計をつくってみて、
そこから仕組みを考えるように、まず「生命の起源」をつくろうという発想だ。
これが、現在の生命科学で最も注目されている「合成生物学」である。
その発展は目ざましく、「5年以内」に人工生命の実現をめざす研究者もいる。
そのとき我々は、その「生命」を「生命」と認めることができるのだろうか?
研究室で「生」と「死」の試作を続ける最先端の科学者たちは、
「生命」をどのように考えているのだろうか?
科学だけでは割り切れない「究極の謎」に、気鋭の作家が挑む渾身作!
(本書の主な内容)
●「がらくた生命」は存在するのか?
●キッチンでつくれる「人工細胞のレシピ」
●光合成をして「成長」する人工細胞の登場
●フランケンシュタインの大腸菌
●人工細胞・人工生命の「慰霊碑」
●生命に刻まれた宇宙の非対称性 ほか