文芸(単行本)作品一覧

逃げ歌(上)
逃げ歌(上)
著:丸山 健二
文芸(単行本)
逃げながら追う。追いつつ逃げる。 言葉を武器に愛と反乱を煽る、無名の若き詩人。その心の投影から生まれた反逆児カナシミ・イカル。絶望の壁を吹き飛ばせるのは、芸術か解脱か爆弾か。
こよなく愛した
こよなく愛した
著:小島 信夫
文芸(単行本)
老夫婦の時間の流れに映るさまざまな風景 老いしのび寄る2人の生活。孤独や不安、切なさやるせなさ、おかしみ悲しみ……淡々とした筆致が胸に迫る名品集。 ●収録作品 ・日光 ・湖の中の小さな島 ・それはハッピーなことですわ ・天南星(てんなんしょう) ・路上 ・備前兼光 ・こよなく愛した ・養老
渡海鳴鳥
渡海鳴鳥
著:菅 木志雄
文芸(単行本)
篠田正浩、山口昌男両氏が熱いエールを贈る「芸術家」のデビュー作!! 失踪した画家と渡り鳥の軌跡が描く謎また謎。
私の好きな悪い癖
私の好きな悪い癖
著:吉村 昭
文芸(単行本)
歴史小説第一人者の、端然たる人柄を伝える名随筆集。 エッセイは、小説を書く私の素顔である。
いまの音 むかしの音
いまの音 むかしの音
著:遠山 一行
文芸(単行本)
卓抜な論理と感覚が、20世紀芸術の本質を明らかにする。幸福な音楽とは何か? 幸福な音とは何か? ーーピカソは、芸術とは何かをさがしまわることではなくて、何かに出会うことだといった。そうして出会った音が何か自分にとって特別なもの、特別な意味を持っているものと感じた時、その人は音楽家になるのである。決してその逆ではない。音楽についての情報を頭につめこんだ音楽家には、その出会いが困難なものになる。……昔の音をなつかしく思うのは事実である。私が音楽を選んだのはその音によってである。それがいま失われようとしているのは何故か。……私はただ昔をなつかしんでいるわけにはゆかないのである。
電子あり
告発倒産
告発倒産
著:高任 和夫
文芸(単行本)
総会屋への利益供与罪で百貨店の総務部長が逮捕された。「罪をかぶってくれれば、あとの面倒はみる」おれたち、会社に見捨てられたのか。 エリートの破綻と復讐を描く書下ろしビジネス・サスペンス
バラガキ
バラガキ
著:中場 利一
文芸(単行本)
新撰組は愚連隊だった 真説新撰組 京の街でブイブイ言わせてやらあ。 ええカッコしいの土方歳三、刀自慢の近藤勇。武州の不良たちは池田屋へ向かった。
ゲルマン紙幣1億円
ゲルマン紙幣1億円
著:渡辺 房男
文芸(単行本)
徹底した調査と斬新な発想で描いた歴史マネー小説の誕生。 130年前。日本初の「円紙幣」に途轍もないだましのゲームを仕掛けた男がいた。 明治維新期、260余りの藩が「藩札」を乱発、さらには膨大な量の贋金・贋札が氾濫して、経済は大混乱に陥っていた。頭を悩ませた政府は、近代国家の威信を賭けて新単位「円」の統一紙幣を発行。その総額は1億円。偽造防止のために世界最新技術を誇るドイツで印刷されたことにより、新紙幣「明治通宝」は、通称「ゲルマン紙幣」と呼ばれたのだった。だが――すべての藩札をゲルマン紙幣に切り替えるという、この近代国家の威信を賭けた大改革には、意外な盲点があったのである。藩を追放された野島小太郎は、維新のはぐれ者たちを集めて一世一代の大勝負に出た!
倒錯の帰結
倒錯の帰結
著:折原 一
文芸(単行本)
書下ろし長編「倒錯シリーズ」完結編。 前代未聞、前からも後ろからも読める本。 『監禁者』『首吊り島』、どちらが始まりで、どちらが終わりか。 日本海の孤島で起こる連続密室殺人事件と、東京のアパートの一室での不可解な監禁事件。2つの物語を結ぶのは、封印された『倒錯の帰結』。
ウィスキーボンボン
ウィスキーボンボン
著:山本 昌代
文芸(単行本)
すれ違う言葉。深遠なるファミリードラマ。なにげないひと言で生まれる波紋、深まる溝。通いそうで通い合わない現代日本の家族の姿を、絶妙の会話体で描く名品。 「まるでお稚児さんのようだ」と言われて育った小柄で色白な青年・一(はじめ)。彼と両親、姉、姉の恋人、妻との関係は、微妙にずれながら日々つながっている。 酒をモチーフに、現代人の透明な孤独を映し出す連作長篇。
女ありて
女ありて
著:平田 敬
文芸(単行本)
芸能プロの経理、大金持逃げ。ひとりの女の凛とした決意! 全く新しい、鮮やかな純愛小説の登場!コメディアンから1億円以上を盗み、ハワイへ逃げた奇妙な女。最もまっとうな生き方とは? 『小説TBS闘争』『ダイビング』(芥川賞・直木賞候補作)等で知られる伝説的作家平田敬が、ほぼ20年ぶりに、ハワイから帰ってきた。ホノルルでは朝のラジオのパーソナリティを15年つづけ、多くの友人を得た。ビッグ・モーもその一人だろう。現代の通俗なる才気の活力と人間一個の尊厳・可能性をみすえたパワフルで清々しい、テンポのよい純愛小説だ!
子産 下巻
子産 下巻
著:宮城谷 昌光
文芸(単行本)
人を活かす礼とは何か 時代を超えることばをもった苛烈なる改革者にして情意あふれる恵人・子産。比類なき風格で描かれる宮城谷文学の名篇!
子産 上巻
子産 上巻
著:宮城谷 昌光
文芸(単行本)
信義なき世をいかに生きるか 孔子に敬仰された賢相・子産と武にすぐれたその父・子国。父子2代にわたる勇気と徳の生涯を辿る珠玉の歴史叙事詩! ──哀れな国だ。 子産の目は憂色にみちている。君主の時代が終わり、大夫たちが主権を争う春秋時代のなかば、中原の小国・鄭は晋と楚という2大国の間で向背をくりかえしていた。いまや民は疲弊し、国は誇りを失おうとしている。乱世の戦場にあざやかな武徳をしめす名将・子国の嫡子に生まれ、この時代最上の知識人となる子産は、信義なき自国の悲哀をみつめながら波蘭の人生へと踏みだしてゆく。
長い時間をかけた人間の経験
長い時間をかけた人間の経験
著:林 京子
文芸(単行本)
あの少女たちの名前は忘れない。 8月9日から55年、生と死を往還した20世紀の意味を問う「魂」の遍歴!
キルケゴールとアンデルセン
キルケゴールとアンデルセン
著:室井 光広
文芸(単行本)
彼らは互いの中に何を見たのか?若き日、2人は同じ文学サークルのメンバーだった……。 2人の生涯には多くの秘密が隠されている。世界的哲学者と童話作家の邂逅を復元する文学的考古学の試み。 キルケゴールが初めて書いた本は、世界最初のアンデルセン論だった!この驚きから本書は生まれた。 「名ばかり有名で、その実、成人からまともにふりかえられることは稀なアンデルセンは子供部屋に──そうしてキルケゴールはひとにぎりの研究者の書斎に、今でも閉じ込められたままといっていい。両者独自の世界に沈潜する歳月はすでに十分すぎ去った。私は、キルケゴールとアンデルセンを召喚して対話させることを夢みているのだ。かれらがじかに対話する姿が垣間みられさえしたら、いつペンを置いてもよいと考えている」──(著者)
共生虫ドットコム
共生虫ドットコム
著:村上 龍,編:栄花 均,編:榎本 正樹
文芸(単行本)
[対談]with田口ランティ「引きこもりと狂気」 with筑紫哲也「17歳のいる場所」 with嶋田将司「毒ガスと日本の危機管理」 [共生虫ホームページの裏側]オンデマンド出版の経緯とKyoseichu.comのWeb展開の全貌を明かすインターネットによるハッキング技術解説 [読者投稿] 1)あなたが、生きている、と強く実感できるのはどんな時ですか? 2)あなたには殺人願望、または暴力願望がありますか?それはどんな時に強く現れますか? 3)あなたの近親者に引きこもりの状態の人間がいた場合、どのような言葉をかけ、どのように接しますか? 4)あなたは、何によって生きるための力を得ていますか? 〈CD-ROM〉 村上龍・筑紫哲也インターネットトークライブ対談映像(完全版)Kyoseichu.comの活動のすべてを収録
社長ゲーム
社長ゲーム
著:薄井 ゆうじ
文芸(単行本)
会社の危機を救う青年たち 不渡り手形、社長逃亡……さあ、どうする? 11歳で蒟蒻(こんにゃく)会社社長の家へ養子に入った英行は、養父片桐から独自の社長哲学を叩き込まれる。成長した英行は反発し、米国留学、ラスベガスのカジノで荒稼ぎした50万ドルとカード仲間の刈谷を得て帰国。闇金融に狙われて危地に陥った養父の会社に乗り込んで……。 倒産会社に乗り込んだ青年がとった非常手段とは。義理人情か合理主義か。父子対立から生まれる経営哲学のドラマ。
まぼろしの夏 その他
まぼろしの夏 その他
著:佐伯 一麦
文芸(単行本)
9つの短篇最新作品集 ほの暗い生の奥底から射し始める再生の淡い光 仙台の川べり、ノルウェーの空の下、押し寄せる想いの源流には何があるのか?9つの作品群を通じて浮かび上がる男の消息……沈潜の日々からのゆるやかな寛解を描く。 「……そういえば、私もかつては、自分自身が、夜な夜なうろつき回る夜鳥のようなものだった。あの頃も、頭上には月が上っており、鳥の声も聞こえていたはずだが。奇怪な声を立てている、とあんがい自分の方が、夜鳥たちから怪しまれていたかも知れない、と思った」――(「あとがき」より)
東京っ子ことば抄
東京っ子ことば抄
著:林 えり子
文芸(単行本)
粋を好んで野暮を嫌う、江戸の気風を受け継ぐ東京ことばの由来と味わいを、江戸っ子十四代目が語る。 「銀座百点」好評連載「東京っ子ことば抄」に「東京っ子ことばの親玉は幸田文」を収録。 東京っ子は、威勢のいい啖呵をきるくせに、自分のこととなると、からっきしいくじがなくなる。滔滔とお国自慢する相手を前にして、こっちだって言いたいこと山ほどあるのに、何も言えずに、しゃっちこばっているのだ。ところがどっこい、正真正銘の江戸っ子気質は受け継がれていて、それが溢れかえって、お国自慢したくってむずむずするときがある。一世一代の、見得を切って、さあてご覧じろ、これぞまさしく東京ことば、東京っ子の心意気。――あとがきより
遺された言葉
遺された言葉
著:三浦 綾子
文芸(単行本)
初めての小説、未発表・最後の連載エッセイ収録 新しく本が出るたびに、綾子は光世に心をこめて言葉を記し贈った。 149冊の献辞署名本に刻まれた夫妻の深い愛と信仰の軌跡