文芸(単行本)作品一覧

オールドタイムズ
オールドタイムズ
著:本城 雅人
文芸(単行本)
「耳あたりのいいニュースには、必ず、裏がある」 長年勤めた会社を早期退職し、ウェブニュースの会社の設立メンバーとなった“不動のエース”元夕刊紙記者・不動優作。 だが、不慣れなネット環境と人材不足から発足早々、サイト運営は行き詰まる。 しびれを切らした出資者兼若手IT社長から、不動たちは「週に一度でいい、一週間バズり続けるスクープを取って来い」と命じられてしまう。 どんなスクープも二、三日で消費されてしまう今の時代に、ネットの素人集団は旋風を巻き起こすことができるのか。 イチかバチかーー起死回生の一手は「フェイクニュース」! 新聞やテレビ、大手マスコミで語られることのない真実。 出来たばかりのネットメディアだから。俺たち、忖度なし! 見極めろ。フェイクニュースの裏側を。弱小メディアが一発逆転、ニュースサイト界の覇権をとる!
法廷遊戯
法廷遊戯
著:五十嵐 律人
文芸(単行本)
第62回メフィスト賞受賞! 森博嗣に憧れた天才司法修習生が描く、感動と衝撃の傑作ミステリー 読書メーター読みたい本ランキング1位(単行本部門 日間・週間2020/3/25調べ) 2020年ミステリランキングに軒並みランクイン! 「ミステリが読みたい!」2021年版(早川書房)国内篇3位&新人賞受賞 「このミステリーがすごい!」2021年版(宝島社)国内編3位 「週刊文春」ミステリーベスト10 文春図書館2020国内部門4位 「2021本格ミステリ・ベスト10」(原書房)国内ランキング9位 <あらすじ> 法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――? <絶賛の嵐!> たんにリーガル・スリラーだけの面白さだけではなく、青春の苦みも剔出していて印象に残る仕上がりだ。大胆な挑戦にみちた作品であり、将来が実に頼もしい新人でもある。――池上冬樹(文芸評論家) 裁判をめぐる議論がそのまま人間ドラマになだれこみ、制裁と救済が法と情で二重に語られる。注目すべき新人作家だ。――円堂都司昭(文芸・音楽評論家) 今年大注目の本格ミステリであり、必読のリーガル・サスペンスであり――そして自信を持って推薦する青春ミステリの佳作である。――大矢博子(書評家) まさに本格ミステリの美が凝縮されており、圧巻の一言に尽きる。――末國善己(文芸評論家) 正面切って法の問題を扱いながら難解な箇所がなく、全篇を楽しめる。作者はエンターテインメントの作法をしっかり理解しているからだろう。――杉江松恋(書評家) 法律に関する知識や真摯な考察と、外連味たっぷりな劇的エンタテインメント性とを両立させているのだから、これは無敵と言っていいだろう。――千街晶之(ミステリ評論家) リーガルミステリーの歴史に、新たな傑作が加わった。――吉田大助(ライター) <著者より> 法律は、世界の見え方を変えてくれました。自堕落な生活を送っていた大学生の僕にとって、法律学との出会いはそれくらい衝撃的なものでした。堅苦しくないし、退屈じゃない。むしろ、その面白さや奥深さに魅了されて、気付いたときには法律家の道を志していました。「法廷遊戯」は、僕が知っている限りの法律の魅力を詰め込んだ小説です。読み終えたとき、法律や裁判の印象が変わっていたら、黒と白の間にある灰色について考えていただけたら、著者としては幸甚の至りです。よろしくお願いいたします!
森メトリィの日々
森メトリィの日々
著:森 博嗣
文芸(単行本)
小説家・森博嗣は日々何を思い、考えているのか? 2019年7月1日から半年間の毎日の仕事、遊び、思考の詳細。森博嗣堂浮遊書店ブログ「店主の雑駁」から5冊目の書籍化。 ・なにかのニュースを見たとき、「え、本当なの?」と少し疑って、そのニュースの出元がどこかを確認する必要があります。 ・では、何が面白いのかというと、それは現実が一番面白い、と確信しています。 ・自分と異なる価値観の存在を認めることが、真の知性だと思います。 ・「天下御免」というのも、子供のときに、「世間に謝りつづける」謙虚さの意味かと勘違いしました。 ・経済は今のことですが、環境は未来のことです。 ・解雇されることを「首が飛ぶ」といいます。飛ぶのは頭ですよね。 ・迷うことがある状況というのは、わりと楽しいものです。悩んだり、迷ったりするのは、それだけ選択肢がある自由な条件だからです。
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これはミステリではない
これはミステリではない
著:竹本 健治
文芸(単行本)
「読者への挑戦状」ーー!! しかし、それは誰がためのものなのか? 「これまで僕が書いてきたなかでも最大級に歪(いびつ)」ーー竹本健治 ミステリ界の金字塔『匣の中の失楽』『涙香迷宮』の鬼才が放つ最新作! 香華大学ミステリクラブの夏合宿で悲劇は起きた! メンバーをモデルにした犯人当て小説「読んではいけない」の問題篇が披露された翌日、小説通りに湧き起こった濃霧のなかで、出題者は解決篇の原稿とともに消え去ってしまう。 偶然同じ施設に居あわせた「汎虚学研究会」の高校生たちも渦中に巻きこまれ、事件の謎に挑むことになるが、肝腎の探偵はやる気なく、誰彼なくおかしな夢を見るばかり――。 果たしてこの重構造の事件で問われているのは何か。そんな問いなどどこにもないのか。 ミステリ最大のタブーは快楽となり得るのか―― それともここにあるのは作家・竹本健治の終焉か!?
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西荻ヨンデノンデ
西荻ヨンデノンデ
著:玉川 重機
文芸(単行本)
西荻窪、この街で飲むお酒は人との距離を近づける。この街で出会う本はあなたの人生を豊かにする。 バー「葉(ページ)」はちょっと変わったお店。お酒と読書を楽しむための空間であり、気になった本を選んだ客に、相応しいカクテルを作ってくれる。バーテンダーの芽絵と姉であり作家の樫子は、訪れた人に寄り添いそれぞれの物語に耳を傾ける。 収録作品:『真珠母の匣』『異邦人』『プレイバック』『怪談』『悪童日記』『高野聖』『ノンちゃん雲に乗る』『八十日間世界一周』『塩一トンの読書』
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大江戸火龍改
大江戸火龍改
著:夢枕 獏,装丁:クラフト・エヴィング商會,イラスト:スカイエマ
文芸(単行本)
禍々しきは、吾の出番。――妖退治屋をなりわいとする麗しき謎の男、遊斎の事件簿。 江戸時代、凶悪犯を取り締まる火附盗賊改の裏組織が存在した。 専ら人外のものを狩り鎮めるその名は、火龍改。 満開の桜の下で茶会を催していた一行から悲鳴が上がった。見れば大店のお女将の髪が逆立って、身体ごと持ち上がっていき、すっかり桜の花に隠れてしまった。見上げる者たちの顔に点々と血が振りかかり、ぞぶ、ぞぶ、ごり、という音のあと、どさり、と毛氈の上に女の首が落ちてきた――。遊斎は、飴売りの土平、平賀源内らとともに、この怪奇な事件の謎を追う(長編「桜怪談」)。短篇「遊斎の語」「手鬼眼童」「首無し幽霊」も併録。 スカイエマの、クールで色っぽい遊斎や不思議な生き物たちのイラストが誌面を飾る。クラフト・エヴィング商會の瀟洒な装丁で、現代版の絵双紙本が誕生。
チーム・オベリベリ
チーム・オベリベリ
著:乃南 アサ
文芸(単行本)
約140年前、その女性は、北海道十勝の原野へ渡った オベリベリ――和人たちによって「帯広」とされた新天地 明治の先進教育を受けた彼女は、いかに生き抜こうとしたのか 開拓に身を投じた実在の若者たちを基にした、著者が初めて挑む長篇リアル・フィクション 〈明治維新という大きな時代の変わり目を体験した上に、それまでとまったく異なる世界に身を投じる若者たちの姿は、今、世界的な新型コロナウイルスの流行により、またもや大きな時代の変わり目を経験しなければならない私たちに何を思わせ、感じさせることだろうか〉――乃南アサ 文明開化の横浜で時代の最先端にいた女性は“その地”でいかに生きたか 私たちの代が、捨て石になるつもりでやっていかなければ この土地は、私たちを容易に受け入れてはくれない 宣教師たちが開いた横浜の共立女学校に学ぶ鈴木カネは、父や兄にならって聖書の教えを受け、勉学に励んでいた。兄の銃太郎は、神学校で一緒だった渡辺勝、依田勉三と北海道開拓について考え始めている。彼らは勉三を中心に「晩成社」を興し、新天地へ向かう準備を進める。明治15(1882)年、23歳になったカネは女学校を卒業し、渡辺勝と結婚、そしてオベリベリとよばれた帯広へ行くことを決意する。
パパいや、めろん 男が子育てしてみつけた17の知恵
パパいや、めろん 男が子育てしてみつけた17の知恵
著:海猫沢 めろん,イラスト:三津 キヨ
文芸(単行本)
ママ共感! パパ必読! 育児というデスゲームを生き抜くために すべての子育て夫婦を救う、爆笑エッセイ ネットで話題沸騰! ・男が出産前に買うべき三種の神器とは? ・男の育児は「とりあえずワンオペ」から ・理解ではなく「共感」が重要だ ・なぜ男は「お手伝い感覚」なのか? ・離婚に至る「四つの大罪」とは etc. どうして夫は分かってくれないのか? その悩み、すべてお答えします! 【目次】 まえがき――終わりなきデスゲームを乗り切るために 「新しい家族像なんて幻想だ」――シェアハウスで子育てをした本音 「いつか子供が圧死する」――子供を抱いて通勤電車に乗っていた話 「いますぐやれ」――今すぐ子供にやらせるべき習い事 「なにもやりたくない」――無気力な子供に夢をもたせたい 「YouTubeは悪か」――子供に聞いたYouTube問題 「夫はエヴァンゲリオンである」――夫を自発的に動かすために 「理不尽すぎる」――漢字書き取りは必要なのか? 「家にいたくない」――子供と長期休暇 「月曜になるとお腹が痛い」――子供と月曜病 「トイレは男が掃除しろ」――家事レースで戦争をしないために 「自由は子供にまだ早い」――子供と自由研究について 「三国志を読ませろ」――最初に子供に受けさせるベストな教育 「離婚に至る4つの大罪」――離婚された男の話 「怒りを鎮めろ」――キレる子供のアンガーマネジメント 「公園はデジタル空間にある」――現代の子供たちの遊び場 「哲学的すぎる」――子供と言葉と物語 「これまでの人生はどうでしたか」――子供が語る子供としての人生 あとがき 教えて! めろん先生――「パパいや」な彼らのトリセツ おまけ「子供のひとこと」
電子あり
あめつちのうた
あめつちのうた
著:朝倉 宏景
文芸(単行本)
絶賛の声、続々!    「この物語の中には、紛れもない野球と人間がいる。野球と人間だけが生み出せるドラマが存在する。読み進むに従い、未知の世界が広がっていく。どこにもなかった野球小説が誕生したのだ。」 【あさのあつこ】 「2017年、大雨の甲子園で、阪神園芸の奇跡のような仕事と球史に残る試合を観た。私にとって知りたいことが全部詰まった一冊だった。若者たちの挫折と夢、反感からの友情。繊細で温かいつながりがすばらしい。」 【佐藤多佳子】 「人はみな、何かのプロなのだ。数々のプロを生んだグラウンドを育み守るのも、またプロだ。グラウンド整備は人生に驚くほど似ていて、だからきっとあの聖地はこんなにも心を熱くさせるのだ。」 【須賀しのぶ】 「学級文庫に置きたい。そして、読み終わった子どもたちと、わやわや感想を話し合いたい!」 【はやみねかおる】 「私たちの普段の仕事がリアルに描かれていて、あっという間に読み終えた。この本を読んで、スポーツを支える裏方たちの喜びを、苦労を、努力を知ってもらえたらうれしい。」 【阪神園芸株式会社 スポーツ施設本部 甲子園施設部長 金沢健児】 土と向き合う。雨を信じる。 そうして、日本最高のグラウンドが生まれる。 甲子園の神整備、「阪神園芸」が小説に! 絶望的な運動神経の持ち主・雨宮大地は、自分とは正反対の弟や頑なな父への鬱屈を抱え、甲子園のグラウンド整備を請け負う阪神園芸へと入社する。ところが、持ち前のセンスのなさから、仕事は失敗続き。広いグラウンドのなかで、たったひとりうろたえる自分は、本当に一人前のグラウンドキーパーになれるのか?同性愛者であることを周囲に隠す親友・一志や、重い病気を患いながら歌手を目指すビールの売り子・真夏、ケガでプロへの道を断念した、同僚の長谷。大地は同じく「選べなかった」運命に思い悩む仲間たちと関わり合いながら、自らの弱い心を掘り起こすように土へ向き合っていく。 タイガースファン、高校野球ファンのみならず、 すべてのスポーツファンに捧げる、唯一無二のグラウンド整備お仕事小説!  今日も彼らは、地味に地道に、あのグラウンドを守り続けている。    
晴れ、時々くらげを呼ぶ
晴れ、時々くらげを呼ぶ
著:鯨井 あめ
文芸(単行本)
現役大学生、受賞! 第14回小説現代長編新人賞。 早くも応援の声、続々! 読みすすめながら、ふと、この小説はぼくが書いているのかもしれない、とおもった。 読了後、ほんとうにそうだった、とわかり、こころの底が熱くなった。 読んでいるひとと書いているひとが、ただひとつにつながれる。 読書のささやかな奇跡が、すべての読者の上に、くらげのように降りおちる。―いしいしんじ 『その日のまえに』『バッテリー』『重力ピエロ』『四畳半神話大系』『スロウハイツの神様』……学校の図書室にこもって本を読みふけり、「私は孤独だぜ」とものすごく傲慢に思っていたあの頃、ずっと彼らを待っていた。 ―額賀澪 今すぐ自分の好きな本を読み返したくなるような、本への愛を感じる物語でした。本が好きな方、そしてこれから好きになる方に読んで欲しいです。 ―武田綾乃 内容紹介:高校二年生の越前亨(えちぜんとおる)は、感情の起伏が少なく、何に対しても誰に対しても思い入れを持つことがあまりない。父親を病気で亡くしてからはワーカホリックな母と二人で暮らしており、父親が残した本を一冊ずつ読み進めている。亨は、売れなかった作家で、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。 図書委員になった彼は、後輩の小崎優子(こさきゆこ)と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。 くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見、距離を取りながら亨は日常を適当にこなす。八月のある日、亨は小崎が泣いているところを見かける。そしてその日の真夜中、クラゲが降った。逸る気持ちを抑えられず、亨は小崎のもとへ向かうが、小崎は「何の意味もなかった」と答える。納得できない亨だが、いつの間にか彼は、自分が小崎に対して興味を抱いていることに気づく。
会いに行って 静流藤娘紀行
会いに行って 静流藤娘紀行
著:笙野 頼子
文芸(単行本)
師匠は私を作家にしてくれた 二度目に会った時はお骨になっていた 苦節の十年、彼はずっと後ろに「いて」くれた 私淑する宇宙的私小説作家・藤枝静男。その深淵を新エピソードとともに読み解く。 他の誰にも書けない、敬慕の情に満ちた「師匠説」。 師匠!師匠! 戦争、拷問、結核を超え キリストもマルクスも彼は信じない 仏像を床の間に置き天皇を叱る 一日に四百人の眼球を診察し 茶碗が空を飛ぶ私小説を書いた
電子あり
文学2020
文学2020
編:日本文藝家協会
文芸(単行本)
2019年刊行の全文芸誌掲載作品から選りすぐった10作品を収録。極上のアンソロジー。 【収録作品】 佐伯一麦 ななかまど、ローワンツリー  リービ英雄 西の蔵の声  小林エリカ 父たちの冒険 The Adventures of Fathers 小川 哲 密林の殯  黒川 創 蜜の静かに流れる場所  司 修 空白の絵本  古川真人 タイマイ異聞 西 加奈子 韓国人の女の子  滝口悠生 黒米と大麻  飯田 章 糠蚊  解説 伊藤氏貴
伝える仕事
伝える仕事
著:池上 彰
文芸(単行本)
自分らしい仕事とは、何だろう。 わかりやすいとは、どういうことだろう。 NHKの駆け出し記者時代、記者キャスターへの起用、「週刊こどもニュース」のお父さんになってから、そして独立を経て今まで。 「わかりやすい解説」といえば池上さん。そのように言われるようになるまでに、試行錯誤を重ねながら、どのように自分ならではの仕事をつくりだしてきたのか。率直に綴った自伝的仕事論&メディア論。 【目次】 1 深夜にニュース原稿を書き写した 2 文章の中の「私」について考えた 3 テレビの表現の基本は現場リポートで学んだ 4 企画書は、読み手の頭に映像が浮かぶように 5 昭和から平成への移行は皇居の中で 6 記者からキャスターに 7 「こどもニュース」を担当した 8 「チームで働く」ことを学ぶ 9 誰もが「わからない」と言っていい現場 10 独立を考える 11 フリーランスになった 12 コメントをする仕事で戸惑った 13 忖度と空気  14 選挙特番のキャスターになった 15 「人の話を聞く」ということ 16 新聞をめぐる連載で考えたこと  
電子あり
Cocoon4 宿縁の大樹
Cocoon4 宿縁の大樹
著:夏原 エヰジ
文芸(単行本)
昼は花魁、夜は鬼斬り。新鋭が送る和風ファンタジー第4弾!  五人衆のため。吉原のため。江戸のため。今度は、わっちが「鬼」になろう。 朝廷についた「鳩飼い」。 幕府を守る「黒雲」。 差別制度の撤廃か。差別を前提にした生活の安定か。瑠璃たちは朝廷と幕府の代理戦争に巻き込まれようとしていた。義兄・惣之丞との戦いが避けられぬものになった中、「黒雲」の柱だった権三が姿をくらました。
湯けむり食事処 ヒソップ亭
湯けむり食事処 ヒソップ亭
著:秋川 滝美
文芸(単行本)
温泉と旨い料理に癒やされて。 老舗旅館の食事処には、肴と名酒と憩いを求めて人が集う―― 累計110万部突破! 『居酒屋ぼったくり』著者によるグルメ小説の決定版! 数年前に有名料亭の料理人をある事情から辞めた章は、 素泊まり温泉旅館「猫柳苑」の食事処「ヒソップ亭」の主人に。 厳選素材の料理に、名酒を揃える店は評判となるが、 史跡めぐりの定年退職者、ひとり旅の女性、出張の中年男性など、 店を訪れる客たちは様々な事情を抱えていて……。
ダブル・トライ
ダブル・トライ
著:堂場 瞬一
文芸(単行本)
その「トライ」は、歴史を変える。 7人制ラグビー×円盤投! 二刀流で東京オリンピック出場を目指す天才アスリートの 苦悩と奮闘を迫真の筆致で描く、新機軸スポーツ・エンタテインメント! 2018年、陸上日本選手権。ある選手の活躍が、観客を魅了する。7人制ラグビーの日本代表・神崎が円盤投の決勝に出場、日本記録に迫る成績を残したのだ。もし円盤投で東京オリンピックへの出場を手にすれば、1964年の東京五輪以来の奇跡――。前代未聞の「二刀流」アスリートの登場に世間は熱狂、神崎は瞬く間にスターダムを駆け上がっていく。一方、新興スポーツ用品メーカー「ゴールドゾーン」の岩谷は神崎の才能に着目、彼のスポンサードに向けて動き出す。 長年取材し続けた著者だからこそ到達した、スポーツの「本質」がここにある。
じんかん
じんかん
著:今村 翔吾
文芸(単行本)
仕えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くすーー。 民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした」青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか? 時は天正五年(1577年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かしたときに直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。 貧困、不正、暴力…。『童の神』で直木賞候補となった今最も人気の若手歴史作家が、この世の不条理に抗う人すべてへ捧ぐ、圧巻の歴史巨編!
星に仄めかされて
星に仄めかされて
著:多和田 葉子
文芸(単行本)
世界文学の旗手が紡ぎだす 国境を越えた物語(サーガ)の新展開! 失われた国の言葉を探して 地球を旅する仲間が出会ったものは――? 【本書の登場人物たち】 Hiruko ヨーロッパ留学中に「母国の島国」が消滅してしまった女性。同じ母語を話す人間を探して世界を旅する。 クヌート デンマークに住む言語学者の卵。Hirukoと出会い、彼女の旅に同行する。 アカッシュ ドイツに留学中のインド人男性。女性として生きるため、赤いサリーを身にまとう。 ナヌーク グリーンランド出身のエスキモー。語学の才能豊かで、日本人を演じていた。 ノラ 博物館に勤めるドイツ人女性。行き倒れていたナヌークを救う。 Susanoo 福井で生まれた日本人。ある時から歳を取らなくなり、言葉を喪失する病気になった……? Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。 分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。
またね家族
またね家族
著:松居 大悟
文芸(単行本)
父の余命は3ヵ月。 何者にもなれなかった僕は―― あなたの息子には、なれたのでしょうか。 小劇団を主宰する僕〈竹田武志〉のもとに、父から連絡があった。余命3ヵ月だという――。 自意識が炸裂する僕と、うまくいかない「劇団」、かわっていく「恋人」、死に行く大嫌いな「父親」。周囲をとりまく環境が目まぐるしく変わる中、僕は故郷の福岡と東京を行き来しながら、自分と「家族」を見つめなおしていく。不完全な家族が織りなす、歪だけど温かい家族のカタチ。
立花三将伝
立花三将伝
著:赤神 諒
文芸(単行本)
関ヶ原の戦いに参戦せずとも、当時最強の武将と謳われた立花宗茂。だがその一世代前、宗茂活躍の礎ともなった若き武将や姫たちがいた。──時を遡ること40年、筑前国の要衝を占める立花家は、「西の大友」と呼ばれる名門であった。大友宗家から立花入りした15歳の三左衛門は、四つ年上の勇将・和泉、三つ上の軍師・弥十郎らと出会う。腕に覚えのあった三左衛門は和泉に打ち負かされるも、すぐに弟子入り。寡兵で大軍を退けた弥十郎の知略にも驚かされる。また、当主の娘・皐月姫や和泉の妹・佳月らの恋心も絡み、三将の絆は深まっていく。8年が過ぎる。筑前では毛利の調略が進み、諸将が次々に大友を離反。立花家は孤立していく中で家中も毛利派と大友派に分裂する。そしてついに、三将の運命を変える大きな政変が……。