講談社文庫作品一覧

魔王城殺人事件
講談社文庫
星野台小五年一組の佐藤翔太たちは、探偵クラブ「51分署捜査一課」を結成する。二学期最初の活動は、町はずれに建つ洋館”デオドロス城“のガサ入れ。潜入直後、突然ゾンビ女(?)が現れ、庭の小屋の中で消失する。後日、再潜入した翔太らは、今度は小屋の中で死体を発見する。
本格ミステリの楽しさ満載の一冊。

監督の問題
講談社文庫
“ONETEAM”は夢のまた夢、、、
弱い組織にゃ理由がある。
最下位低迷中の新興球団「新潟アイビス」の監督に就任した、元スラッガー宇恵康彦。だが、口も悪けりゃ態度もデカい宇恵の采配に、エースは反目、コーチは当惑、ファンからもヤジの嵐が降りかかる。あげく、若きオーナーの方針は「結果が出なければ即クビ」。新米監督は問題だらけの組織を立て直せるか?
「サンケイスポーツ」時代、野村監督の担当記者だった著者ゆえに書けた、
監督業のリアルエピソードもたっぷり。
迷走のち胸熱!? 痛快組織(チーム)小説!

横濱エトランゼ
講談社文庫
「ハマペコ」編集部でアルバイト中の千紗は、洋装店のマダムから、かつて夫とよく上ったという元町百段の思い出話を聞く。
しかし、幼馴染の善正によると、その階段はマダムが生まれる前に崩壊したらしい。
マダムはなぜ、あるはずのない思い出を語ったのか?
横浜で起きる“不思議”を解き明かす、心温まる連作短編集。
*収録作品*
元町ロンリネス マダムの上った元町百段は夢? それとも幻?
山手ラビリンス 歴史ある山手の洋館にまつわる七不思議とは?
根岸メモリーズ 「まだダメ」だった“約束の場所”って?
関内キング 皆の憧れ、クイーンが探す“私のキング”って誰?
馬車道セレナーデ 恋敵の恵里香が帰国。千紗の恋の行方は?

バイバイ・バディ
講談社文庫
謎の男たちに追われる、大学生の三咲。
あやうく捕まりかけたところを、ミツルという名の変人に救われる。
三咲は、ミツルがたった一人の「友達」であった海斗と交わした約束を守るために、かつての同級生である成瀬を止めようとしていることを知るが――。
それぞれの切ないまでの“友情”が胸を打つ青春群像劇。

スピリチュアルな人生に目覚めるために 心に「人生の地図」を持つ
講談社文庫
幼いころに父を、そして十代で母を亡くし、「人はなぜ生まれ、なぜ苦しみを持ち、なぜ生きていかなければならないか。苦しみの多い人と少ない人、不幸な人と幸せな人がいるのはなぜなのか」と苦悩する青春期を過ごした著者。徹底した思考を通じて18歳のときに霊示を受け、「人生の地図」 を得てスピリチュアルな人生を歩む決意をした著者が、自身の生い立ち、経験をもとに、「心の乱世」を生きる現代人にこそ必要な「スピリチュアルな人生に目覚めること」、「人生の地図」を見出すことの意味を語る。

偽装診療 医者探偵・宇賀神晃
講談社文庫
医療関係者も注目の問題作! 中国人患者失踪の謎を追え。
明日は我が身か? 震撼のメディカルミステリー
日本の保険制度を悪用して来日する外国人が後を絶たない。元エリート医師の診療所雇われ院長・宇賀神晃は、外国人に書いた紹介状が健康保険不正に荷担しているとオーナーの老医師に叱責され自分自身で真相を探るはめに。子宮筋腫手術を受けた偽学生の中国人が失踪し、日本人ブローカーが殺される。事件の裏には医療界の抱える闇に苦しむ重篤患者たちがいた。震撼のメディカルミステリー。
メディカルミステリーの女王・仙川環、医者探偵・宇賀神晃シリーズ第二弾!

潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳
講談社文庫
大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う!
【南町奉行所・味見方とは?】
江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。
本巻『潜入!味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!

刑事の怒り
講談社文庫
君の罪は許されない。
だがぼくはまた会いに来る。
何度でも。
薬丸岳を貫く芯がここにある。
刑事・夏目信人シリーズ最新作!
日本推理作家協会賞〈短編部門〉受賞作「黄昏」を収録。
スーツケースに入っていた高齢女性の遺体。隠していたのは娘だった。母の死を届け出なかった本当の理由とは(「黄昏」)。公園のトイレで起きた殺人事件。容疑者はレイプから身を守ったというが(「生贄」)。犯罪者自身が抱える壊された心。それでも許されない罪の重み。現在をまっすぐ見つめる刑事・夏目信人の傑作ミステリー。

日本橋本石町やさぐれ長屋
講談社文庫
日本橋本石町にある弥三郎店の住人は事情をかかえた人たちばかりだ。気になる相手ができたと思えば出戻りだったり、旦那が勤め先から帰ってこなかったり、あげくの果てには店立ての噂が持ち上がる!
日本橋本石町に弥三郎店と呼ばれる長屋があった。事情を抱えた住人ばかりが住んでいて――。
心温まる江戸人情を描いた連作集。
「時の鐘」
真面目一徹、そろそろ嫁をと周囲から勧められる鉄五郎。そんな鉄五郎に気になる相手が現れたのだが、若くして出戻ったおやすという莨屋の女だった。
「みそはぎ」
おすぎは、老いた母親の面倒をみている。ある日、勤め先の井筒屋に見慣れぬ男が来るようになった。
「青物茹でて、お魚焼いて」
おときの旦那は錺職人。次第に泊まり込みの日数が長くなり、しまいにはひと月にもなった。
「嫁が君」
おやすはずっと旦那が家にいるおひさのことが羨ましい。ある日、この旦那が寄せ場からきた人物だと噂になる。
「葺屋町の旦那」
おすがのかつての奉公先の倅が、弥三郎店にやってきた。どうやらこの倅、わけありのようで。
「店立て騒動」
弥三郎店が店立てに?! 住人は緊急事態にてんやわんやの大騒ぎ。どうにかこの事態をとめられないか。長屋の住人が一致団結して行ったことは。

ときどき私は嘘をつく
講談社文庫
アンバーは病室のベッドに横たわったまま体を動かせない。口をきくことも目を開けることもできない。自分が陥った状況が掴めない。周囲からは意識がないように見えるが耳は聴こえ、病室で交わされる会話をもとに彼女は記憶を辿る。限られた記憶と意識を頼りに暗い迷路から出ようともがきつづけていく……。
物語は、主に三つの時間軸で語られていく。ひとつは、二〇一六年十二月二十六日からはじまる「現在」。もうひとつは、その数日前からはじまる「少し前」。そして、一九九一年の日記に書かれた「だいぶ前」。事故の前、アンバーはロンドンのラジオ局に勤めていたが、人間関係がうまくいかず、クビ寸前の危うい状況にあった。家庭ではポールという小説家の夫とのあいだに気まずい空気が流れている。アンバーは、妹のクレアとポールとの関係を疑っていた。そんなとき、学生時代のボーイフレンドと街でばったり再会。ハンサムで自信たっぷりな元彼の姿をみて、アンバーの心は揺れていた。

キッズファイヤー・ドットコム
講談社文庫
いつも通り歌舞伎町から帰った白鳥神威を待ち受けていたのは、見知らぬ赤ちゃんだった。「前向き病」ともいわれるカリスマホストは即座に自分で育てることを決意。「子育てにもあふれるこの才能、レジェンドすぎる」。しかし客にも新人ホストにも不評。窮地に陥った男は、天才的なひらめきによる革命的なアイデアを思いついた!

ゲンのいた谷
講談社文庫
戦争中、父が学童疎開をしていた山寺に遊びにきた幹男は、古い土蔵に描かれた怪獣のゲンに「うめぼし」とまちがえられ、そして、ちびできかん気のうめぼしをはじめとする、疎開っ子たちの話をきく……。父母のもとを離れ、空腹に耐えながら、精いっぱい生きようとした疎開児童の生活を活写した、戦争児童文学の傑作。

ヒョコタンの山羊
講談社文庫
子供たちの池をめぐる争いにまきこまれた、足の悪い少年ヒョコタンのなぐさめは、朝鮮の好青年・キンサンのくれた、子山羊だった。ところが、入隊したキンサンが、軍隊を脱走した話が伝わって……。日中戦争下の横浜の小さな町を舞台に、庶民の子供たちの世界を活写した、長崎文学の先駆的代表作。日本児童文学者協会賞受賞作。

あほうの星
講談社文庫
班長からあほう扱いされるうちに自信をなくしてしまった「八つぁん」、「ハエ」1匹のために命を落した男、あほうの振りをして生き抜こうとした男……。明日も知れぬ戦場での、無力な人間の生き方を活写した「あほうの星」に、姉妹編「ばかばやし」を収録――戦争の中でせいいっぱい生きる庶民の姿を描き続ける、長崎文学の原点というべき代表作。

院内刑事 フェイク・レセプト
講談社文庫
<公安警察OBが大病院を守る人気シリーズの第三弾>
著者自身が元公安で、現在は危機管理コンサルタントも務めているからこそ書けるリアルな描写は必読!
女性初の総理候補の出産、引きこもり青年の入院、チンピラの医療費未払い――大病院の危機管理を一手に担う公安警察OB・廣瀬知剛の元に、県警から新しい仲間が加わり、チーム院内交番が本格始動。
レセプト(医療報酬明細書)のビッグデータから、極左とヤクザが絡む大がかりな不正をあぶり出す!

鷹の砦 警視庁殺人分析班
講談社文庫
東京西部の山中で立てこもり事件が発生。人質を取り興奮した様子の男は、殺人事件の被疑者として如月塔子らが追っている危険人物だった。男の要求通り塔子と人質の身柄を交換すると、塔子はまんまと車で連れ去られた……白骨遺体が眠る真っ暗な壕に。犯人の真意が暴かれる時、思いもよらぬ過去が呼び起こされる!

銀行狐
講談社文庫
「正義? ある程度までいくと、政治力でねじ曲がるやつのことか?」
金と人情にまつわる傑作人間ドラマ五編。2004年講談社文庫刊『銀行狐』の新装版。
銀行には金と秘密と謎がある。いや時には、「狐」から頭取宛てに恐ろしい脅迫状が届いたり、金庫室から老婆の頭部が見つかることも――怨みを買うことは日常茶飯事、となれば犯人像もまた多岐にわたる。動機は金の怨みか、憎しみか、悲しみか。日常に亀裂が走り、平凡な人間に魔が差すときを描いたミステリー短編集全五編。

西鹿児島駅殺人事件
講談社文庫
西鹿児島駅行の寝台特急「明星51号」の車中で殺された男のポケットには、不思議なラブレターがあった。
同じ内容の手紙を謎の女から受け取った帰省中の田中刑事も刺殺された。台風の接近、降り注ぐ桜島の火山灰、殺人の刑期を終えて復讐をちかう男を迎えて、緊迫する西鹿児島駅。
部下の無念を晴らすため、鹿児島入りした十津川警部の奮闘を描く、旅情と息づまるサスペンスの傑作長編推理。

レイトショー(下)
講談社文庫
レネイは、ロス市警のエリート部門である本部強盗殺人課の殺人事件特捜班で殺人事件担当刑事として五年余り勤めていたが、二年まえ、班長に着任したロバート・オリヴァスにセクハラをされ、それを告発したものの、セクハラ現場に居合わせたパートナーのケン・チャステイン(『エンジェルズ・フライト』の最後に暴徒に襲われて死亡したロス市警内務監査課刑事ジョン・チャステインの息子)が保身のため、レネイの告発を裏付ける証言をしなかったせいで、告発は不問に終わり、レネイはハリウッド分署に飛ばされ、分署長がオリヴァスと警察学校の同期だったことから、”深夜番組(レイトショー)"と呼ばれる夜勤担当にさせられた。以来二年、深夜番組をパートナーのジョン・ジェンキンズとともに粛々と勤めているが、事件の本格的捜査は、昼勤担当刑事がおこなうため、やりがいを覚えずにいた。
そんなある夜、受け持ち地域で、三件の事件が起こり、レネイたちは、処理に追われる。
一件は、自宅に空き巣が入り、財布が盗まれ、クレジットカードが不正使用されたというひとり暮らしの老婦人の対応。
二件目は、暴行事件。女性がひどい暴行を受けた状態で駐車場に放置されていたのが見つかり、レネイたちが運ばれたERに赴いたところ、被害者ラモナ・ラモネ(女装男性)は、「さかさまの家」という謎の言葉を残して、昏睡状態に陥る。
病院にいたレネイたちに、三件目の緊急連絡が入る。ハリウッドのクラブ「ダンサーズ」で、発砲事件が起こり、四人が即死、ひとりがレネイたちのいる病院に緊急搬送されているところだという。レネイは、緊急搬送されている被害者を病院に残って担当し、ジェンキンズは、現場の応援に来いとのことだった。
病院に運ばれた被害者の女性シンシア・ハデルは、到着時死亡で助からなかった。彼女は、クラブのウェイトレスで、発砲事件に巻き込まれたのだった。
クラブのブースに座っていた四人組のうちひとりが、他の三人を撃ち殺し、逃げる途中で、立ちはだかった用心棒を撃ち、その巻き添えでシンシアも撃たれてしまったのだった。逃げた犯人の行方は杳として知れなかった。
シンシアの死亡を確認し、クラブの事件現場に向かったレネイは、捜査の指揮を取っているのが、かつての上司オリヴァス率いるチームであることを知る。パートナーだったチャステインもいた。オリヴァスは、シンシアの情報を受け取ると、レネイに事件現場から立ち去るよう強く命じた。

エウレカの確率 経済学捜査と殺人の効用
講談社文庫
建設会社社員・飯田功の死体が、自宅近くの崖下で発見された。現場に遺書が残されていたことから警察は自殺と判断して捜査を終える。だが、海外出張から戻って二日後、2歳の幼子と妻を残して自殺したことに、経済学の理論で事件を解決してきた異色の捜査員・伏見真守は疑問を覚える。行動経済学の「効用」に当てはまらないのだ。人事交流で来日した中国公安部エリート捜査官・王花琳とともに再調査に乗り出す伏見。談合疑惑、建築偽装、裏金問題と、事態は思わぬ方向へ!