講談社文庫作品一覧

東京甘味食堂
東京甘味食堂
著:若菜 晃子
講談社文庫
ほっとひといき、甘いもの。お腹がすいたら、おうどんどうぞ。 あんみつ、おしるこ、おいなりさん。レトロな空間にゆったりした時が流れる、懐かしの甘味食堂には、さまざまな人間模様が展開されている。やさしい味にほっと和んで思いを馳せる、人生のあれこれ。有名店から知る人ぞ知る隠れた名店まで、東京都内六十軒をめぐって書かれたおいしくて楽しい街歩きエッセイ。 一組一組の人たちは、私たちと同じように、 それぞれの人生で起こったことを話しているのだろう。 小さなテーブルひとつひとつに その人たちの人生がある。(本文より) 心もあたたまる逸品エッセイ。
通りすがりのあなた
通りすがりのあなた
著:はあちゅう
講談社文庫
「きっと人間の美しさも醜さも飲み込んで、 太宰のようなかつてない作家になっていくに違いない」 岩井俊二推薦! 言葉や距離を超えて築かれる、友達とも恋人とも名づけられない“あなた”との関係。 7通りの切ない人間模様を描く、はあちゅう初の小説集。 大学三年の一年間、モラトリアムに逃げこむように香港大学に留学したサホは、マイケルというABC(アメリカン・ボーン・チャイニーズ)と出会う。冴えない自分と、人気者の彼。付き合っているようで、本当のところはわからない。やがてマイケルは、奇妙な「秘密」を漏らすようになって―― (「世界が終わる前に」) 17歳の夏休み、パナマに短期留学をすることになったハルナ。ホームステイ先では日本との習慣の違いに右往左往し、学校ではスペイン語が全く分からず困り果てる毎日。そのうえ、クラスで冴えないジェニファーがあれこれ世話を焼いてくるようになって、正直ちょっと迷惑なのだが…… (「友達なんかじゃない」) 念願の世界一周旅行を始めた矢先、ボリビアで高山病になったリサを助けてくれたのは、同じく旅行中のコウさんだった。同じルートの少し先を旅するコウさんとは、会えそうでなかなか会えない。コウさんを追いかけて旅するうちに、リサの中で彼に伝えたい言葉が溢れてきて―― (「世界一周鬼ごっこ」)
電子あり
アッシュ・シリーズ1 アッシュ―大宇宙の狼
アッシュ・シリーズ1 アッシュ―大宇宙の狼
著:田中 光二,解説:荒巻 義雄,装画:加藤 直之
講談社文庫
SF界の俊英がおくる、スペース・オペラ+ヒロイック・ファンタジーの傑作。惑星ミロシスの灰の中から復讐を誓って蘇った戦士・アッシュ、齢300年に達する観照者・ルカン、惑星シャルミラの美貌の精神感応者・ルーラの3人は、霊能者・アミンの力によって3000年前のテス王国の女王を救うため、過去への旅に出る……。伝説のアッシュ・サーガ、全4巻の1。
電子のみ
有楽斎の戦
有楽斎の戦
著:天野 純希
講談社文庫
茶の湯を後世に残す。それが私の復讐だ! 戦国時代、数多の武将を狂わせた茶の湯。その大成者・千利休の志を受け継いだ男は、なんとあの織田信長の弟だった! 戦が苦手でも、出世ができなくてもーー。兄・信長を恐れ、戦いから逃げてばかりいた男・織田有楽斎が、戦国の世を生き延び、やがて茶の湯を大成して後世に残すまでを描いた傑作連作短篇集。〈解説〉田口幹人 本能寺の変 源五郎の道 本能寺の変 宗室の器 関ヶ原の戦い 有楽斎の城 関ヶ原の戦い 秀秋の戯 大坂の陣 忠直の檻 大坂の陣 有楽斎の戦
電子あり
改訂完全版 火刑都市
改訂完全版 火刑都市
著:島田 荘司
講談社文庫
東京、四谷の雑居ビルの放火事件で若いガードマンが焼死する。不審な死に警察の捜査が始まった。若者の日常生活に、かすかに存在した女の影……。女の行方を追ううちに次は赤坂で放火が。そして現場に“東京”と謎の文字が書かれた張り紙が! 索漠たる都市の内奥と現代人の心を見据えて本格推理の天才が描く、印象深い長編ミステリー。
電子あり
うちの旦那が甘ちゃんで 7
うちの旦那が甘ちゃんで 7
著:神楽坂 淳
講談社文庫
沙耶と月也は、湯治のためにひと月の休暇をもらい、箱根に旅立つことになる。といっても関所を越えることはなく、箱根で湯治をして戻ってくるという予定の旅だった。旅の途中、程ヶ谷でひと組の男女と知り合うが、二人はなんと駆け落ちの途中だった。旗本の沢田蔵人の娘・小雪が、足袋問屋の萩尾七兵衛と駆け落ちしたのである。追手に捕まれば斬られるかもしれない、とおびえるふたりを拾って、「四人連れならバレないだろう」と合流を決める月也。ところが翌早朝、追手の小雪の兄・小次郎と許嫁の倉沢総一郎に追いつかれてしまう。月也は小雪らを逃がして追手を食い止めることにするが……。
電子あり
歴史劇画 大宰相 第五巻 田中角栄の革命
歴史劇画 大宰相 第五巻 田中角栄の革命
著:さいとう・たかを,原作・その他:戸川 猪佐武
講談社文庫
昭和47年(1972)、佐藤栄作退陣で総裁選は田中角栄と福田赳夫の決戦に。角福対決の結果「列島改造論」の田中政権が誕生した。 しかし、昭和49年(1974)の「七夕参議院選挙」で自民党は惨敗。田中から離反した三木は福田に急接近する。その秋、田中の金脈問題が雑誌に暴露された。マスコミは厳しく糾弾し、国民の田中不信は募る。盟友・大平正芳の反応も冷たく、田中退陣は必至。三福大中の党内抗争が再燃した! 戦後日本政治史を活写した傑作劇画、第5弾! 文庫版解説:田原総一朗
電子あり
魔王城殺人事件
魔王城殺人事件
著:歌野 晶午
講談社文庫
星野台小五年一組の佐藤翔太たちは、探偵クラブ「51分署捜査一課」を結成する。二学期最初の活動は、町はずれに建つ洋館”デオドロス城“のガサ入れ。潜入直後、突然ゾンビ女(?)が現れ、庭の小屋の中で消失する。後日、再潜入した翔太らは、今度は小屋の中で死体を発見する。 本格ミステリの楽しさ満載の一冊。
電子あり
監督の問題
監督の問題
著:本城 雅人
講談社文庫
“ONETEAM”は夢のまた夢、、、 弱い組織にゃ理由がある。 最下位低迷中の新興球団「新潟アイビス」の監督に就任した、元スラッガー宇恵康彦。だが、口も悪けりゃ態度もデカい宇恵の采配に、エースは反目、コーチは当惑、ファンからもヤジの嵐が降りかかる。あげく、若きオーナーの方針は「結果が出なければ即クビ」。新米監督は問題だらけの組織を立て直せるか? 「サンケイスポーツ」時代、野村監督の担当記者だった著者ゆえに書けた、 監督業のリアルエピソードもたっぷり。 迷走のち胸熱!? 痛快組織(チーム)小説!
電子あり
横濱エトランゼ
横濱エトランゼ
著:大崎 梢
講談社文庫
「ハマペコ」編集部でアルバイト中の千紗は、洋装店のマダムから、かつて夫とよく上ったという元町百段の思い出話を聞く。 しかし、幼馴染の善正によると、その階段はマダムが生まれる前に崩壊したらしい。 マダムはなぜ、あるはずのない思い出を語ったのか?  横浜で起きる“不思議”を解き明かす、心温まる連作短編集。 *収録作品* 元町ロンリネス   マダムの上った元町百段は夢? それとも幻? 山手ラビリンス   歴史ある山手の洋館にまつわる七不思議とは? 根岸メモリーズ   「まだダメ」だった“約束の場所”って? 関内キング     皆の憧れ、クイーンが探す“私のキング”って誰? 馬車道セレナーデ  恋敵の恵里香が帰国。千紗の恋の行方は?
電子あり
バイバイ・バディ
バイバイ・バディ
著:行成 薫
講談社文庫
謎の男たちに追われる、大学生の三咲。 あやうく捕まりかけたところを、ミツルという名の変人に救われる。 三咲は、ミツルがたった一人の「友達」であった海斗と交わした約束を守るために、かつての同級生である成瀬を止めようとしていることを知るが――。 それぞれの切ないまでの“友情”が胸を打つ青春群像劇。
電子あり
スピリチュアルな人生に目覚めるために 心に「人生の地図」を持つ
スピリチュアルな人生に目覚めるために 心に「人生の地図」を持つ
著:江原 啓之
講談社文庫
幼いころに父を、そして十代で母を亡くし、「人はなぜ生まれ、なぜ苦しみを持ち、なぜ生きていかなければならないか。苦しみの多い人と少ない人、不幸な人と幸せな人がいるのはなぜなのか」と苦悩する青春期を過ごした著者。徹底した思考を通じて18歳のときに霊示を受け、「人生の地図」 を得てスピリチュアルな人生を歩む決意をした著者が、自身の生い立ち、経験をもとに、「心の乱世」を生きる現代人にこそ必要な「スピリチュアルな人生に目覚めること」、「人生の地図」を見出すことの意味を語る。
偽装診療 医者探偵・宇賀神晃
偽装診療 医者探偵・宇賀神晃
著:仙川 環
講談社文庫
医療関係者も注目の問題作! 中国人患者失踪の謎を追え。 明日は我が身か? 震撼のメディカルミステリー 日本の保険制度を悪用して来日する外国人が後を絶たない。元エリート医師の診療所雇われ院長・宇賀神晃は、外国人に書いた紹介状が健康保険不正に荷担しているとオーナーの老医師に叱責され自分自身で真相を探るはめに。子宮筋腫手術を受けた偽学生の中国人が失踪し、日本人ブローカーが殺される。事件の裏には医療界の抱える闇に苦しむ重篤患者たちがいた。震撼のメディカルミステリー。 メディカルミステリーの女王・仙川環、医者探偵・宇賀神晃シリーズ第二弾!
電子あり
潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳
潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳
著:風野 真知雄
講談社文庫
大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う! 【南町奉行所・味見方とは?】 江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。 本巻『潜入!味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!
電子あり
刑事の怒り
刑事の怒り
著:薬丸 岳
講談社文庫
君の罪は許されない。 だがぼくはまた会いに来る。 何度でも。 薬丸岳を貫く芯がここにある。 刑事・夏目信人シリーズ最新作! 日本推理作家協会賞〈短編部門〉受賞作「黄昏」を収録。 スーツケースに入っていた高齢女性の遺体。隠していたのは娘だった。母の死を届け出なかった本当の理由とは(「黄昏」)。公園のトイレで起きた殺人事件。容疑者はレイプから身を守ったというが(「生贄」)。犯罪者自身が抱える壊された心。それでも許されない罪の重み。現在をまっすぐ見つめる刑事・夏目信人の傑作ミステリー。
電子あり
日本橋本石町やさぐれ長屋
日本橋本石町やさぐれ長屋
著:宇江佐 真理,装丁:加藤 愛子
講談社文庫
日本橋本石町にある弥三郎店の住人は事情をかかえた人たちばかりだ。気になる相手ができたと思えば出戻りだったり、旦那が勤め先から帰ってこなかったり、あげくの果てには店立ての噂が持ち上がる! 日本橋本石町に弥三郎店と呼ばれる長屋があった。事情を抱えた住人ばかりが住んでいて――。 心温まる江戸人情を描いた連作集。 「時の鐘」 真面目一徹、そろそろ嫁をと周囲から勧められる鉄五郎。そんな鉄五郎に気になる相手が現れたのだが、若くして出戻ったおやすという莨屋の女だった。 「みそはぎ」 おすぎは、老いた母親の面倒をみている。ある日、勤め先の井筒屋に見慣れぬ男が来るようになった。 「青物茹でて、お魚焼いて」 おときの旦那は錺職人。次第に泊まり込みの日数が長くなり、しまいにはひと月にもなった。 「嫁が君」 おやすはずっと旦那が家にいるおひさのことが羨ましい。ある日、この旦那が寄せ場からきた人物だと噂になる。 「葺屋町の旦那」 おすがのかつての奉公先の倅が、弥三郎店にやってきた。どうやらこの倅、わけありのようで。 「店立て騒動」 弥三郎店が店立てに?! 住人は緊急事態にてんやわんやの大騒ぎ。どうにかこの事態をとめられないか。長屋の住人が一致団結して行ったことは。
電子あり
ときどき私は嘘をつく
ときどき私は嘘をつく
著:アリス・フィーニー,訳:西田 佳子
講談社文庫
 アンバーは病室のベッドに横たわったまま体を動かせない。口をきくことも目を開けることもできない。自分が陥った状況が掴めない。周囲からは意識がないように見えるが耳は聴こえ、病室で交わされる会話をもとに彼女は記憶を辿る。限られた記憶と意識を頼りに暗い迷路から出ようともがきつづけていく……。  物語は、主に三つの時間軸で語られていく。ひとつは、二〇一六年十二月二十六日からはじまる「現在」。もうひとつは、その数日前からはじまる「少し前」。そして、一九九一年の日記に書かれた「だいぶ前」。事故の前、アンバーはロンドンのラジオ局に勤めていたが、人間関係がうまくいかず、クビ寸前の危うい状況にあった。家庭ではポールという小説家の夫とのあいだに気まずい空気が流れている。アンバーは、妹のクレアとポールとの関係を疑っていた。そんなとき、学生時代のボーイフレンドと街でばったり再会。ハンサムで自信たっぷりな元彼の姿をみて、アンバーの心は揺れていた。
キッズファイヤー・ドットコム
キッズファイヤー・ドットコム
著:海猫沢 めろん
講談社文庫
いつも通り歌舞伎町から帰った白鳥神威を待ち受けていたのは、見知らぬ赤ちゃんだった。「前向き病」ともいわれるカリスマホストは即座に自分で育てることを決意。「子育てにもあふれるこの才能、レジェンドすぎる」。しかし客にも新人ホストにも不評。窮地に陥った男は、天才的なひらめきによる革命的なアイデアを思いついた!
電子あり
ゲンのいた谷
ゲンのいた谷
著:長崎 源之助,解説:西本 鶏介,デザイン:亀倉 雄策,装画:司 修
講談社文庫
戦争中、父が学童疎開をしていた山寺に遊びにきた幹男は、古い土蔵に描かれた怪獣のゲンに「うめぼし」とまちがえられ、そして、ちびできかん気のうめぼしをはじめとする、疎開っ子たちの話をきく……。父母のもとを離れ、空腹に耐えながら、精いっぱい生きようとした疎開児童の生活を活写した、戦争児童文学の傑作。
電子のみ
ヒョコタンの山羊
ヒョコタンの山羊
著:長崎 源之助,解説:神宮 輝夫,デザイン:亀倉 雄策,装画・その他:梶山 俊夫
講談社文庫
子供たちの池をめぐる争いにまきこまれた、足の悪い少年ヒョコタンのなぐさめは、朝鮮の好青年・キンサンのくれた、子山羊だった。ところが、入隊したキンサンが、軍隊を脱走した話が伝わって……。日中戦争下の横浜の小さな町を舞台に、庶民の子供たちの世界を活写した、長崎文学の先駆的代表作。日本児童文学者協会賞受賞作。
電子のみ