講談社現代新書作品一覧
昭和万葉集秀歌[ニ]
講談社現代新書
昭和を彩る愛と死の秀歌・名歌を厳選収録.相聞と挽歌は古来より,短歌の大きな位置を占めていた.身をこがすような灼熱の恋から,愛する人を喪した号泣の作品まで,庶民の生活体験からの名歌・秀歌を収録
昭和万葉集秀歌[一]
講談社現代新書
戦争を詠んだ昭和万葉集の秀歌を厳選収録.昭和史の底流のなかに色濃く存在する戦争の影.民衆はこの巨大な力に翻弄されつづけた.うめきのように詠みつづけた作品のなかにこそ昭和に生きた真実の声がある

海外ひとり旅
講談社現代新書
パスポートや航空券はフォトコピーをとっておく。予備の顔写真も。学生ならIDカード(国際学生証)の利用価値が大きい。飛行機の座席は眠るなら窓側、動きやすいのは通路側。機内食はオーダーすることもおかわりすることもできる。みごとな着陸のときは機長に拍手。スチュワーデスに感謝の言葉を。ホテルの予約は初めの1日か2日だけにする。年末年始のロンドンはバーゲンにつぐバーゲン。超特価品がゾロゾロ。世界で一番安い免税店があるのはアムステルダムのスキポール空港。気にいったものはすぐに買う。お国柄に合わせて楽しく値下げ交渉を。プランにしばられない自由にこそひとり旅の妙味がある。よき旅を!
旅の実感――アメリカやアフリカのように広い大陸では、どうしても飛行機をよく利用することになるが、一度は陸路で何日か移動することをおすすめしたい。陸路で旅してはじめて大陸の広大さと、本当に旅をしたという実感を全身で体験することができる。どうやら自分の肉体を少し酷使しないことには、本当に印象深い旅をすることは不可能なようです。つまり、ちょっとオーバーにいうと、その人の全身全霊が動員されるようなハードな旅だと、身体にも旅の記憶がシッカリと刻み込まれるため、旅の印象は強烈なものとして残ることになる。――本書より
大衆現象を解く
講談社現代新書
大衆が主役となる社会の構造を鮮やかに分析現代社会は大衆の動向を無視しては何もできない.マスメディア,マスプロ,マスコンサンプション.大衆独裁の構造を豊富なエピソ-ドから鋭く分析する現代社会論
ミドルエイジ症候群
講談社現代新書
危機に立つ中年期を分析し,処方を与える.責任の重い仕事の負担にあえぎ,難しい思春期の子供をもつ中年期.その悩みや問題行動の実例を示しつつ,仕事人として家庭人として上手に生きるための心の処方箋

ツタンカーメンの謎
講談社現代新書
燦然と輝く黄金のマスク。金銀宝石をふんだんに使った2000点を越す副葬品。ほとんど無傷のまま、3000年の永い眠りから覚めたツタンカーメンの王墓の発見は、発掘史上の“奇跡”といわれた。そして、相次ぐ発掘関係者の死は、“ファラオの呪い”の伝説を生んだ。特筆される業績も残さなかった短命の少年王が、これほど手厚く葬られたのはなぜか?絢爛たるエジプト第18王朝の繁栄の裏にはどんなドラマが秘められていたのか?発掘をめぐるロマンと歴史の謎に挑むスリリングな書。
“ファラオの呪い”――世に言われている“ファラオの呪い”の噂は、カーナボン卿が亡くなった時に起きた不思議な偶然が発端だった。カーナボン卿が亡くなったまさにその瞬間、カイロ中の電灯が消え、その停電の原因はその後の調査によってもわからなかった。さらに不思議なことには、カーナボン卿の子息のポーチェスター卿によると、彼の父が亡くなった瞬間に、故郷のハイクレアで、カーナボン卿の愛犬が突然苦しそうに吠え、ばったりと死んだというのである。「ロンドン・タイムズ」との独占契約でカーナボン卿に反感をもっていた世界中の新聞が、カーナボン卿の死を“ファラオの呪い”として公表した。――本文より

英語―何をどう書くか
講談社現代新書
「彼は努力せずにやりとげた」「がんばりなさい」「が、気負ってはいけません」──これをどう英訳するか?「努力」が“effort”と結びつくようでは英語らしい表現には程遠い。いい英文を書くための基本ルールをもとにメモ、日記、ビジネス等の各種レター、投稿文、エッセイの書き方を、具体例をあげて提示。書くことをおろそかにしがちな日本人に、総合的な英語力を伸ばす戦略の必要性をも説いた読者待望の書。
自民党
講談社現代新書
30年におよぶ政権独占の不思議を解明する派閥抗争・金権体質・密室政治など厳しい批判にさらされながら,一方で柔軟な現実適応と政策能力によって政権の座を守り続ける自民党の強さと弱さの両面を抉る.
野鳥
講談社現代新書
写真とエッセイで綴る四季折々の野鳥の魅力春を告げるヒバリの囀鳴,あでやかな夏鳥,澄みきったシギの声,雪に震えるスズメたち.身近な野鳥とのふれ合いの中での新鮮な驚きと発見を美しい写真と共に語る
タテマエとホンネ
講談社現代新書
このあいまいな言葉を日本人はなぜ好むのかタテマエは主義・方針では必ずもなく,ホンネは真意・意向では必ずしもない.<絶対>を持たぬ日本人の融通無碍な思考のよって来たる所以といかがわしさを分析す

個性と適性の心理学
講談社現代新書
個性的に生きている人にはかがやきがあり、適性に合った仕事にうちこむ人には自信と喜びがある。しかし、個性も適性もあらかじめ知ることはむずかしい。生まれつきの素質や育てられ方をもとにしながら、自らの意志や努力で伸ばしうる要素も大きいのである。職業選択にあたっては、だれもが、好きな仕事、自分に向いた職業は何かを模索しながら、迷う。本書は、適性はどのようにしてはかれるか、伸ばせるか、好き嫌いで評価はどう変わるか、人間関係において個性はいかに表現されるかなどを考察しつつ、自分らしさを望ましいかたちで、発揮する道を採る。
個性をつくる――ひとりひとりの人を特徴づけている個性とか性格といわれるものは、生まれつきの個人差もあるが、生後の環境、とくに親にどのように育てられたかによってつくられるところが大きいものである。しかし、個人の心理的諸特徴は、ただ素質とか親の育児態度によって受動的にのみつくられるものではない。自分自身の自覚に基づく能動的かつ積極釣な努力によって、自分をつくっていくことも、可能であるし、また自分の中に現在すでに存在している特徴を否定して、新たに望ましいと思う特徴をつくっていくことも可能なのである。――本書より
エッセーの書き方
講談社現代新書
自己を素直に表現できるエッセイ実践上達法どうしたら思ったことを文章にできるか.滋味ゆたかな名エッセイを味わいながら,文章のコツから原稿用紙,筆記用具の使い方まで,上達する秘訣を実践的に公開.
かたちの不思議
講談社現代新書
自然界の見事で奇抜な造形のメカニズム. 渦の流れがつくる模様,結晶の形,DNAのらせんや竜巻,ひもの結び,シャボン膜や泡がつくる造形,木や川の分枝など身のまわりに見られる形の不思議とその力学
短歌のたのしさ
講談社現代新書
作品鑑賞をとおし,短歌の豊饒な世界へ誘う日本人の原点にある短歌.どうしたらうまくつくれるだろうか.実作上達の秘訣から,歴史,作品鑑賞まで,縦横に短歌の世界にふみいり,その豊饒な世界を案内する
日本の山100
講談社現代新書
登りたい山,眺めたい山,撮りたい山100旅行案内書にはでない情報を盛りこみ,写真とイラストマップ.洒脱なエッセイで構成する,著者が独断的に選んだ日本の名山の紹介.山の情報通になるための一冊.
笑いの人間関係
講談社現代新書
コミュニケ-ションとしての笑いを考える.ユ-モアで相手を制す,自分をボケに仕立てて苦境に耐える,初対面の緊張を解く.笑いは鋭い舌峰にしばしば優る.大阪人の笑いを素材に,人間関係への効用を説く
オーク・ヴィレッジだより
講談社現代新書
自然との共存生活を送る若者工芸集団の記録21世紀的生き方を模索する5人の若者が高山市郊外に工芸村を建設”工作・耕作・思索”を目標の共同生活を送る楢材による家具づくりを通して語るユニ-クな報告
アーバン・アウトドア・ライフ
講談社現代新書
都市にいても”自然の野生”は満喫できる.自然と共生して生きるとは? 都市の川や雑木林,公園とつきあう法,ナチュラルな衣食住の実践スタイル等,エコロジ-・エイジの都市生活マニュアルを綴った本.
心臓病 こうして防ぎ,ここまで治る
講談社現代新書
文明病ともいうべき心臓病を多角的に捉える社会の豊かさと産業の高度化に比例して心臓病が急増している.「死に至る病い」の危険を避けるために,最新の医療知識と技術を紹介しつつ,予防と治療法を解説.

万葉の秀歌(下)
講談社現代新書
葛飾の真間の手児奈をまことかもわれに寄すとふ真間の手児奈を――東歌 うらうらに照れる春日に雲雀あがり情悲しも独りしおもへば――大伴家持 逞しい生命力と笑いにみちた東歌、望郷の悲しみが胸をうつ防人歌。『古今集』へのかけ橋となった。家持を中心とする末期万葉の優雅な抒情――。宮廷生活から、無名の民衆の息吹きまで、幅広い層の詞華を収めた『万葉集』は、人間味あふれる文学の源泉といえる。本書は、最新の研究成果をとりいれ、秀歌をよりすぐった中西万葉学の精髄である。下巻は巻十一から巻二十まで百十七首を収録。
立山の雪し消らしも延槻の川の渡瀬鐙浸かすも〈大伴家持〉――家持は川に馬を乗り入れてみて、思いのほかの水の豊かさに驚いたのではなかったろうか。ひたひたと鐙をひたす水に足もとの危うささえ感じながら、しかし、それが早くも告げられている春の到来だと知っている。馬の腹までひたす水は身を切るような冷たさであったろうが、凛然とした冷気が気持を引きしめる。私はこの歌を『万葉集』中屈指の秀歌だと思うが、そう感じる理由は、冷気のなかにこもる春の到来というだけにとどまらない。初・二句の山のなかへの想像と三句以下の川の描写によって途中の全風景が手中に収められた、スケールの大きさにもある。もう一つ、家持はこの自然のなかに身体ごとひたっている。体感をとおして自然を知るという万葉ふうな自然観が、ほとんど肉体的な感動をさえ、われわれ読者に与えてくれるのである。――本文より