講談社現代新書作品一覧

哲学入門一歩前-モノからコトヘ
講談社現代新書
〈実体〉的三項図式にかわり、現相世界を網のように織りなす〈関係〉的存立構制、その結節としてたち顕れる「私」とは、どのようなものか? 量子論からイタリアの戯曲まで、多彩なモデルで素描する、現代哲学の真髄! (講談社現代新書)
「関係」を紡ぐ廣松哲学の真髄への第一歩! 実体(モノ)主義に代わり世界を織りなす事(コト)的構造とは? そしてその結節として立ち顕れる<私>とは誰なのか? 多様なモデルでイメージ豊かに素描する。

人生を励ます言葉
講談社現代新書
挫折や惑いのなかで出会った一行の文章が、君を励まし、勇気づける。深い思索と体験が生んだ珠玉の言葉を選りすぐり、君に贈るアンソロジー。
心に染みる言葉――一度知ったら二度と自分を離れなくなる、いくつかの言葉の組合せというものがあるものだ。それはなにも、いわゆる名句・名言といったものとは限らない。友人があるときに言ったなんでもない言葉が君の中に突き刺さって、以後なにかの折に思いだされ、君の行動を律することもあろう。ある小説のなかで(従ってあるシテュエーションのなかで)言われている言葉の一つが、似たような状況に君が立たされた場合に、指導原理のように働くこともあるだろう。一冊の厚い本、しかもそれは名著といわれ、君も熱中した本であっても、その全部が全部に感心するということはめったにない。そのなかで本当に君のいわば急所に触れた言葉、そっくりそのまま覚えてしまって、以後なにかの折に口にする言葉は、大抵は一行か二行の短いものであるだろうとおもう。――本書より

ユングの性格分析
講談社現代新書
男の思考型、女の感情型。新入類には直観型、感覚型が目立つ。外向・内向の心の構えに思考・感情・直観・感覚を組み合わせたユングの理念型を紹介し、自己分析の指針を示す。
心の二つの態度――ユングによれば、内気で閉鎖的な人は、内向型で、客体を無視する態度をとる。彼がいつも考えているのは、結局のところ客体からリビドーを奪いとることであって、まるで客体が優位に立つことを防がなければならないかのようである。それとは逆に、愛想がよく陽気な人は、外向型で、客体に対して積極的な態度をとる。彼は客体の意義を高く評価しているので、自分の注意をいつも客体に向け、それと関係づける。もしこれが意識的な意図で選ばれた方向であり、行為だとすれば、内向、外向というような対立がこれほど普遍的にみられることはないだろう。(略)しかし、実際には、これらの二つの性格は、ばらばらに分布していて、同じ環境にあり、同じ親に育てられた兄弟姉妹の中でも、ある子どもは内向的であり、別の子どもは外向的である。――本書より
メッカとリヤド
講談社現代新書
聖地と石油の王国サウジが抱える矛盾と将来王族が政治・宗教とも完全支配する一方で、近代的ビル群が建ち並ぶ奇妙な国。厳格なイスラム法と西欧文化の矛盾に悩む「大国」サウジアラビアの実像を紹介する。
大魔術の歴史
講談社現代新書
古代エジプトまでさかのぼる大魔術の変遷史「人体浮揚術」「消えた貴婦人」「美女の胴体切断」はいつみてもハラハラドキドキするもの。インド・中国・欧米そして日本で花開き変容をとげた大魔術を徹底解剖
仏教のキイ・ワ-ド
講談社現代新書
日本語のなかに息づく仏教の基本用語を紹介唐の名僧のことば「百千粒もこの一粒から生ずる」は聖書の「一粒の麦もし死なずんば…」を思わせる名言。以心伝心、色即是空など珠玉の名言に仏陀の真相を探る。

不思議の国アメリカ―別世界としての五〇州―
講談社現代新書
州境をこえれはそこは別世界。エリートの生産地マサチューセッツ、大男と大女と大ボラ話のテキサス、全米の憧れの地カリフォルニア――など、風土も文化も法も異なる「州」から、アメリカ人の多様な生活と魂を浮き彫りにする。
オレンジの皮をむくことに関する法律――アメリカをめぐるさまざまなイメージはすべて正しい。それぞれに真実をついているからである。その意味ではアメリカは、それを見た者の数だけこの世に存在することになる。しかしこのことを逆から言えば、アメリカは定義をこばんでいる。あまりにも広い国土と内にかかえる多様性は、一枚岩的なイメージの形成を困難にしている。事実、不思議なところのある国である。ハイテク産業が軒をつらねるシリコンバレーがある一方、21世紀が近づいた今日でも聖書の天地創造の物語がそのまま信じられている地域や、禁酒法が生きているところもある。「ホテルの滞在客は自室でオレンジの皮をむいてはならない」(カリフォルニア州)とか、「公衆の面前で衣類を脱いではならない」(二ユージャージー州)などという法律も現実に各州に存在する。――本書より
はじめての現代数学
講談社現代新書
現代数学が開示する新世界をやさしく解説。無限の取扱いと集合論、トポロジー、ゲーデルの不完全性定理、フラクタル理論など、モノからコトへの構造主義的転換をとげた現代数学のダイナミックな姿を描く。

新版 卑弥呼の謎
講談社現代新書
古代史研究のパラダイム変革を求め、数理文献学に基づいたユニークな方法論で邪馬台国の謎に挑戦。《卑弥呼=天照大御神》《邪馬台国=高天の原=北九州》という大担な仮説で一石を投ずる。
仮説の設定と検証――「邪馬台国問題をとく」とは、結局、邪馬台国問題について、もっとも矛盾がすくない、あるいは、「ほとんど矛盾のない」説明体系を構築することにほかならない。そのような説明体系は、仮説の設定とその検証という過程をとおしてのみ構築されるものである。どのように確実にみえる理論体系も、結局は、ひとつの仮説体系にすぎない。そのことは、対象が、自然科学、社会科学、人文科学のいずれの分野に属するものであるかを問わない。19世紀的文献批判学がみちびきだした結果も、また、ひとつの仮説である。したがって、それにたいする疑問や、その仮説とはあいいれないような事実が指摘されたばあいには、それらが、その仮説の基礎をゆるがすものであるのか、それとも、その仮説の範囲内で、説明がつくものであるのかが、検討されなければならない。――本書より

ジンギス・カンの謎
講談社現代新書
十二世紀、モンゴル高原に英雄が現れた。河西回廊を席巻し、ヨーロッパを震す大遊牧帝国が築かれてゆく。征服の野望はいつ生まれたか。伝説に埋もれたジンギス・カンの出自と死を解き、人間テムジンに迫る。
蒼い狼と白い牝鹿――蒼い狼と白い牝鹿とが天の命令でやってきたとして、その神聖化が行われていることに注目しよう。また『モンゴル秘史』の訳者村上正二氏によれば、「蒼い」(ボルテ)とは灰青色のことであり、「白い」(コアイ)とは「黄味がかった白色」のことをいい、たがいに対応する色であって、ともに聖なる色を表わすということであるから、修辞上からいっても神聖化の意図のあったことは明らかである。神聖な狼と牝鹿の間に生まれた最初の「人間」の名がバタチカンである。この聖なる初子バタチカンがモンゴル部の始祖となった。以上が第一の始祖伝説である。――本書より

恐龍はなぜ滅んだか
講談社現代新書
今から6500万年前の白亜紀末、常夏の地球を跋扈(ばっこ)していた恐龍が一斉に地球上から消えた。史上最大のウルトラサウルスや、「歩く口」タイラノサウルスなど、恐龍たもはどんな生活をしていただろう。そして、大絶滅の原因は?巨大生命の誕生から滅亡へのドラマをひもとく。
史上最強の「まわし蹴り」――獣脚類の肉食性恐龍ディノニクスは、……恐ろしいカギ爪で一躍有名になった。……この鋭いカギ爪は、どうみても獲物を襲う場合の武器である。二本足で立つディノニクスが片方の足のカギ爪を使う時には、残された一本の足で立っていることになる。ヒトの場合にも、まわし蹴りというのがあるが、こういう攻撃法は空手部とかで日常的に訓練をしていない限り、テレビのショーや劇画の登場人物のようにうまくはできないものである。それも、ヒトは格別平衡感覚の発達した二足歩行の動物である。そのヒトにして、片足で立ち片足で攻撃するのは大変むつかしい。ディノニクスは、食事のたびにそれをやってのけたというわけだ。――本書より
はじめての禅
講談社現代新書
現代に生きる禅の叡知を明晰に解き描く。 「本来の面目」とはどこにあるのだろうか? 禅の説く言語・時間・身体・関係論などを、リシュール言語学や量子論、トランスパーソナルとの接点から読み直す。
映画―快楽装置の仕掛け―
講談社現代新書
胸躍り胸つぶれる日本映画の醍醐味を味わう『二十四の瞳』に涙し『駅前旅館』に抱腹絶倒。観る人の喜怒哀楽を増幅しカタルシスをもたらす快楽装置としての映画。その作り出すエモーションの海へ読者を案内

新宗教の神々―小さな王国の現在―
講談社現代新書
オカルトや超能力へのあこがれ、心のやすらぎを求める瞑想、神秘的な“生き神様”信仰など、いま、新しい宗教が人びとをひきつけている。林立する教団の小さな神々は、どこへ人びとを導こうとしているのか。日本の宗教風土のなかから“新宗教ブーム”の背景をさぐる。
株式市場―資本主義の幻想
講談社現代新書
資本主義の力学装置・株式市場を解剖する。個人の財テク、機関投資活動、外国資本の流入が相まって活況を呈する証券取引所。株価はなぜ変動するのか。集積した金はどう流れるのか。株のマクロ経済学を解説
地球のなかをのぞく
講談社現代新書
エネルギーと神秘にみちた大地の内側への旅何千キロも動く大地、マントル対流が養う深海生物、巨大な発電機としての地球。変わり続ける地球の常識を検証しながら進む6400キロの地底へのスリリングな旅

退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服―
講談社現代新書
几帳面なビジネスマンの不可解な無断欠勤。昇進をまえにしての失踪。優秀な学生の長期留年。無気力な現実逃避……。これまでの神経症にはない“奇妙な心の病”がふえている。何が彼らをそうさせるのか?隠された心のダイナミックスに分析のメスを入れる。
新しいタイプのノイローゼ――勇敢だった人の退却。元気だった入の無気力。真面目人間におこる不真面目――そういう逆説の目立つこのノイローゼ、たぶん昔もあったのだろうが、少なくとも正面きっては取り上げられなかった。ひと昔前なら、たぶん“怠け者”として一括され、それでおしまいだったのかもしれない。ひと昔前どころか、今でもそうかもしれない。精神科医でもまだこういう不適応状態をみたことがないという人が少なからずいるはずである。それはその精神科医の責任ではない。この神経症の人は、一般的にいって、自分から積極的な治療を求めて医師やカウンセラーを訪れないからである。――本書より

アメリカ合衆国大統領
講談社現代新書
元首にして軍・行政府のトップ。独自のブレーン体制。CIA・通商代表部などの支配。議会・最高裁とのバランス、政策決定プロセスから最強権力に迫る。

はじめての構造主義
講談社現代新書
西欧文明中心の近代に終わりを告げ現代思想に新しい地平を拓いた構造主義。レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、ソシュール言語学やモースの贈与論。そして遠近法にまでさかのぼる、数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る! (講談社現代新書)
現代思想の原点が
ビックリするほどよくわかる【入門書の決定版!】
西欧文明中心の近代に終わりを告げ、現代思想に新しい地平を拓いた構造主義。
レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、
ソシュール言語学やモースの贈与論。そして遠近法にまでさかのぼる、
数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。
モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る。
【はしがきより】
この本の題を、『はじめての構造主義』といいます。
「はじめての」と断るからには、「構造主義」なんて聞いたことない、
一体それなあに?という人にも、わかってもらわないといけません。
そこで、ちょっと進んだ高校生、いや、かなりおませな中学生の皆さんにも読んでいただけるように、書いてみました。……
この本は、小さな本ですが、構造主義のいちばん大切なところがわかるように、
心をこめて書きました。ですから、おしまいまでお読みくだされば、
構造主義とは何なのか、かなりすっきりした見通しが得られるはずです。
【目 次】
第一章 「構造主義」とは何か
第二章 レヴィ=ストロース:構造主義の旗揚げ!
第三章 構造主義のルーツ
第四章 構造主義に関わる人びと:ブックガイド風に
第五章 結び
難字と難訓
講談社現代新書
読めない書けない,意外な難解漢字100選気分がユ-ウツの鬱は総画数29を誇る書けない漢字のベストワン.お餞別のセンは何とよむか? ドブネズミはどう書くか? 漢字のかたち,よみの精髄を紹介する