講談社文庫作品一覧

岩に立つ
岩に立つ
著:三浦 綾子
講談社文庫
お袋の貧乏と苦労を見て育ちましたでしょう。女郎さんたちは叩き売られた可哀そうな女たちだ。とても遊ぶ気にはなれませんでしたよ。……一本気で、無法者にも膝を屈しない。信念と信仰にささえられた腕で建てる家は、誰もが褒める。人間らしく生きる1人の棟梁、その逞しい半生を、感動をこめてつづる長編。
生まれる
生まれる
写真:レナート・ニルソン,訳:松山 栄吉
講談社文庫
著名な写真家L・ニルソンのカメラがとらえた生命誕生の驚異の一大ドラマ。受精から誕生までの胎児成長の過程を、初めて子宮内胎児の撮影に成功した画期的で鮮明な写真を駆使して展開した比類ない好書。同時に、妊娠や出産、育児についてもわかりやすく解説。世界中で翻訳され、圧倒的好評を博している。
原発ジプシー
原発ジプシー
著:堀江 邦夫,解説:松岡 信夫,装丁:山岸 義明
講談社文庫
原発の恐ろしさを告発する体験ドキュメントひとりの下請労働者として,美浜・福島第一・敦賀の各原発を渡り歩き,危険な作業に従事した著者が,その未知の実態を伝え,原発=科学の虚妄を剥く必読の記録.
野ぶどうを摘む
野ぶどうを摘む
著:中沢 けい,解説:川村 二郎,装丁:菊地 信義,装画:北村 紀子
講談社文庫
20歳の愛と性を結晶させた独自の文学世界。愛の不安といらだち。少女から女へ変わる時、その愛も微妙に揺れはじめる! ーーあなたにしてもらいたいことがあるのに、何なのか解らない。寝入ってしまった男の傍で、彼女は冷えた乳房を掌で暖める。闇に目を見開いたまま……。愛と反撥といわれのないいらだちの間で揺れ動く、女性の心理を鮮やかにとらえる、20歳のみずみずしい感性。話題作「海を感じる時」につづく3短編を収録。
電子あり
現代スパイ物語
現代スパイ物語
著:中薗 英助,解説:新保 博久,装丁:山内 章
講談社文庫
機密が発生したからこそ、スパイという世界最古のプロも生まれた。スパイには大別して、情報活動と諜報活動とがあるが、これまでとかく破壊工作などに悪名をはせてきたのはエスピオナージのほうだった。しかし、状況はさらに変って、もうスパイ時代は終る、と著者は考える。スパイ小説の第一人者が、豊富な引例と知識で構成したスパイ百科事典。 スパイ小説の名手による現代スパイ百科事典スパイの存在をぬきにして現代を語ることはできない.軍備をめぐる大国間の争い,新製品開発をめぐる企業の競争.現代を動かすスパイの数々を第一人者が分析する
電子あり
土地に向って突進せよ
土地に向って突進せよ
著:津本 陽,解説:磯貝 勝太郎,装丁:菊地 信義,装画:辻村 益朗
講談社文庫
土地小説の決定版長編!徒手空拳、ただ天性の利殖の才だけを武器に、大都市近郊の土地取引に身を投じた主人公の運命の変転を描く。不動産業者にして直木賞作家の著者ならではの長編力作。 土地神話は不滅か? 土地小説の決定版長編徒手空拳、ただ天性の利殖の才だけを武器に、大都市近郊の土地取引に身を投じた主人公の運命の変転を描く。不動産業者にして直木賞作家の著者ならではの長編力作。
電子あり
錆びた波止場
錆びた波止場
著:谷 恒生,解説:北上 次郎,装丁:菊地 信義,装画:生頼 範義
講談社文庫
かもめ、ポートサイド、アンカー、マスト、ホックスル、すばる、カシオペア……船員酒場のネオンが涙に滲む。銀ラメドレスの娼婦たちの純愛の涙に。元一等航海士、積荷鑑定人・日高凶平。親のつけた因果な名前のせいか、今にも沈みそうな便宜置籍船が出入する港の一匹狼に、麻薬や密送や娼婦たちのからむ事件が、相次いでふりかかる。半端な野郎は容赦しないぜ! 女の汗と非情の味がしみこんだ、霧笛にむせぶ、センチメンタル・ハードアクション・ロマンの連作集。
電子あり
突撃!グフフフ映画団
突撃!グフフフ映画団
著:黒田 信一,解説:円子 幸男,装丁:菊地 信義,装画:南 伸坊
講談社文庫
独力で映画館を作った無謀な男たちの奮闘記いい映画を見たい.それだけのために勤めを辞め映画館作りに挑戦した三人の青年がいる.これは無謀な夢を実現させるまでのドン・キホ-テたちの爽やかな物語だ.
作者の家 第二部
作者の家 第二部
著:河竹 登志夫,解説:井上 ひさし,装丁:倉橋 三郎
講談社文庫
黙阿弥の娘・糸女は、養嗣子・繁俊と、その嫁・みつとをむかえて「歌舞伎作者の家」を守る。しかし関東大震災、糸女の死などによって、世阿弥が「つづくをもて家とす」といった意味での家は終焉を告げた。ひとりの女性を中心に、江戸の家と人びとが近代の中にどう溶解したかを克明に描き上げ、読売文学賞と毎日出版文化賞とを同時受賞した名作評伝。黙阿弥を「江戸演劇の大問屋」と評する坪内逍遥は、河竹家の継承に腐心し、教え子・市村繁俊を糸女の養子に推す。その人が著者の父・河竹繁俊である。河竹家の三代をつづる!
電子あり
作者の家 第一部
作者の家 第一部
著:河竹 登志夫,装丁:倉橋 三郎
講談社文庫
河竹黙阿弥の死後、長男をさしおき、娘・糸女が歌舞伎作者の家を継ぐ。相続や著作権をめぐるトラブルに巻きこまれながらも家を守る、生涯独身で謎的な女丈夫だった糸女。そして坪内逍遙の仲だちで、養嗣子・繁俊をむかえることになる。曽祖父・黙阿弥への想いと綿密な考証を重ねつつ、孫として演劇史家として渾身の力をこめ、糸女の「女の一生」と河竹家の歴史を描いた、実感的近代史。読売文学賞受賞の名作。
電子あり
この人・この母
この人・この母
著:上坂 冬子,装丁:菊地 信義,装画:山下 昌也
講談社文庫
ここに登場するのは、素晴らしいおふくろや、お母さんたちです。生まれや境遇、経てきた苦労の数々は、みんな千差万別ですが、共通点はただ一つ……何かに向けて親が一途に生きていけば、子どもたちは勇気づけられ逞しく育っていく、ということ。型破りの愛情で結ばれた感動的な、この13組の母と子の素敵な関係。自分も10人兄妹の大家族に生まれた著者が、親と子のつながりの大切さを説く。楽しいエピソードがいっぱいで、小沢征爾・王貞治・畑正憲らには、こんな素敵なお母さんがいたという新鮮な驚きも。作家やタレントなど有名人13人のお母さんが語る、子育ての記録。おふくろ、万歳! 
電子あり
女の国になったカンボジア
女の国になったカンボジア
著:大石 芳野,装丁:木幡 朋介
講談社文庫
ポル・ポト大虐殺の事実を現地取材で確認、虐殺した側の人間の深層にも迫る衝撃の記録。大虐殺の真実を追求した衝撃のレポートーー世界で最初にポル・ポト軍の大虐殺を確認! 難民の話はほんとうだった。到る所に虐殺現場があった。実際に目の前で発掘してもらった穴からは、痛ましい白骨の山が現われた……。カンボジア人がカンボジア人を大量虐殺した事実を、みずから各地で直接取材と遺体発掘で確認して世界に先がけて報道し、さらに虐殺する人間の深層に迫った衝撃の書。ポル・ポト政権(1975~79年)の大虐殺をいちはやく現地で取材して、写真と文とでその事実を明らかにし、虐殺したポル・ポト派幹部の証言も得て迫る衝撃のレポート。
電子あり
日本の野生動物
日本の野生動物
著:小原 秀雄,著:田中 豊美,装丁:菊地 信義,装画:田中 豊美
講談社文庫
消えゆく日本の野生動物たちの素顔。日本のどこに、どんな野生動物がいて、彼らはいまどんな暮らしをし、どんな世界を持っているのか――失われゆく日本の自然のなかで生息しつづける野生動物のきびしい現実――その世界を訪ね、素顔をのぞく。生態画家・田中豊美の流麗なペン画が冴える動物学者によるフィールド・ガイド。
電子あり
マッチ箱の人生
マッチ箱の人生
著:阿刀田 高,解説:竹田 真砂子,装丁:菊地 信義,装画:畑農 照雄
講談社文庫
列車の隣席に坐った女は、奈緒子がマダムをする店のマッチを手にしていた。作り立ての、しかも3人の客にしか渡していないマッチが、なぜ見知らぬ女の手に?その上、マッチ箱には、口紅のついたタバコの吸いがらが1本。その意味するところは?ブラック・ユーモアの秀作集。
電子あり
ソヴィエト見聞録
ソヴィエト見聞録
著:大蔵 雄之助,解説:鈴木 明,装丁:菊地 信義,装画:サトウ サンペイ
講談社文庫
「マルコ・ポーロかオークラか」と言われるほどに、世界各国を社用私用で旅行してきた日本人特派員・大蔵雄之助は、ソヴィエト国内をできる限り這いずり回る決意をした。かくて1000日足らずの滞在中に、外国人に開放されている地域のほとんどを見学し、開放されている自動車道路の9割を走破するなどの大活躍!
電子あり
煙の殺意
煙の殺意
著:泡坂 妻夫,解説:二上 洋一,装丁:菊地 信義,装画:レオ 沢鬼
講談社文庫
騙し絵的な奇抜なトリックと知的推理を満載人を殺したと自首して来た不思議な青年の本音は?(煙の殺意),三十年前に起こった事件を解決した名僧の奇妙な話(狐の面)など,傑作短編推理小説8編を収録.
絵本トマトジュース
絵本トマトジュース
著:大橋 歩,装丁:菊地 信義,装画:大橋 歩
講談社文庫
トマトジュ-スシリ-ズ,暮しのハウツ-編洗濯,髪の手入れ,ス-プのこと…等々からなんとボ-イフレンドの取り扱い方まで,くらしに夢を運ぶ,ちょっとしたアイデアを絵入りでおおしえする,カラ-絵本
老子
老子
著:老子,訳:木村 英一,訳:野村 茂夫,装丁:菊地 信義,装画:シックス
講談社文庫
老子研究の第一人者による名訳と懇切な解説「天網恢恢疎にして失わず」「無爲にして化す」「天下の万物は有より生じ,有は無より生ず」.老子は同時代の孔子・儒教思想を否定した古代自由思想の巨星である
開かない花
開かない花
著:黒岩 重吾,解説:武蔵野 次郎,装丁:菊地 信義,装画:浜野 彰親
講談社文庫
学生運動に熱中し、中小企業に就職後も労働運動をしてクビになり、会員制クラブのマネージャーになった津村の前に現われた悠子は、悲しい運命の女であった。男から男を転々としながら彼女が求めていたものは、いったい何であっただろう。美女の奇妙な行動に秘められた悲劇。両親から受けついだ自分の血を呪いながら……。という表題作など、傑作6編を収録。現代社会をたくましく生きる庶民の男と女のバイタリティを描いた、興味尽きない1冊。
電子あり
シゾイド人間
シゾイド人間
著:小此木 啓吾,装丁:菊地 信義,装画:長 新太
講談社文庫
調子がよく、それぞれの場面にふさわしい人物を演じてはいるが、ぶつかり合ったり争ったりすることを通しての、激しい愛や憎しみの結びつきがない――同調的引きこもりという、現代人の心理特性を鮮やかに分析して「シゾイド(分裂)人間(schizoid person)」像を提示し、人間の心の成り立ちをさぐる、話題の名著。抑うつ人間・モラトリアム人間・シゾイド人間と変わりゆく現代人の心理を鋭く分析し、その日本的特性を具体的にさぐって、新しいタイプの人間たちを鮮やかに描く。現代人の典型「分裂人間」を初めて説く!
電子あり