文芸(単行本)作品一覧

はじめてわかる国語
はじめてわかる国語
著:清水 義範,著・装画:西原 理恵子
文芸(単行本)
いったい何の学問? 文学鑑賞文法漢字書き取り作文――楽しむコツを教えます 西原理恵子とコンビの爆笑お勉強シリーズ。 小学校の国語教育の矛盾や日本語の乱れ、入試国語問題必敗法や文章読本まで、清水義範のいちばん得意な分野のエッセイ。高島俊男、斎藤美奈子氏との対談つき好著。
中仙道六十九次 はやぶさ新八御用旅
中仙道六十九次 はやぶさ新八御用旅
著:平岩 弓枝
文芸(単行本)
江戸への戻りは中仙道。 京都での事件を解決した新八郎は、美濃路で突然届いた果し状の謎を追って、秋の木曾路をひた走る。 密命を帯びて京に上った新八郎は、ここでも事件に巻き込まれたが無事に解決。中仙道経由で江戸に戻る道中でもさまざまな厄介事が!「はやぶさ新八御用旅」帰途編
アトピー・リゾート
アトピー・リゾート
著:辻井 南青紀
文芸(単行本)
死に瀕する母性! 謎めいた子供たちの危機。 朝日新人文学賞受賞、35歳の新鋭が書下ろした見事な現代文学の秀作。 〔母性をめぐって交わされることばや思いは、現在を生きる母たちの生身の姿から、少々かけ離れているようだ。〕 〔人間の持つ受動性には、人間の本質を垣間見せる謎が潜んでいる。何らかの危機に瀕しながらさしたる策もなく、けれども1ミリも後退するわけにはいかない時、人は“明らかならざるもの”としか言いようのない何かを、突如発揮する。〕 気鋭の新進・辻井南青紀は、デビュー作『無頭人』を遥かに超える書下ろし大作を、いま、刊行!
終戦のローレライ(下)
終戦のローレライ(下)
著:福井 晴敏
文芸(単行本)
「人生を削って書いた。そうさせる力が、彼女(ローレライ)にはあった」 どの世代にも描き得なかった“あの戦争”がここに。はるかな地平に到達した著者、待望の書下ろし超大作。 「国家の切腹を断行する」南方戦線で地獄を見た男の、血塗られた終戦工作。命がけで否と答えるべく、その潜水艦は行動を起こす。 耐えてくれ、ローレライ。おれたち大人が始めたしょうもない戦争の痛みを全身で受け止めて、行く道を示してくれ。この世界の戦をあまねく鎮めるために。いつか、悲鳴の聞こえない海を取り戻すために――
終戦のローレライ(上)
終戦のローレライ(上)
著:福井 晴敏
文芸(単行本)
1945年8月。日本。 敗け方を知らなかった国。 3賞制覇の傑作『亡国のイージス』から3年余、この沈黙は本作のためにあった。 戦争。 もはや原因も定かではなく、誰ひとり自信も確信も持てないまま、行われている戦争。 あらかじめ敗北という選択肢を持てなかった戦争。 茶番と括るには、あまりにも重すぎる戦争。 ――その潜水艦は、あてどない航海に出た。太平洋の魔女と恐れられた兵器“ローレライ”を求めて。「彼女」の歌声がもたらすものは、破滅か、それとも――
其の一日
其の一日
著:諸田 玲子
文芸(単行本)
桜田門外の変、箕輪心中……歴史はいつも小さき者たちを弄ぶ。 昨日までは人並みだった。 今日でずいぶん歳をとった。 江戸市中で懸命に生きる人々の運命の1日――全4篇。 祖父の辞世は句である。 妻と孫あとに遺して菊見かな 佐代の前で泣くのは恥だと思ったが、思ったときはもう涙が頬を伝っていた。(中略) 長い長い1日に遭遇した数々の出来事、多くの人々、さまざまな思い。それらをどう肚におさめ、これから先いかに生きてゆくのか。15の若者には考えも及ばなかった。――(本文より)
虚日
虚日
著:金 石範
文芸(単行本)
日韓ともに清算せよ! 小説と韓国紀行で描く半世紀の壮絶な文学の闘い ●紵茂る幼い墓 ●離れた森 ●かくも難しき韓国行 ●虚日 ●苦難の終りの韓国行 ふるさと、済州島4・3事件はなんだ。いま頭に浮かび上がってくるのを、受け止めるのがしんどい。昨夜、ヨンアがいったように、アフガンの人たちが流す涙は、豚や牛の……。いや、まるで虫けらみたいに……。この半世紀、アメリカの関係しなかった世界の戦争と殺戮、虐殺があるか。アメリカ。――(本文より)
死せる魂の幻想
死せる魂の幻想
著:寺村 朋輝,装丁:馬場崎 仁(オブリーク)
文芸(単行本)
第45回群像新人文学賞受賞! 現役京大生が放つ才気溢れる逸品。 若い女性の孤独感と他者との関係性への切望。 大学生の千明はお節介な祖母とふたり暮らし。アパートと大学を往復するまじめな大学生。女友達はいるがBFはいない……選考委員を唸らせた群像新人賞受賞作。 <選評より> 「後段の奇妙な雨宿りシインの迫力に居ずまいをたださせるものがある」――加藤典洋氏 「わたしがこの小説を推したのは、ここには、簡単には噛み砕けない核があるからだ。そして、その核のことを通常我々は『文学』と呼んでいるのである」――高橋源一郎氏 「語り口のうまさと同時に、卑近な日常と途方もない神々しさをリンクさせる若年性のリアルさが面白い」――藤沢周氏
ジャイロ!
ジャイロ!
著:早川 大介
文芸(単行本)
村上 龍、村上春樹、阿部和重につづく気鋭の才能が、いま輝きだす。 第45回群像新人文学賞受賞! 僕と猟平との“危険なキャッチボール”が原因で彼の家は全焼した……。 熱を孕んだ文章が読む者を片っ端から作品世界に引き込んでしまう。まさに現代の悪童日記! <選評より> わたしは、選考委員であることを忘れて、楽しく読んだ。……(高橋源一郎) 思わず読まされた。現在の悪童日記とでもいうか、世界へのルサンチマンが横たわっていて、ベタな描写が呪詛によって繋ぎ止められている。……(藤沢 周)
ママの遺伝子
ママの遺伝子
著:小松 江里子
文芸(単行本)
お受験、2世代同居、専業主婦の職場復帰…… ママの問題はボクの宿題より大変らしい。 TBS系金曜ドラマを完全小説化 藤木七海(ななみ)・35歳。結婚13年目の専業主婦。夫はやさしいし、子供達は、勉強はそこそこみたいだけれども、素直に育ってくれた。だから、それなりにしあわせかな? でも、「マイホームの頭金を貯めたいな」なんて考え始めていた矢先に、夫の両親から同居の誘いがあって。ハッキリ言ってお義母さんはちょっと苦手なんだけど……。 いまどきの家族をハートフルに描いた人気ドラマ、待望のノベライズ。
深川黄表紙掛取り帖
深川黄表紙掛取り帖
著:山本 一力
文芸(単行本)
われら、裏稼業、江戸の厄介事、よろず引き受けます。 元禄版始末処は、年中暇なし。 表稼業は…… 蔵秀――夏場の3ヵ月だけ夏負けの特効薬を商う定斎売り。 辰次郎――富岡八幡宮門前の印形屋の次男坊。絵草紙本作家を目指している。 宗佑――飾り行灯師。明かりを使った細工ものの名人。 雅乃――尾張町の小間物問屋のひとり娘。絵師。
贈答のうた
贈答のうた
著:竹西 寛子
文芸(単行本)
日本人は、このような言葉で生きてきた 日々の暮しのなかで詠み交され、古人の哀歓を伝えてきた贈答のうた。詩歌・物語の境を越えた多彩な贈答に日本人の心の歴史をたどる。
ネヴァードロップ
ネヴァードロップ
著:田原 弘毅
文芸(単行本)
劇場には全てがある! 超常的男優女優劇作家小屋主演主家によって小劇場が都市となる劇笑叙事詩。 小説現代新人賞作家の渾身書き下し長篇。 「いや、これはただの性行為に過ぎない。愛はこれっぽちもないのだ。だからおれは『劇団内恋愛禁止』の法を破ってはいないのだ」 「なんですってえっ」 それまで全裸で恥ずかしさに打ち顫えていた女優はその台詞を聞くなり跳ね起き、――(本文より)
記憶の中の一番美しいもの
記憶の中の一番美しいもの
著:カレル・G・ファン・ローン,訳:長山 さき
文芸(単行本)
息をのむ筋書き、驚くべき結末 愛とは?夫婦とは?そして家族の絆とは? 18カ国語に訳された世界的ベストセラー小説 人生には5つの部屋がある――知識の部屋、可能性の部屋、神の暗室、がらくた部屋、そして、できれば知らなかった方がよかったことのための部屋…… 「疑問とともに生きるよりも、答えと生きる方がずっとむずかしいこともある」 サイコスリラーと純文学のもっともよいところを併せもつ傑作――(エル/フランス) 読者は自分の愛する人のことをいかに知らないか悟るだろう――(ザ・オブザーバー/イギリス) 超一流の作家…始まりから終わりまで読者を惹きつけて離さない――(デ・タイト/オランダ)
動くとき、動くもの
動くとき、動くもの
著:青木 奈緒
文芸(単行本)
美しい日本の風景を支える人の手があり、圧倒的な自然の力と折り合って生きるために砂防といういとなみがある。 25年前祖母幸田文が見つめた“崩れ”を孫奈緒が再訪した。時の流れと人のつながりに想いをこめて、確かな筆致で綴る感動の体験紀行。 動くとき、動くもの。山も川も、人の心も、動かぬものはありません。決別であり、同時にそこからの始まりでもあります。いつも変わらぬと思いこむのは、人が自分勝手な尺度ではかっているときばかりで、実際には目に見えぬ、人の尺度をこえた動きがあるのです。昔から言いつくされてきたこの世の無常にたどりついて、大きくひらけた心を持てたような気がします。――本文より
浪漫的な行軍の記録
浪漫的な行軍の記録
著:奥泉 光
文芸(単行本)
兵士たちのいつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍 戦況悪化、極限的状況の中で見たもの これは幻想だろうか? 張りぼての大砲「国体の精華」を運ぶ、帝国陸軍兵士の隊列 「……第1分隊に正常な砲が割り当てられた。第3分隊が故障砲を担当した。私が属する第2分隊と第4分隊には、だから砲がなかったが、代わりに別のものがあった。別のものとはダミーの砲である」「……偽装砲といえども、皇道の大精神に則り、なお必勝の信念をもってすれば、必ずや火を吹き、憎き敵を討つのである」(本文より)
総門谷R 白骨篇
総門谷R 白骨篇
著:高橋 克彦
文芸(単行本)
未曾有の超伝奇 総門谷R(リターンリベンジ)第4部白骨篇 非業の最期を遂げた聆雲は、魔童児として甦った。 小野篁は、怨魔となり村に火を放つ。 かつての仲間を敵にして、諒たちの死闘が始まる。 「てめえ、聆雲なのか?」 泣きそうな顔で久遠は質した。子供のように可愛がっていた聆雲なのである。鉄戦士に無残にも踏み潰されて聆雲は死んだ。その怨みを晴らすために久遠たちはこうして早池峰山まで足を運んだのと一緒だ。それなのに、その聆雲が怨魔となって自分たちを襲って来たなど、信じたくない。――(本文より)
金色の虎
金色の虎
著:宮内 勝典
文芸(単行本)
生とは何か 死とは何か この世にタブーなど1つもない! 聖と俗の極限をめざす狂気のセックス・グル=シヴァ・カルパ。巨大新興教団に翻弄される日本人青年ジローがヒマラヤの聖者の生と死のドラマの果てに見たものは何か。
七夜物語
七夜物語
著:土居 良一
文芸(単行本)
厳寒の地に再生はあるか 北の霊の地獄巡り 松前藩の侍から戦中戦後の鉱夫まで北斗七星の導きで蝦夷地へ集まった男と女の壮絶な生と死
連歌師幽艶行
連歌師幽艶行
著:岩井 三四二
文芸(単行本)
連歌の席がわしの戦場や! 父を殺され、刀を捨て、乱世に翻弄されても、友軌がすがりつくのは連歌の道。 富士の姿を歌に詠みたい、と思った。歌に詠めば、あの美しい姿を自分のものにできるような気がした。たちまちふさわしい言葉を求めて頭がまわりはじめた。姿を讃えるか。雪はどうあつかう? 古歌はなんと詠っているのか。思案をめぐらせているうちに、友軌の胸の内には法悦ともいうような歓喜がひろがっていった。