講談社現代新書作品一覧
食卓にあがった死の灰
講談社現代新書
食卓に上った放射能汚染から原発を考える。チェルノブイリ原発事故から3年半を経た今なお、輸入食品汚染は続いている。各国の検査体制と基準の実態や食品別の汚染データから、「脱原発」への道をさぐる。

はじめての中国語
講談社現代新書
中国語は一番身近な外国語。とはいえ、発音は? 文法は? 独特な発声法「声調」のコツや、「ピンイン」の読み方・書き方……。語順や動詞の活用は? 否定や疑問はどう言うの? 基本文法とひとこと会話をマスターして、5000年の〈ことば〉の世界を知る、中国語への第1歩!
私の中国語修業――その時、まったく予期せぬことが起こりました。今、目で追っている新聞の活字のニュースが、音として聞こえてくるのです。……活字とともに音がビンビンと踊っているようです。生きたことばとはこういうものかと、その時はじめて実感しました。そして、とうとう私は、学校にあるのと同じ機械を自宅に買ってしまいました。当時のお金でも5、6万円はしたでしょうか。これを家にすえつけてからというもの、……さまざまな番組を毎日のように聴きまくりました。……外国語をものにしようと思えば、「お金と時間をかけよ」というのは本当です。貧しい学生がなけなしのお金をはたいて求めた本やチャンスは、何としても無駄にはしたくないものです。お金で購うのは、実はそのような「意欲」と「情熱」なのです。――本書より
パリの奇跡
講談社現代新書
新しい建築や都市開発で燃えるパリを活写.新オペラ座,21世紀の凱旋門,オルセ-駅の再生,アラブ世界研究所……パリはいま世界中の耳目を集めている.建築を中心としたパリ再生の試みを写真と共に紹介
はじめての進化論
講談社現代新書
現代進化論はどこまで進化してきたか? 生物はどのように進化するのだろうか.ダ-ウィンの自然選択説から,ラマルキズム,ネオダ-ウィニズム,中立説などを概観し,進化のメカニズムを解き明かす.

大恋愛
講談社現代新書
身を焦がす恋。他人の眼を避ける愛。一目惚れ・片想いから三角関係・心中まで、自由と束縛のなかで、恋愛は男と女を狂わせる。映画、小説、演劇などをとおし、マニュアルでは決して事の運ばない不思議な感情の森に誘う。恋愛という人生の「事件」を鮮かに抉った快著。
いまこそ、恋愛の時代――「恋愛」とは、ハンパな行為ではない。一つ間違えば、死ぬか生きるかという問題にまで発展する。「暇つぶし」だとか、自分の寂しさを紛らわすための「ゲーム」だと侮ると、大怪我をする。この感情が高揚すると、自分の力だけでは思うようにコントロールできなくなるからである。「魔に憑かれた」としか説明できないことも多々起こるのだ。さらに、つきつめれば、当事者たちの人間そのものの完成度が問われることにもなりかねない。だから恋愛は怖いのである。いま改めて「大恋愛」について考えるのは、昔に帰れと言うためではないのである。むしろ、いまこそ、恋愛の時代だと、ぼくには思えるからである。「大恋愛」に強く憧れて、過去の「恋愛」について、考えてみたくなったのである。――本書より

対人恐怖
講談社現代新書
表情や動作が、なんとなくギクシャクする。みんなが自分を、嫌っているのではないか。「ふれあい」の場を避け、ひとりで悩んでいる人は少なくない。我執と没我の狭間でゆれる日本人の、羞恥の構造とはなにか。対人恐怖の原因と治し方を豊富な臨床例をもとに、アドバイス。
対人関係がすべてではない――社会生活において大切なのは仕事や役割であって、対人関係は二の次であるべきだ。この第1が仕事や役割、第2が対人関係という順位に、逆転がみられる場合に精神の混乱をきたすことがきわめて多いのである。社会的に、仕事一途、役割への過剰同一化が問題にされているけれども、よくみれば、やはり対人関係が第1順位にされているのである。対人関係が第1順位にされると、おのずと対人関係にふりまわされがちとなるのはいうまでもなく、その結果仕事や役割は二の次とされて社会における自己の位置づけを見失うことになる。そのためにいっそう対人関係にふりまわされてゆく……それは、対人的な至適距離の保持という問題に直結する。これまでの文脈からいえば、自他のあいだに「間」をおくという意味にもなる。――本書より

華僑
講談社現代新書
世界経済に台頭する新勢力。同族間のネットワークと商業民族としての特性から、新たな経済圏を形成しつつある華僑・華人の人流と経済活力を分析。
アジア太平洋時代の影の主役――アジア太平洋地域の急速な経済発展は、日本、アジアNIES、あるいは東南アジア、中国、さらにはアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの好調な経済発展によっている。このことはよく知られているが、実はそのかなりが中国人・中国系人に負っていることはまったく知られていない。アメリカやカナダでも西部の発展はアジア系移民によるところが少なくなく、中国系人も重要な役割を果たしている。(中略)この結果、中国人・中国系人がアジア太平洋時代の影の主役となった。少なくともその一人となった。住民のほとんど全部または大部分が中国人・中国系人である台湾、香港、シンガポールの発展が顕著であることは先に述べた。これにつづくマレーシアやタイその他の東南アジア諸国でも急速な経済発展の主たる担い手は華僑・華人である。――本書より
アメリカ経済を読む 変わる日米経済関係
講談社現代新書
アメリカ経済の構造変化を10の視点で読む「双子の赤字」説の間違い,レ-ガノミックスの真の狙い,新通商法案の意味などから,地殻変動を起こしつつあるアメリカ経済を解説し,世界経済の行末を診断する
ソビエトとロシア
講談社現代新書
ロシア人と社会主義の双面からソ連を読む.親切で陽気なロシア人と官僚主義的で非能率的なソビエト社会主義体制の奇妙な対比は帝政時代を彷彿させる.硬構造社会に生きるしたたかな民族の特性を分析する.

弁護士“法の現場”の仕事人たち
講談社現代新書
金銭上のトラブル、借地・借家をめぐる争い、離婚、相続問題から、刑事事件や公害訴訟まで……。市民生活のなかで、弁護士の介助を必要とする法律上の紛争が、ますます増えてきている。弁護士を依頼するにはどうするか? 法的トラブルはどのように解決されるのか? 弁護士の多彩な活動ぶりと、知られざる日本の法曹界の実態を描いた現場リポート。
弁護士のイメージ――弁護士が仕事の依頼を受けるのは、紛争の一方当事者からである。依頼した側からすれば、弁護士が依頼者の利益のために辣腕(らつわん)を振るって相手をやっつけてくれれば、その弁護士は頼もしい正義の見方ということになるであろう。他方、相手方からすれば、その弁護士は憎き敵の見方である。とりわけ自分の側に理があると思っているような場合には、その弁護士は不当な要求をしている敵を助けるために、金で雇われている“悪徳弁護士”であり、許せないということになるであろう。だから世の中には、弁護士に助けてもらって感謝している人もいれば、逆に紛争の相手方に悪い弁護士がつき、へんな知恵をつけられ、ひどいめにあったという思いをしている人もいるであろう。――本書より

哲学の歴史
講談社現代新書
現代思想の鋭く根底的な問いは、西欧の厖大な知の集積から生まれた。私は何か? 他者というアポリア、言語と世界の迷路をどう切り拓くか? 哲学が2500年にわたって問い続けた主題を、現代哲学の開かれた地点から捉えかえす。
哲学的伝統の魔力――近代初頭において、人間の認識の視点への拘束性が発見されていたにもかかわらず、反面では人間は、神と同様に、世界を全体として認識できる脱世界化された視点をもつ主観として構想されてくる。近代の認識論はこの両面を背負っている。……今日こうした形而上学の伝説から脱却がはかられているといっても、ことはそう簡単に運ばないのである。というのは、さまざまな概念の装置に浸透している伝統の魔力、思想の論理を貫く「原型的理論(モデル)」の威力がわれわれの経験に深く沈んですべてを制約してくるからである。かつての啓蒙の哲学者たちも、徹底的に先入見の解体につとめた。現代の哲学者たちもまたそうした努力なしに思惟をすすめることはできない。――本書より
ダンディ ある男たちの美学
講談社現代新書
画一の時代に反逆する差異崇拝の生き方とはダンディズムは,多数に対して単独を,過剰に対して希少を,労働に対して余暇を対置する.進歩と平均の時勢に異を唱え,徹底して自分自身にこだわる生き様の美学

百人一首の謎
講談社現代新書
なぜ、百人一首とよぶのだろうか。「紅葉」「白菊」「舟」「濡れる袖」……繰り返されるシンボリック・ワードに密かに隠されたメッセージとは何か。定家の組みたてた暗号を解き「百人一首」撰歌の謎に迫る。
撰歌の疑問――中世依頼の伝承では、『百人一首』は定家が撰び、小倉山の山荘に書きおいた色紙の和歌であると伝えられてきた。どういう基準で歌人を選んだのかということについて、「百人一首抄」は「不審のこと」とし、定家もその撰に加わった『新古今集』が定家の本意に適わなかったので、「『百人一首』は定家が実を根本に花を加えるという歌の理想を示したものである」と述べている。表現は抽象的だが、『百人一首』が通常の秀歌撰ではないということは、はっきりと述べている。――本書より
先端医療 診断・治療の最前線
講談社現代新書
医療現場の最前線でいま何が起きているか?コンピュータ技術を駆使したCTスキャンや超音波による診断面の進歩、ICUの登場やレーザーメス開発など治療面での技術革新。最先端の医学情報を平易に解説。

中国の大盗賊
講談社現代新書
中国史は魅力的な大盗賊にみちている。人望だけで天下を盗んだ漢の高祖劉邦、大明帝国をつくった乞食坊主朱元璋など――。広大な中国の大地を駆けめぐり、知謀と腕力で金を、都を、天下を狙った男たちの物語。
「盗賊」だらけの中国史――昔、中国に「盗賊」というものがいた。いつでもいたし、どこにでもいた。日本のどろぼうとはちょっとちがう。中国の「盗賊」は必ず集団である。これが力をたのんで村や町を襲い、食糧や金や女を奪う。へんぴな田舎のほうでコソコソやっているようなのは、めんどうだから当局もほうっておく。ところがそのうちに大きくなって、都市を一つ占拠して居坐ったりすると、なかなか手がつけられなくなる。さらに大きくなって、一地方、日本のいくつかの県をあわせたくらいの地域を支配したなんてのは史上いくらでも例がある。しまいには国都を狙い、天下を狙う。実際に天下を取ってしまったというのも、また例にとぼしくないのである。――本書より

文化大革命
講談社現代新書
天安門広場に毛語録の波が揺れる。「造反有理」から「批林批孔」「四人組」まで、当時の中国はまさに混乱のるつぼであった。社会主義における変革とは何か。毛沢東のかかげた夢と、現実を膨大な資料の中から検証しつつ現代中国の起点といえる文化大革命の真相を、具体的かつ、実証的に抉り出した待望の書。(講談社現代新書)
現代中国に傷痕を残す文化大革命を振り返る。現代中国に大きな傷痕を残してしまった文化大革命とはいったい何であったのだろうか。豊富な文献をとおし、その意味と事実経過を辿り、中国の苦難史を解明する。
パズルとパラドックス
講談社現代新書
パズル・なぞなぞ・逆説で読む楽しい論理学20世紀論理学の展開にヒントを与えたルイス・キャロル「アリス」物語。クワイン、スマリヤン、ゲーデル等が好んだアリスの世界を題材に現代論理学の問題を解説

日本語をみがく小辞典<形容詞・副詞篇>
講談社現代新書
「えぐい」言葉より「まろやか」な表現で、「けざやか」に語りたい。形容詞や副詞を「とりどり」に使い、「こまやか」な日本語生活を!
女房と畳の鮮度――新しいものは、それだけで価値を持つ。古代日本語にあっては「あたらし」は「惜し」で、“立派だ”“すばらしい”の意味であった。……これとは別に、「あらた」なる語があって、……これを形容詞化させた「あらたし」、これが今日の“新しい”の意味だった。さらに音韻転倒を起こして「あらたし」が「あたらし」となったのだから、芸が込んでいる。ちょうど「腹鼓(つづみ)」が「腹づつみ」と発音されたり、「さんざか」が「山茶花(さざんか)」から変じたように。――本書より

ロ-マはなぜ滅んだか
講談社現代新書
全世界から巨富を集め、繁栄の限りをつくしたローマ帝国。食卓をにぎわす珍鳥・珍魚、文学に、スポーツに進出する「自由な女」、文化となった愛欲――。「永遠」をうたわれた巨大文明の興亡の中に現代の超大国・日本の姿を透し見る。
ローマ人たちの胃――ローマ人は全世界からあらゆる珍味を集めたが、放恣に疲れ切った彼らの胃は、それを受容れることができなくなったのである。ローマ人は、「食べるために吐き、吐くために食べているのだ」というセネカの非難は、単に過食の贅沢に向けられたものではなかった。全世界からかき集められた富を、奢侈と浪費に蕩尽している不健康な悪徳に対する文明批判なのである。吐いた汚物は、便所か路傍の小便壺に捨てられるか、あるいは道端に投げ捨てられる。不正によってかき集められた富は、こうして無駄に浪費されてゆく。――本書より
英語パズル
講談社現代新書
英語で笑い、英語で考え、英語で遊ぶ快著 スフィンクス以来のリドルから、ポーの愛したサイファー、パズルの王クロスワードまで、興味つきない英語パズルの数々を豊富な実例とエピソードで楽しむ知的一冊