講談社現代新書作品一覧

個性と適性の心理学
講談社現代新書
個性的に生きている人にはかがやきがあり、適性に合った仕事にうちこむ人には自信と喜びがある。しかし、個性も適性もあらかじめ知ることはむずかしい。生まれつきの素質や育てられ方をもとにしながら、自らの意志や努力で伸ばしうる要素も大きいのである。職業選択にあたっては、だれもが、好きな仕事、自分に向いた職業は何かを模索しながら、迷う。本書は、適性はどのようにしてはかれるか、伸ばせるか、好き嫌いで評価はどう変わるか、人間関係において個性はいかに表現されるかなどを考察しつつ、自分らしさを望ましいかたちで、発揮する道を採る。
個性をつくる――ひとりひとりの人を特徴づけている個性とか性格といわれるものは、生まれつきの個人差もあるが、生後の環境、とくに親にどのように育てられたかによってつくられるところが大きいものである。しかし、個人の心理的諸特徴は、ただ素質とか親の育児態度によって受動的にのみつくられるものではない。自分自身の自覚に基づく能動的かつ積極釣な努力によって、自分をつくっていくことも、可能であるし、また自分の中に現在すでに存在している特徴を否定して、新たに望ましいと思う特徴をつくっていくことも可能なのである。――本書より
エッセーの書き方
講談社現代新書
自己を素直に表現できるエッセイ実践上達法どうしたら思ったことを文章にできるか.滋味ゆたかな名エッセイを味わいながら,文章のコツから原稿用紙,筆記用具の使い方まで,上達する秘訣を実践的に公開.
かたちの不思議
講談社現代新書
自然界の見事で奇抜な造形のメカニズム. 渦の流れがつくる模様,結晶の形,DNAのらせんや竜巻,ひもの結び,シャボン膜や泡がつくる造形,木や川の分枝など身のまわりに見られる形の不思議とその力学
短歌のたのしさ
講談社現代新書
作品鑑賞をとおし,短歌の豊饒な世界へ誘う日本人の原点にある短歌.どうしたらうまくつくれるだろうか.実作上達の秘訣から,歴史,作品鑑賞まで,縦横に短歌の世界にふみいり,その豊饒な世界を案内する
日本の山100
講談社現代新書
登りたい山,眺めたい山,撮りたい山100旅行案内書にはでない情報を盛りこみ,写真とイラストマップ.洒脱なエッセイで構成する,著者が独断的に選んだ日本の名山の紹介.山の情報通になるための一冊.
笑いの人間関係
講談社現代新書
コミュニケ-ションとしての笑いを考える.ユ-モアで相手を制す,自分をボケに仕立てて苦境に耐える,初対面の緊張を解く.笑いは鋭い舌峰にしばしば優る.大阪人の笑いを素材に,人間関係への効用を説く
オーク・ヴィレッジだより
講談社現代新書
自然との共存生活を送る若者工芸集団の記録21世紀的生き方を模索する5人の若者が高山市郊外に工芸村を建設”工作・耕作・思索”を目標の共同生活を送る楢材による家具づくりを通して語るユニ-クな報告
アーバン・アウトドア・ライフ
講談社現代新書
都市にいても”自然の野生”は満喫できる.自然と共生して生きるとは? 都市の川や雑木林,公園とつきあう法,ナチュラルな衣食住の実践スタイル等,エコロジ-・エイジの都市生活マニュアルを綴った本.
心臓病 こうして防ぎ,ここまで治る
講談社現代新書
文明病ともいうべき心臓病を多角的に捉える社会の豊かさと産業の高度化に比例して心臓病が急増している.「死に至る病い」の危険を避けるために,最新の医療知識と技術を紹介しつつ,予防と治療法を解説.

万葉の秀歌(下)
講談社現代新書
葛飾の真間の手児奈をまことかもわれに寄すとふ真間の手児奈を――東歌 うらうらに照れる春日に雲雀あがり情悲しも独りしおもへば――大伴家持 逞しい生命力と笑いにみちた東歌、望郷の悲しみが胸をうつ防人歌。『古今集』へのかけ橋となった。家持を中心とする末期万葉の優雅な抒情――。宮廷生活から、無名の民衆の息吹きまで、幅広い層の詞華を収めた『万葉集』は、人間味あふれる文学の源泉といえる。本書は、最新の研究成果をとりいれ、秀歌をよりすぐった中西万葉学の精髄である。下巻は巻十一から巻二十まで百十七首を収録。
立山の雪し消らしも延槻の川の渡瀬鐙浸かすも〈大伴家持〉――家持は川に馬を乗り入れてみて、思いのほかの水の豊かさに驚いたのではなかったろうか。ひたひたと鐙をひたす水に足もとの危うささえ感じながら、しかし、それが早くも告げられている春の到来だと知っている。馬の腹までひたす水は身を切るような冷たさであったろうが、凛然とした冷気が気持を引きしめる。私はこの歌を『万葉集』中屈指の秀歌だと思うが、そう感じる理由は、冷気のなかにこもる春の到来というだけにとどまらない。初・二句の山のなかへの想像と三句以下の川の描写によって途中の全風景が手中に収められた、スケールの大きさにもある。もう一つ、家持はこの自然のなかに身体ごとひたっている。体感をとおして自然を知るという万葉ふうな自然観が、ほとんど肉体的な感動をさえ、われわれ読者に与えてくれるのである。――本文より
映画の創造
講談社現代新書
現場の名人たちの情熱と技を生き生きと描くシナリオ決定から試写まで,美術,照明,撮影,スチ-ル,ネガ編集等,多くのプロが全力をそそぐ.光と影の総合芸術の創造現場の熱気と肉声を伝えるレポ-ト.
読むことからの出発
講談社現代新書

リーダーシップの心理学
講談社現代新書
個人を生かし組織を活性化するリーダーのあり方とは?集団目標達成のためにメンバーの調和を図りながら能力発揮をうながすのが、リーダーの役割である。円滑な機能と目的遂行のためには、決断力と強さが、和のためには、全体を見わたすことのできる冷静な眼が、個々人への心くばりのためには、やさしさが要求される。目標の設定から役割分担、メンバーの興味や感情への配慮、指示のし方、意見のきき方など具体的着眼点を示しつつ、豊かなコミュニケーションと開かれた人間関係にもとづいた柔軟で効果的なリーダーシップのスタイルを考察する。
ひとつの世界をつくる――リーダーシップを発揮するとは、自・他一体感の回復ということになろうかと思う。多分今までに偉大なリーダーといわれた人たちは、無我無心で「グループが自分、自分がグループ」という境地を味わっていたのではないかと思う。そうなるためには、自分を空しくして相手の世界に入り、自分と相手がひとつの世界をつくることである。リーダーシップとは、けっして相手を意のままに動かす技法ではない。いうなれば、グループ全員がひとつの世界をつくるための技法といったほうがよい。あるいは、相互に自己拡大しあう技法といってもよい。――本書より

「知」のソフトウェア
講談社現代新書
●雑念を捨て去り、ひたすら精神を集中せよ。
●読む価値のないものは読むな。
●無意識の巨大な潜在能力を活用せよ。
●ことさらにレトリックを弄するな。
●オリジナル情報にできるだけ近づけ……。
新聞・雑誌・書物から個人や組織にいたるまで、多様なメディアが発信する膨大な情報を、いかに収集・整理・活用するか。情報の真偽を吟味・加工し、ゆたかな知的生産を行うには、何が必要か。ジャーナリズムの最前線で活躍をつづける著者が、体験から編みだした考え方と技法の数々を公開する。
情報の意味を読む。──コンピュータは自分が処理する情報の意味を知っている必要はない。インプットされた情報を数値化し、それを与えられた演算法則に従って計算し、その結果をアウトプットする。インプットされる情報とアウトプットされる情報の意味は、人間が解読するが、両者の間のプロセスは、意味抜きの演算である。それに対して、人間という情報系では、情報は常に意味付きでなければならない。人間の思考は意味と切り離すことができない。従って、インプット能力は、目や耳の生理的情報受容能力以上に、情報の意味を理解していく能力に左右されることになる。──本書より

天才
講談社現代新書
〈天才〉はなぜ私たちをひきつけるのだろう?モーツァルト、ダ・ヴィンチ、ニュートン、アインシュタイン、空海、ゲーテ、ヘルダーリン、賢治、カフカ――。だれでも一度は、その豊かですばらしい世界にしたしみ、よろこびと活力を与えられたにちがいない。そこには、なにか神秘的で謎めいた狂気もあり、凡人には近づきがたい魅力とおそれをも感じさせる。本書は、彼らの創造の秘密をさぐり、生まれた環境や背景まで、考察をすすめた天才の精神分析である。天才には、生まれながら早熟な知性や語学能力を示した人も多いが、晩塾型の人も数多い。もしかするとあなたも天才になれるかもしれない。
天才への道――夢や躁状態など、異常な状態に対する天才たちの態度を見ていると、自分のうえに起こったこと、眼の前にあらわれた事象に対して、ひじょうに素直に心を開き、身を委ねて、自然であることがわかる。いままで見知らなかったもの――夢や狂気や幻想――をも、自分の一部として受容し、自己の領域を広く豊かにしてゆくことが、天才と狂気の別れ道である。このような柔軟で自然な態度が、未知の領域から、より多くの贈り物を受けとるのに適切な態度であることはいうまでもない。しかもこれは、躁うつ圏ないし、日本の天才たちに特徴的ともいえる態度である。これに対して、西欧の天才たち、とくに分裂病圏の作家たちは、病的体験や世界に対して対決的な態度をとり、自我と異質なものと自我とのあいだの緊張・葛藤が創造の動因となることが多いように見える。このばあいには、自我の柔軟性というよりは、自己主張の強さ・激しさが天才の条件となるであろう。天才への道は、一つではない。――本文より
現代米語慣用句コーパス辞典
講談社現代新書
核戦略ゲーム
講談社現代新書

集団の心理学
講談社現代新書
集団を円滑に機能させ、積極的に関わっていくために……肩書きで仕事をするな。自分の能力と地位・役割を混同してはいないか。無駄話や挨拶がコミュニケーションを豊かにする。とにかく声を出せ。異端者になるな。どんな立派な正論を吐こうと、無視され、相手にされなくなる。人は、なぜ群れ、そのなかでどう行動するのか。本書は、集団のまとまりから、お互いの同調・非同調、リーダーシップの条件まで、集団行動のダイナミズムを解剖し、集団に溶けこみつつ、個性的に生きる道を提示する。
たった一人の反乱――異端者のレッテルをいちど貼られてしまうと、どんなに正確を吐こうが、それは無視される。多数が正義なのである。異端者は変わり者としてあつかわれ、多数者はもはや相手にしなくなる。流れは低きにつくとよくいうけれど、仕事をなまけてもさぼっても、自分に実害がないとなれば、そしてそういう仲間の多いところでは、いきおいそれが大勢を占めていくことになるだろう。よほどおおがかりな配置転換でもして、職場の雰囲気を変えていかなければならない。たぶん、「たった一人の反乱」ではどうにもならないだろう。――本書より

性格分析
講談社現代新書
神経質な人は、きちょうめんで思慮深いが、小心で苦労性、くよくよ考えこみがちである。いわゆる外向的な人は、明朗活発で行動力にあふれているが、短慮軽率とも評される。性格は一面的にとらえることはできない。態度や行動からレッテルをはるだけでなくその人らしさを形づくっている、内なる心のはたらきを把握しなければならない。自己愛傾向、強迫傾向、自閉傾向、パラノイド傾向など、他者理解と自己分析の手がかりを、臨床例をもとに幼児体験、母子関係の深層まで踏みこんで解き明かし、自分への違和感や悩み、挫折こそが自己理解と内面の成長をうながし、信頼と愛の人間関係をもたらす契機であると説く。
心のバランス――挫折や失敗や症状や問題行動というものが、人間の内的成長の節目、節目に現われてくることから、こうした事柄は、人間がその人本来のあり方からはずれた内的な状態、いってみれば「自己疎外」の状態から真の自己を回復しようとする無意識の作用ですらないかと思われてくる。人間の心は深いところでも、バランスや調和を保とうとする機能をもっているのではなかろうか。であるから、とんでもないことをしでかしたり、症状や問題行動などでみずから悩まねばならなくなった人は、性格傾向も含め、今までの自分自身のあり方を深く検討し、自分に何が必要か、分析してみることが大切であろう。――本書より

ジョークとトリック
講談社現代新書
――一日に二度出てくるのに一年に一度しか出ないものは?
――小林一茶と「月ハ東ニ日ハ西ニ」の関係は?〈解答は本書中〉すぐ答えられなければ本書必読、あなたは先入観にとらわれている!?ジョークは、笑いによって固定観念のワクを心地よくこわし、知性を刺戟するアイディアにみちた、古今東西の知恵の結晶だ。イソップからシェークスピアやアリスのしゃれ、ポオやホームズの推理、物名や折句、謎句などをとおして、伸縮自在の自由な発想法を教えてくれる本書で、頭の柔軟体操(ブレイン・トレーニング)をはじめよう!
バーはいつ開けるか――あるホテルのボーイが、泊り客からホテルのバーはいつ開けるか問い合わせの電話を受けた。「午前十時でございます。」一時間後、またおなじ客がバーはいつ開けるか電話でたずねてくる。返事はおなじ。二時間後、またおなじ電話がかかった。ボーイは我慢の限界に達し、「十時までお客さまをバーにお入れすることはできません!」すると電話の声が、「バーへ入る? おれは出たいんだ。――本文より