文芸(単行本)作品一覧

うさぎの聞き耳
うさぎの聞き耳
著:青木 奈緒
文芸(単行本)
日本もいいし、ドイツもいい 爽やかな語り口、にじみ出るユーモア、江戸っ子気質のエッセイ49篇
上り坂下り坂
上り坂下り坂
著:青木 玉
文芸(単行本)
優しく深い眼差し 小石川の坂の上に流れるゆったりとした時間 季節のうつろいや懐かしく甦る憧憬 暮しをみつめる最新随筆56篇 こうもり おもちゃの飛行機 冷たい手 ケータイ 6枚のはがき 小石川のひと昔 長寿ということ 隅田川への想い 勝手正月 百で買った馬 祖父の文学との出合い 「五重塔」 ――目次より
国境
国境
著:黒川 博行
文芸(単行本)
わしとおまえで、国境破りや。 あの“疫病神”が帰ってきた。 今度の敵は未知なる“国家”――。 底辺に生きる男たちが意地と矜持で国境を越える。 連載時からの話題作、ついに刊行。 国境てなもんは、地形や民族で決まるもんやない。その時々の喧嘩の強さで、右にも左にもずれるんや。金を持ち逃げした詐欺師を追って、北朝鮮へ飛んだ建設コンサルタント二宮とヤクザ桑原。2人を待ち受けていたのは、未知なる国家の底知れぬ闇――。 2回の北朝鮮潜入取材を敢行、中朝国境の現実を描きつくした、渾身の長編ノワール大作!
天に落ちる
天に落ちる
著:シェル・シルヴァスタイン,訳:倉橋 由美子
文芸(単行本)
シルヴァスタインが遺した144の宝石 子どもだった頃の自分にもう一度出会ってみませんか? 「ぼくを探しに」のシルヴァスタイン(1932~1999)最後の作品。魅力的なイラストと不思議なユーモア。奇想天外な発想とあたたかい眼差し。ときにナンセンスときにちょっぴり残酷。作家倉橋由美子さんの名訳で、子どもも大人も楽しめる絵本。
サプリメント戦争
サプリメント戦争
著:三浦 俊彦
文芸(単行本)
クスリ偏愛文学の金字塔 〈書き下ろし特別作品〉 狂言者たちが突入した市街戦にゲリラとなって少年は立ち向かう ――情報に溺れた現代文明の歪みを抉る暴走ストーリー。 これは、サプリメントの疑似イベント戦争小説である。それと同時に、物には名前がついており、名前というものは意味と結びついており、それが故に人間のおかしさ、もしくは悲しさを物語らずにはおかない、ということを「ガルガンチュア」的饒舌で展開したおそるべき小説である。そして、あろうことか戦争というもののパロディにまでなっている。つまり、現代に生きる我々はこういう言葉のたれ流しの中でなんにもわからず、わかったような気分で生きているということを喝破したユーモア小説で、うん、面白い面白い。――清水義範
わたしはモンゴル人
わたしはモンゴル人
著:ボヤンヒシグ
文芸(単行本)
驚くほど新しい日本語! モンゴルの詩人による草原を愛する人・中里豊子への讃歌! 〈書下ろし特別作品〉 アリガリの煙立ちのぼる 牧民の家に生まれた私 故郷の草原を 揺りかごだと思う この人こそモンゴル人 故郷の愛する人よ 生まれ落ちたこの大地を 自分の身体のように愛しく思い 産湯にした清らかな川を 母の乳のように懐かしく思う ―――(わたしはモンゴル人) 〈坪内祐三氏絶賛!〉 ボヤンヒシグは言う。「ジャンルの境目に国境警備隊などはないのだ。融合は常に新しいものを誕生させる」、と。そう、日本語の境目に国境警備隊などなく、彼の日本語は驚くほど新しい。ボヤンヒシグはさらに言う。「言葉を漢字に、カタカナに、そしてひらがなにする仕事は、名前も知らない花たちと対話しながら、その名を当てようというようなことだった」、と。そして彼は、その、日本語という花壇に、ひっそりと美しく新しい花を咲かせる。
シルエット
シルエット
著:島本 理生
文芸(単行本)
そっと抱きしめたい、人を想う痛みといとおしさ。 清新な感性がきらめく17歳のデビュー作 群像新人文学賞優秀作受賞 わたしが小説の中でなによりも書きたかったのは、ずっと1人だけで守ってきた心の中に初めて他人という存在が深く関わってくるときの感覚や気持ちだったのだと、今、あらためて思う。他人というのは異物だから、絶対に溶けあうことのない部分がある以上、深く受け入れようとすると、どうしても苦しまなければならない。その息苦しさや、それでもだれかを強く必要とする気持ちを、この本から感じ取っていただけたら嬉しい。――「あとがき」より
勝山心中
勝山心中
著:押川 國秋
文芸(単行本)
外八文字(そとはちもんじ)はわっちの矜持(きょうじ)。 湯女(ゆな)あがりながら、美貌と才覚で江戸随一の遊女となった勝山。明暦の大火、親友の謀殺……波乱の生涯の裏には、ある秘密があった。 伝説の遊女・勝山は「性同一性障害」だった――。 大胆な仮説を基に波乱の生涯を描く、書下ろし時代小説大賞受賞第1作。
七つの金印 日本史アンダーワールド
七つの金印 日本史アンダーワールド
著:明石 散人
文芸(単行本)
天下の超才・明石散人がときあかす日本の根源! 日本人すべてを200年以上にもわたって偽りつづけてきたあの「金印」のミステリーがついに満点下に明かされる。 ――最高に知的なゲーム、それは「歴史」! ――面白がるとは空想と同義語なのだ。空想は際限なく成長するが思い付きは決して成長しない。空想家は次から次へと自分自身の主観をセグメントに置き換え、このセグメントを繋ぐことによって見えない世界を手繰り寄せてしまう。 私は……、亀井南冥(なんめい)という人が金印に纏(たずさ)わる不自然な出来事の全てを解き明かす鍵のような気がする。亀井南冥の創造した奇怪な世界を、金印研究者達は現実の世界と思い込んでいる――
白い心臓
白い心臓
著:ハビエル・マリアス,訳:有本 紀明
文芸(単行本)
〈本邦初訳〉 現代スペインの秀作! 新婚旅行のハバナのホテルから始まる、愛と秘密と殺人の物語。 女がささやく言葉の謎! 原作者ハビエル・マリアスはスペイン現代文学の新しい旗手(1951年生まれ)。その名声は、今や、国際的な域に達した。原作はマリアスの7番目の著書で、発売以来(1992年)、国内外で絶賛され、スペインの批評家賞、フランスの文学賞、アイルランドのダブリン国際文学賞などを受賞している。たとえばドイツでは百万部を越える大ベストセラーになり、米国ではフィクションを含めた世界の25の主要作品(1996年度)の1つに選出されている。小説の舞台は主人公夫婦の生活の拠点であるマドリードと、ハバナ、ニューヨーク、ジュネーブ、などである。ハバナのホテルのバルコニーから外を眺めていた主人公は人待ち顔の混血女と視線が合う。女は主人公を待ち合わせた男と思い込み、ホテルに近づく。事件の幕明けである。題名の、“白い心臓”はシェイクスピアの「マクベス」に由来する。――(解説より)
母の微笑
母の微笑
著:三浦 哲郎
文芸(単行本)
私は母のいろんな顔を知っている。 もちろん、あまり穏やかでない顔も知っているのだが、どういうものか、なにかの拍子にふと思い出すのは微笑を浮かべた穏やかな顔ばかりだ―― 日本経済新聞連載「私の履歴書」ほか珠玉の最新随筆17篇 北国の幼年時代、家族を襲った悲運の数々、戦時下の少年期と文学にめざめた青春の頃。 三浦文学の原点を描く珠玉の自伝エッセイ集。
変身のためのオピウム
変身のためのオピウム
著:多和田 葉子
文芸(単行本)
芥川賞作家のめくるめく奇妙な万華鏡世界。ギリシア神話の登場人物から22人の女性を選び一人一章をあてて描く連作集。芥川賞作家多和田氏ならではの想像力の限りを尽したタペストリーをお楽しみ下さい。 22人の女神たちのめくるめく陶酔と恍惚 物語のつづれ織り―― 〈連作〉長編小説 ギリシア神話の登場人物から22人の女性を選び1人1章をあてて描く連作集。芥川賞作家多和田氏ならではの想像力の限りを尽くしたタペストリーをお楽しみ下さい。 「膣から頭髪の分け目まで、身体を貫いて、毎秒1本の管が伸びる。それは、解剖学者たちが色分けした内臓を押し込んだあの身体ではない。毎日、鏡に映るあの身体でもない。毎月、生命保険会社が売りつけにくるあの身体でもない。それにしても、たくさんの身体が次々配達されてくるものだ。いったい、いくつ身体を引き受けろと言うのだろう。中には、未登録の身体もある。たとえエロスに満たされていても、性行為には不便な身体もある。そういう身体は法に反しているのかもしれないが、目に見えないので罰せられることもない」(本文より)
電子あり
逃避夢/焼け犬
逃避夢/焼け犬
著・装画:藤谷 文子
文芸(単行本)
私は、この世界の、どこに行けばいいの? 21世紀ノベルは、Ayako Fujitani、「逃避夢」で始まった!!女優 藤谷文子=21歳、が17~18歳で書いた多感を極めた処女ノベル。どうしようもない人のつながり、運命に傷つけられた少女をVividな感覚で描く。 「逃避夢」=母の言葉によってどんどん逃げ場を失う少女・純は、女の子のような名前を付けられた1人の男に出会う。極限までの優しさを描く!話題の映画「式日」のベースストーリー 「焼け犬」=監禁少女と夜の散歩を楽しむ、灼熱地獄の男。夜にしか通じ合えない2つの心を描く最新小説。
天を衝く(下)
天を衝く(下)
著:高橋 克彦
文芸(単行本)
NHK大河ドラマ「時宗」原作者による渾身の歴史巨編 命を捨てて陸奥の人柱とならん! 10万の大軍を相手に最も無謀な籠城戦にのぞんだ男たちの誇り。愛する土地や家族を守るため、九戸党が挑んだ最後の大喧嘩。 北の地に生まれた不運をはねのけ、権力に抗い続けた男の生涯を描く真・戦国史完結編。
天を衝く(上)
天を衝く(上)
著:高橋 克彦
文芸(単行本)
NHK大河ドラマ「時宗」原作者による渾身の歴史巨編 北の英雄が天下人に弓をひく 永禄年間、織田信長の活躍をよそに南部家では内紛が続いていた。九戸党棟梁・政実は、宗家に見切りをつけ、新時代を築く戦さを始める。 吉川英治文学賞受賞作家が独自の史観で描く奥州人の誇りと気迫。
女の戦は果てしなく
女の戦は果てしなく
著:広瀬 久美子
文芸(単行本)
NHK人気アナウンサーとして38年。 アクシデントを乗り越えるタフさと出会いを支えるしなやかな感性。 現場で培った人生の極意を本音でつづる最新エッセイ もちろんこの38年間で得たものは計り知れないものがあり、その間に出会った人々や仕事など、すべてが宝である。が、今の、自分の周りの人々のことだけを考えればいいという生活からは、今までと違ったやさしさが生まれているような気がする。「仕事」を理由に、新幹線のように走ってきたが、今は自転車か徒歩の速さ。今までとは違った景色と細かい状況がよく見える。……あとがきより
東京のオカヤマ人
東京のオカヤマ人
著:岩井 志麻子
文芸(単行本)
もう、岡山には入国できんかもしれん。 おぞましいのに懐かしいできごと、忘れたいのに忘れられない人々を、岡山への愛憎とともにつづった現代の百物語。人気ホラー作家、とっておきの14話。 平成11年の春、第6回日本ホラー小説大賞受賞を機に岡山から上京――取材を受ける度にそう答えている。成人するまで東京は知らなんだでええ、と。それはちょっとだけ嘘だ。ちょっとだけ嘘の話を、正直に書いてみる。――「ぼっけえ編」より
満水子 下
満水子 下
著:髙樹 のぶ子
文芸(単行本)
男の恋は謎を追う―― 傑作恋愛小説 女の恋とは、自らの生命の根源に向かって遡上する男を、震え怯えながら受け入れることではないかと思う。 満水子という狂奔の川を、謎を追いかけて泳ぎのぼった中年男の、甘苦しく哀れな1年がここに在る。恋とはかくも無残なもの、ゆめたわむれに始める勿れ、である――著者の言葉
満水子 上
満水子 上
著:髙樹 のぶ子
文芸(単行本)
女の恋は謎を生む―― 傑作恋愛小説 男にとっての恋とは、性を含む女の謎に振り回され呑み込まれていくことであり、満水子という狂奔の川を、謎を追いかけて泳ぎのぼった中年男の、甘苦しく哀れな1年がここに在る。恋とはかくも無残なもの、ゆめたわむれに始める勿れ、である――著者の言葉
レヴォリューションNo.3
レヴォリューションNo.3
著:金城 一紀
文芸(単行本)
君たち、世界を変えてみたくはないか? 待望の直木賞受賞第1作 OK、とりあえずやってみますか。 オチコボレ男子高3年生の僕たち。 武器はMoney、Penis、頭脳、上腕二頭筋、そして努力――。