講談社現代新書作品一覧

日本海軍と政治
日本海軍と政治
著:手嶋 泰伸
講談社現代新書
海軍の太平洋戦争への責任は陸軍に比して軽かったのか? 明治憲法下において政府・議会と並ぶ国家の主柱であったにもかかわらず、その責任を十分に果たすことのできなかった海軍の「政治責任」を、「不作為の罪」をキーワードに検証する。これまで顧みられることの少なかった「海軍と政治」の問題をはじめて正面から問う問題の書。 なぜ日本は無謀な太平洋戦争に突入してしまったのか? その大きな原因の一つに軍部の暴走を上げる人は多いでしょう。しかしこの問題では、陸軍に比して海軍が批判されることは少ないように思われます。では、本当に海軍の責任は軽かったのでしょうか? 著者の結論は、確かに海軍は陸軍に比べると直接、政治に容喙することは少なかった。しかしそのことをもって戦争突入の責任がなかったとは言えない、というものです。「責任」は、なすべきことがあったのにそれをやらなかった場合にも問われるべきではないでしょうか。いわゆる「不作為の罪」です。海軍の場合、この不作為の面での責任が非常に大きいのです。海軍には、常に陸軍の後塵を拝しているという意識がありました。そのため陸軍に対する対抗意識は非常に強く、予算獲得に際しては常に陸軍と張り合うような行動を取ってきました。戦前日本は、陸の仮想的であるソ連には陸軍が、海の仮想的であるアメリカには海軍が主になって対抗することになっていました。ということは、太平洋戦争が海軍を主とした戦争になることは明らかでした。しかし海軍は、戦争突入の直前まで火中の栗を拾うことをいやがりました。山本五十六だけでなく、対米戦争になれば日本海軍が負けることは上層部にはわかっていました。しかし、海軍には、「負けるので戦争はできません」とは口が裂けても言えませんでした。これまでずっと、対米戦のためと称して陸軍に対抗して予算をぶんどってきたからです。また山本にしても、仮に負けるにせよ、どのように負ければいいのか、終戦に至るプロセスのイメージは全く持っていませんでした。自分の「部署」のメンツを保つために戦争に突入したとさえも言えるのです。現代のお役所が省益の確保に汲汲として国民のことは全く視野に入っていないのと同じ構造だといえるでしょう。本書は、従来、陸軍に比して語られることの少なかった「海軍と政治」の問題を、「不作為の罪」をキーワードにすることによって明らかにするものです。そして、明治憲法下においては政府・議会と並ぶ国家の主柱であったにもかかわらず、その責任を十分に果たすことのできなかった海軍の「政治責任」が、はじめて正面から問われることになるでしょう。
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試験に受かる「技術」 灘高が教えてくれた「超」合理的メソッド
試験に受かる「技術」 灘高が教えてくれた「超」合理的メソッド
著:吉田 たかよし
講談社現代新書
「うつ症状」で不登校、成績は学年ビリの落ちこぼれ! こんな僕でも、東大に合格できた! 灘高式「超」合理的メソッドを全公開! 東大現役合格、国家公務員試験1種2年連続合格、医師国家試験(正解率92%)、NHK入社試験、政策担当秘書資格など、名だたる難関試験をすべてストレートで合格してきた著者が考案した、灘高流の「超」合理的勉強法がマスターできる実践的解説書。受験生必読です! 「うつ症状」で不登校、成績は学年ビリの落ちこぼれだった著者が、東大現役合格、国家公務員試験一種2年連続合格、医師国家試験(正解率92%)をなし遂げた、驚異の灘高流の「超」合理的勉強法のノウハウを伝授する。 公立小学校→灘中高→東大(理科一類)→東大大学院(工学系研究科)→国家公務員試験一種(経済職)2年連続→NHKアナウンサー→医師国家試験→政策担当秘書資格取得→衆議院議員公設第一秘書→東大大学院医学博士課程 名だたる難関試験をすべてストレートで合格してきた著者が考案した、灘高流の「超」合理的勉強法がマスターできる実践的解説書 すぐに役立つ受験テク満載 ※マークシートの選択問題は、○×の2段階ではなく、×(絶対に間違い)、 /(たぶん間違い)、 △(たぶん正解)、 ○(絶対に正解)の4段階で判定しろ! ※利き手と反対の指を使って、選択肢と設問を「指さし確認」すればケアレスミスは激減する! ※余白の使い方を工夫すれば、センター試験「数学」の得点力が確実にアップする! ※人間心理を深読みしてマークシートのくじ運を上げろ! ※国語の試験では、漢文→古文→現代文(論説文)→現代文(小説)、英語は、短時間に解ける発音・アクセント→文法・語法→長文読解の順に解いてゆけ! ※受験勉強は「超」長期戦。息切れしないように、毎日1時間の濃密な余暇時間を確保せよ! ※ケアレスミスは、試験開始直後に集中する。はじめの5分間は少し時間をかけて問題を解け! ※試験会場には、直感的把握に優れるアナログと、正確性に優れるデジタルの2種類を携行しろ!
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ニッポンの裁判
ニッポンの裁判
著:瀬木 比呂志
講談社現代新書
冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)!日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた・・・。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説に法曹界騒然! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説。法曹界再び騒然の衝撃作! 冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)!日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた・・・。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 「はしがき」より 本書は、『絶望の裁判所』の姉妹書である。『絶望』が制度批判の書物であったのに対し、本書は、裁判批判を内容とする。つまり、両者は、内容は関連しているが、独立した書物である。(中略)より具体的に述べよう。『絶望』は、もっぱら裁判所、裁判官制度と裁判官集団の官僚的、役人的な意識のあり方を批判、分析した書物であり、裁判については、制度的な側面からラフスケッチを行ったにすぎなかった。これに対し、本書は、そのような裁判所、裁判官によって生み出される裁判のあり方とその問題点について、具体的な例を挙げながら、詳しく、かつ、できる限りわかりやすく、論じてゆく。(中略)おそらく、日本の裁判全体の包括的、総合的、構造的な分析も、これまでに行われたことはあまりなかったのであり、本書の内容に驚愕され、裁判に対する認識を改められる読者は多いはずである。
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福島第一原発事故 7つの謎
福島第一原発事故 7つの謎
著:NHKスペシャル『メルトダウン』取材班
講談社現代新書
事故3年経ってなお次々に浮かび上がる謎。福島第一原発事故の検証報道で独走するNHKメルトダウン取材班が、吉田昌郎・福島第一原発所長が遺した「謎の言葉」の真相に迫る。500人以上の関係者取材、政府事故調・吉田調書や東電内部の極秘メモなど超一級資料などを駆使して、未解明の7つの謎に迫るミステリー・ノンフィクションの傑作! (講談社現代新書) 東京電力 吉田昌郎・福島第一原発所長は、食道がんで亡くなる直前、周囲の人間に「自分は、1号機のベントが本当に成功したかどうか、確信が持てない」と繰り返し述べていたという。成功したとされている1号機のベント。吉田氏はなぜこのような謎めいた言葉を遺していたのか? 福島第一原発事故から3年が経ったにもかかわらず、いまなお多くの謎が残され、事故の検証作業はまだ途上にある。  福島第一原発事故の検証報道で独走するNHKメルトダウン取材班が、500人以上の関係者取材、政府事故調・吉田調書や東電内部の極秘メモなど超一級資料などを駆使して、未解明の7つの謎に迫るミステリー・ノンフィクション。
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ニッポンの音楽
ニッポンの音楽
著:佐々木 敦
講談社現代新書
一九六九年から始まる本書の物語は、「Jポップ」葬送の物語であり、ニッポンの寓話でもある。章題記載の音楽家のほか、小沢健二、小山田圭吾、ピチカート・ファイヴ、小室哲哉、安室奈美恵、つんく♂、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ……etc.が登場。日本のポピュラー音楽の歴史と現在を考える上で、もっとも重要な物語がこの一冊に! (講談社現代新書) Jポップ誕生「以前」と「以後」の45年を通覧する-- 主人公の「物語=歴史」でディケイド(10年間)を解き明かす! ●70年代 はっぴいえんどの物語 ●80年代 YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の物語 ●90年代 渋谷系と小室系の物語 ●ゼロ年代以降 中田ヤスタカの物語 一九六九年から始まる本書の物語は、「Jポップ」葬送の物語であり、ニッポンの寓話でもある。 章題記載の音楽家のほか、小沢健二、小山田圭吾、ピチカート・ファイヴ、 小室哲哉、安室奈美恵、つんく♂、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ……etc.が登場。 日本のポピュラー音楽の歴史と現在を考える上で、もっとも重要な物語がこの一冊に! <本書の内容> 第一部 Jポップ以前                第一章 はっぴいえんどの物語  第二章 YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の物語 ~幕間の物語(インタールード) 「Jポップ」の誕生~          第二部 Jポップ以後                第三章 渋谷系と小室系の物語  第四章 中田ヤスタカの物語
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安倍官邸の正体
安倍官邸の正体
著:田崎 史郎
講談社現代新書
安倍政権はいつまで続くのか。安倍官邸のキーパーソン、そして、「ポスト安倍」の有力候補は誰か。新聞の首相動静にも記されない、日本の行方を決定づける非公式会議に、「隠し廊下」を通って集結していたメンバーとは――。政治記者歴35年の著者が、2015年以降の政局の行方と安倍内閣の「本質」を読み解く。 国や党の方針は、誰がいつ、どこで決めているのか――。 安倍政権を批判する人も肯定する人も、 まずはその「実態」を知ることが大切だ。 これからの「日本のあり方」を考えるべく、 国家権力の中枢を解明するとともに、 安倍内閣の「本質」、そして 2015年以降の政局の行方までを読み解いた、 全国民必読の書。 はたして、新聞の首相動静にも記されない、 日本の行方を決定づける非公式会議に、 「隠し廊下」を通って集結していたメンバーとは――。 安倍官邸のキーパーソン、「ポスト安倍」は誰なのか? 憲法改正に取り組むタイミングはいつ? 安倍首相が明かした「宿願」とは? そして、戦後日本が誇った「平和国家」は、 どこへ向かおうとしているのか――。 政治記者歴35年の著者が迫った、「国家権力の頂点」の真実。 -------------------------------------------------- 【おもな内容】 序 章 「政局を読む力」を養うために 衆院解散の内幕/参考にしたのは「死んだふり解散」/総選挙の本質とは/財務省の凄まじい「ご説明」攻勢/公明党の都合 第1章 安倍官邸の「構造」と「正体」 1 最高意思決定機関としての「正副官房長官会議」 2 一次政権の蹉跌から編み出した「官僚支配の手法」 3 問題閣僚への処遇の変化と読売・産経重視の姿勢 第2章 一次政権とは何が「違う」のか 1 ゴルフの回数が「激増」した理由 2 ひた隠しにしていた「再登板への渇望」 3 「美しい国」路線を引っ込めた背景 4 安倍はなぜ靖国参拝を強行したのか 第3章 安倍官邸の実力と問われる真価 1 安倍を支える政権の参謀・菅義偉 2 実現させた政策とその舞台裏 3 今後の不安要素と「ポスト安倍」
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善の根拠
善の根拠
著:南 直哉
講談社現代新書
「なぜ人を殺してはいけないのですか?」──従来、当たり前だと思われていたことにまで理由を説明しなければならない時代。「善きこと」に対する信頼が、すっかり失われてしまった時代──そんな現代だからこそ、「善」とは何なのか、その根拠は何なのかを考えてみることが必要なのではないでしょうか? 本書は、気鋭の禅僧が、仏教の立場から現代における難問中の難問に果敢に挑む問題作です。根拠なき不毛の時代にこそ必読! 「なぜ人を殺してはいけないのですか?」──従来は当たり前だと思われていたことにまで、その理由を説明しなければならない時代。「常識」の底が抜け、すべてのものごとに、根拠がなくなってしまった時代。「善きこと」に対する信頼が、すっかり失われてしまった時代──そんな現代だからこそ、今一度、「よいこと」すなわち「善」とは何なのか、その根拠は何なのかを考えてみることが必要とされているのではないでしょうか? 人間という、限界あるか弱い存在の内に、善を求める態度、すなわち本当の意味での「倫理」が立ち上がるために必要な条件は何か? 本書は、恐山を主な舞台にして積極的な活動を展開する気鋭の禅僧が、仏教者としての立場から、現代における難問中の難問に果敢に挑む問題作です。根拠なき不毛の時代にこそ必読!
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認知症の「真実」
認知症の「真実」
著:東田 勉
講談社現代新書
認知症医療の「闇」と「希望」を描いた衝撃作。介護業界のカリスマ 三好春樹氏が「認知症は国と医師が作り上げた虚構の病だった」と大絶賛。 ●家族や介護従事者が悲鳴をあげるアリセプトの副作用 ●専門医ですら知らないレビー小体型認知症の治療法 ●「廃人になる薬」を説明なしで処方する医者 ●薬に頼らない新しい医療や介護の取り組みが始まった! など、本書でしか読めない情報を多数満載 「認知症」はいまや中学生でも知っている言葉だが、実はその歴史はきわめて浅い。認知症という言葉が使われるようになったのは2004年。それまでに使われていた「痴呆」という言葉が差別的であるという理由から、厚生労働省は痴呆を認知症と言い替える決定した。しかし新たに定義された「認知症」はさまざまな意味で問題をはらんでいる。  漠然と「脳の病気である」という知識は普及しつつあるものの、医学的な定義が曖昧で、診断基準もきわめて曖昧で、治療法も確立していない。ひとくちに認知症といっても、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがあり、その症状や治療法も大きく異なる。しかしながら、診断する医者側に認知症の知識が決定的に不足しており、誤った治療法により、症状を悪化させるケースが後を絶たない。とりわけ問題が多いのが精神科医で、病気扱いされる必要のないお年寄りまでが向精神薬などを使った過剰な薬物治療を受け、寝たきりや廃人同様になる悲劇がいたるところでおきている。  こうした被害に合わないためには、患者を介護する家族が認知症に対する正しい知識を持ち、診断能力のある医者を選択しなければならない。また、薬を使わずに落ち着かせてくれる介護現場を探し、プロの適切なケアを受けなければならない。しかしそれは、一般の読者にとって至難の業といえる。  そこで著者は、不幸にも無知な医者から塗炭の苦しみを舐めさせられた認知症の家族を幾人も取材し、陥りやすい医療過誤と、そこから逃れるにはどうすればいいかという貴重な証言を得た。また、認知症の薬害問題と闘う医療の専門家、介護の専門家の意見と実践も併せて紹介した。  本書は、誤った認知症医療に対する警告の書であると同時に、正しく認知症と向き合う途を示す希望の書である。
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はやぶさ2の真実 どうなる日本の宇宙探査
はやぶさ2の真実 どうなる日本の宇宙探査
著:松浦 晋也
講談社現代新書
打ち上げが間近に迫った「はやぶさ2」。初代はやぶさは、数々の困難を乗りえて、無事地球に帰還し、多くの日本人の心を揺さぶった。国民の熱狂的な支持を受けて、後継プロジェクト「はやぶさ2」も順調に進むはずだったが、その歩みは難渋を重ね、なかなか必要な予算が付かず、2012年にはあわや計画中止になる局面もあった。はやぶさ2の冒険は、探査機を打ち上げる前から始まっていたのである 打ち上げが間近に迫った「はやぶさ2」。初代はやぶさは、数々の困難を乗りえて、無事地球に帰還し、多くの日本人の心を揺さぶった。  国民の熱狂的な支持を受けて、後継プロジェクト「はやぶさ2」も順調に進むはずだった。しかし、はやぶさ2の歩みは難渋した。なかなか必要な予算が付かず、2012年にはあわや計画中止かと思われたこともあった。  なんとか予算はついたものの、日本の宇宙開発を取り巻く環境はきわめて厳しい。現在、はやぶさ2は、日本で正式に予算がついて動いている唯一の宇宙探査計画だ。今後のプロジェクトに弾みをつけるために、はやぶさ2の成功は必須である。  本書で、宇宙探査の系譜をたどりながら、はやぶさ2プロジェクトの全貌と日本の宇宙開発をとりまく状勢を解説する。 堀江貴文(ホリエモン)絶賛 「はやぶさ本の最高傑作!宇宙探査への国家的無策のために、はやぶさ2の大冒険は地上から始まっていたのだった!(涙)」
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闘うための哲学書
闘うための哲学書
著:小川 仁志,著:萱野 稔人
講談社現代新書
プラトン、アリストテレス、デカルト、ルソー、ヘーゲル、ウェーバー、ハイデッガー、アーレント、サルトル、ストロース、ロールズ、福澤諭吉、西田幾多郎……。古今東西の古典をどう読むか。1970年生まれの行動する哲学者ふたりが、22冊の古典を前に、そのおもしろさ、奥深さを語り尽くす。知的興奮必至の知の入門書。 古典とは、頭を鍛え、人間社会を学ぶ最強の教材だ! 哲学とは、ものごとの本質を言葉を使って探究する学問である。 だから哲学者とは「言葉の職人」である。 そのなかでも歴史に残る職人たちの仕事が、 いまの私たちでも読むことができる「古典」である。 哲学史を紐解くとは、こうした職人たちの仕事を追体験し、 それによって私たちの言葉に磨きをかけることにほかならない。 プラトン、アリストテレス、デカルト、ルソー、ヘーゲル、ウェーバー、 ハイデッガー、アーレント、サルトル、ストロース、ロールズ、 福澤諭吉、西田幾多郎……。 古今東西の古典をどう読むか。 1970年生まれの行動する哲学者ふたりが、 22冊の古典を前に、そのおもしろさ、奥深さを語り尽くす。 知的興奮必至の知の入門書。
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昭和陸軍全史 2 日中戦争
昭和陸軍全史 2 日中戦争
著:川田 稔
講談社現代新書
日本を破滅へと導くことになった陸軍の独断専行という事態はなぜおこったのか?彼らはいかなる思想の元に行動していたのか?日本陸軍という日本の歴史上、特異な性質を持った組織がいかに形成され、そしてついには日本を敗戦という破滅に引きずり込みながら自らも崩壊に至ったかのプロセスを描く3部作の第2巻。統制派と皇道派の抗争と統制派の勝利、勝利を得た統制派の指導の下、日本が泥沼の日中戦争へと突入する過程を描く。
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オリーブの罠
オリーブの罠
著:酒井 順子
講談社現代新書
『オリーブ』とは「モテの戦場」からの解放だった――女子高生時代から『オリーブ』愛読者であり執筆者でもあった著者が、少女達を夢中にさせ、その人生観にも影響を与えた伝説の雑誌を振り返る。大人になった今だからわかること――「オリーブの罠」とは何だったのか。(講談社現代新書) 『オリーブ』とは「モテの戦場」からの解放だった―― 女子高生時代から『オリーブ』愛読者であり執筆者でもあった著者が、 少女達を夢中にさせ、その人生観にも影響を与えた伝説の雑誌を振り返る。 大人になった今だからわかること――「オリーブの罠」とは何だったのか。 マーガレット酒井先生復活! 「元オリーブ少女&少年の面接時間」全4回を収録 <本書の内容> 序章 『オリーブ』誕生 第一章 オリーブ伝説の始まり 1 一九八三年の大転換 2 ターゲットは女子高生 第二章 リセエンヌ登場 1 オリーブ少女とツッパリ少女 2 リセエンヌ宣言 第三章 『オリーブ』と格差社会 1 付属校カルチャー 2 八〇年代の格差 3 アイコン、栗尾美恵子さん 第四章 『オリーブ』とファッション 1 おしゃれ中毒 2 コスプレおめかし 第五章 オリーブ少女の恋愛能力 1 非モテの源流『アンアン』 2「聖少女」願望 3 オリーブ少女の男女交際 第六章 オリーブ少女の未来=現在 1 『オリーブ』の教え 2 オリーブ少女の職業観 3 オリーブチルドレン 終章 オリーブの罠
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カフェと日本人
カフェと日本人
著:高井 尚之
講談社現代新書
大正・昭和の「カフェー」とAKB48の類似点って? なぜ名古屋人は喫茶好き? 210年前にコーヒーを飲んだ「人気文化人」といえば? 100年以上営業している国内最古の喫茶店はどこ? 「音楽系喫茶」と「特殊喫茶」がたどった経緯とは? あなたにとって「カフェの存在」とは? 日本初の喫茶店から、欲望に応えてきた特殊喫茶、スタバ、いま話題の「サードウェーブ」までの変遷をたどった、日本のカフェ文化論。 大正・昭和の「カフェー」とAKB48の類似点って? なぜ名古屋人は喫茶好き? 210年前にコーヒーを飲んだ「人気文化人」といえば? 100年以上続く国内最古の喫茶店はどこ? 「音楽系喫茶」と「特殊喫茶」がたどった経緯とは? 「カフェラテ」と「カフェオレ」の違いは? あなたにとって「カフェの存在」とは? -------------------------------------------------- 日本初の喫茶店から、欲望に応えてきた特殊喫茶、スタバ、 いま話題の「サードウェーブ」までの変遷をたどった、日本のカフェ文化論。 -------------------------------------------------- 【おもな内容】 第1章 カフェの誕生 「日本初」の喫茶店はビリヤードつき/100年以上続く現存最古の喫茶店/戦後に庶民化した「ハイカラな味」/「昭和の喫茶店」と「平成のカフェ」 ほか 第2章 日本独自の進化を遂げたカフェ・喫茶店 文壇バーならぬ文壇カフェ/「談話室滝沢」があった時代/菊池寛も愛用した文化人のサロン/名曲喫茶・シャンソン喫茶・ジャズ喫茶・歌声喫茶・ゴーゴー喫茶/美人喫茶からメイドカフェへ/西からやってきた「ノーパン喫茶」 ほか 第3章 なぜ名古屋人は喫茶好きなのか 始まりは尾張徳川藩の振興策/昭和30~40年代から続く人気店/「一宮モーニング」と「豊橋モーニング」 ほか 第4章 カフェ好きが集まる聖地 シングルオリジンの味わい深さを追求する「バルミュゼット」(仙台)/コロンビアに直営農園を持つ個人店「サザコーヒー」(ひたちなか)/川端康成や池波正太郎に愛された「アンジェラス」(浅草)/ジョン・レノンや柴田錬三郎も利用した「ミカドコーヒー」(軽井沢)/「ご近所のコーヒー店」から進化した「カフェタナカ」(名古屋)/日本有数の温泉地にある「ティールーム・二コル」と飲食専門誌『カフェ&レストラン』編集長が絶賛した「茶房 天井棧敷」(由布院) 第5章 「うちカフェ」という見えざる市場 定着した「コンビニコーヒー」は多様化へ/「無糖」や「健康」を打ち出す缶コーヒー/「サードウェーブは「昭和の喫茶店」そのものだ ほか
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大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち
大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち
著:池上 正樹
講談社現代新書
セーフティネットの狭間で置き去りにされた40歳以上は推定100万人! このままでは「老後破産」者が激増してしまう。ところが、どうすればいいのか、わからない。ハローワークを訪ねても同じ求人がグルグル回る「カラ求人」や、非現実的な「神様スペック」を求める企業が少なくない。いつの間にか時間が過ぎ去り、やがて家族ごと地域に埋没する―。ひきこもりが「長期化」「潜在化」する背景と、新たな取り組みを探った。 40歳以上のひきこもり+潜在群は推定100万人もいる。 このままでは、老後の蓄えがなく頼りの年金さえ受け取ることができず、 いずれ「老後破産」せざるをえない人が激増する可能性が高い。 どうすれば、日本に潜むこの大問題を解決できるのか。 答えのない問題が山積する時代。その答えをみんなが求めている。 しかし、専門家任せ、他人任せでは、なかなか解決できない。 支援の仕組みも、ミスマッチが起きている。 その答えを持っているのは、当事者たちである。 周囲の人たちは「上から目線」をやめて、 当事者たちの「声なき声」に、そっと耳を傾けるしかない。 ----------------------------------- 親も子も、どうすればいいのか、誰に相談すればいいのかわからず、 気持ちばかりが焦ってしまう。 ハローワークを訪ねてみても、同じ求人がグルグル回る「カラ求人」や、 非現実的な「神様スペック」を求める企業が少なくない。 そうこうしているうちに、時間だけが過ぎていき、 やがて家族ごと地域の中に埋没してしまう――。 ひきこもりが「長期化」「潜在化」する背景と、 外に出るための新たな取り組みを探った。 ----------------------------------- 【おもな内容】 第1章 ひきこもりにまつわる誤解と偏見を解く  1 データが物語る「高齢化」  2 ひきこもりの「潜在化」  3 ひきこもる女性たち「それぞれの理由」 第2章 ひきこもりの背景を探る  1 「立ち直り」を阻害するもの  2 「迷惑をかけたくない」という美徳  3 「家の恥」という意識  4 医学的見地からの原因分析 第3章 ひきこもる人々は「外に出る理由」を探している  1 訪問治療と「藤里方式」という新たな模索  2 親子の相互不信を解消させたフューチャーセッション  3 ひきこもり大学の開校  4 外に出るための第一歩――経済問題
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思索の源泉としての鉄道
思索の源泉としての鉄道
著:原 武史
講談社現代新書
東日本大震災で起きた日本の鉄道史上未曾有の事態……それから3年半、断たれた鉄路はどうなっているのか? なぜ「あまちゃん」にはJRが映らなかったのか? 車窓に目をこらし、歴史に耳を澄ませ、日本を読み解く、唯一無二の“鉄”コラム集! なぜ「あまちゃん」にはJRが映らなかったのか? 常磐線の断たれた鉄路はどうなっているか? 三陸鉄道が復興できて、JRが復興できない理由とは? 車窓に目をこらし、歴史に耳を澄ませ、日本を読み解く 唯一無二の「鉄」コラム集! 【目 次】 第1章 東日本大震災と鉄道 第2章 天皇・皇居と鉄道 第3章 沿線文化の起源 第4章 断たれた鉄路をゆく 第5章 鉄道をめぐる記憶と文学 第6章 乗客の横顔 第7章 鉄道復興の軌跡 第8章 海外の鉄道で考える 第9章 よみがえる「つばめ」「はと」
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ヌードと愛国
ヌードと愛国
著:池川 玲子
講談社現代新書
一九〇〇年代から一九七〇年代に創られた、「日本」をまとった七体のヌードの謎を解く。推理のポイントは、時代と創り手の動機。時系列で並んだヌードから浮かび上がる歴史とは? 極上ミステリーのような謎解き方式で、ヌードから近現代史を読み解いていく。(講談社現代新書) 一九〇〇年代から一九七〇年代に創られた、「日本」をまとった七体のヌードの謎を解く。 推理のポイントは、時代と創り手の動機。 時系列で並んだヌードから浮かび上がる歴史とは? 極上ミステリーのような謎解き方式で、ヌードから近現代史を読み解いていく。 <本書の主な内容> 第一章 デッサン館の秘密  智恵子の「リアルすぎるヌード」伝説 第二章 Yの悲劇 「夢二式美人」はなぜ脱いだのか? 第三章 そして海女もいなくなった 日本宣伝映画に仕組まれたヌード 第四章 男には向かない?職業 満洲移民プロパガンダ映画と「乳房」 第五章 ミニスカどころじゃないポリス 占領と婦人警察官のヌード 第六章 智恵子少々 冷戦下の反米民族主義ヌード 第七章 資本の国のアリス 七〇年代パルコの「手ブラ」ポスター
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ふしぎな国道
ふしぎな国道
著:佐藤 健太郎
講談社現代新書
空気のように、非常に身近でありながら、ほとんどその存在を意識されることのない「国道」。実は、この国道には不可思議なことが数多く存在する。・国道246号は存在するのに、国道60号や国道99号がない ・外環やアクアラインは高速道路なのに国道指定されている ・車が通れない商店街や階段が国道指定されている ・同じ国道なのに複数のルートがある 「国道マニア」として知られる著者が、こうした様々な謎を解き明かす 空気のように、非常に身近でありながら、ほとんどその存在を意識されることのない「国道」。その国道を真っ正面から扱った記念碑的作品。  実は、国道には不可思議なことが数多く存在する。 ・国道246号は存在するのに、なぜ国道60号や国道99号はないのか? ・圏央道やアクアラインは高速道路なのになぜ国道指定されているのか? ・車が通れない商店街や階段がなぜ国道指定されるのか? ・道路すら走っていないフェリー航路が国道扱いされるのはなぜなのか? など、いちいち挙げれば、数限りない。  国道をこよなく「国道マニア」として知られる佐藤健太郎氏が、こうした国道にまつわる、様々な謎を読み解くとともに、国道をこよなく愛する「国道マニア」たちのマニアックな生態を解説する。悪路を好んで走る「酷道マニア」。旧道を好んで走る「旧道マニア」。国道のありがたさを実感するために非国道のみを頑なに走行する「非国道走向マニア」、道路元標に異常な執着を示す「道路元標マニア」など、彼らのこだわりは相当なまでにマニアックである。抱腹絶倒の一冊
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デジタルは人間を奪うのか
デジタルは人間を奪うのか
著:小川 和也
講談社現代新書
健常者の記録を破る義足アスリートの出現、脳とコンピュータの接続、デジタル認知症……デジタルテクノロジーはわれわれをどこに連れていくのか。デジタルの第一線で活動する著者による、最新トピック満載の書。デジタルによって豊かな未来が創造されるはずだが、同時に忍び寄る「不気味さ」の正体とは何か。「デジタルの船からは、もはや降りられない」「モノのネット化で変わる生活」「ロボットに仕事を奪われる日」など。 脳とコンピュータの接続、デジタル認知症、健常者の記録を破る義足アスリート……デジタルテクノロジーはわれわれをどこに連れていくのか。最新トピック満載の書。 <本書の主な内容> 序章 デジタルの船からは、もはや降りられない 「ただ楽になっただけ」/とめどなき情報量爆発/「つながっていても孤独」という不可思議 ほか 第1章 デジタル社会の光と影 SNSが生む経済損失/携帯電話で脳腫瘍が増加する/評判を求め過ぎる子供たち/デジタル写真を撮影するほど記憶が薄れる/ソーシャルメディアが失言を誘発する/サイバー攻撃で死者が出る ほか 第2章 モノのネット化で変わる生活 あらゆるモノがネットとつながる社会/替え時を教えてくれる「おむつ」/ウェアラブルコンピュータの危険性/「コンピュテーショナル・ファッション」/グーグルとアップルが自動車産業を支配する? ほか 第3章 ロボットに仕事を奪われる日 『鉄腕アトム』はもはや夢物語ではない/躍進するロボット記者/コンピュータ小説家/人間の仕事の多くが消滅する 第4章 仮想と現実の境界線が溶ける 「仮想国家」は現実の国家になるか/「オープンガバメント」と個人/「インターネット政党」/就職人気ランキング1位は仮想企業/貨幣制度を揺さぶる仮想通貨 ほか 第5章 脳と肉体にデジタルが融合する未来 人間の脳を超えるコンピュータ/思考する人工知能/記憶の複製/夢の解読/人間の脳が戦場に?/発電装置になる心臓/眼球が人間とコンピュータをつなぐ/人工筋肉で人間に近づくロボット/デジタルとの共存共栄のために ほか 第6章「考える葦」であり続ける ペンはキーボードよりも強し/ネット断食/アマゾンがリコメンデーションできないもの/ジョブズとカリグラフィー/「外部脳」の弊害/脳の活動のブレイクスルー/情報は知識でも思考でもない/教室を変えたデジタルの力/思考する努力 ほか 終章 デジタルは人間を奪うのか 『マトリックス』が現実化する未来/人工知能に恋をする/子育てとデジタル/スマートフォンに忠誠を誓う人間/紙の新聞の購読をやめない理由/デジタルの力でもかなわないもの/不気味さこそが可能性の証
電子あり
ヴァロワ朝 フランス王朝史2
ヴァロワ朝 フランス王朝史2
著:佐藤 賢一
講談社現代新書
カペー、ヴァロワ、ブルボンと続くフランス王朝の歴史を描けるのは、この人しかいない!ヴァロワ朝の歴史を描く待望の第2弾。イングランドとの百年戦争、イタリアへの夢、皇帝との確執、そして血みどろの宗教戦争……。相次ぐ戦争と金策の日々。歴代王の心労絶えない260年間は、後に続くブルボンの輝く絶対王政への長き助走期間だったか。 カペー、ヴァロワ、ブルボンと続くフランス王朝の歴史を描けるのは、 この人しかいない! ヴァロワ朝の歴史を描く待望の第2弾。 ヴァロワ朝創設より始まったイングランドとの百年戦争、 国内有力諸侯との駆け引き。 イタリアへの夢、神聖ローマ帝国皇帝との確執、 そして血みどろの宗教戦争……。 相次ぐ戦争と金策の日々。 歴代王の心労絶えない260年間は、 後に続くブルボンの輝く絶対王政への長き助走期間だったか。 フランスを救え──。 百年戦争のときのジャンヌ・ダルクの叫びはフランス人の心を鼓舞したが……。 神のためには死ねる。しかしフランスのためには死ねるか? ましてやフランス王のためには?? こうした中でも一歩一歩、王家の国造りは進む。
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体の知性を取り戻す
体の知性を取り戻す
著:尹 雄大
講談社現代新書
小学校入学と同時に覚えた「小さく前へならえ」。それ以来ずっと、私たちは社会が求める「正しい」鋳型に自分の体をあわせてきた。その結果、何が本来の自分なのか、わからなくなっている。自分の体は、自然界最大の謎なのだ。あらかじめ体に装備された力とは何か? どうすればそれを取り戻せるのか? 気鋭のライターが、自らの武術体験から、体に眠っている能力の引き出し方を明かす。(講談社現代新書) 【あなたの体に眠っている能力をどう引き出すか?】 「小さく前へならえ!」 「気をつけ! 休め!」 長年、社会が要請する「正しい」鋳型に合わせてきた結果、 私たちの体は知らぬ間に〈不自由〉になっている。 でも、自分の体のことは、自分が一番わからない。 あらかじめ体に装備された力とは何か? どうすればそれを取り戻せるのか? 柔道、キックボクシング、古武術、韓氏意拳…… あまたの武道遍歴から考え抜いた いまを生きのびるために大切なこと! 【推薦!】 頭による学習にばかり意を注ぎ、身体の感覚などは当てにならないものとして軽視してきた日本の教育の問題点を、著者自身の体験を通じて見事に衝いている。 ――甲野善紀氏 身体を語る言語はつねに身体を裏切る。言葉で身体を語りきれるはずがないからだ。その根源的矛盾に耐えるためには、『居着かない文体』が必要になる。その困難な要請に著者は懸命に応えようとしている。 ――内田樹氏 【目次】 第1章 「小さく前へならえ」で私たちが失ったもの 第2章 渾身のパンチより強い、手応えのないパンチ 第3章 「基本」とは何か 第4章 動かすのではなく、ただ動く 第5章 感覚こそが知性である
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