文芸(単行本)作品一覧

令和版 全訳小説 伊勢物語
文芸(単行本)
平安の読者とおなじように物語を楽しめる、画期的現代語訳。
美しい絵とわかりやすいことばで読む、日本の古典文学。
時代背景を丹念に描き、今にも通じる人の心の機微をすくいとる。
同時刊行『千年の眠りを醒ます「伊勢物語」』。日本を代表する古典に令和のいま、光をあてる、まったく新しい解説書。

千年の眠りを醒ます『伊勢物語』
文芸(単行本)
ミステリー小説家、『伊勢物語」の謎を解く!
日本を代表する古典に、令和のいま光をあてる、まったく新しい解説書。
当時の「常識」を知らなければ、その真の意味は分からない――。
平安時代に書かれたとされる歌物語『伊勢物語』。
当時の人々が夢中になって書き写し、競うように読んだこの物語は現代でも古典の授業で取り上げられることで広く知られ、親しまれている。
これまでに多くの注釈書も書かれ、それぞれの伊勢物語論を展開してきたが、謎とされる部分、作者の意図のわからない章などがいくつもあった。
歴史小説家として古典史料にあたるうち、それらの謎を解いた著者が『伊勢物語』の豊かな世界観と真の価値に迫る。
新しい知見をふまえた現代語訳『令和版 全訳小説 伊勢物語』と同時刊行。

おおきな森
文芸(単行本)
東北から南米へ
戦前から現代へ
時空の森を貫き
その列車は疾る
小説家兼探偵・坂口安吾が、失踪した高級コールガールの行方を追う「第一の森」。
記憶を持たない男・丸消須ガルシャが乗った列車で不可解な殺人事件が起きる「第二の森」。
そして私は小説に導かれ京都、長崎、東北と漂泊し、手記「消滅する海」をしたため続ける。
ミステリ、SF、幻想小説にして世界文学。
前人未踏のギガノベル、ここに誕生!

タイタン
文芸(単行本)
今日も働く、人類へ
至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、
世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥った
タイタンのカウンセリングだった――。
アニメ『バビロン』『HELLO WORLD』で日本を震撼させた
鬼才野﨑まどが令和に放つ、前代未聞の超巨大エンターテイメント。

告解
文芸(単行本)
心から笑える日は来るのだろうか。
あの日、人を殺してしまった僕に――
『天使のナイフ』『友罪』『Aではない君と』
贖罪の在り方に向き合い続けてきたからこそ辿り着いた、慟哭の傑作長編。
――罰が償いでないならば、加害者はどう生きていけばいいのだろう。
飲酒運転中、何かに乗り上げた衝撃を受けるも、恐怖のあまり走り去ってしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。自分の未来、家族の幸せ、恋人の笑顔――。失うものの大きさに、罪から目をそらし続ける翔太に下されたのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫である法輪二三久は、“ある思い”を胸に翔太の出所を待ち続けていた。

修羅の家
文芸(単行本)
『殺戮にいたる病』を凌ぐ驚愕作!
この家は悪魔に乗っ取られた。
恐怖、嫌悪、衝撃。
そこは地獄。初恋の女性を救い出せるのか。
女の毒が体内に入り、蝕まれていく--
簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。
そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。
おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。
一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。
北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。

万葉学者、墓をしまい母を送る
文芸(単行本)
【担当編集ノート】
上野誠さんといえば、令和の御代の万葉研究を大きくリードする人です。しかし、研究者としてではなく、個人としての上野さんは兄上亡きあとに故郷福岡の一族のお墓をしまい、老いた母上を奈良に呼び寄せて7年のあいだ介護し、見送った家長であり息子でありました。
上野さんの研究において重要かつ本質をなすのは、「宴」についてと「挽歌」についてのそれであると私は考えています。私生活と研究は別のものではありますが、それでも「私」のない研究はありえないと、編集者としての私は考えており、本書はその意味において企画されたものであります。
「はじめに」において上野さんは次のように語ります。
「これから私が語ろうとすることは、個人的体験記でもなければ、民俗誌でもない。評論でもないし、ましていわんや小説でもない。ひとりの古典学徒が体験した、死をめぐる儀礼や墓にたいする省察である。/いや、省察と呼ぶのもおこがましい。私の祖父が死んだ一九七三(昭和四十八)年夏から、母が死んだ二〇一六(平成二十八)年冬の四十三年間の、死と墓をめぐる私自身の体験を、心性の歴史として語ってみたいと思うのである。
(中略)/ 四十三年間という時が歴史になるのか。個人の経験や思いなどを、いったいどうやって検証するのか。それがいったいなにに役立つのかなどという批判は、すでに予想されるところではあるけれども、私はあえて、この書を世に問いたい、と思う」
そして「あとがき」ではこう言います。「七年間母親を介護し、家じまいをした私は、家族とその歴史に思いを馳せた。そんなときに執筆を思い立ったのが、この本である。/己が経験した家族の死を、いまの自分の感覚で描いてみたい。己を始発点とする民俗誌、家族小史のようなものを書いてみたい。それこそ、実感できる歴史なのではないか。なにも、偉人の伝記をつなぐことだけが歴史でもなかろう、との思いが、ペンを走らせた」
いま、墓じまいや「終活」が多くの人の問題となっています。万葉の時代から現代まで、人は誰かを看取り、そして送り、「いずれはわれも」と感じてきました。軽妙な筆ながらその長い営みに思いを馳せた深いエッセイをお届けします。

ダーク・ブルー
文芸(単行本)
海の底で、シージャック犯とたった二人きり。
女性潜航士に課せられた、絶体絶命、超高難度ミッション!
2020年、震撼の大本命エンタテインメント!
海洋調査を専門とする日本海洋科学機関――通称JAOTEC(ジャオテック)のパイロット・夏海ら潜航チームは、天才科学者・奈良橋教授の開発チームとともに、潜水調査船「りゅうじん6500」に搭載された新型マニピュレーターの検証実験のため、フィリピン沖に向かう。だが、突如武装集団の襲撃に遭い、母船が占拠、船員を人質にとられてしまう! 彼らの目的は、深海の沈没船に隠された、世界を変えうる力を持つ「宝」のサルベージだった。仲間の命を救うため、夏海は調査船に乗り込み、銃を突きつけるシージャック犯とともに、暗く蒼い海の底へと生死をかけたダイブに臨む――。
緻密な取材に基づくリアリティの極致と圧倒的スケールで迫る、深海エンタメ超大作!

誘拐屋のエチケット
文芸(単行本)
「ルパンの娘」シリーズが大ヒット!
2020年大ブレイク必至、横関大!
大注目の最新刊!
SNS炎上、不倫スキャンダル、借金まみれ。
人生崖っぷちの人々を攫って匿って問題解決!それが、誘拐屋。
「誘拐されて、人生一発逆転しませんか?」
腕利きの誘拐屋・田村健一は、ある日、新人誘拐屋の根本翼とコンビを組むことになる。
あまりにもお節介な翼は、自らが誘拐した人物の人生相談に乗ってしまう。
淡々と仕事を全うしたい田村の抵抗もむなしく、いつの間にか二人は関係のないトラブルに巻き込まれていく。
だがすべての出来事は、実は田村の秘めた過去につながっており……。
「無口なベテラン」と「涙もろくてお人好しの新人」の誘拐屋。
犯罪から生まれた2人のコンビが奇跡を起こす。

帝国
文芸(単行本)
三億年前。超大陸。壁。
無限の書物。無数の流星・・・
「すべてを見せてあげる。だから--」
現代文学の極北に昇りつめ、
著者の一到達点を示す、
至高の書。

掟上今日子の設計図
文芸(単行本)
『學藝員9010』と称する人物が、ウェブ上に爆破予告を投稿した。猶予は9時間。火薬探知犬と盲導犬を左右に司る爆弾処理班のエース『両犬あざな』こと扉井あざなが捜査を進める中、容疑者となった隠館厄介の依頼により、忘却探偵・掟上今日子も参戦するが―ー。
忘却探偵の最速の推理をもってしても、このタイムリミットには間に合わない!?

ピエタとトランジ <完全版>
文芸(単行本)
岸本佐知子、歓喜!
「これは、私がずっとずっと読みたいと思っていた、最強最高の女子バディ物語」
親友の名前はトランジで、私はピエタ。
人類最後の「名探偵と助手」だ。
芥川賞受賞第一作『おはなしして子ちゃん』に収録された衝撃作「ピエタとトランジ」が、長篇になって帰ってきた!
天才的な頭脳を持つ女子高生探偵トランジと、彼女の才能に惚れ込み助手に名乗り出たピエタ。トランジは事件を誘発させる体質で、次から次に周囲で人が死んでいく。
あるとき、トランジに秘められた恐るべき事実が明らかになり、人類は滅亡に向かう――!?
芥川賞作家が送るスリル×サスペンス×友情の、超弩級ガールズ・エンターテイメント!

絶対聖域
文芸(単行本)
児童養護施設で育った、上條優斗、花咲詩音、中園果林の三人は家族以上の深い絆で結ばれていた。三人が中学卒業を間近に控えたある日、施設に宗教団体「神闘会」の香坂という男が現れる。詩音がじつは日本を裏から支配するその団体の会長の孫であり、後継者としてゆくゆくは日本の政財界の中心になることを期待されていた。争いを好まず、いつも控えめでいじめの対象にもなりがちな詩音を守るため、正義感の強い優斗と果林も神闘会系列の高校「神闘学園」への入学を決めた。しかし、入学後の詩音の決断によって絆が断ち切られていく……。

Cocoon3 幽世の祈り
文芸(単行本)
昼は花魁、夜は鬼斬り。新鋭が送る和風ファンタジー第3弾!
瑠璃を吉原に売った義理の兄は、「黒雲」と敵対する組織・鳩飼いの一員だった。黒雲はなんのために存在しているのか。鬼退治の依頼人は誰なのか。義兄の目的はなんなのか。問いかける瑠璃に対し、かたくなに口を閉ざすお喜久。そんな中、瑠璃は「大切なものが、地獄に墜ちる」と予言される。

春、死なん
文芸(単行本)
老い、父と母、母と娘、男と女、「私」と誰か。
どれもありふれた光景のはずなのに、どうして、こんなにも新鮮なんだろう。
高橋源一郎
蔑みながら羨む。母という女を娘は否が応でも生きる指針にしてしまう。
怖くて見られない心の奥を素手で掴まれた。
中江有里
現役人気AV女優が描く「老人の性」と「母の性」――、濃密な文章で綴られた衝撃作!
「春、死なん」
妻を亡くしたばかりの70歳の富雄。理想的なはずの二世帯住宅での暮らしは孤独で、何かを埋めるようにひとり自室で自慰行為を繰り返す日々。そんな折、学生時代に一度だけ関係を持った女性と再会し……。
「ははばなれ」
実母と夫と共に、早くに亡くなった実父の墓参りに向かったコヨミ。専業主婦で子供もまだなく、何事にも一歩踏み出せない。久しぶりに実家に立ち寄ると、そこには母の恋人だという不審な男が……。
人は恋い、性に焦がれる――いくら年を重ねても。揺れ動く心と体を赤裸々に、愛をこめて描く鮮烈な小説集。

祟り神 怪談飯屋古狸
文芸(単行本)
朽ちたお社にある
「首縊りの木」は神仏の祟り?
子猫そして猫好きな
「あの男」も登場!
『古道具屋 皆塵堂(かいじんどう)』の著者最新刊!
本当は怖がりな虎太が幽霊を引き寄せる!?
怪談を聞かせるか怖い話に出た場所を訪れると無代(ただ)になる
妖しい飯屋「古狸」に通う檜物職人修業中の虎太。
盗賊の頭目「蝦蟇蛙(がまがえる)の吉」たちに皆殺しにされ空き家となった店に忍び込み、
行方知れずになった鶴七の謎を探るため虎太はその建物に泊まり込む。
すると悪夢が! 鶴七はどこに? 「首縊りの木」と関わりが?

地上生活者 第6部 最後の試み
文芸(単行本)
執筆二〇年。
連綿たる生のつらなり。
「民族」「在日」から、
人間の根生いをもとめる、
巨いなる日本語文学。
サハリンから始まった趙愚哲の人生の旅は
作家としての行き詰まりから、やがて超克へ――
近代朝鮮に資本主義の萌芽はあったのか。
朝鮮のブルジョア革命をめざそうとした金玉均とは何者だったのか。
若い時代から漠然と思考し続けてきた考えが、作家自身のなかで少しずつ増殖していた――。
一九八〇年代、小説を書かなくなった趙愚哲は、物理学者・安淑伊との関係を妻・洪玉姫に打ち明け、別れを告げられている。
家を出たものの離婚に踏み出せずにいるぼく愚哲は、三人の息子を気にかけながらも、民族文化運動「統一クッ」の公演、新しい雑誌「民涛」の創刊のために奔走する。

さよならが言えるその日まで
文芸(単行本)
ねぇ、嘘だって言ってよ、お父さん――。
その日、ありふれた日常がひっくり返った。
教え子を誘拐したまま、事故死した父。
親族、警察、マスコミーー誰も何もわかってない!
遺された娘は、父の名誉にかけて、真相を追う。
このほろ苦さ、感涙必至! 「家族のカタチ」を問う傑作ミステリー!
静岡県沼津市で交通事故が発生、運転していた小学校教諭の森遠謙介が死亡した。
一人娘の伊緒が悲嘆にくれる中、驚愕の事実が判明する。
事故発生日の未明から、謙介の教え子である恩田六助の行方がわからなくなっていたが、
その痕跡が車内から発見されたという。
お前の父親は誘拐犯だ!
周囲からの非難、マスコミの追及、警察の圧迫――。
折れそうな心を奮い立たせ、真実を知るため、伊緒は六助を捜し始める。

#柚莉愛とかくれんぼ
文芸(単行本)
超期待の新人
現役女子大生作家、衝撃デビュー!
第61回メフィスト賞受賞作
アイドルの炎上、ファンの暴走、ネット民の情報拡散ーー
今読むべきSNS狂騒曲(ミステリー)!
アイドルグループ「となりの☆SiSTERs」、僕の推しは青山柚莉愛(あおやまゆりあ)。
その柚莉愛が動画生配信中に血を吐いて倒れた。
マジか! 大丈夫なのか?
でも翌日、プロモーションのためのドッキリだったってネタばらしが……。
本気で心配した僕らを馬鹿にしやがって。ありえない、許さない!
SNSで柚莉愛を壊してやる!
<各界より絶賛のコメント続々>
中森明夫さん(作家/アイドル評論家)
「アイドルと小説は、だますことが使命である。
だまされた! 驚いた! 魅せられた!」
橋本愛奈さん(元アイドルグループ「チャオ ベッラ チンクエッティ」)
「本音と建前。ネット社会。誰しもが抱いたことのある悪の部分が描かれている。
最後の後味の悪さに、もう一度読み返したくなりました。」
三島政幸さん(啓文社西条店)
「アイドル好きの書店員として断言しよう。
これは今までに読んだ「アイドル小説」の中で最もリアリティに溢れた作品だ。」
宗岡敦子さん(紀伊國屋書店福岡本店)
「あまりの面白さに時が経つことも忘れるくらい没頭して読み続けてしまいました!」

歴史とは靴である 17歳の特別教室
文芸(単行本)
ところで、歴史は、しばしば好き嫌いで論じられます。
ぼくもよく聞かれます。
「先生、歴史が好きですか?」
「先生、歴史上の好きな人物は?」
などと言われます。
「うちのお父さん、歴史が好きなんです。先生の本もよく読んでます」
とか言われることもあります。
好き嫌いで論じられるものは嗜好品です。酒やタバコと同じです。
はたして歴史学は、好きか嫌いかで選べるものでしょうか。
どうもちがう気がします。
歴史的にものを考えると、前より安全に世のなかが歩けます。歴史はむしろ実用品であって、靴に近いものではないか。ぼくはそんなふうに考えます。
(中略)
なにごとも歴史的な考えかたは大切になります。常日ごろから、時間と空間を飛び越えて、似たようなことはないかなと考えながら暮らすと成功パターンも知れ、危険が避けられ、成功しやすいのです。(本文より)